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株式会社・合同会社の商号変更の手続きとは?必要書類から注意点も紹介
読了目安時間:約 7分
株式会社と合同会社では、商号変更の手続きは異なります。商号変更をする際には、各種の届出や変更手続きを定められた期限内に完了させなければなりません。そのためには、あらかじめ手続きの流れや必要な書類、期限などをしっかり確認し、スムーズに進められるよう準備しておくことが重要です。
本記事では、「株式会社・合同会社の商号変更の手続き」だけでなく、「株式会社・合同会社の商号変更登記の必要書類」や「株式会社・合同会社の商号変更をする際の注意点」についても解説していきます。ぜひこの記事を参考にして、株式会社・合同会社の商号変更の手続きについて理解を深めてみてください。
目次
商号変更とは?

一般に「会社名」と呼ばれているものは、法律上「商号」を意味します。この商号を変更することが、いわゆる社名変更に当たります。商号変更をする際の主なルールについては、以下のとおりです。
- 記号や社内の部署名は使えない
- 同じ住所に同じ商号の会社は存在できない
- 公序良俗に反する名称は避けること
上記の条件を満たしていれば、合同会社の商号は比較的自由に決められます。また、決めた商号は法務局への登記時に必ず記載する必要があり、登記事項のひとつとして扱われます。商号のほかにも、本店の所在地や事業目的などが登記事項となっているので、こうした内容に変更が生じた場合には、必ず登記の変更手続きを行う必要があります。
参考:商業登記法第27条
株式会社における商号変更の手続き

株式会社における商号変更の手続きについては、以下の通りです。
- 株主総会決議
- 登記申請
- 登録免許税の納付
それぞれの項目について解説していきます。
株主総会決議
株式会社の商号変更をする場合には、まず社内での適切な手続きを経て承認を得なければなりません。商号は会社の基本的な情報の一つで、「定款」と呼ばれる会社のルールブックに記載されています。この定款を修正するためには、株主総会での正式な決議が必要です。
株主総会は、重要な意思決定機関であり、株主が一堂に会して企業の方向性に関わる重大な事項を審議・決定します。具体的に、株主総会で行われる決議には、以下3つの形式があります。
| 形式 | 内容 |
| 普通決議 | 議決権の過半数を持つ株主が出席し、その中で過半数の賛成が必要 |
| 特別決議 | 議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席者の3分の2以上の賛成が必要 |
| 特殊決議 | 議決権行使可能な株主の過半数が出席し、かつその議決権の3分の2以上の賛成が必要 |
商号の変更は定款に関わる重要な修正になるため特別決議が求められ、株主総会で定款変更の議案を提示し、出席株主の3分の2以上の賛成を得ることで商号変更が成立します。無事に特別決議が可決されたら、正式な証拠とするために株主総会議事録を作成し、法務局での登記手続きをする際に提出する必要があります。
登記申請
次に、法務局への登記申請を行う必要があります。登記申請は、「商号変更の効力が生じた日」から数えて2週間以内に完了させる必要があります。万が一、期限を過ぎてしまった場合、行政から過料が科される可能性があるので、あらかじめ注意が必要です。
申請手続きは、自分自身で必要書類を整えて提出できますが、司法書士などの専門家に依頼することも可能です。専門家に依頼すれば、書類の不備や手続きの漏れなどのリスクを回避しやすく、全体の流れもスムーズに進むメリットがあります。しかし、専門家に依頼する際には、報酬が発生する点も考慮する必要があります。
参考:会社法第976条
登録免許税の納付
登記申請を行う際には「登録免許税」と呼ばれる費用が発生し、会社の規模や変更の内容、提出の形式にかかわらず、全国どこでも一律で3万円と定められています。この登録免許税は、法務局への申請書類に収入印紙を貼って納付する方法が一般的です。インターネットを使って登記手続きを行う「オンライン申請」の場合には、インターネットバンキングを通じて電子納付する形となります。
参考:登録免許税法別表第一
株式会社の商号変更登記の必要書類

