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起業・開業
ホワイトニングサロンを開業する流れとは?開業を成功させるポイントについても解説

読了目安時間:約 7分
ホワイトニングサロンの中でも、セルフホワイトニングを中心とした業態は、比較的少ない資格や許可で始められるケースもあります。ただし、法規制や運営体制を正しく理解しないまま開業することで、トラブルや経営上のリスクに直面するケースも見られます。
そのため、ホワイトニングサロンの開業を成功させるには、あらかじめ開業する流れを把握しておくことが重要です。
本記事では、ホワイトニングサロンを開業する流れについて紹介します。
他にも「ホワイトニングサロンの開業を成功させるポイント」や「ホワイトニングサロンを開業する際の注意点」について解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、ホワイトニングサロンを開業する流れを把握してみてください。
目次
ホワイトニングサロンの種類

ホワイトニングサロンの種類については、以下の3つが挙げられます。
- 種類①:オフィスホワイトニング
- 種類②:ホームホワイトニング
- 種類③:セルフホワイトニング
それぞれの種類について解説します。
種類①:オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院にて専門的な知識と技術を持つスタッフが行う歯の漂白治療のことを指します。
医師の診察を受けた上で、セルフホワイトニングよりも高濃度の薬剤を使って歯を白くするため、医療行為に分類されます。
そのため、歯科医師または歯科衛生士などの国家資格を有する医療従事者が施術を行う必要があります。
また、歯科医院での施術は即効性が高く、1回目の処置でも歯の明るさを実感できる点が大きな特徴です。
種類②:ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で処方された専用の薬剤を使用し、自分専用のマウスピースに薬剤を入れ、装着することで歯を白くしていく方法です。
ホームホワイトニングは医療行為に該当し、使用する薬剤も歯科医師の指示のもとで提供されなければなりません。
特徴として、通院せずに自宅で自分のペースでケアができることが挙げられます。
多忙な方でも日常生活の中でホワイトニングを進められる点が、大きな魅力と言えます。
種類③:セルフホワイトニング
セルフホワイトニングは、医療資格を持たない人が自ら行うことができるホワイトニングで、医療行為には該当しません。
国家資格が不要なため、他のホワイトニング施術に比べてコストが抑えられ、専用の機器があれば自宅や好きなタイミングでケアを始めることができます。
また、施術は基本的に利用者自身で行うので、スタッフの対応が最小限で済み、運営側にとっても人件費を抑えやすいメリットがあります。
ホワイトニングサロンを開業する流れ

