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投資と融資の違いとは何か?それぞれのメリット・デメリットや方法を紹介
読了目安時間:約 7分
新規事業の立ち上げやさらなる事業拡大において、切っても切り離せないのが「資金調達」の悩みです。 資金調達には大きく分けて「投資(エクイティファイナンス)」と「融資(デットファイナンス)」の2つの手法が存在しますが、この選択を誤ると、その後の資金繰りや経営の自由度に大きな影響を及ぼしかねません。
両者の決定的な違いは、「返済義務の有無」だけではありません。経営権への影響や、調達できる金額の規模、審査のポイントなど、その性質は全く異なります。
本記事では、資金調達を検討する経営者の方が最適な選択を行えるよう、投資と融資の根本的な違いについて体系的に解説します。さらに、それぞれのメリット・デメリットや、具体的な調達方法についても解説しますので、 自社のフェーズや目的に合った資金調達手段を見極めるための判断材料として、ぜひお役立てください。
目次
投資と融資の違いとは何か?

投資とは、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家といった外部の出資者が、将来のリターンを期待して企業に資金を供給する行為を指します。
これに対して融資は、金融機関が貸付によって利息収入を得ることを目的に、資金提供することを指します。
一般的に、これら2つの資金提供方法は、提供者や資金の使途、返済義務の有無など、さまざまな点で明確な違いがあります。
具体的に、投資と融資の違いについては、以下の4つが挙げられます。
- 違い①:資金提供者
- 違い②:目的
- 違い③:返済義務
- 違い④:財務諸表上の仕訳
それぞれの違いについて解説していきます。
違い①:資金提供者
投資の資金提供をする主体には、ベンチャーキャピタルや個人投資家が中心として挙げられます。
ベンチャーキャピタルは、今後の成長が期待される未上場企業に対して出資を行う法人組織であり、比較的大きな金額の投資が可能です。
エンジェル投資家は、企業が上場する前の段階で出資をおこない、将来的な株式売却益(キャピタルゲイン)を見込んでいるケースが多いです。
中には経営に深く関わる立場として参画する人もいれば、事業への共感や社会的意義を重視して資金提供をおこなう人もいます。
一方、融資に関しては、資金提供者として銀行や日本政策金融公庫などの金融機関が主体です。
融資には種類があり、国や自治体などの公的機関から提供されるものを「公的融資」、銀行や民間金融機関からのものを「民間融資」と呼び分けています。
参考:日本エンジェル投資家協会
違い②:目的
投資の主な目的は、出資によって取得した株式が将来的に値上がりし、その売却によって得られるキャピタルゲイン(売却益)を収益とすることにあります。
また、企業の経営に関与したり、配当や株主優待といった利益を享受することを目的とするケースも見受けられます。
一方、融資はあらかじめ設定された利息の受け取りによって収益を得ることを狙いとしておこなわれます。
このように、両者の目的が異なることから、投資においては企業の成長可能性やビジネスモデルが重視されるのに対し、融資では返済能力や信用力が重要視されます。
違い③:返済義務
資金調達における投資と融資の大きな違いの一つは、「返済義務があるかどうか」です。
融資では、借り入れた資金をあらかじめ定められた期間内に返済する必要があり、元本に加えて利息の支払いも求められます。
一方、投資は資金提供を受けた側がその資金を自己資本として扱えるので、原則として返済の義務は発生しません。
そのため、利益を上げながら確実に借入金を返していく意思がある場合は融資、企業の成長によって出資者にリターンをもたらすという形を目指すなら投資の方が適していると言えます。
どちらの資金調達方法がふさわしいかは、自社の経営戦略や将来のビジョン、資金の活用方法を踏まえて慎重に判断することが重要です。
違い④:財務諸表上の仕訳
投資と融資は、財務諸表における記録の仕方において明確な違いがあります。
投資により調達した資金は、貸借対照表上では純資産の増加として記録されます。
一方、融資は他者からの借入なので、同じく貸借対照表上では負債の増加という形で記録されます。
融資を受けることで負債比率が上昇し、結果として財務体質が悪化したように見えることがあります。
そのため、金融機関や取引先が財務状況を確認する際には、融資の影響によって信用評価が慎重になるケースも考えられますので注意が必要です。
投資のメリット

