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2023.12.14

国土交通省が進める建設業の社会保険加入の要件や未加入のリスクについて解説!

国土交通省が進める建設業の社会保険加入の要件や未加入のリスクについて解説!

建設業では、事業規模の小さな企業を中心に社会保険に加入していない事業者や労働者が少なくありません。
そのため、建設業に関わる労働者の中には、公的な社会保障を受けられず、病気や怪我の際に十分な治療を受けられないケースや年金がないために老後の資金に困窮するケースが出ています。
国土交通省では、社会保険未加入の建設業者に対し、社会保険加入を推進する対策を進めています。今回は、社会保険の概要や社会保険の加入要件、未加入時のリスクについてご説明します。

社会保険とは

社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つの保険制度の総称です。しかしながら、雇用保険と労災保険をまとめて労働保険と呼ぶため、健康保険、厚生年金保険、介護保険の3つをまとめて社会保険と呼ぶこともあります。
社会保険は、個人で加入するものではなく勤務先を介して加入するものです。
したがって、従業員を雇用する事業所は社会保険に加入する義務があります。
健康保険、厚生年金保険、介護保険の保険料は、事業主と被保険者が半分ずつ負担することとなり、雇用保険も割合は異なりますが事業主と被保険者が負担をします。労災保険については、被保険者の負担はなく、事業主のみが負担をします。

建設業者が加入すべき社会保険とは

介護保険の加入は、65歳以上または40歳~64歳までの医療保険加入者に限定されるものであるため、ここでは、社会保険を健康保険と厚生年金保険、雇用保険に限定してご説明します。
建設業者や建設業で働く人が加入すべき社会保険は、事業所の規模や形態によって次のように異なります。健康保険、厚生年金保険、雇用保険は勤務先が加入手続きを行いますが、国民健康保険と国民年金は個人で加入するものです。

国土交通省が建設業の社会保険加入を推進する理由

国土交通省では建設業の事業者と労働者を対象に、社会保険の加入を勧める対策を進めています。この背景には、建設業界の社会保険加入割合の低さが関係しています。
国土交通省が行う公共事業労務調査によると、平成23年10月時点で、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3保険に加入している企業の割合は84%でした。
しかし、建設業界を挙げて社会保険加入対策を進めた結果、令和元年10月の企業の3保険加入割合は98%にまで高まっています。一方、労働者の3保険加入割合は、平成23年には57%、令和元年には88%となっています。(参照元:国土交通省 不動産・建設経済局建設市場整備課「建設労働者の労働者別社会保険加入割合が上昇~公共事業労務費調査における社会保険加入状況調査結果を公表~」)

建設業における社会保険未加入問題が招くリスク

社会保険未加入の建設業者・建設労働者が多ければ、建設業で働く人は万が一の病気の時や高齢になった時の保障を受けられないという印象を与えます。建設業の労働環境が良好でなければ、建設業界への新たな人材の流入が減少し、建設業界の人材不足を促進させてしまうでしょう。
また、社会保険の加入義務があるにもかかわらず社会保険に加入していない建設業者は、本来負担すべき社会保険料を負担する必要がないため、その分低い価格で工事を受注することができます。そのため法令を遵守し、社会保険に加入している建設業者が価格の面で不利になってしまうという現象も起きています。
社会保険未加入問題が続くと、建設業界で働く人材の確保と今後の建設業の健全な発展にマイナスの影響を与えるリスクがあるのです。

法人の従業員の社会保険の加入要件

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入が必要な従業員は、次の要件に該当する人です。
・常時雇用されている従業員
・週の所定労働時間が常時雇用されている従業員の3/4以上、かつ1ヶ月の所定労働日数が常時雇用されている従業員の3/4以上である従業員

常時雇用されている従業員とは

・期間の定めのない雇用契約を結んでいる従業員
・過去1年以上継続して雇用されている、または1年以上の継続雇用が見込まれる従業員
正社員やパート、アルバイトなどの名称にかかわらず、上のいずれかに該当する従業員は常時雇用されている従業員に該当します。

短時間労働者の社会保険適用要件

勤務日数や勤務時間が限定されている短時間勤務のパートやアルバイトの従業員の場合も、週と1ヶ月の所定労働時間が常時雇用されている従業員の3/4以上であれば、社会保険の適用対象となります。
また、2023年現在は、被保険者の総数が常時100人を超える事業所の場合は、以下の条件を満たす短時間労働者も社会保険の適用対象です。
・週の所定労働時間が20時間以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・賃金月額が88,000円以上
・学生ではない
尚、この社会保険の適用要件は2024年10月以降、被保険者の総数が常時50人を超える企業まで拡大される予定です。

建設業の事業者と労働者が社会保険の未加入でいるリスク

社会保険に加入すれば、事業者も労働者も社会保険料を負担しなければなりません。そのため、社会保険に加入しない事業者も多かったのです。しかし、社会保険に未加入のままでいると次のようなリスクが発生します。

行政から指導が入る

社会保険に加入していないと、建設業の許可申請や更新の際、経営事項審査の際などに社会保険に加入するよう指導を受けます。また、事業所への立ち入り検査を行った際にも加入指導がなされます。

強制加入措置や監督処分を受ける

社会保険に加入しないまま事業を続けていると、社会保険部局に通報を受け、強制加入の措置を受ける可能性があります。また、場合によっては建設業担当部局から監督処分を受けることもあります。

現場入場が認められない

国土交通省が公表している「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、社会保険未加入企業は下請業者として選定すべきではないとされています。さらに社会保険の加入が確認できない場合は、現場への入場を認めないと示しています。つまり、社会保険未加入の建設業者や建設労働者は、仕事ができなくなってしまうのです。

社会保険の加入手続きに困った場合は専門家に相談を

建設業界では、社会保険の加入を促進する対策が進められています。また、国から元請に対し、下請業者から法定福利費(社会保険料)を含んだ契約をする旨の指導も行われています。社会保険料を含まない請負契約は建設業法に違反する恐れもあり、元請に社会保険料の確保を求めることができるのです。社会保険未加入の場合は、早急に必要な手続きを取り、社会保険に加入するようにしましょう。
また、社会保険の適用要件は見直しが続いており、2024年からはまた新たな要件が適用されます。
社会保険の加入手続きや社会保険料の計算等にお困りの場合は、建設業のサポート経験を豊富に持つ社会保険労務士法人松本までお気軽にご相談ください。

まとめ

建設業会では、社会保険の未加入率が高かったため、国を挙げて社会保険加入を推進する対策を進めています。社会保険に加入していなかった場合、下請業者として選定されない可能性があり、さらに現場への入場が認められないリスクがあります。つまり、社会保険未加入であった場合、建設業の仕事を受けられない可能性が高くなるのです。
社会保険にまだ加入していない場合には早急に加入手続きを取りましょう。建設業の社会保険についてご不明な点があれば、お気軽に社会保険労務士法人松本の無料電話相談をご利用ください。

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