2025.05.23

起業・開業

ラーメン屋を開業するステップとは?必要な資金や許可・資格についても徹底解説

開業 ラーメン屋

読了目安時間:約 8分

ラーメン店で安定した収益を目指すためには、開業前の準備や事業計画の基本をしっかり理解しておくことが大切です。

繁盛店を目指すうえでは、メニューや集客、スタッフ教育だけでなく、資金繰りや原価管理といった財務面の計画性も必要です。

本記事では、ラーメン屋を開業するステップについて紹介します。

他にも「ラーメン屋の開業に必要な資金や許可・資格」や「ラーメン屋の開業を成功させるポイント」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、ラーメン屋の開業を成功させてみてください。

ラーメン屋を開業するステップ

ラーメン屋を開業するステップ

ラーメン屋を開業するステップを把握することによって、スムーズに開業することに繋がります

ラーメン屋を開業する具体的なステップは、以下のとおりです。

  • 事業計画書を作成する
  • コンセプトを決める
  • 物件を探す
  • メニューを作る
  • 資金調達を行う
  • 仕入れ先を決める
  • 届出許可申請と資格取得
  • 人材採用と教育
  • 集客の実施

以下、それぞれの項目について解説します。

事業計画書を作成する

ラーメン店を開業する際には、運営の方針や将来のビジョンを具体的にまとめた「事業計画書」を作成すると大いに役立ちます。

事業計画書には、目標設定や市場の調査、財務の見通しなどが含まれており、開業後の経営を着実に進めるための重要な書類です。

まず、「何を達成したいのか」という経営の目的を具体的に記載します。

例えば、「月間売上○○万円」や「1日平均○○人の来店」といった具体的な目標を設定すると、運営指針が明確になります。

また、開業資金や日々の運営にかかる費用、売上の予想などを盛り込んだ財務計画を作成することで、資金繰りや収益性を把握しやすくなります。

さらに、事業計画書は、金融機関からの融資を受ける際や人材を採用する際の信頼材料としても役立つので、丁寧かつ現実的にまとめるようにしましょう。

参考:新たに飲食店を始めるみなさまへ|創業の手引+

コンセプトを決める

ラーメン店の開業を成功させるには、店舗の核となるコンセプトを明確にすることが重要です。

コンセプトを決めることで、店舗の個性を際立たせ、他店との差別化を実現する土台となります。

具体的には、ラーメンの味のスタイルや店内の雰囲気といった「テーマ」をしっかりと定めるようにしましょう

次に、どのような層の顧客を主に想定するのかを明らかにし、そのニーズや好みに寄り添ったコンセプトを設計することがポイントです。

こうしたコンセプトを一貫して反映させることで、メニューや店内デザイン、接客スタイルに統一感が生まれ、顧客の心に残る印象的な店舗づくりにつながります。

物件を探す

物件を選定する際は、希望する条件にマッチした場所を見つけ出し、取得手続きを進めていきます。

物件探しでは、想定する顧客層やお店のコンセプトにしっかり合った物件を選ぶことが大切です。

実際に、ラーメン店を出店するにあたり、もっとも重視するポイントは立地条件です。

例えば、ビジネスマンを中心とした顧客層を想定している場合は、オフィス街やビジネスエリアでの出店が候補になる場合もあるでしょう。

このように、物件選びでは周囲の競合状況や家賃の水準なども慎重に調査し、戦略的に判断することが重要です。

メニューを作る

ラーメン店にとって、メニューは店舗の印象を左右する大切な要素であり、顧客の関心を惹きつけ、また訪れたいと思わせるような魅力あるメニュー作りが求められます。

まずは看板商品となるラーメンを選び、その味や特徴を際立たせる工夫が必要です。

また、餃子やチャーハンなどのサイドメニューも、食事全体の満足感を高める重要なポイントです。

さらに、価格設定にも慎重さが求められ、食材費とのバランスをとりながらも、顧客にとって納得感のある価格に調整することが大切です。

資金調達を行う

ラーメン屋の開業には、主に初期費用と一定期間分の運転資金を合わせて準備することが不可欠です。一般的に開業後3~6ヶ月間の運転資金を用意しておくと、初期の資金繰りに安心感が持てる傾向にあります。

