2025.05.30

起業・開業

リサイクルショップを開業する手順とは?開業の必要資金や成功させるコツも紹介

リサイクルショップ 開業

読了目安時間:約 6分

リサイクルショップで中古品の仕入れ・販売を行う場合、多くのケースで「古物商許可」の取得が必要となり、それ以外にも事前に把握しておくべき開業手順があります。

開業を成功させるためには、法的な許認可だけでなく、運営に関する知識や手続き、業界の動向を踏まえた戦略的な準備が求められます。

本記事では、リサイクルショップを開業する手順について紹介します。

また、「リサイクルショップ開業に必要な資金」や「開業を成功させるためのコツ」についても解説します。

今回の記事を参考に、リサイクルショップの開業準備を進めてみてください。

リサイクルショップを開業する手順

リサイクルショップを開業する手順

リサイクルショップを開業する手順については、以下の8つが挙げられます。

  • コンセプトの決定
  • 資金調達
  • 仕入先の選定
  • 物件探し
  • 機器や設備の準備
  • 必要な資格や免許の取得
  • スタッフの採用と教育
  • 集客の実施

それぞれの手順について解説します。

コンセプトの決定

リサイクルショップを開業する際には、「どのようなお店にするのか」という明確なコンセプト作りが必要です。

リサイクル業界に限らず、あらゆるビジネスの土台となる非常に重要な作業になるので、時間をかけてしっかりと構想を練るようにしましょう。

具体的に、コンセプトを構築する際には、「5W1H」の視点を取り入れると方向性が見えてきます

  • いつ営業を始めるのか(When)
  • 店舗を構える場所はどこか(Where)
  • 誰がターゲットになるのか(Who)
  • どんな商品を取り扱うのか(What)
  • なぜそのビジネスを行うのか(Why)
  • どのような方法で運営するのか(How)

これらの要素をひとつひとつ整理していくことで、店舗の特徴や方向性が具体化され、経営の軸を定めることにつながります。

参考:創業の手引|日本政策金融公庫

資金調達

次のステップとして資金の準備が必要になります。

自己資金だけでは不足する場合は、次のような資金調達方法を検討しましょう。

  • 出資者を募る
  • 金融機関などからの借入
  • 公的機関や民間の融資制度を活用
  • 補助金・助成金の申請

また、開業に必要な費用を明確に見積もることが、資金ショートによる準備の遅れを回避することに繋がります

仕入先の選定

リサイクルショップを開業するにあたって、商品の仕入れや買取先の確保が重要な要素となります。

実店舗を構える場合、開業直後に一定量の商品が陳列されていないと、売上確保が難しくなることがあります。業態によって必要な商品量は異なりますが、開業前の在庫準備は重要なポイントです。

開業前には、商品の安定供給を図るため、複数の仕入れルートを確保しておくことが望ましいです。

顧客以外の仕入先は、次のようなものがあります。

  • 古物市場(※参加・取引には古物商許可証の取得が必要)
  • オンラインオークション
  • 古物専門の卸売業者
  • 不用品の回収業者
  • 家電メーカーや量販店などの業者

このように、あらかじめ信頼できる仕入れルートや買取先をいくつか確保しておくことが、安定した運営につながります。

なお、一部の家電メーカーや量販店が在庫処分品や再整備品を販売するケースもありますが、事業者間契約や条件が必要な場合があるため、慎重に確認する必要があります。

物件探し

リサイクルショップを開業するにあたり、資金の確保と並行して営業拠点となる物件の選定も進めていきましょう。

まずは、店舗のコンセプトに合った立地条件や賃料、広さなどを明確にし、それに基づいて物件を探すことが重要です。

また、リサイクルショップを構えるための物件には、店舗用の物件はもちろん、住宅と併用できるタイプも選択肢として挙げられます

機器や設備の準備

続いて、リサイクルショップの運営に必要な機器や設備の手配も進めておきましょう。

店舗によって異なりますが、リサイクルショップに必要な機器や設備については、以下が挙げられます。

  • 空調
  • 換気システム
  • インターネット回線
  • パソコン
  • カウンター
  • 商品を展示する棚

また、これらをすべて新品で揃えるのではなく、中古品や再利用可能な機材、あるいはレンタル品を活用することで、開業時のコストを大きく抑えることが可能です。ただし、機材の品質や安全性には十分に注意してください。

