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パーソナルジムの開業で失敗するケースとは?対処法や必要な資金の目安、調達方法まで詳しく解説

読了目安時間:約 6分
フィットネス・スポーツジム業界は、経験を積んだ後に独立し、起業するケースも少なくありません。
しかし、数多くのジムがある中で、競争に負けて経営に失敗するケースが多いのは事実です。
ジムの開業・運営を成功させるためには、開業資金や失敗例などを把握し、計画的に準備することが重要です。
ここでは、パーソナルジム開業に必要な資金の目安や調達方法、開業で失敗するケースや対処法まで詳しく説明していきます。
目次
パーソナルジムの開業は誰でも可能か?

フィットネス・スポーツジム業界は免疫力や基礎体力向上が見直される昨今において、需要が増え続けています。
そのような背景から、スポーツ経験がある方やジムで働いている方で、パーソナルジムの開業を考える方もいるでしょう。
では、パーソナルジムを開業することは誰でも可能なのでしょうか。
パーソナルジムの開業に必要な資格や開業までの流れについて、詳しく説明します。
パーソナルジム開業に必要な資格とは?
パーソナルジムの開業を目指している方で、資格取得が必要なのか気になる方も多いでしょう。
結論から言うと、パーソナルジムの開業自体に法律上の必須資格はありません。ただし、トレーニング指導を行う場合、十分な知識や経験が求められます。無資格でも開業は可能ですが、専門的な知識が不足していると、指導内容によっては利用者の安全面や信頼性に影響することがあります。
そのため、安全性や信頼性を高めるためにも、関連資格を取得しておくことをおすすめします。資格を持つことで、専門知識の証明となり、顧客からの信頼や安心感にもつながります。
パーソナルトレーナーとして活動するために、あると便利な資格として、以下のものがあります。
- NATA-ATC (米国アスレチックトレーナー協会認定アスレチックトレーナー)
- NSCA-CPT (米国国家体育能力協会認定パーソナルトレーナー)
- NESTA-PFT (米国NESTA認定パーソナルトレーナー)
- CSCS (米国国家体育能力協会認定ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト)
- JATI-ATI (日本トレーニング協会認定アスレチックトレーナー)
- FCM技能士(フィットネスクラブ・マネジメント)
パーソナルジム開業の流れ
パーソナルジムを開業するにはさまざまな手続きや準備が必要であるため、流れを把握し、計画的に行っていきましょう。
具体的には、以下の流れで進めていきます。
- ジムのテーマや顧客層を決める
- 開業する場所を選定する
- 開業資金の調達
- 物件の契約
- 開業届を提出
- 事業計画書の作成
- 集客活動
- 開業
まずは、開業するジムのビジネスモデルやターゲット設定を行い、それをもとに開業する場所の選定や資金調達、集客へと進めていきます。
開業後も運営システムの改善や集客活動を継続的に行なっていく必要があるでしょう。
パーソナルジム開業で失敗しがちなケースと対処法