ホワイトニングサロンを開業する流れについては、以下のとおりです。
- ホワイトニングサロンの種類を決める
- コンセプトを決定する
- 事業計画を立てる
- 資金調達をする
- 物件を選ぶ
- 内装工事や設備準備を行う
- 届出・許可の申請
- スタッフの採用・教育
- 集客活動の実施
- ホワイトニングサロンの開業に必要な資金を調達
それぞれの項目について解説していきます。
ホワイトニングサロンの種類を決める
ホワイトニングサロンの開業を目指す際は、どのようなスタイルでサービスを提供するかを決めていきます。
前述のように、ホワイトニングサービスの提供形態としては、歯科医院で行われる医療ホワイトニング(オフィス・ホーム)と、非医療機関で提供されるセルフホワイトニングの2種類があります。
歯科医院では、専門の歯科医師や歯科衛生士が在籍しており、院内で行う「オフィスホワイトニング」や、自宅でケアを続ける「ホームホワイトニング」といった施術が可能です。
一方、ホワイトニングサロンでは、利用者自身が施術を行う「セルフホワイトニング」のみが提供されます。
歯科医院と比較すると、国家資格を要しないセルフホワイトニングを提供する業態は比較的柔軟な運営が可能ですが、それでも必要な届出や安全配慮、運営体制の整備が求められます。
コンセプトを決定する
次に、ホワイトニングサロンの基本となる「コンセプト」を決めることが大切です。
コンセプトは、お店の運営方針やサービスの特色を伝える核となる要素であり、店舗づくり全体の軸になります。
例えば、内装の雰囲気やスタッフの接客スタイル、集客の方法に至るまで、すべてはこのコンセプトに基づいて設計されています。
そのため、明確な方向性を持ったコンセプトを設定することが、成功するサロンづくりの第一歩になります。
事業計画を立てる
ホワイトニングサロンの開業を円滑に進めるためには、明確なビジョンを反映した事業計画書の作成が役立ちます。
事業計画書には、以下の情報を盛り込むようにしましょう。
- 提供するサービス
- 取扱い商品
- 初期投資額
- 月々の運営コスト
- 商品仕入れにかかるコスト
- 売上の予測
- 競合店の分析
計画を具体的に示すことで、今後の事業運営の道筋が明確になるだけでなく、金融機関からの資金調達を行う際にも信頼性の高い資料として評価されやすくなります。
資金調達をする
ホワイトニングサロンを開業する上で、資金の確保も重要な要素です。
資金調達の手段には以下が挙げられます。
- 自己資金(貯金や個人の資産を活用)
- 借り入れ(金融機関などからの借入)
- 融資(ビジネス支援制度などを通じた資金)
- 補助金・助成金(返済不要の公的支援)
資金調達は事業の安定性に直結する重要な要素ですので、それぞれの資金調達方法を理解し、自分に合った方法を選ぶようにしましょう。
物件を選ぶ
ホワイトニングサロンを開業する際には、立地条件の選定は成功の鍵を握る重要な要素です。
物件を選ぶ際には、賃料などの予算面はもちろん、店舗として必要なスペースが確保できるか、内装や設備の配置に適したレイアウトかどうかも慎重に確認しましょう。
具体的に、理想の物件を見つけるためには、以下のような方法を活用すると効果的です。
- 想定する顧客層や競合状況を考慮し、出店エリアを明確にする
- インターネットの物件検索サービスを使って情報を集める
- 現地の不動産業者に相談して情報収集を進める
- 知人や業界関係者に紹介を依頼する
このように多角的に情報を集め、サロンのイメージにふさわしい場所を見つけることが、開業成功につながります。
内装工事や設備準備を行う
物件を契約した後は、サロンの雰囲気づくりのために内装の工事を行います。
落ち着きがあり清潔感のある空間に仕上げて、顧客が快適に過ごせる環境を整えることが重要です。
特に、完全個室の設計や写真映えするインテリアを取り入れることで、SNSなどを通じた集客効果も期待できます。
また、内装のプランニングにおいては、選んだ物件の構造や広さに応じて、経営スタイルに合った配置やデザインを検討しましょう。
清潔さやデザイン性はもちろん、顧客のプライバシーに配慮した空間づくりも重要な要素になります。
このように、コンセプトに最適なレイアウトを探すことが、ホワイトニングサロンを開業する上で大切です。
届出・許可の申請
ホワイトニングサロンを開業するにあたって、業種に応じて適切な手続きが求められます。
実際に、セルフホワイトニングとオフィスホワイトニングもしくはホームホワイトニングとでは、申請の内容が異なりますので、事前にしっかり確認しておくようにしましょう。
種類 | 必要な手続き |
セルフホワイトニング | ・個人事業としての開業に関する届出(開業届など) ・青色申告を希望する場合の所得税関連の申請 |
オフィスホワイトニング ホームホワイトニング | ・消防法に基づく防火管理者の選任に関する届出 ・医療機関としての開設届出 ・保険診療を行う際の保険医療機関指定申請 |
すでに手続きが済んでいるのであれば、改めて行う必要はないので、自身の状況に合わせて確認しましょう。
参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁/青色申告制度|国税庁
防火・防災管理者選任(解任)届出書 / 消防計画作成(変更)届出書 | 東京消防庁
診療所・歯科診療所の開設等|保険医療局
保険医療機関・保険薬局の指定等に関する申請・届出|地方厚生(支)局
スタッフの採用・教育
ホワイトニング事業を始める際には、人材の確保と育成が欠かせません。
新たにスタッフを採用する場合は、開業予定の数ヶ月前から準備を進めるのが理想的です。
すでに歯科医院を運営している場合は、現在のスタッフに対してホワイトニングの基本的な技術を習得させることをおすすめします。
集客活動の実施
ホワイトニングサロンを開業する前から、積極的な集客準備を始めることが開業を成功させる上で重要です。
実際に、ターゲットとしている顧客に、店舗を認識してもらうためには、開業前から情報発信を行うことが必要です。
ホームページやSNSなどのデジタルツールを活用して、効果的に告知・広報を行い、口コミを広げる工夫も必要です。その際、虚偽の口コミを促すことは法的問題を招くため、誠実な顧客対応を通じて、自然な口コミの獲得を目指しましょう。
ホワイトニングサロンの開業に必要な資金

ホワイトニングサロンを新たに立ち上げる際の初期費用は、おおよそ数百万円から1,000万円前後の投資を見込むケースが多く見られます。
しかし、サロンの所在地や大きさ、物件の取得方法や形態によって、必要な金額は大きく異なります。
また、導入する機材の種類や量、インテリアの質、雇用するスタッフの数もコストに大きく影響を与える要因です。
具体的に、開業時に想定するべき支出項目は、以下が挙げられます。
- 物件関連の費用
- 設備の導入費
- 内装工事費
- 備品や消耗品の調達費
- 広告や集客にかかる費用
また、最新の設備を揃えたり、上質な空間演出に力を入れて集客を狙う場合には、相応の資金が必要になるので、あらかじめ注意が必要です。
ホワイトニングサロンの開業を成功させるポイント