必要な資格や免許の取得

リサイクルショップを始める際には、「古物商許可」を取得する必要があります。

古物商許可は公安委員会が発行しますが、申請は地域の警察署が窓口となっています。

申請の際には、許可申請書に加えて、過去5年間の経歴書や法律で定められた欠格事由に該当しないことを誓う書類など、いくつかの書類を用意する必要があります。

手続きを円滑に進めるためには、事前に担当の警察署に問い合わせ、必要書類を確認した上で準備を進めることをおすすめします。

さらに、店舗を運営するにあたり、原則として各店舗ごとに1名の「管理者」を選任する必要があります。店舗オーナーが管理者を兼任することも可能ですが、複数店舗の管理者を兼務することは禁止されているため、複数店舗を運営する場合は個別に管理者を配置する必要があります。

参考:古物商許可申請|警視庁

スタッフの採用と教育

リサイクルショップを一人で運営するのが難しい場合には、開業準備の段階で人材募集を始めるようにしましょう。

スタッフの採用には、インターネットの求人サービスや紙媒体の求人広告、さらに店舗の公式サイトやSNSを活用することが一般的かつ効果的ですが、地域の労働市場や募集条件によって適宜選択することが重要です。

集客の実施

リサイクルショップの開業をする際には、集客を行うことも重要な要素になります。

開業前から積極的に宣伝活動を行えば、店舗の存在を多くの人に知ってもらうことができ、オープン初日からの集客につながりやすくなります。

店舗周辺でのチラシ配布や看板設置、さらにはホームページやSNSを活用した情報発信も効果的ですが、ターゲット層への的確にアプローチする計画も必要です。

開業の初期段階から集客準備を行うことで、情報発信が円滑になり、開業後の集客活動を効率的に進められます

リサイクルショップ開業の必要資金

リサイクルショップ開業の必要資金

リサイクルショップ開業の必要資金については、以下の2つが挙げられます。

  • 初期費用
  • 運転資金

それぞれの必要資金について解説していきます。

初期費用

リサイクルショップを始めるにあたっては、その店舗の規模や場所、運営スタイルによって必要な初期投資が変わってきます。

具体的に、リサイクルショップの開業時にかかる費用については、以下が挙げられます。

  • 店舗の賃貸契約にかかる費用
  • 古物商の営業許可取得費用
  • 店舗内外の工事や設備設置費
  • 商品の初回仕入れ費用
  • 採用活動および研修にかかる費用
  • 広告・販促のための費用
  • 軽トラックの購入費(必要な場合)

上記の中で、特に費用差が大きくなりやすいのが物件取得費です。

出店するエリアや、路面店・テナントビルなどの立地条件、店舗面積の大小によって金額が大きく異なるため、物件選びは慎重におこなう必要があります。

また、店舗の規模によってはスタッフの採用が求められ、正社員を採用するか、パート・アルバイトを活用するかにより人件費も変動するため、採用計画をしっかり立てることが大切です。

運転資金

リサイクルショップの開業を考える際には、初期投資だけでなく、開業後の日々の運営に必要な運転資金もしっかりと計画しておくことが大切です。

日常の運営にかかる主な費用には、以下のような項目が挙げられます。

  • 店舗の賃貸料
  • スタッフの給与
  • 電気・水道などの光熱費
  • 商品の仕入れにかかる費用
  • お店を知ってもらうための広告費

運転資金の額は、店舗規模や立地条件、スタッフの雇用形態などにより大きく異なります。小規模な地方型店舗であれば、月に数十万円程度に収まるケースもありますが、具体的な金額は個別に試算することが望ましいです。