全てのジム運営が成功するとは限らず、せっかくパーソナルジムを開業したとしても、経営がうまくいかず、続けていくのが難しくなってしまうケースも多く見られます。
では、なぜ失敗してしまうのでしょうか。
ここでは、パーソナルジムの開業で失敗する要因と、対処法をご紹介しますので、参考にしてください。
ブランディングに失敗
近年数多くのパーソナルジムが存在しており、事業を成功させるにはジムのブランディングを確立し、競合との差別化を図ることが重要です。
ブランディング戦略が不明確なまま開業してしまうとジムのコンセプトが定まらず、集客に繋がらない可能性があります。
さまざまな種類の中から自社のジムを選んでもらうためには、他のジムとは異なる特徴や魅力を明確にし、しっかりアピールしなければなりません。
どのようなコンセプトのジムにし、どのようなサービスを提供するのかを決定したうえで、集客方法を考える必要があります。
集客力が不十分
パーソナルジム経営で多くの人が頭を悩ませるのが集客の問題です。
顧客を獲得するためにはターゲット層が利用するメディアやプラットフォームに合わせたマーケティング活動を行う必要がありますが、ターゲットが定まっていなかったり、マーケティング手法が適切でなかったりすると、安定した集客が見込めず、経営不振に陥ってしまうかもしれません。
集客を成功させるには、まず自社のターゲット層を明確にし、SNSマーケティングやSEO対策、Google広告やチラシ配布など、ターゲットに合わせた集客戦略を練ることが重要です。
また、リピーターを増やすためにも顧客満足度の高いサービスの提供や紹介を促す仕組みづくりも必要になります。
価格が高すぎる・低すぎる
入会金や月会費などが収入源となるパーソナルジムでは、価格のバランスが悪ければ売上が下がってしまいます。
価格が高ければ客層が限定的になり、安すぎると会員数が多くてもビジネスが継続させられなくなる場合があるので、利益を考慮しながら競合他社と比較し、価格を設定することが重要なポイントです。
ジムを運営する場所によっても価格帯が異なるため、価格設定をする際はしっかりと市場調査し、顧客のニーズに基づいて適正価格を設定しましょう。
複数店舗の経営を考える
パーソナルジムの開業において、はじめから複数店舗展開をすると、さまざまな要因で失敗リスクが高まります。
たとえば、開業するにあたっての資金や人材の不足、複数店舗の品質管理や集客戦略の立て方など、考慮すべきことが多岐にわたり、事業規模が大きければ大きいほど経営の難易度が高くなります。
そのため、ジムの複数店運営を望んでいる方は、まずは小規模からスタートし、一店舗目の経営が軌道に乗った段階で他店舗展開を検討するのが望ましいです。
確定申告を忘れる
パーソナルジムの開業・運営において忘れてはならないのが確定申告です。
個人事業主として開業したパーソナルトレーナーは、税務署に確定申告を行う義務が生じます。顧問税理士と契約していない場合は、自ら経費処理を行い、確定申告書を作成して期日内に税務署に提出しなければなりませんが、業務に追われ申告手続きが疎かになってしまう人もいるでしょう。
確定申告書の提出が遅れたり、記入漏れやミスがあったりした場合には、税務署から追徴課税が課される恐れがあるため、注意が必要です。
自身で行う余裕がない場合や申告の仕方が分からない方は、税理士に依頼して確定申告を行うとよいでしょう。
パーソナルジムの開業資金の目安

パーソナルジムの開業において、どのくらいの資金が必要になるか気になる方も多いかと思いますが、個人指導を行うジムであれば、一般的に300〜500万円程度必要になると言われています。
小さい規模のジムであれば費用を抑えて開業ができますが、人を雇ったり、高額なマシンを導入したりすると、開業費用が1,000万円以上かかるケースもあります。
主な費用は以下のとおりです。
- 物件取得費用
- 内装費用
- 設備費
- 広告宣伝費
- 運転資金
それぞれ詳しくご説明します。
物件取得費用
物件取得費とは、ジムを運営する物件の賃貸契約時に掛かる費用であり、敷金・礼金・不動産仲介手数料・1~2か月分の家賃などがかかるのが一般的です。
物件取得費全体の相場は、家賃の6か月分程度とされており、家賃20万円の物件の場合は120万円程度の物件取得費がかかると覚えておきましょう。
内装費用
店舗運営に伴って、物件の壁紙・クロスの張り替え工事や空調工事、トイレのリフォーム、給排水工事などに掛かる費用も必要です。
内装費用は物件の広さによっても大きく異なりますが、100〜300万円程度必要になるケースが多いです。
居抜き物件を活用すれば、壁や床などをそのまま使える場合もあるため、内装費用を抑えることができます。
設備費
パーソナルジムの運営にはトレーニングマシンの導入が不可欠であり、その購入にかかる設備費も確保する必要があります。
マシンは種類や性能によって価格差があり、数十万円から数百万円する場合もあります。
設備費を安く抑えるために中古品を購入したり、大きなマシンをリースするなど、予算に合わせて選ぶのがおすすめです。
広告宣伝費
パーソナルジムの開業が決まったら、集客のための広告施策を検討する必要があります。
チラシの配布やウェブ広告、SNSマーケティングなど、さまざまな手段が選択でき、10〜30万円程度かかるのが一般的です。
ターゲット層に効果的にアプローチできる広告手段を選んだうえで、継続的に宣伝活動を行うことで、効果的な集客に繋がります。
運転資金
パーソナルジムに限ったことではありませんが、経営を継続するためには開業後も安定した運転資金が必要になります。
運転資金の主な内訳は以下のとおりです。
- 人件費
- 水道光熱費
- 消耗品費
- 賃料 など
パーソナルジムの運転資金は、開業する地域やジムの規模によっても異なりますが、目安として月30万円~80万円程度用意しておくのが無難です。
パーソナルジムの開業資金の調達方法

