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返済不要の資金調達方法とは?成功させるポイントや注意点についても紹介
読了目安時間:約 8分
返済不要の資金調達方法であれば、資金繰りに余裕を持たせたまま、事業の成長や日々の運営に柔軟に取り組むことにつながります。
特に、創業初期の企業や収益がまだ安定していない企業にとっては、資金繰りの負担を抑えられる有効な選択肢と言えるでしょう。
本記事では、代表的な返済不要の資金調達方法を分かりやすくご紹介します。あわせて、これらの制度を効果的に活用するためのポイントや、利用時に注意したい点についても解説いたします。
返済不要の資金調達を正しく理解し、企業の成長や経営基盤の強化にお役立ていただければ幸いです。
目次
返済不要の資金調達方法

返済不要の資金調達方法については、以下の8つが挙げられます。
- 方法①:クラウドファンディング
- 方法②:ファクタリング
- 方法③:エンジェル投資
- 方法④:ベンチャーキャピタル
- 方法⑤:助成金・補助金
- 方法⑥:リースバック
- 方法⑦:エクイティファイナンス(株式発行)
- 方法⑧:事業譲渡
それぞれの資金調達方法について解説していきます。
方法①:クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の支援者から小口の資金を集める仕組みです。
新たなビジネスの立ち上げ、製品の開発、イベントの開催、地域の振興プロジェクトなど、さまざまな目的に対して「応援したい」と思う人々から支援金を集める方法として利用されています。
具体的にクラウドファンディングは、大きく分けて以下の3つに分類されます。
| タイプ | 特徴 |
| 購入型 | 支援者は金銭の代わりに商品やサービスなどのリターンを受け取ります。新製品の事前販売や試作品の提供など、マーケティングの一環としても使われます。 |
| 寄付型 | 支援者は見返りを求めず、プロジェクトの理念や社会的意義に賛同して資金を提供します。主にボランティア活動や災害支援などで用いられます。 |
| 投資型 | 出資額に応じて利益の分配や株式などの権利を得る形式です。プロジェクトの成功により高い利益が見込まれる場合もあります。 |
メリットとして、少額からでも多くの支援を集められる点にあります。
大規模な資金が必要な場合でも、多くの人の共感を得られれば、目標額を達成できる可能性が高まります。
しかし、設定した資金調達目標に届かない場合、プロジェクト自体が成立せず資金が受け取れない場合もあります。
さらに、企画内容を公開する過程で、アイデアや事業計画が他者に模倣されるリスクも考慮する必要があります。
方法②:ファクタリング
ファクタリングとは、売掛債権を売却して即座に資金化する調達方法の一つです。負債として返済義務は発生しませんが、手数料が発生する債権譲渡取引となります。
企業が保有する売掛債権をファクタリング業者に売却し、手数料を差し引いた金額を即座に受け取ることが可能です。
特に、すでに発生している債権を資金化するので、申し込みから数時間で現金を得られるスピード感が特徴です。
しかし、その利便性の代償として、比較的高めの手数料が発生する点や継続的な利用には適していない場合があるので注意が必要です。
方法③:エンジェル投資
エンジェル投資は、起業間もないスタートアップ企業が、個人投資家から資金を受け取る形の資金調達方法です。
このような投資家は「エンジェル投資家」と呼ばれ、元経営者や事業で成功を収めた人物が多く、資金援助と同時に経営のアドバイスなども期待できます。
特徴として、銀行からの融資と異なり出資なので、返済の必要がない点です。
投資家は、企業が将来的に株式上場を果たした際に、保有する株式を売却することで利益を得ることが一般的です。
そのため、売上や実績以上に、ビジネスの独自性や将来の成長性を重視する傾向があります。
参考:日本エンジェル投資家協会
方法④:ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルは、株式の保有を通じて、企業の成長や将来的な上場による利益を見込んで投資をおこないます。
単なる資金提供にとどまらず、経営のパートナーとして関与する場合もあり、戦略立案の支援、人材の紹介、事業提携先とのマッチングなど、幅広い経営支援が期待できるのも特長です。
出資元には、銀行や証券会社、独立系のファンド、大手企業などがあり、それぞれ得意分野や投資スタイルが異なります。
そのため、出資を受ける際は、自社の事業内容や将来ビジョンと合致する投資先を慎重に見極めることが重要です。
しかし、出資を受ける代わりに株式の一部を譲渡することで、経営に対する影響力を投資家と共有することになり、重要な意思決定の場面で経営者の裁量が制限されるケースも出てきます。
方法⑤:助成金・補助金
助成金や補助金は、国や地方自治体が提供する返済の必要がない資金調達の一手段として活用されています。
自己資金に乏しい創業初期の企業でも活用しやすく、条件を満たせば誰でも申し込みが可能で、リスクの少ない選択肢と言えます。