投資のメリットについては、以下の2つが挙げられます。
- 返済する義務がない
- 投資家からアドバイスをもらえる
それぞれのメリットについて解説していきます。
返済する義務がない
投資を受ける最大のメリットとして、調達した資金に返済義務が生じないという点にあります。
これは融資と異なり、利息の支払いも不要なので、資金の使い道を自由に設定しやすく、成長戦略に集中しやすくなります。
加えて、仮に事業が想定どおりに進まず、経営が厳しくなった場合でも、借入金の返済に苦しむ心配がないことは、大きな安心材料と言えます。
このように、投資は企業にとって柔軟な資金調達手段の一つと考えられます。
投資家からアドバイスをもらえる
投資のメリットの一つに、資金だけでなく、投資家の知見や経験に基づいた貴重なアドバイスを得られる点があります。
これまで数々のビジネスに関わってきた投資家からのアドバイスは、今後の事業戦略を考える上で有益なヒントとなる可能性が高いです。
そのようなアドバイスを受けながら経営を進めることで、事業の成長スピードや方向性に良い影響を与える可能性が高まります。
また、投資家を通じて普段ではなかなか出会えないような人々とのつながりが生まれることもあります。
投資のデメリット

投資のデメリットについては、以下の2つが挙げられます。
- 経営に関与されてしまう
- 十分な資金を得られない可能性がある
それぞれのデメリットについて解説していきます。
経営に関与されてしまう
投資を受ける際には、経営の自由度が制限されるリスクがあります。
多くの場合、投資家は資金提供の見返りとして株式を取得し、その結果、経営判断に関与する立場となります。
また、経営者の考えと投資家の意見が一致しない場合、意思決定に制約が生じることもあります。
特に、議決権付きの株式を投資家が過半数以上保有するようなケースでは、経営権そのものが移ってしまう可能性もあるので注意が必要です。
投資家の知識や経験を活かした助言は心強い反面、その分、企業の運営に対して一定のコントロールが及ぶことになるので、経営の自主性をどこまで保てるかについては十分に検討が必要です。
十分な資金を得られない可能性がある
投資を受ける際には、必ずしも期待通りの資金調達や利益確保ができるとは限らない点に注意が必要です。
一般的に、企業は投資家に対して株式を発行する形で資金を得ますが、市場での株価が低ければ、想定よりも少ない資金しか集まらない可能性があります。
また、企業の業績が好調になった際には、株主への配当や優待制度の実施といった対応が求められることがあり、それが新たなコスト負担となる場合もあります。
融資のメリット

融資のメリットについては、以下の2つが挙げられます。
- 経営に関与されない
- まとまった資金を得られる
それぞれのメリットについて解説していきます。
経営に関与されない
融資を利用するメリットの一つは、資金提供を受けても経営の主導権が損なわれないことにあります。
銀行などの金融機関は、資金を貸し出す立場にありながら経営への関与はおこなわず、株式を譲渡する必要もないので、経営者は自らのビジョンに沿った事業運営を継続することが可能です。
一方、もし資金提供と引き換えに外部から経営への口出しがあった場合、自由な意思決定が難しくなり、事業の進行に支障をきたすリスクもあります。
まとまった資金を得られる
融資には、ある程度まとまった資金を一度に確保できるメリットがあります。
実際に、事業の拡大や新たなプロジェクトに取り組む際には、短期間で多額の資金を必要とする局面が出てくることがあるのも事実です。
そうした場面で、スムーズに資金を調達できる手段として、融資は有効です。
また、融資の利用実績があること自体が、企業の信用力を示す材料となり、計画通りに返済を続けていれば、将来的に融資を受けやすくなる可能性も高くなります。
融資のデメリット

融資のデメリットについては、以下の2つが挙げられます。
- 返済義務がある
- 融資が受けられない可能性がある
それぞれのデメリットについて解説していきます。
返済義務がある
融資は投資と異なり、返済の義務が生じる資金調達方法です。
契約時に定められた返済期間内に、借りた元本に加えて利息も合わせて返済しなければならないので、実際に返す金額は借入額を上回ります。
そのため、無理のない返済スケジュールをあらかじめ立てておかないと、資金繰りに支障をきたす可能性があります。
資金の使い道だけでなく、確実に返済を続けられるかどうかも見据えて計画を練ることが重要です。
また、融資を申し込む際には、金融機関から事業計画や返済プランの提出を求められることが一般的です。
審査をスムーズに進めるには、必要書類の作成においても細部まで注意を払った準備が不可欠です。
融資が受けられない可能性がある
融資を申し込む際には、銀行などの金融機関による厳格な審査がおこなわれるので、希望通りに資金を確保できない場合も想定しておく必要があります。
審査では多くの書類の提出が求められるので、事前の準備を丁寧におこない、記載漏れや不備がないよう注意が必要です。
また、審査を通過するためには、事業の実現性を裏付ける、具体性と信頼性のある書類作成が不可欠です。
特に、融資の必要性や返済能力を論理的に説明できる資料が求められます。
もし審査に通らなかった場合でも、再度申請することは可能ですが、一定の期間を空けなければ再審査に応じてもらえないこともあるので、初回の申請時から入念な準備が重要です。
投資を受けるための方法