パーソナルジムの開業に必要な資金を調達するためには、以下の方法が考えられます。
- 自己資金
- 融資を受ける
- 補助金・助成金を利用する
- フランチャイズに加盟する
- クラウドファンディングを活用する
それぞれの特徴やメリット、注意点などをご紹介しますので、自身に最適な方法を選びましょう。
自己資金
自己資金を使ってのジム開業は、借入をする必要がないため、リスクが少ない方法です。
特に、パーソナルジムは競争率が高い業種であるため、開業しても集客に苦労し、経営破綻してしまうケースも多くあります。
仮に開業資金として多額の融資を受けていた場合、返済に困ってしまう恐れがあるので、余裕があれば自己資金で開業を進めると良いでしょう。
ただし、パーソナルジム開業には高額な費用がかかるため、全額自己負担でまかなえない場合は、一部を自己負担、残りを融資など他の資金調達方法で補うのがおすすめです。
融資を受ける
最も一般的な資金調達として、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける方法があります。
ただし、金融機関からの融資は審査が厳しい傾向にあり、一定の自己資金を持っていなかったり、ジムでの勤務経験がなかったりすると、融資を申し込んだとしても審査落ちしてしまう可能性が高いです。
開業に際して利用しやすい融資は、政府系の日本政策金融公庫が提供する新規開業向けの融資で、銀行の融資よりも審査が緩く、比較的低金利で融資を行なっているので利用を検討してみましょう。
補助金・助成金を利用する

パーソナルジムの開業でも利用できる地方自治体の補助金や助成金もあります。
補助金や助成金は融資と違い基本的に返済不要の支給型であるため、積極的に活用するのがおすすめです。
補助金を受けるには事業計画書などの書類を提出し、審査に通過する必要があり、受給後は報告書を提出しなければなりません。
ただし、高額な資金を受けることができない点や、受給までに時間がかかる点に注意しましょう。
フランチャイズに加盟する
パーソナルジムのフランチャイズを運営する本部の中には、加盟した人に対して開業資金の一部を援助する制度があるものもあります。
そのため、自己資金が不足している場合は、資金援助制度があるフランチャイズへの加盟も選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。
フランチャイズでは、ジムの開業に必要なプロセスは本部が用意されており、マニュアル化されているため、開業支援やノウハウ提供を受けられるメリットがあります。ただし、本部へのロイヤルティの発生や運営方針への制約が生じるなどのデメリットもあるため、契約条件や支援内容を十分に比較検討したうえで慎重に判断する必要があります。
クラウドファンディングを活用する
パーソナルジム開業に必要な資金調達方法として、近年利用者が増えているクラウドファンディングを活用するという選択肢もあります。
クラウドファンディングはインターネット上で不特定多数の支援者から資金を集める仕組みで、資金調達と同時に顧客やファンを獲得できるなどのメリットがあります。
効果的なプロモーションを行うことが成功の鍵です。
ただし、リターンが履行できない場合、信頼を損なう可能性があるので計画倒れにならないよう注意が必要です。
パーソナルジム開業前からの準備が大事!

資格がなくても開業でき、効果的な集客ができれば安定的な売上を目指すことも可能です。
ただし、成功させるためには、ジムのコンセプトやターゲット層を明確にし、それをもとにしたアプローチを行うことや、将来を見通した資金計画、資金調達が不可欠です。
今回ご紹介した失敗しがちなパターンや対処法を参考に、開業を目指していただけたら幸いです。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。