調達方法にはいくつかの選択肢があり、目的や状況に応じた方法を選ぶことが重要です。

例えば、金融機関から資金を借り入れる場合は、綿密な創業計画書の作成が求められます。

また、クラウドファンディングも近年新たな資金調達手段として注目されています。ただし、計画的な情報発信や支援者とのコミュニケーションが必要となるため、準備が欠かせません。

資金調達方法を選ぶにしても、どれだけの資金が必要で、それを何に使うかを明確にすることが、資金調達を円滑に進める上で重要になります。

税務・財務の視点からは、初期投資額や運転資金の試算に加えて、設備投資の減価償却や、開業初年度の消費税・所得税対策なども事前に検討しておくと安心です。

資金調達や節税対策に不安がある場合は、税理士に早めに相談することをおすすめします。

仕入れ先を決める

ラーメン店の運営において、食材の調達先は味や価格設定に大きな影響を与える重要な要素になります。

まず、食材の鮮度や品質を見極めるために、サンプルの試食や現地訪問を積極的に行うようにしましょう。

また、複数の業者から見積もりを取得し、コスト面だけでなく、価格に見合う価値があるかを冷静に比較することが大切です。

さらに、仕入れ価格だけでなく、納品スケジュールや支払い条件なども含めて細かく条件交渉を行い、安定した取引関係を築く必要があります。

このように、仕入れ先の選定は、店舗経営の基盤を支える作業になるので、一つひとつの判断を慎重に行い、長期的な視点で最適なパートナーを選ぶようにしましょう。

届出許可申請と資格取得

ラーメン店を開業するには、必要な資格の取得や関連する届け出・許認可の手続きも欠かせません。

まず基本的な条件として、飲食店の営業には「食品衛生責任者」を配置することが義務付けられています。

また、一定規模以上の飲食店では、防火管理者の選任が義務付けられる場合があります。

防火管理者には「甲種」「乙種」など区分があり、対象となる施設の規模や用途により取得すべき講習の種類が異なります

ラーメン屋の開業に必要な許可や資格については、後ほど詳しく解説します。

人材採用と教育

ラーメン店を開業する際には、その店舗の規模や提供スタイルに応じて、スタッフの採用と育成が必要になります。

仮に小規模な店舗であっても、経営者がすべての業務を一人で担うのは現実的に困難な場合もあります。

そのため、必要な人件費を見積もった上で、どのような職種が必要かを明確にし、採用条件を整理してから募集をスタートさせましょう。

採用後は、書類選考や面接を通じて適任者を選び、店舗の開業前に業務マニュアルに沿った研修を実施するようにしましょう。

スタッフの接客態度は顧客満足に直結するので、働きやすい環境づくりと同時に、丁寧な指導を心がけることが大切です。

集客の実施

ラーメン店を開業する際、オープンの数ヶ月前から集客活動に力を入れ始めることが大切です。

集客方法は、主にオンラインとオフラインの2つに分けられます。

オフラインの集客方法については、地域にチラシを配布したり、目立つ場所に看板を設置することが挙げられます。

その際は、お店の雰囲気やサービス内容を分かりやすく盛り込み、初回来店時に使える割引クーポンや特典情報を記載すると、より多くの人の興味を引ける可能性が高まります。

一方、オンラインを活用した集客も現代社会では有効です。

ブログやSNSアカウントを活用し、開業準備過程やメニュー紹介を定期的に発信することで、フォロワーの増加と店舗認知拡大が期待できます。ただし、投稿の質と頻度が集客効果に大きく影響するため、工夫は必要となるでしょう。