投資を受けるための方法については、以下の3つが挙げられます。
- ベンチャーキャピタル
- クラウドファンディング
- エンジェル投資家
それぞれの方法について解説していきます。
ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、将来の成長が期待される未上場企業に対して、資本を提供する形で支援をおこなう投資機関のことです。
政府系や金融機関系、民間企業系など多様な背景を持つベンチャーキャピタルが存在しています。
このような組織は、企業として事業の一環として投資活動をおこなっており、その出資規模は数千万円から数十億円に及ぶケースもあります。
しかし、資金提供を受けるには、エンジェル投資家に比べて格段に厳格な審査を乗り越える必要があり、高い成長ポテンシャルや明確なビジネス戦略が求められます。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネット上で自らのプロジェクトや目標を発信し、それに賛同した人々から広く資金を集める仕組みです。
単なる資金調達手段としてだけでなく、自社の理念や活動内容を広く社会に知らせることで、共感してくれる支援者やファンを増やすきっかけにもなります。
また、支援を受ける際の対価や返礼の形によって、クラウドファンディングにはさまざまな形式が存在します。
具体的には、製品やサービスをリターンとする「購入型」、見返りを求めない「寄付型」、未公開株を受け取る「株式投資型」などがあり、それぞれ特徴や目的に応じて使い分けがされています。
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、創業間もない未上場の企業に対して、個人として資金提供する投資家のことを指します。
出資の対価として投資先企業の株式を取得し、企業の成長とともにその株式価値が上がったタイミングで売却し、利益を得ることを主な目的としています。
また、資金提供だけでなく、経営パートナーのような立場で実務に関与し、経験に基づいたアドバイスや支援をおこなうエンジェル投資家も少なくありません。
参考:日本エンジェル投資家協会
融資を受けるための方法

融資を受けるための方法については、以下の3つが挙げられます。
- 日本政策金融公庫
- 銀行
- クレジットカード会社
それぞれの方法について解説していきます。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、中小企業や個人事業主、小規模な事業者などを主な対象として融資をおこなっている政府系の金融機関です。
例えば、これから事業を始めたい人に向けた「新規開業資金(旧:新創業融資制度)」や、自然災害・景気の悪化などによる影響を緩和するための「セーフティネット貸付」など多様なニーズに応える融資制度が整っています。
また、信用力の面で民間の銀行や信用金庫からの融資が難しい方にとっても、出資や投資ではなく借入という形で資金を調達したい場合に、おすすめの資金調達方法と言えます。
銀行
銀行融資の特徴として、他の融資先と比べて比較的大きな金額の融資を受けやすいメリットがあります。
しかし、銀行からの融資には条件がつくことが多く、一般的に担保の提供や連帯保証人の設定が必要となります。
そのため、融資申請の前には、返済計画に加えて、担保や保証人に関する準備もしっかりと整えておくことが求められます。
クレジットカード会社
クレジットカード会社が提供する「ビジネスローン」を活用するという選択肢もあります。
ビジネスローンとは、通常の金融機関と比較して審査のハードルが低く、審査結果も迅速に出るので、緊急時の資金確保には便利な手段と言えます。
しかし、銀行などと比べて金利が高く設定されていることが多く、借入可能な上限額も低めです。
自社の状況に合った資金調達を選ぼう!

今回は、投資と融資の違いについて紹介しました。
融資と投資は、返済義務の有無などの明確な違いがあります。
それぞれの特徴を正しく理解し、取得方法やメリット・デメリットについても整理しておくことが重要です。
融資は、まとまった額を一度に確保しやすく、出資者が経営に直接関与しないので、企業側の意思決定の自由度を維持しやすい特徴があります。
一方、投資による資金調達は、借入金のように返済義務が発生しない点が魅力であり、場合によっては投資家から経営に役立つ助言を受けられる可能性もあります。
そのため、自社のフェーズや資金ニーズに応じて、最適な手段を見極めることが重要です。
今回の記事を参考にして、自社の状況に合った資金調達を選ぶようにしましょう。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

