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創業融資
銀行融資の審査を通過するポイントとは?審査に落ちてしまった場合の対処法も紹介
読了目安時間:約 7分
事業の拡大や安定した資金繰りのために、銀行融資は非常に有効な手段です。しかし、その審査は厳格であり、特に中小企業においては大企業と比較して信用力の証明が難しく、融資実行までに時間を要したり、希望通りの融資が受けられないケースも少なくありません。
銀行融資を成功させる鍵は、「運」ではなく「準備」にあります。銀行が審査において何を重視しているのかを把握し、説得力のある資料をもって返済能力を示すことが大切です。
本記事では、数多くの融資支援に携わってきた税理士の視点から、銀行融資の審査を通過するための具体的なポイントについて深掘りします。併せて、知っておくべき「融資の種類」や、審査に落ちてしまった場合の「現実的な対処法」についても解説していきます。円滑な資金調達を実現し、事業をさらに発展させるための一助として、ぜひご活用ください。
目次
銀行融資とは?

銀行融資は、主に法人や個人事業主が事業活動のために必要な資金を調達するために、銀行が資金を提供する仕組みのことを指します。
資金の用途としては、新規ビジネスの開始や運転資金の確保、事業の拡大に向けた施策の実行などが挙げられます。
融資を受けるには、銀行による審査が必要であり、申込者の返済能力や信用状況などが細かく評価されます。
一般的には、法人の方が個人事業主に比べて信用力の面で有利とされ、融資の審査も通過しやすい傾向があります。
銀行融資の種類

銀行融資の種類については、以下の5つが挙げられます。
- 種類①:プロパー融資
- 種類②:ビジネスローン
- 種類③:不動産担保ローン
- 種類④:信用保証協会付き融資
- 種類⑤:売掛債権担保融資
それぞれの種類について解説していきます。
種類①:プロパー融資
プロパー融資とは、信用保証協会の保証を利用せず、銀行が100%自行のリスク負担で事業者に直接資金を貸し出す融資です。
特徴として、保証料がかからないためトータルの資金調達コストが抑えられる点や、利用可能な金額に(保証協会のような制度上の)明確な上限がない点が挙げられます。 しかし、返済不能となった場合のリスクをすべて銀行が負うため、審査基準は最も厳しく設定されます。
実際に、プロパー融資を受けるためには、長年の安定した実績や、銀行との厚い信頼関係が求められます。そのため、創業間もない企業や財務基盤が弱い企業がいきなり利用するのは難しい傾向があります。
参考:プロパー融資借換 特別保証制度のご案内|東京信用保証協会
種類②:ビジネスローン
ビジネスローンとは、事業運営に必要な資金を対象とした融資商品の一種です。
銀行に限らず、消費者金融会社やクレジットカード会社などさまざまな金融機関が取り扱っており、それぞれに設定されている金利や融資可能な上限額には違いがあります。
借り入れた資金は、設備の導入や仕入れ代金の支払いなどと事業活動に直接関係する目的で使用されることが前提となります。
多くのビジネスローンでは、担保や保証人を必要としない点が特徴ですが、その分、貸し付け可能な金額には制限がかかることが一般的です。
また、審査から実際の資金提供までのスピードが比較的速いので、資金が早く必要な場合に適していると言えます。
種類③:不動産担保ローン
不動産担保融資とは、借り手が所有する土地や建物などの不動産を担保に差し出すことで、銀行などの金融機関から資金を借りる仕組みです。
不動産は資産としての価値が比較的安定しているので、借り手の信用状況に不安があっても、融資を受けられる可能性が高い傾向があります。
万が一、借入金の返済が滞った場合には、担保として差し入れた不動産が処分される可能性があり、最終的に所有権を失ってしまうのであらかじめ理解しておきましょう。
種類④:信用保証協会付き融資
信用保証協会付き融資とは、信用保証協会という第三者機関が保証人の役割を担い、その保証をもとに銀行が資金を貸し出す仕組みです。
万が一、借り手が返済不能になった場合でも、信用保証協会が代わりに返済をおこなうので、銀行としては貸倒れのリスクを軽減できます。
このように、信用力の不足などにより審査が通らない場合でも、信用保証協会融資を利用することで、融資が受けられる可能性が高まることがあります。
参考:もっと知りたい信用保証|一般社団法人全国信用保証協会連合会
種類⑤:売掛債権担保融資
売掛債権担保融資とは、企業が商品やサービスを提供した際に発生する未回収の売掛金を担保にして、金融機関から資金を借り入れる仕組みです。
資金繰りを助ける手段として活用されますが、売掛債権の回収見込みや債務者の信用状況によっては、希望する金額を借りられないケースもあります。
参考:在庫や売掛債権を担保とする融資・保証について|中小企業庁
銀行融資の審査を通過するポイント