ラーメン屋の開業に必要な資金

ラーメン屋の開業に必要な資金

ラーメン屋の開業に必要な資金については、主に以下の2つが挙げられます。

  • 初期費用
  • 運転資金

それぞれの項目について解説していきます。

初期費用

ラーメン屋を開業するにあたり、さまざまな費用が初期段階で発生します。

具体的にラーメン屋開業に必要な初期投資については、以下が挙げられます。

項目内容
店舗の賃貸にかかる費用物件の家賃に加え、敷金や礼金といった初期支払いが必要。特に都市部では、月々の家賃が15万〜30万円ほどと見込まれ、敷金は通常3〜6ヶ月分が必要な場合も
内装の整備費用店内のデザインやレイアウトに基づいて行う内装工事の費用は、100万〜300万円程度
設備に対する投資厨房機器や調理道具、冷蔵設備、客席用のテーブル・椅子などにかかる費用は300万〜500万円程度
食材の事前仕入れ費用使用する食材にかかる費用は、20万〜50万円程度

ただし上記の費用はあくまで目安であり、店舗の規模や運営方針、地域などによっても異なるため、開業前には最新の市場調査を行い、詳細な費用計画を立てることが重要です。

運転資金

ラーメン屋を開業後に安定した店舗運営を続けるには、毎月の支出に備えた運転資金の確保が重要です。

具体的に、ラーメン屋に必要な運転資金については、以下が挙げられます。

項目内容
人件費従業員への給与は、1人あたりおおよそ15万円から25万円が相場
光熱費店舗で使用する電気・ガス・水道などの費用は、毎月5万円から10万円程度
仕入れ関連費用原材料や商品仕入れにかかる月々のコストとしては、30万円から50万円程度
広告・宣伝費広告宣伝費は月5万円から15万円程度

こちらもあくまで目安となりますので、具体的な数字に基づいた試算ができるよう事前調査を行うようにしてください。

ラーメンの開業に必要な許可・資格

ラーメンの開業に必要な許可・資格

ラーメン屋の開業に必要な許可・資格については、以下の3つが挙げられます。

  • 飲食店営業許可
  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者

それぞれの項目について解説していきます。

飲食店営業許可

飲食店営業許可とは、食品衛生法に基づいており、営業を始める前に必要な手続きを行う必要があります。

まず「営業許可申請書」を作成し、所定の添付書類とともに保健所に提出を行います。

提出が求められる書類には、食品衛生責任者の資格を示す証明書や、店舗のレイアウト図、設備の詳細資料などが含まれます。

申請には手数料がかかり、地域によって金額に差がありますが、一般的には1万円から3万円程度が目安になります。

申請後は保健所の担当者が店舗に訪れ、衛生状態や設備が基準を満たしているかどうかを確認し、すべての基準をクリアすれば、正式に営業許可が与えられます。

参考:営業許可・届出の概要|「食品衛生の窓」東京都保健医療局

食品衛生責任者

ラーメン屋を経営する際には、食品衛生責任者という資格の取得が不可欠です。

食品衛生責任者は、安全で衛生的な飲食提供を行う上で必要となる基礎知識を習得するための制度です。

資格の取得方法は、都道府県ごとに開催されている専用の講習会に参加することで取得可能です。

講習は通常1日で完了し、受講料は地域によって異なりますが、5,000円〜15,000円が目安です。

多くの場合、店舗のオーナーや運営責任者が資格を取得することが推奨されています。

また、食品衛生責任者の資格を保有していることは、保健所から営業許可を受けるための必須条件の一つとなっているので、開業前に必ず取得しておく必要があります。

参考:食品衛生責任者について|一般社団法人東京都食品衛生協会

防火管理者

店舗の収容人数が31名以上となる場合、防火管理者を配置することが法律で求められます。

また、店舗の床面積によって、必要な防火管理者の種類が異なり、300平方メートルを超える施設には「甲種」、それ未満であれば「乙種」が該当します。

防火管理者の資格は各都道府県や市町村の消防署が行う講習を受講し合格することで取得できます。講習日程や費用は地域により異なる場合があります。なお、店舗の規模や平米数で判定されるケースもあり、詳細は各自治体の消防署へ確認をおすすめします。