ホワイトニングサロンの開業を成功させるポイントは、以下の4つです。
- 高品質なサービスを提供する
- 接客を丁寧に行う
- 集客に力を入れる
- 予約管理システムを導入する
それぞれのポイントについて解説していきます。
高品質なサービスを提供する
ホワイトニングサロンの開業を成功させるには、サービスのクオリティを高めることが重要です。
来店する顧客が高い満足感を得られることで、店舗への信頼が築かれ、リピート率の向上や売上の増加に直結するのも事実です。
さらに、満足度の高い体験をした顧客は、友人や知人へサロンを推薦してくれる可能性が高くなるメリットも挙げられます。
現在ではSNSや口コミサイトが広く活用されているため、高評価の口コミは新たな顧客の獲得にも大きく影響します。
接客を丁寧に行う
サービスの質を高めるうえで、接客を丁寧に行うことは欠かせません。
実際に、運営に関わるスタッフの対応が悪ければ、新しく来院を検討している方はもちろん、すでに通っている顧客でさえ離れてしまうリスクがあります。
このように、常に顧客の立場に立ってサロンを運営する姿勢が求められます。
集客に力を入れる
ホワイトニングサロンの開業を成功させるには、集客にも力を入れるようにしましょう。
特に、SNSやWebサイトなどを活用して、サロンの魅力をしっかり伝えることが重要です。
どれほど質の高いサービスを提供していても、その存在が知られていなければ顧客が来院する確率は下がってしまいます。
まずは興味を持ってもらい、実際に足を運んでもらうための工夫が必要です。
初回来店時に、効果を体感できたり、心地よい対応を受けたりすることで、再訪したいという気持ちが自然と生まれます。
そのためには、例えば「初回限定の割引プラン」で来店のハードルを下げたり、「常連様向けの特別クーポン」で継続的な来店を促すなど、戦略的な施策を打ち出すことなども効果的です。
予約管理システムを導入する
ホワイトニングサロンの開業を成功させるポイントとして、円滑な予約管理は欠かせない要素です。
業務の効率化を図るためには、予約専用システムや管理ツールの導入が効果的です。
これにより、スタッフのスケジュール調整や予約状況の把握が簡単になり、業務全体の流れがスムーズになります。
また、遅刻やキャンセルに関するルールを明確に設け、それを事前に顧客へ周知しておくことも、時間のロスを減らす上で重要な取り組みです。
さらに、事前に予約確認のメールを送ることで、来店忘れを防ぐ効果も期待できます。
このように、予約管理システムを導入することによって、より信頼されるサービスの提供に繋がります。
ホワイトニングサロンを開業する際の注意点

ホワイトニングサロンを開業する際の注意点については、以下の2つが挙げられます。
- スタッフが医療行為をしないようにする
- 誇大な表現には注意する
それぞれの注意点について解説していきます。
スタッフが医療行為をしないようにする
オフィスホワイトニングやホームホワイトニングを提供する際には、スタッフが医療行為に該当する行為をしないよう、十分な配慮が必要です。
医療行為は法律により、医師免許を有する者のみに認められています。
無資格のスタッフがこれに該当する処置を行った場合、「歯科医師法第17条」に違反してしまい、最長で3年の懲役、あるいは最大100万円の罰金が科される可能性があります。
そのため、歯科医師または歯科衛生士の資格を持たないスタッフには、利用者の口腔内や口元に直接触れないよう、しっかりと指導を行うことが重要です。
参考:歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について|厚生労働省
誇大な表現には注意する
ホワイトニングサロンを開業する際の注意点として、誤解を招くような表現は避けましょう。
設備やサービス内容と異なる情報を発信してしまうと、顧客の不満に繋がる恐れがあります。
例えば、広告やSNSで告知した料金と実際に請求される価格に差がある場合などに注意が必要です。
内容によっては「景品表示法」に抵触し、営業停止や罰金といった法的リスクが発生する可能性もあるため、誠実な情報提供を心がけましょう。
参考:景品表示法 | 消費者庁
ホワイトニングサロンの開業は入念に準備しよう!

今回は、ホワイトニングサロンを開業する流れについて紹介しました。
ホワイトニングサロンを始める際には、誰でも取り組みやすい反面、気をつけるべきポイントも多くあります。
開業前に必要な準備をしっかりと行い、計画的に取り組むことで、トラブルを未然に防ぐことに繋がります。
今回の記事を参考にして、ホワイトニングサロンの開業は入念に準備するようにしましょう。
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- さらに会社設立してからも一気通貫で支援
この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。