銀行融資の審査を通過するポイントについては、以下の6つが挙げられます。
- 説得力のある事業計画書を作成する
- 決算書を整える
- 根拠ある返済計画を作る
- 銀行と良好な関係を築く
- 担保や保証人の準備をする
- 税金の滞納をしない
それぞれのポイントについて解説していきます。
説得力のある事業計画書を作成する
融資の審査においては、提出する事業計画書の質が重要になります。
単に事業を維持するだけでなく、今後どのように拡大・発展させていくのかを、具体的な戦略として明示することが求められます。
また、計画書には希望融資額の妥当性を示す根拠が必要です。
資金の用途は大きく分けて「設備資金」と「運転資金」の2種類に分類され、機器購入や新店舗開設といった設備投資の場合は、どの程度の設備が必要なのかを明記することで、必要資金との整合性が明確になります。
さらに、市場環境の分析や競合との比較、ターゲット顧客の明確化も将来性を裏付ける要素として重要です。
決算書を整える
銀行による融資審査では、決算書の内容が重視されます。
貸借対照表では、負債が資産を上回る「債務超過」に陥っていないか、また純資産がプラスであるかが確認されます。
損益計算書については、売上総利益や営業利益、経常利益といった主要な指標がチェックされます。
銀行がもっとも注目するのは、継続的な事業活動から生み出される営業利益や経常利益です。
特に、経常利益が黒字であれば、利息の支払いがあっても企業としての収益力があると判断され、融資に対して前向きな評価を得やすくなります。
根拠ある返済計画を作る
融資を受ける際には、返済計画の信頼性が重視されます。
実際に、貸し出した資金が確実に回収される見込みがあるかどうかを慎重に見極めています。
そのため、ただ希望的な数字を並べただけの甘い計画ではなく、これまでの業績データや市場の動向、競合他社の状況など具体的な情報に基づいた収益予測を立て、それに沿って現実的な返済スケジュールを作成することが求められます。
銀行と良好な関係を築く
融資審査においては、書類の整備だけでなく、日頃から金融機関との関係性を丁寧に築いておくことが審査に通るためのポイントと言えます。
事業の進捗や経営上の課題について、定期的に銀行へ報告・相談することで、会社の経営状況に対する透明性が高まり、担当者からの信頼も深まります。
さらに、資料提出の依頼や質問などに対しては、迅速かつ誠実に対応することが大切です。情報を隠さず、積極的に事業の実態を共有する姿勢を見せることで、金融機関からの信用度を高めることにつながります。
担保や保証人の準備をする
担保や保証人の有無も大きな判断材料となります。
特に中小企業の場合、信用力を補強するために不動産などを担保として求められることがあります。これまでは経営者自身が連帯保証人となるのが一般的でしたが、近年は一定の条件を満たせば経営者保証を不要とする取り扱いも増えてきています。
とはいえ、万が一の際に担保として提供できる資産があれば、融資の承認を得やすくなるのは事実です。資金的な余力に不安があると見なされる場合でも、土地や建物、機械類などをあらかじめ担保として提示できる準備ができていれば、融資の承認を得やすくなります。
さらに、信頼性の高い保証人を確保できれば、金融機関にとってのリスクが軽減されるので、より有利な融資条件を引き出せる可能性も高まります。
税金の滞納をしない
銀行融資の審査では、税金や社会保険料の滞納は重大なマイナス評価の対象となるので、税金の滞納はしないように注意が必要です。
実際に、金融機関は税金を滞納している企業に対して「借入金の返済も遅れる可能性があるのでは」と不信感を抱きやすくなります。
また、税金の未納情報は、登記簿や法人税の申告書、預金口座などに記録が残る場合があり、それが他の金融機関への印象にも悪影響を及ぼします。
また、個人名義のクレジットカードの支払遅延や公共料金の滞納も個人信用情報に悪影響を及ぼすので、企業経営者として十分な注意が求められます。
銀行融資の審査に落ちてしまった場合の対処法