特に、スタートアップにとっては、事業の立ち上げ段階での資金を得るチャンスとして魅力的であり、経済的な後押しとなるケースが多く見られます。
しかし、申請には一定の書類作成や審査手続きが必要で、準備に時間や労力を要する点には注意が必要です。
また、補助の対象となる地域や業種など細かな条件が設定されている場合もあるので、制度の内容をよく確認した上で活用を検討することが大切です。
方法⑥:リースバック
リースバックとは、企業が所有する資産を売却して現金を確保するとともに、その資産をリース料を支払って引き続き使用する仕組みです。
資産を売却することでまとまった資金を得ながらも、業務に必要な設備や施設を引き続き使用できるという利便性があります。
実際に、返済義務が発生しない資金調達手段として、多くの企業で利用が進んでいます。
リースバックを導入することで、自社ビルや工場、オフィス機器などを手放して現金化しながら、業務には影響を与えず同じ資産を利用し続けることが可能です。
事業を継続しながら資金を確保できるので、オフィス移転などのコストや手間も不要になります。
また、資産を売却することで、所有権が移転し、固定資産税の支払い義務がなくなり、これまで継続的にかかっていた税金の負担を減らし、長期的なコストダウンが期待できます。
しかし、リース料という新たな固定費が発生したり、再取得コストが高くなる傾向があるので注意が必要です。
方法⑦:エクイティファイナンス(株式発行)
エクイティファイナンスは、自社の株式や、将来的に株式に転換可能な債券を投資家に提供し、その対価として資金を得る方法です。
投資家は出資の見返りとして株式を取得し、企業の成長に伴う株価上昇や配当によって利益を得る仕組みです。
調達した資金自体には返済義務がない一方で、株主に対しては企業価値の向上による経済的リターンが求められます。
借入とは異なり、金利負担もなく、資金繰りにゆとりを持たせることができるのが特徴です。
しかし、出資条件によっては投資家が経営に対して強い発言力を持つこともあるので、経営の自由度を保ちたい場合には慎重に契約内容を確認する必要があります。
参考:中小企業者のためのエクイティ・ファイナンスの基礎情報|中小企業庁
方法⑧:事業譲渡
事業譲渡とは、会社の持つ事業の一部または全部を他社に売却することで、その代価として資金を得るという仕組みです。
譲渡の対象には、事業の運営権や社員、顧客との契約関係など事業に関連する資産や権利が含まれます。
上手に事業譲渡をおこなえば、企業が抱える課題を一気に整理できる可能性もありますが、手続きの煩雑さや関係者への影響といった側面も無視できません。
意思決定に際しては、M&A支援に強い専門会社やコンサルタントなどのアドバイスを受けながら、慎重に進めることが求められます。
返済不要の資金調達を成功させるポイント

返済不要の資金調達を成功させるポイントについては、以下の5つが挙げられます。
- 目的を明確にしておく
- 事業の信用力を高める
- 自社に合った資金調達方法を選ぶ
- 説得力のある事業計画書を作成する
- 必要書類を不備なく準備する
それぞれのポイントについて解説していきます。
目的を明確にしておく
資金調達を検討する際には、「何のために」「いくら必要で」「どのタイミングで必要か」といった基本的な要素を明確に整理することが重要です。
実際に、目的や必要金額が曖昧なままでは、金融機関なども的確な審査や判断が困難になります。
調達先の選定においても、融資条件や限度額などが関わってくるので、計画性が求められます。
例えば、日常的な運転資金を補うためなのか、あるいは設備導入といった将来への投資目的なのかによって、必要となる金額や返済期間は大きく異なります。
特に、借入による資金調達をおこなう場合、金利負担が生じるので、過剰な借入は企業経営にマイナスの影響を及ぼす恐れもあるので、適切な額の設定と綿密な計画が重要です。
事業の信用力を高める
資金調達をスムーズに進めるためには、対外的な信頼性を高め、その裏付けとなる情報や戦略資料をしっかりと整備することが不可欠です。
信頼を獲得することで、投資家や金融機関との交渉が円滑に進みやすくなります。
例えば、出資を募る際には企業の成長性やビジョンに基づいた株式の信頼性が求められるので、融資を受ける場合には健全な財務状況を示すことが不可欠です。
具体的には、現在の経営状態や将来のビジネスプラン、そして財務の見通しを明確に記載した事業計画書を用意する必要があります。
特に、金融機関やベンチャーキャピタルなどの外部から資金を得る場合、提出された事業計画書をもとに詳細な審査がおこなわれます。
そのため、実現性が高く、論理的に整った内容で、投資先としての魅力をしっかりと伝えることが重要です。
自社に合った資金調達方法を選ぶ
返済不要の資金調達を成功させるポイントとして、自社に合った資金調達方法を選ぶことが重要です。
具体的には、自社の経営状況や規模に見合った、過度な負担にならない資金額を見極め、その範囲内で適切な調達手段を選ぶようにしましょう。
資金調達に関する判断が難しい場合には、金融の専門家やコンサルタントに相談するのも有効です。
このように、複数の選択肢を比較検討しながら、自社にとって最も合理的な手段を選ぶ姿勢が求められます。
説得力のある事業計画書を作成する
