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2025.03.19
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日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安とは?融資を通るためのポイントも解説

日本政策金融公庫は、民間の金融機関からの融資を受けるのが難しい中小企業や個人事業主、これから事業を始める人を対象に、融資制度を提供しています。

しかし、運転資金の融資を受けるには審査が必要で、希望する金額を満額借りられなかったり、場合によっては融資を断られる可能性もあります。

本記事では、日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安について紹介します。

他にも「日本政策金融公庫の融資を通るためのポイント」や「日本政策金融公庫から運転資金の融資を受けるメリット・デメリット」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安について理解を深めてみてください。

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安については、業種によって異なりますが、一般的には運営コストの3〜6ヶ月分が目安とされています。

これは、事業が安定するまでにおよそ半年ほどかかるケースが多いことが挙げられます。

例えば、飲食業のように日々現金収入が得られる業種では、運転資金は3ヶ月分程度で足りる場合が多いです。

一方で、売上の入金までに時間がかかるソフトウェア開発業などの業種では、6ヶ月分程度の資金が必要になることが一般的です。

このように、事業を開始したばかりの頃は、売上が安定せず、経費が収益を上回ることが少なくないため、十分な運転資金を準備しておくことが重要です。

日本政策金融公庫の融資を通るためのポイント

日本政策金融公庫の融資を通るためのポイントについては、以下の6つが挙げられます。

  • 説得力のある資金計画を立てる
  • 現実的な事業計画書を作成する
  • 滞納や延滞をしない
  • 自己資金を準備する
  • 面談では熱意を持って伝える
  • これまでの経験をアピールする

それぞれのポイントについて解説していきます。

説得力のある資金計画を立てる

日本政策金融公庫の融資を受けるためには、資金の使い道を明確にし、しっかりとした資金計画を立てることが重要です。

資金の用途が曖昧だと、融資の必要性が十分に伝わらず、審査に通らなかったり、希望額より少ない融資しか受けられなかったりする可能性があります。

そのため、融資を申し込む際は、資金の使途を具体的に示し、見積書や資金繰り表などの資料を準備して根拠を示すことが求められます。

また、事業開始後の売上や仕入れ、経費の見通しを明確にし、資金の流れを把握することも重要です。

審査では、融資を受けた後に適切に資金を運用し、返済できるかどうかが重視されるため、具体的で説得力のある資金計画を作成することが大切です。

現実的な事業計画書を作成する

審査を通過するには、事業計画書に現実的な内容を記載することが重要です。

融資を申し込む際には事業計画書の提出が求められますが、見た目が整っているだけでは十分ではなく、計画の実現可能性がしっかりと示されていなければ信頼を得ることはできません。

