2025.04.26

起業・開業

バー開業に必要な費用とは?成功させるポイントについても徹底解説

バー開業

読了目安時間:約 7分

バー開業を成功させるには、必要な費用や準備などを把握しておくことが重要です。

明確なプランがないままに始めてしまうと、短期間で経営が立ち行かなくなる懸念もあります。

本記事では、バー開業に必要な費用について解説していきます。

他にも「バー開業に必要な準備」や「バー開業を成功させるポイント」についても解説しますので、ぜひこの記事を参考にして、バー開業を成功させましょう。

バー開業に必要な費用とは?

バー開業に必要な費用とは?

バー開業に必要な費用については、主に以下の2つが挙げられます。

  • 費用①:初期費用
  • 費用②:運転資金

それぞれの費用について解説していきます。

費用①:初期費用

バーを開業する際には、一般的に500万円から1,000万円程度の初期投資が必要だとされています。

主な支出には、以下が挙げられます。

  • テナント物件の保証金
  • 家賃支払い
  • 食器類
  • 什器備品

バーの場合、空間の雰囲気作りも大切なため、内装工事に多額の費用がかかることも少なくありません。

場合によっては、内装工事だけで100万円以上かかることもあります。

費用②:運転資金

運転資金とは、毎月発生する家賃や仕入れ費、人件費、通信費などの「事業を日々運営していくために必要な資金」を指します。

一般的に、開業直後から継続的にお店が満席になるケースは稀であるため、半年分程度の運転資金を確保しておくと、経営面で安心です。

運転資金の目安は、毎月50万円から100万円程度とされています。

なかでも家賃の割合が大きいため、コストを抑えるには居抜き物件の利用を検討するのも一つの方法です。

しかし、物件の立地や規模によっては、想定以上の家賃負担が発生する可能性もあるので、十分に見積もっておくことが重要です。

バー開業に必要な届出・申請

バー開業に必要な届出・申請

バー開業に必要な届出・申請については、以下の4つが挙げられます。

  • 飲食店営業許可
  • 防火管理者選任届出
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届
  • 特定遊興飲食店営業許可申請

それぞれの項目について解説していきます。

飲食店営業許可

バーを開業するためには、飲食店営業許可の取得が必要です。

この許可を得るには、まず食品衛生責任者を選任し、飲食店営業許可申請書と必要な添付書類を所轄の保健所に提出する必要があります。

また、食品衛生責任者の配置に加え、店舗の設備や構造が一定の基準を満たしていることも求められます。

設備・構造が要件に適合しているかどうかについては、事前に保健所へ相談して確認しておくとスムーズにおこなうことができます。

さらに、飲食店営業許可の取得には申請から発行まで数週間かかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めることが大切です。

参考:営業許可業種について(食品衛生法施行令第35条で定める34業種)

防火管理者選任届出

バーを開業し、スタッフを含めた収容人数が30名を超える場合には、防火管理者の資格を取得して防火管理者選任届出を行う義務があります。

各都道府県の消防庁のウェブサイトから選任届出書をダウンロード・印刷します。

必要事項を記入した後、管轄の消防署に提出する流れとなります。

提出の際には、届出書を2部(消防署保管用と事業所保管用)準備し、それぞれ同一の内容で作成する必要があります。

また、選任する防火管理者本人の「防火・防災管理講習修了証(手帳)」の提示も求められるので、事前に準備しておきましょう。

参考:防火・防災管理者選任(解任)届出書 / 消防計画作成(変更)届出書 | 東京消防庁

深夜酒類提供飲食店営業開始届出

飲食店で、午前0時以降にお酒を提供しながら営業する場合、そのバーは深夜酒類提供飲食店と分類されます。

このような営業を新たに始める場合には、事前に所轄の警察署へ深夜酒類提供飲食店営業開始届出を提出する義務があります。

手続きの流れとしては、各都道府県警察の公式サイトから必要な「届出書」をダウンロード・印刷し、必要事項を記入のうえ、所轄の警察署へ直接提出します。

届出は営業を開始しようとする日の10日前までに行わなければならないため、余裕を持って準備を進めることが重要です。

参考:深夜酒類提供飲食店営業(様式一覧)|警視庁

特定遊興飲食店営業許可申請

バーでお酒を提供しながら、音楽やダンスなどの遊興を伴う営業を行う場合には、特定遊興飲食店営業許可が必要になります。

許可を得るためには、店舗が病院や図書館など一定の公共施設から所定の距離を保っていることが求められます。

また、営業者本人についても、過去に刑事罰を受けた場合、一定期間が経過している必要があるなど、営業を許可できない条件も細かく定められています

申請にかかる手数料は、一般的なケースでは24,000円となっており、特に新規開業の場合はこの費用が発生します。(あらかじめ所轄の警察署などに確認してください。)