参考:防火管理者について|一般財団法人日本防火・防災協会

ラーメン屋の開業を成功させるポイント

ラーメン屋の開業を成功させるポイント

ラーメン屋の開業を成功させるポイントは、以下の4つが挙げられます。

  • 顧客ニーズを理解する
  • 効果的なマーケティング戦略を実施する
  • 魅力的なメニューを作成する
  • 従業員の教育に力をいれる

それぞれのポイントについて解説していきます。

顧客ニーズを理解する

ラーメン屋の開業を成功に導くためには、顧客ニーズを正確に捉えることが重要です。

顧客ニーズを理解するには、競合となる他店の傾向や、自店が狙う顧客層の好みを調査し、どのような商品やサービスが支持されているのか明確に把握する必要があります。

また、開店後も顧客から寄せられる意見や感想を真摯に受け止め、それらをメニューの改良や接客の質向上に積極的に活かしていくことも大切です。

こうした努力を重ねることで、自然と常連客が増えていくことに繋がる可能性が高まります。

効果的なマーケティング戦略を実施する

ラーメン屋の開業を成功させるコツは、効果的なマーケティング戦略を実施することが重要です。

例えば、InstagramやX(旧Twitter)といったプラットフォームに、店内の様子やおすすめメニューの写真・動画を定期的に投稿することで、視覚的な魅力が伝わり、フォロワーの増加が期待できます。

また、地元のお祭りやマーケットへの出店、周辺の店舗と連携した企画などを通じて、地域の方々とのつながりを強化し、親近感を持ってもらえるようにすることで、高い集客効果が期待できます。

さらに、既存顧客の再来店を促すために、ポイント制度の導入や割引券の配布など、リピートに繋がるサービスを展開することで、安定した集客が見込めます。

このように、効果的なマーケティング戦略を組み合わせることで、店舗の認知度を効果的に高めることに繋がります。

魅力的なメニューを作成する

ラーメン屋の開業には、他店にはない魅力を持ったメニュー作りが重要です。

他店との差を明確にするために、独自のレシピや個性的なスープの開発に取り組むことが求められます。

例えば、期間限定のメニューや地域性を意識したご当地メニューなどは話題性と集客力の効果が期待できます。

また、料理の質を高めるには、選び抜かれた良質な食材を使うことが不可欠になるので、信頼できる仕入れ先としっかり連携し、安定した食材供給を確保する体制を整えるようにしましょう

従業員の教育に力をいれる

ラーメン屋の開業を成功させるには、スタッフの育成と意欲の維持が欠かせません。

例えば、定期的な研修を通じて、料理の技術や接客に必要なマナーを磨く機会を設けるなどが挙げられます。

また、日々の業務の中で積極的に意見交換を行い、定期ミーティングなどで相互の理解を深めることで、職場内の連携もスムーズになります。

さらに、働く人にとって快適な職場環境を整備することが、モチベーションの維持につながり、最終的には顧客へのサービス向上に繋がるでしょう。

ラーメン屋の開業は計画的な準備をしよう!

ラーメン屋の開業は計画的な準備をしよう!

今回は、ラーメン屋を開業するステップを紹介しました。

ラーメン屋の開業を成功させるには、周到な準備が必要です

まず、事業計画を作成し、店舗のコンセプトや提供する料理の方向性を明確にするところから始めていきます。

また、資金調達を検討し、許可や資格などの手続きも整える必要があります。

さらに、顧客ニーズや市場動向を把握し、他店との差別化を図る魅力的なメニューの開発も重要になります。

今回の記事を参考にして、ラーメン屋の開業は計画的な準備をするようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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