そのため、どのような事業を展開するのかを明確に示すことが不可欠です。

例えば、事業の具体的な内容を詳しく説明し、実際に取引が見込める企業のリストを掲載するなど事業の実現性を裏付ける情報を盛り込むことが求められます。

計画の確実性を高めるためにも、客観的なデータや根拠を示し、審査担当者が納得できる内容に仕上げることを意識しましょう。

滞納や延滞をしない

融資の審査を通過するためには、普段から支払遅延や滞納をしないことが重要です。

特に日本政策金融公庫の審査では、申込者の信用情報が詳しくチェックされるため、過去の支払い状況が悪いと融資の承認が難しくなります。

円滑に融資を受けるためには、税金の未納や公共料金、各種ローン、クレジットカードの支払遅延を避けることが大切です。

万が一、これまでに支払いの遅れや滞納があった場合、自身の信用情報を確認することが可能です。

信用情報はCIC、JICC、KSCといった信用情報機関で管理されており、それぞれの機関に情報開示を請求することで、自分の信用状況を把握できます。

しかし、信用情報の開示には一定の手数料が発生するため、事前に各機関の手続き方法を確認した上で申請するとスムーズに進められます。

自己資金を準備する

日本政策金融公庫の審査を通過しやすくするためには、融資希望額に見合った自己資金を準備することが重要です。

一般的に、自己資金の3〜4倍程度の融資額が上限の目安とされているため、特に多額の融資を希望する場合は、それに応じた自己資金を確保する必要があります。

手元の資金が不足している場合は、貯蓄を増やしたり、追加の資金調達方法を検討したりするなど、自己資金を充実させる工夫をすることが大切です。

面談では熱意を持って伝える

融資の面談では、担当者に対して自分の言葉で熱意を伝えることが重要です。

特に、どのように社会に貢献していきたいかを具体的に説明することが求められます。

他の人の成功事例をそのまま引用したり、曖昧な説明に終始したりすると、担当者に不信感を与えてしまい、審査に通過できない可能性があります。

面談では、以下の項目を質問されることが一般的です。

  • 経営者としての経験や起業・開業のきっかけ
  • 事業の強み
  • 顧客をどう開拓するか
  • 売上や利益の見通し
  • 自己資金や借入状況

これらの質問に対して具体的に答えられるよう、しっかり準備しておきましょう。

また、業種によっては、担当者が実際に店舗や事務所を訪問するケースもあるので、面談の準備と並行して、店舗やオフィスの整備も進めておくことが大切です。

これまでの経験をアピールする

日本政策金融公庫の審査を通過しやすくするためには、これまでの事業経験をしっかりとアピールすることが重要です。

過去に何らかの形で関わった業界での起業・開業を計画している場合、具体的な実績や知識がある場合は、事業計画に説得力を持たせることができます。

そのため、まったく未経験の分野で新たに事業を始めるケースと比べて、審査の通過率が高くなる可能性があります。

また、実際に経営の経験がなくても、同じ業界での勤務経験や関連スキルの習得、資格の取得などは審査を有利に進める要素になります。

こうした実績を具体的に示すことで、事業の成功可能性を裏付ける材料となり、融資を受けられる可能性を高めることができます。

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受けるメリット

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受けるメリットについては、以下の4つが挙げられます。

  • 実績が無くても申し込み可能
  • 長期間で返済計画を立てられる
  • 保証人や担保が無くても申請できる
  • 金利が低い

それぞれのメリットについて解説していきます。

実績が無くても申し込み可能

日本政策金融公庫は、実績がなくても申し込みが可能なので、一般的な銀行や信用金庫に比べると、比較的申し込みやすい傾向があります。

利用する融資制度や申込者の状況によって異なりますが、特に創業初期の段階でも申請しやすい点は、多くの事業者にとって大きなメリットとなります。

実際に、銀行や信用金庫などの民間金融機関でも創業者向けの融資制度は用意されていますが、審査基準が厳しく、融資を受けるのが難しいのも事実です。

このように、実績が無い状態で融資を受けたい場合には、日本政策金融公庫の融資を活用することを検討することをおすすめします。

長期間で返済計画を立てられる

日本政策金融公庫の融資制度では、比較的長めの返済期間が設定されることが多いです。

返済期間が短いと毎月の返済額が大きくなりやすいので、余裕を持った返済計画を立てたい方にとっては、この制度が有利に働きます。

また、返済期間を長めに設定することで月々の返済負担を抑えることが可能なため、資金繰りに余裕を持たせることができます。

しかし、返済期間が長くなるほど支払う利息の総額が増えるため、必ずしも最長期間を選ぶのが最適とは限らないので注意が必要です。

保証人や担保が無くても申請できる

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、基本的に保証人を必要としないため、保証人を用意することに不安を感じる方にメリットになります。

例えば、一般的な金融機関で事業資金の融資を受ける際には、代表者が保証人になることを求められるケースが多いです。

一方で、日本政策金融公庫からの融資では、保証人なしでの借り入れが可能になったり、法人の代表者が連帯保証を負わなくてもよい制度を選ぶことができます。

金利が低い

日本政策金融公庫は、銀行や信用金庫と比べて、比較的低い金利で融資を受けられるのが特徴です。

実際の適用金利は、利用する融資制度や契約条件によって異なりますが、全体的に低めの金利設定となっている点は大きなメリットの一つと言えます。

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受けるデメリット

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受けるデメリットについては、以下の3つが挙げられます。

  • 繰り上げ返済ができない
  • 審査期間が長い
  • 担当者と支店を選べない

それぞれのデメリットについて解説していきます。

繰り上げ返済ができない

日本政策金融公庫の融資制度には、事業の規模によって異なる条件があり、繰り上げ返済ができないデメリットが挙げられます。

できるだけ早く返済を終えたいと考えている中小企業にとっては、この点がデメリットとなる可能性があります。

また、日本政策金融公庫に融資を申し込む際、事業規模によって対応する窓口が異なります

小規模事業者は「国民生活事業」の窓口を利用し、中小企業は「中小企業事業」の窓口が担当します。

どの融資制度を利用できるかは、最終的に日本政策金融公庫の担当者との相談によって決まります。

特に早期返済を視野に入れている中小企業の方は、申し込みの際に担当者に繰り上げ返済について確認し、適切な選択ができるよう相談することをおすすめします。

審査期間が長い

日本政策金融公庫に融資を申し込む際は、審査に比較的長い時間がかかる傾向があります。一般的に、審査完了までに約1ヶ月半ほど要することが多いですが、申込者の状況によっては、さらに審査期間が延びることもあります。