条件によっては追加費用が生じることもありますので、事前に確認しておくようにしましょう。

参考:風俗営業、特定遊興飲食店営業許可申請(欠格事由・必要書類)|警視庁

バー開業に必要な資格

バー開業に必要な資格

バー開業に必要な資格については、以下の2つが挙げられます。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者

それぞれの資格について解説していきます。

食品衛生責任者

飲食店において提供される飲食物の衛生管理を担う役割として、食品衛生責任者という資格が存在します。

この資格は、食品衛生法第51条により、飲食店を営む際に必ず1名以上配置しなければならないと定められています。

特にバーのような業態では、オーナー自身が店舗に常駐するケースも多く、そのためオーナーが直接この資格を取得していることも多いです。

食品衛生責任者の資格は、各地の食品衛生協会などが主催する養成講習会を受講することで取得可能なので、事前に講習会のスケジュールを確認しておくことをおすすめします。

参考:食品衛生責任者について|一般社団法人東京都食品衛生協会

防火管理者

防火管理者とは、店舗などで火災が発生した場合に、被害を最小限に抑えるために必要な資格です。

店舗の広さや利用状況によっては、防火管理者の設置が法律で義務づけられています

概ね1日間の講習を受講することで取得可能であり、受講にかかる費用はおおよそ7,000円から8,000円となっています。

講習の受講には事前申し込みが必要ですので、日本防火・防災協会などの公式ホームページでスケジュールを事前に確認しておくようにしましょう。

参考:防火管理者について|一般財団法人日本防火・防災協会

バー開業に必要な準備

バー開業に必要な準備

バー開業に必要な準備については、以下の6つが挙げられます。

  • スタッフ
  • 仕入れ先
  • フードメニュー
  • キャッシュレス決済端末
  • 店のコンセプト
  • 物件探し

それぞれの準備について解説していきます。

スタッフ

バーの運営において、店舗の広さが10~15坪ほどであれば、オーナーひとりでも十分対応できるケースが多いですが、それ以上の規模となると、人材の確保が必要となることも多いです。

スタッフを紹介してもらえるツテがない場合は、求人サイトなどを活用して積極的に採用活動を進めることをおすすめします

仕入れ先

バーで提供するお酒を揃えるためには、まず信頼できる仕入れ先を見つけることが重要です。

バー経営においては、お酒の品質も店の評価を左右する要因となる場合もあるため、慎重に選ぶようにしましょう。

コストを抑えつつ良質な商品を確保するには、業務用酒類を専門に扱う卸業者との取引が有効です。

もし周囲にバーや酒販店を経営している知人がいれば、紹介を受けるとスムーズに進みます。

知り合いがいない場合でも、各酒販会社が主催する試飲会などのイベントに参加することで、直接商品を確かめながら仕入れ先を探すことも可能です。

フードメニュー

バーであっても、サンドイッチやフライドポテトといった軽食に加え、その店ならではの特製カツカレーのような看板料理を提供しているお店は多く存在します。

他のバーとの差別化を図るには、オリジナリティあふれるフードメニューを用意しておくと効果的です。

また、ドリンクメニューについても、オリジナルカクテルや特別なラインナップを考案することで、競合店との差を広げることができます

ここでしか味わえない一品を目指して、日々工夫と改良を重ねていくことが重要です。

キャッシュレス決済端末

バー開業に必要な準備の一つとして、キャッシュレス決済端末が挙げられます。

ここ数年、コンビニエンスストアや飲食店を中心に、キャッシュレス決済の導入が急速に進んでいます。

特に新型コロナウイルス感染症の影響により、現金を使わない支払い方法への移行が一段と加速しました。

顧客の利便性などを考えると、キャッシュレスの導入も視野に入れる必要があるかもしれません。市場には多様なキャッシュレス決済端末が提供されているため、店舗を開業する前に、自店に最適な端末を選定し、導入準備を整えておくことが大切です。