株式会社の商号変更に関する登記申請は、以下の必要書類を準備した上で法務局へ提出します。
| 必要書類 | 内容 |
| 登記申請書 | 商号を変更する手続きの中心となる書類で、変更内容を法務局に正式に届け出るものです。 |
| 株主総会議事録 | 会社名の変更が株主総会で承認されたことを証明する文書です。会議の開催日や決議内容などを明記します。 |
| 株主リスト | 株主総会決議時点での株主の氏名、住所、議決権の数などを記載するリストで、議事録とあわせて提出が求められます。 |
| 委任状 | 司法書士などの専門家に登記申請を依頼する場合、その権限を委任する書面です。 |
| 印鑑届出書 | 会社の届出印を商号変更に伴って新たに登録する場合に必要です。既存の印鑑から新しい印鑑への切り替えを法務局に届け出ます。 |
| 代表取締役の印鑑証明書 | 印鑑届出書とともに提出する書類で、印鑑の正当性を証明します。印鑑を変更する際には必ず添付が必要です。 |
これらの各種書類については、法務局の公式サイトにてテンプレートが公開されているので、必要な項目を記入することで、誰でも書類の準備が可能です。不備があると、申請が受け付けられない場合や再提出が求められるケースもあるので、不安がある方は、専門家に相談することをおすすめします。
株式会社の商号変更にかかる費用

株式会社の商号を変更する場合、その手続きに伴ってさまざまな費用が発生するので、事前に必要な費用を把握し、計画的に準備しておくことが大切です。具体的に、株式会社の商号変更にかかる主な費用については、以下のとおりです。
| 費用内容 | 概算金額 |
| 登録免許税(法務局への登記申請時) | 約30,000円 |
| 変更前の会社印鑑証明書 | 約450円(窓口交付) |
| 履歴事項全部証明書(旧:登記簿謄本) | 1通あたり約600円(窓口交付) |
| 社名変更後の新しい印鑑証明書 | 1通あたり約450円 |
| 新しい会社実印の作成費用や関連書類の作成費 | 10,000円〜 |
司法書士などの専門家に手続きを依頼する場合には、別途2〜4万円程度の報酬が発生するのが一般的です。費用は会社の状況や必要な書類の数によって多少前後するので、あらかじめ見積もりを立てておくと安心です。
合同会社における商号変更の手続き

合同会社における商号変更の手続きについては、以下の2つが挙げられます。
- 総社員の同意(または定款で定めた手続き)
- 法務局に登記申請
それぞれの項目について解説していきます。
総社員の同意(または定款で定めた手続き)
商号は定款に必ず記載されている「絶対的記載事項」の一つになるので、商号変更をする際には、定款そのものの修正手続きが必要となります。定款の変更については、特別な定めがない限り、すべての社員の同意をもって変更が可能です。しかし、代表社員の決定による変更や社員の過半数による同意など、会社ごとの定款で別の手続き方法が規定されている場合には、その規定が優先されます。
変更の手続きでは、商号の変更内容が明確に分かるように「総社員の同意書」などの証拠書類を作成する必要があります。このような資料は、単に社内での確認にとどまらず、後に行う登記申請の際にも提出が求められる重要な書類になるので、正確かつ丁寧な準備が重要です。
参考:会社法第637条
法務局に登記申請
商号は法的に登記される情報なので、商号を変更した場合には、変更後2週間以内に法務局での変更登記を行う必要があります。登記の申請を行う際には、申請書のほか商号を変更した事実を証明する書類を添付する必要があります。これらの書類は、自分自身で法務局に問い合わせるなどして準備することも可能です。
合同会社の商号変更登記の必要書類

合同会社の商号変更をする際に必要な書類については、以下のとおりです。
- 商号変更の登記申請書
- 社員全員による同意書
- 定款(定款に特別な定めがある場合のみ必要)
- 委任状(司法書士に手続きを依頼する場合)
社員全員による同意書については、定款に代表社員の決定方法などの特別な規定がある場合には、それに応じた書類が求められます。法務局の公式サイトには、合同会社の商号変更登記申請に必要な書式や記入例も掲載されているので、自身で手続きを行う場合には、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
合同会社の商号変更にかかる費用

合同会社の商号を変更する際には、登記に関連する諸費用が発生します。具体的に、合同会社の商号変更登記にかかる主な費用については、以下のとおりです。
- 登録免許税:3万円(収入印紙での納付が必要)
- 法務局への交通費または郵送代
- 司法書士に依頼した場合の報酬
登記申請は会社の本店所在地を管轄する法務局で行いますが、直接窓口に出向いて提出する方法のほか、郵送による申請も認められています。どちらの方法を選ぶかは、時間や手間、コストなどを考慮して決めることをおすすめします。
参考:登録免許税法別表第一
株式会社・合同会社の商号変更をする際の注意点