例えば、事業経験が浅かったり、自己資金が少なかったりする場合は、慎重に審査を進める必要があるので、通常よりも時間がかかる可能性があります。

さらに、提出書類に不備があると、修正・再提出が必要となり、その分審査期間が長引くことも考えられます。

もし、希望する時期までに融資を受けられるか不安がある場合は、早めに日本政策金融公庫の担当者に相談し、スムーズに手続きを進められるよう準備を整えるようにしましょう。

担当者と支店を選べない

日本政策金融公庫から融資を受ける際、申請者は支店や担当者を自由に選ぶことはできません。

支店は納税地の住所によって自動的に決まり、担当者の指名もできないので、申請者の状況によっては、不便に感じてしまうケースもあります。

日本政策金融公庫から運転資金の審査に落ちる原因

日本政策金融公庫から運転資金の審査に落ちる原因については、以下の3つが挙げられます。

  • ブラックリストに載っている
  • 事業計画の内容があいまい
  • 面談でアピールできていない

それぞれの原因について解説していきます。

ブラックリストに載っている

日本政策金融公庫の融資審査では、申請者の信用情報が重要な判断材料となるので、過去の信用履歴に問題があると、返済が滞るリスクが高いと判断され、融資が通らなくなってしまいます。

信用情報とは、クレジットカードやローンの利用履歴、支払いの遅延状況などを記録したものであり、金融機関が審査時に参考にするデータの一つです。

例えば、クレジットカードの支払い遅延が続いた場合、事故情報として信用情報機関に記録されてしまい、信用力が低いと見なされるため、融資の審査に通るのが難しくなります。

しかし、一度ブラックリストに載ったからといって、その状態が永続するわけではなく、一般的には5~7年程度経過すると信用情報が回復します。

自身の信用情報に問題があるかもしれないと感じた場合は、信用情報機関に開示請求を行い、事故情報の有無を確認しましょう。

万が一、事故情報が記録されている場合は、それが削除されるまで待つことが重要です。

事業計画の内容があいまい

融資を申し込む際に提出する事業計画書に矛盾や曖昧な点があると、日本政策金融公庫の審査に通らない原因となることがあります。

事業計画書は、事業の概要や戦略、収益予測などを整理し、事業の展開方法を示す重要な書類です。

もし計画の内容が不明確で、事業の成功が見込めないと判断されれば、融資の返済リスクが高いとみなされ、審査を通過するのは難しくなります。

融資担当者は、事業計画書を基に事業の将来性を評価し、融資の可否を決定します。

しかし、計画書の中に矛盾や曖昧な点があると、例えば売上予測や資金繰りの根拠が不十分になり、事業の信頼性が損なわれる可能性があります。

融資を受けるためには、事業計画書の内容が論理的かつ具体的であることが重要です。

そのため、提出前に事業の成長や収益につながる根拠が明確に示されているかを丁寧に見直し、不備がないか慎重に確認するようにしましょう。

面談でアピールできていない

日本政策金融公庫の融資審査に通らない理由の一つとして、面談時に事業への熱意を十分に伝えられないことが挙げられます。

融資審査の前には担当者との面談が行われるため、この場で事業計画やビジョンについて自信を持って説明できないと、事業の実現可能性に疑問を持たれ、融資が否決されることもあります。

面談では通常、事業計画書の内容に基づいて質問が行われるため、計画に記載した数値や根拠を論理的に説明できるよう準備することが重要です。

そのため、計画の裏付けとなる資料をしっかりと用意し、説得力のあるプレゼンテーションができるようにしておきましょう。

また、単に数字を示すだけでなく、事業への強い意欲や実現に向けた具体的な取り組みを伝えることが、融資に通るためのポイントと言えます。

開業時の運転資金の融資なら日本政策金融公庫がおすすめ!

今回は、日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安について紹介しました。

日本政策金融公庫から運転資金の融資を受ける目安については、業種によって異なりますが、一般的には運営コストの3〜6ヶ月分が目安とされています。

また、起業や開業を考えている方にとって有力な資金調達手段の一つです。

特に、民間の金融機関からの融資が難しい場合でも、日本政策金融公庫であれば融資を受けられる可能性がありますが、審査基準が特別に甘いわけではないため、しっかりと準備を整えた上で申し込むことが重要です。

今回の記事を参考にして、日本政策金融公庫の融資を受けてみてください。

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は 国税OB・元税務署長 が所属し、 確定申告・相続・会社設立・融資サポート・労務手続きなど 幅広いサービスを提供する税理士法人です。

全国からの 税務・労務相談実績 年間1,000件以上

税理士法人松本の強み

  • 税務署目線、税理士目線、お客様目線の三方良しの考え方でアドバイス
  • 過去の無申告分から税務調査、相続、会社設立まで幅広く対応可能
  • 融資や助成金、補助金の申請など資金調達サポートにも豊富な実績
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