店のコンセプト

バーを開業して成功を収めるために、最も重視すべき要素はコンセプト作りです。

コンセプトとは、どんな店舗を、どんなターゲット層に、どの場所で、どのようなスタイルで、どの価格帯で提供するのかを明確に描いた設計図のようなものです

店のコンセプトを明確にすることによって、ターゲット層や内装デザイン、メニュー、サービス内容、さらには価格設定まで一貫性を持たせることができます。

物件探し

バーは主にお酒を楽しむ人々が訪れる場所であるため、アクセスの良さは重要になります。

電車やバスなどの公共交通機関が利用しやすい場所、タクシー移動が便利なエリアを選ぶようにしましょう。

例えば、仕事帰りのビジネスパーソンをメインターゲットにするならオフィス街、高級志向の顧客を狙うならハイエンドな住宅街付近が候補になります。

このように、想定する客層を踏まえたうえで、出店する場所を慎重に検討するようにしましょう

バー開業を成功させるポイント

バー開業を成功させるポイント

バー開業を成功させるポイントについては、以下の4つが挙げられます。

  • マーケティング活動を実施する
  • 店舗の雰囲気作りに力を入れる
  • リピーターを増やす
  • 他店舗との差別化を行う

それぞれのポイントについて解説していきます。

マーケティング活動を実施する

バーを成功へ導くために欠かせない要素の一つが、マーケティング活動です。

マーケティングは、顧客に価値を届けることになり、実際に繁盛しているバーの多くは、この価値提供を得意としています。

具体的な価値とは、提供されるドリンクやフード、店内の雰囲気、サービスのクオリティ、スタッフの接客態度など、様々な要素が組み合わされたものです

さらに、成功している店舗は、これらの魅力を潜在的な顧客にもきちんと伝え、効果的に情報発信を行っています。

店舗の雰囲気作りに力を入れる

バー開業を成功させるポイントとして、店舗の雰囲気作りに力を入れるようにしましょう。

実際に、バーは夜に営業する飲食店という印象が根強く、入りにくいと感じる人も少なくありません。

特に若い世代では「大人が集う特別な空間」と捉えられ、足を運びづらい存在になりがちなのも事実です。

幅広い年代のお客様に来店してもらうためには、初心者でも気軽に入店できるような雰囲気作りが欠かせません。

顧客の幅が広がれば、自然と新しい常連さんが生まれるチャンスを増やすことができるので、初めての顧客向けの工夫を取り入れることをおすすめします

リピーターを増やす

成功しているバーの多くは、リピーターの獲得に力を入れ、着実に成果を上げています。バーに限らずさまざまな業種に共通することですが、新規顧客を取り込むには、既存顧客を維持する以上に労力がかかるのが一般的です。

そのため、既存の顧客との関係を大切にし長期的な収益を高めることが、安定した経営基盤を築く鍵となります。

リピーターを増やすために、誕生日特典クーポンやスタンプカードを導入しているバーも多く見られます。

また、LINE公式アカウントやInstagramといったSNSを活用し、顧客とのつながりを深めている店舗も存在します

このように、積極的な取り組みを行うことによって、常連客の確保につながります。

他店舗との差別化を行う

バーを開業する際、周囲に競合店が多い場合は、他店舗との差別化を行うようにしましょう。

他店と一線を画すために、独創的なコンセプトを掲げたり、自家製メニューやオリジナルカクテルを開発するなど、自店ならではの魅力を作り上げることが重要です。

他店の成功事例をそのまま真似るのではなく、自分たちの強みを生かした独自路線を歩むことが、リピーター獲得につながります。

バー開業を成功させよう!

バー開業を成功させよう!

今回は、バー開業に必要な費用や準備を紹介しました。

未経験者でもバーをオープンすることは可能ですが、資金計画や資格取得など、事前の準備をしっかり整えることが成功への第一歩となります。

バー経営を軌道に乗せるには、常連客を増やす工夫や、居心地の良い雰囲気づくり、コンセプトに合った立地選定、さらに他店との差別化を意識することが重要なポイントになります。

今回の記事を参考にして、バー開業を成功させましょう。

‐免責事項‐

当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

税務・労務等のバックオフィス支援から
経営支援まで全方位でビジネスをサポート

本気で夢を追い求めるあなたの会社設立を全力サポート

  • そもそも個人事業と会社の違いがわからない
  • 会社を設立するメリットを知りたい
  • 役員報酬はどうやって決めるのか
  • 株式会社にするか合同会社にするか
といったお悩みを抱えている方は、まずは初回電話無料相談をご利用ください。
会社設立の専門家が対応させていただきます。

税理士法人松本の強み

  • 設立後に損しない最適な起業形態をご提案!
  • 役員報酬はいくらにすべき?バッチリな税務署対策で安心!
  • 面倒なバックオフィスをマルっと支援!
  • さらに会社設立してからも一気通貫で支援

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

あわせて読みたい記事

会社設立ブログをもっと見る

相見積もり大歓迎!
他社と比べても自信があります。

本気追い求める
あなたの会社設立全力サポート

月間先着10者限定

創業応援 無料キャンペーン

  1. 01

    有料相談11,000無料!

  2. 02

    会社設立報酬実質無料!

  3. 03

    届け出サポート22,000円が無料!

  4. 04

    会計サポート3ヶ月分無料!