返済不要の資金調達を成功させるには、信頼性を示すために綿密に作成された事業計画書の提出が欠かせません。
金融機関は、融資の可否を判断するにあたって、借入先の返済能力や将来性を慎重に見極めようとするので、売上予測や業界の動き、資金の使い道などを含む、具体的かつ現実的な計画が求められます。
どのように利益を生み出すのかという収益構造や同業他社との差別化戦略、販売促進の具体的な施策を盛り込むことで、計画の実現可能性を強く印象づけることができます。
また、これまでの売上実績や取引先数といった客観的なデータを添えることで、説得力が一層高まります。
必要書類を不備なく準備する
融資を申し込む際には、必要書類を不備なく準備することが重要です。
金融機関は提出された書類の内容をもとに、申請者の事業運営の実態や信用性を評価するので、記載漏れや書類の不備があると、審査に時間がかかるだけでなく、融資が認められないリスクもあります。
具体的に、必要書類には、以下が挙げられます。
- 決算資料
- 確定申告書
- 資金の使途がわかる明細
- 今後の事業計画書
- 代表者の身元確認書類
上記の書類が最新の情報で整合性の取れた内容となっているかも重要になります。
手続きをスムーズに進めるために、事前に必要書類を一覧化し、内容を十分に確認した上で提出できるよう準備を整えましょう。
返済不要の資金調達を利用する際の注意点

返済不要の資金調達を利用する際の注意点については、以下の4つが挙げられます。
- 必要な資金を算出する
- 調達方法のデメリットを把握する
- 資金繰り計画を入念に立てる
- 経営戦略を明確化する
それぞれの注意点について解説していきます。
必要な資金を算出する
資金調達する際には、まず自社がどの程度の資金を必要としているのかを、事前に具体的な数値で把握しておくことが重要です。
その上で、調達の目的や金額に適した手段を選定することが求められます。
特に、金融機関からの融資や投資家からの出資を検討する場合、資金の必要性が曖昧だったり、根拠が不十分だったりすると、審査段階で信用を失い、申し込みが却下されるリスクが高くなります。
そのため、なぜその金額が必要なのかを明確にし、説得力のある説明を準備しておくことが資金調達を成功させることにつながります。
調達方法のデメリットを把握する
返済不要の資金調達手段を選ぶ場合には、デメリットについても理解しておくことが重要です。
実際に、資金を返す必要はありませんが、その代わりとして何らかの義務や条件が付随するケースが多く見られます。
金銭的な返済の代替として、報告義務や成果の提示など事業への具体的な「貢献」が求められることが一般的です。
例えば、補助金や助成金、出資などの返済不要型の資金には、結果を示すことや一定期間の事業継続など別の責任が発生する可能性があります。
こうした条件面を正しく把握し、自社の状況に見合った調達方法を慎重に選ぶことが重要です。
資金繰り計画を入念に立てる
返済不要の資金調達をする場合でも、事業の安定運営には資金繰りの見通しをしっかりと立てておくことが重要です。
資金繰り計画とは、将来的な収入と支出の動きを予測し、それに応じた資金の管理をおこなうための資料です。
銀行などからの融資を受ける際に作成されるものですが、補助金や助成金など返済義務が発生しない資金においても有効です。
たとえ返済の必要がないとしても、資金の流れを可視化することで、現在の経営状況を客観的に捉え、将来的なリスクや課題を洗い出すことができます。
結果として、持続可能な経営判断を下すための土台にもなるので、資金繰り計画の策定は重要です。
経営戦略を明確化する
資金調達を利用する際には、自社が展開する事業や経営のビジョンについて、明確かつ具体的に示すことが不可欠です。
将来性が感じられない企業に対して資金を提供しようと考える人はほとんどいないので、どのような目的で資金を活用し、どのような方針で利益を生み出していくのかを、相手が納得できる形で説明する必要があります。
株式市場でも、将来価値が見込まれる銘柄に人気が集中するのと同じように、増資による資金調達においても、企業としての信頼性や株式の魅力が重要な評価ポイントとなります。
そのため、事業の方向性や戦略を明文化し、投資家や金融機関にとって魅力的に映るようなプレゼンテーションをおこなうことが、資金調達する上で重要です。
このように、事業の「価値」を伝える努力が、信用力の向上につながり、その結果として資金調達の成功につながります。
自社の目的に合った資金調達方法を選ぼう!

今回は、返済不要の資金調達方法について紹介しました。
返済不要の資金調達方法は多くありますが、仕組みやメリットが異なり、企業の資金ニーズや経営フェーズに応じて適切な方法を選ぶことが求められます。
特に、スタートアップ企業においては、資金の選択ミスが経営の持続性に直結するので、慎重な判断が不可欠です。
万が一、誤った資金調達方法を選んでしまうと、資金が枯渇してしまい、事業の成長が停滞する可能性もあるので注意が必要です。
今回の記事を参考にして、自社の目的に合った資金調達方法を選びましょう。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