銀行融資の審査に落ちてしまった場合の対処法については、以下の5つが挙げられます。
- 審査に落ちてしまった原因を把握する
- 専門家に相談する
- 事業計画書を見直す
- 改善実績を作ってから再申請する
- 他の金融機関を活用する
それぞれの対処法について解説していきます。
審査に落ちてしまった原因を把握する
銀行融資の審査に落ちてしまった場合には、まず審査に落ちてしまった原因を把握するようにしましょう。
原因を正しく理解できれば、状況によっては再申請の可能性も十分にあります。
逆に、原因が分からないままでは同じミスを繰り返し、再度否決されるリスクが高くなってしまうので注意が必要です。
具体的には、融資担当者に対して、可能な範囲で審査結果の理由を確認するようにしましょう。
再申請の予定がなかったとしても、その情報は他の資金調達手段を検討する際の重要な参考になります。
しかし、実際には担当者が具体的な理由を明かさず、曖昧な回答に終始するケースも少ないので、あらかじめ注意が必要です。
専門家に相談する
銀行融資の審査に落ちてしまった場合の対処法として、専門家に相談することも挙げられます。
専門家に相談することで、審査での課題点や改善すべき部分を的確に把握でき、次回の申請時に成功する確率を高めることが期待できます。
特に、金融分野に精通した税理士や公認会計士といった専門家に相談することで、経営状況を客観的に分析してもらい、より具体的で実効性のある改善策を講じることが可能になります。
実際に、専門家のアドバイスを受けた上で、自己資金の見直しや財務の健全化に取り組み、再申請で無事に融資を受けられたケースも多く見られます。
このように、専門的な知見を取り入れることが、次の融資成功につながります。
事業計画書を見直す
銀行融資の審査に落ちてしまった際には、事業計画書の内容を見直すことも重要です。
審査が通らなかった原因として、この計画書の内容が曖昧で説得力に欠けているケースは多く見られます。
そのため、計画書を再度丁寧に見直し、より具体性と現実味を持たせる必要があります。
特に、売上の見通しやコスト管理については、実現可能性のある数値や根拠を提示することで、金融機関からの信頼を得やすくなります。
このように、事業計画書の精度と信頼性を高めることは、融資審査の突破に直結する極めて重要なステップと言えます。
改善実績を作ってから再申請する
銀行融資の再申請を検討する際には、一定の時間を置き、目に見える改善実績を伴った上で臨むことが重要です。
金融機関では、一度却下した案件に対して、短期間での再申請があった場合、「状況に変化がない」と判断され、再び否決されるケースが多く見られます。 そのため、一般的には次の決算書や試算表で数値の改善を示せるまで(例えば6ヶ月程度)期間を空け、財務体質の改善や経営計画の再構築を進め、具体的な成果を示すことが再審査で重要な要素になります。
このように、融資の再申請を成功させるには、前回の否決理由を明確に把握し、それを改善した実績をもって、戦略的に再チャレンジすることが重要です。
他の金融機関を活用する
銀行融資の審査に通らなかった際には、他の金融機関を活用することも検討しましょう。
例えば、日本政策金融公庫やノンバンクなど別のルートを活用することで、資金を確保できる可能性は十分にあります。
実際に、審査する際には、財務内容や返済能力を厳格に見極める傾向があり、リスクに対して慎重な姿勢を取ります。
一方、日本政策金融公庫は創業間もない事業者や経営が一時的に悪化した企業を支援する姿勢が強く、条件が合えば迅速な資金供給も可能です。
融資を受ける際には、多様な資金調達手段を柔軟に検討することをおすすめします。
参考:日本政策金融公庫
銀行融資を成功させよう!

今回は、銀行融資の審査を通過するポイントを紹介しました。
銀行から融資を受けるには、単に必要書類を提出するだけではなくて、経営者の姿勢や財務データの信頼性、現実的な返済計画などといった複数の要素が総合的に評価されます。
また、銀行融資は、比較的大きな金額を一度に借りられるというメリットがある一方で、審査基準は厳しく設定されています。
さらに、事業の成長を目指すうえでは、必要なタイミングで適切な資金を調達し、支払い・投資へと戦略的に充てていくことが欠かせません。
今回の記事を参考にして、銀行融資を成功させましょう。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