株式会社や合同会社の商号変更をする際の注意点については、以下の6つが挙げられます。
- 期日内に変更登記と各種届出を済ませる
- 法人実印の変更が必要
- 同一社名がないことを確認する
- 取引先への通知を行う
- 会社のWebサイトやロゴマークの変更も必要
- 銀行口座の名義変更をする
それぞれの注意点について解説していきます。
期日内に変更登記と各種届出を済ませる
変更登記は定められた期限内に完了しなければならない重要な手続きであり、怠ると法的な制裁を受ける可能性があります。具体的には、「商号変更の効力が生じた日」の翌日から起算して2週間以内に、必要な変更登記を法務局に申請しなければなりません。この期間を過ぎてしまうと、会社の代表者個人に対し、最大100万円の過料が裁判所から科される可能性があります。
さらに、事業によっては官公庁の許認可を得ている場合があり、そうしたケースでは名義変更の届出が別途必要です。万が一、手続きを怠った場合、始末書の提出を求められることもあるので、あらかじめ必要な手続きや提出先を確認し、余裕をもって準備を進めるようにしましょう。
参考:会社法第976条
法人実印の変更が必要
商号変更後は法人実印の差し替え(改印)手続きも必要です。法人実印は、契約書や登記申請書類など企業活動における重要な書類に使用されるので、社名変更と同時期に対応するのが一般的です。この改印の手続きは、会社の本店所在地を管轄する法務局で行い、必要書類は以下のとおりです。
- 旧印鑑および印鑑カードの廃止届
- 新しい実印の届出書
- 印鑑カードの交付申請書
- 印鑑提出者の印鑑登録証明書(個人のもの)
改印に関しては、申請期限が法的に定められているわけではありませんが、社名変更に伴う各種手続きが円滑に進むよう、可能な限り早めに届け出ることをおすすめします。
同一社名がないことを確認する
商号変更をする際には、その名称が他の法人と重複していないかどうかを確認することが重要です。特に、同一所在地で同じ商号を使うことは法律上認められていないので、事前の調査が欠かせません。法務局で閲覧できる商号調査簿やインターネットを通じた登記情報検索サービスで、具体的に確認するようにしてください。
万が一、すでに使われている社名と同一の名称を申請してしまうと、登記が却下されるだけでなく、該当企業から商号の使用を差し止められたり、損害賠償を求められる可能性もあります。このように、トラブルを避けるためにも、商号の重複チェックは念入りに行うようにしましょう。
取引先への通知を行う
社名を変更する際には、取引先への通知を行うようにしましょう。メールやWebサイトでの告知だけでなく、正式な書面としての挨拶状を郵送するのが丁寧な対応とされています。特に、挨拶状は社名変更の1か月ほど前に送付するのが理想的です。既存の契約書に記載されている旧社名やロゴなども、必要に応じて新しいものに差し替えるようにしましょう。
基本的に再契約の手続きは不要ですが、契約内容の中に「商号が変更された場合は再契約を行う」旨の記載がある場合には、新社名で改めて契約を締結する必要があるので、事前に確認しておきましょう。
会社のWebサイトやロゴマークの変更も必要
商号変更をする際には、会社のWebサイトや企業ロゴなどの変更も求められます。特に、ロゴやWebサイトはデザインの企画・制作から始まるので、完成までにある程度の時間を要します。万が一、社名変更のタイミングに合わせてWebサイト全体のリニューアルを考えている場合は、さらにスケジュールに余裕を持つことが重要です。商号変更が決定したら、これらの関連作業についても早めに準備を始めることをおすすめします。
銀行口座の名義変更をする
商号変更した際には、金融機関における口座名義の変更手続きも必要です。銀行口座名義変更の手続きでは、以下のような書類や印鑑を準備しておくことが求められます。
- 履歴事項全部証明書
- 法人の実印に関する印鑑証明書
- 該当の法人名義の預金通帳
- 登録されている銀行届出印
- 新たに使用する銀行印(変更する場合)
登記内容の変更を済ませてから履歴事項証明書が発行されるまでには、通常1〜2週間ほどかかってしまうため、日程に余裕を持って準備を始めるのが大切です。
商号変更手続きは専門家に相談しよう!

今回は、株式会社・合同会社の商号変更の手続きについて紹介しました。商号変更をする場合には、法的に「商号変更登記」という手続きを行う必要があります。登記申請は、変更日として定めた日から2週間以内に法務局へ行うことが義務づけられており、期日を過ぎないよう注意が必要です。
これらの手続きは自分で進めることも可能ですが、書類不備や記載ミスを防ぎたい場合には、専門家へ依頼するのが安心といえます。今回の記事を参考にして、商号変更の手続きをスムーズに行いましょう。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