また、開業してすぐに安定した売上が得られるとは限らないため、運転資金として少なくとも3〜6ヶ月分の資金を確保しておくことを推奨します。これは、万が一売上が想定よりも低迷した場合でも、店舗運営を継続できる体力を確保するためです。

リサイクルショップの開業形態

リサイクルショップの開業種類

リサイクルショップの開業形態には、以下の2種類があります。

  • 店舗型
  • 無店舗型(ネット販売)

それぞれについて解説します。

店舗型

店舗型のリサイクルショップは、実際に店舗を構えて商品を仕入れたり販売したりするスタイルです。

店頭での営業となるため、店舗の設置や内装、さらに家賃や光熱費などの運営費用が必要となります。

店舗型の場合、商品を直接持ち込みたいと考える顧客に対応しやすいという利点があります。

無店舗型(ネット販売)

無店舗型のリサイクルショップは、実店舗を持たずに、出張買取や宅配買取、インターネットを通じた販売などで事業を展開します。

例えば、顧客の自宅や希望する場所に訪問して査定を行う出張買取や宅配による買取サービス、またインターネット上で商品を販売するECスタイルのリサイクルショップが挙げられます。

メリットとして、物理的な店舗を持たないので、開業にかかる初期費用を比較的低く抑えることが可能で、資金面のリスクも軽減することができます。また、利便性を重視する顧客にも適しているでしょう。

しかし、通りすがりの人の目に触れる店舗のような認知効果が期待できないので、集客活動が重要な要素になります。

リサイクルショップの開業を成功させるコツ

リサイクルショップの開業を成功させるコツ

リサイクルショップの開業を成功させるコツについては、以下の4つが挙げられます。

  • 計画的な資金調達を行う
  • 安定した仕入れルートの確保
  • 専門分野を持ったスタッフを雇う
  • SNSを活用する

それぞれのコツについて解説していきます。

計画的な資金調達を行う

リサイクルショップの開業を成功させるには、ゆとりある資金計画が欠かせません。

店舗の立ち上げに必要な費用だけでなく、営業開始後に必要となる運転資金までしっかりと見積もっておくことが重要です。

特に、準備段階で予想以上にコストがかかってしまった場合、資金に余裕がないとすぐに経営が行き詰まってしまうリスクがあります。

このようなリスクを避けるためにも、開業後すぐに安定した収入が得られない状況を想定し、少なくとも3~6ヶ月分の運転資金を確保しておきましょう。

さらに、リサイクルショップでは商品の仕入れや買い取りに使う資金も重要な要素です。

どのようなジャンルの商品を扱うかによって必要な資金は大きく異なるので、事前に詳細な資金計画を立て、無理のない範囲で資金を調達することをおすすめします。

安定した仕入れルートの確保

リサイクルショップを成功させるためには、安定した仕入れルートの確保が重要です。

安定して商品を確保できるルートを持つことは、リサイクルショップを成功させるのに重要な要素となります。

安定した仕入れを実現するためには、店舗のWebサイトやSNSを活用して買取希望者を集めることが挙げられます。

また、古物市場を利用したり、不用品回収業者との連携を図るなど多角的なルートの確保に取り組むことが効果的です。

専門分野を持ったスタッフを雇う

専門性に特化したアイテムを取り扱うリサイクルショップでは、該当分野に強い興味や知識を持つ人材を積極的に採用することが開業を成功させる上で重要な要素になります。

例えば、ファッションに敏感なスタッフなら洋服コーナー、読書好きの方なら古書の担当などそれぞれの興味関心を生かした配置を行うことで、働く側の満足度も高まり、より専門的な対応が可能になります。

こうしたスタッフとの会話や提案があることで、顧客の満足感が増し、リピーターの獲得にも繋がります。

SNSを活用する

店舗の知名度を高めて多くの人に存在を知ってもらうには、SNSを取り入れた集客手法も有効です。

実際に、近年ではSNSを活用して情報を得たり発信したりする人が増えています。

SNSはそれぞれ利用者層や拡散性、投稿に適したコンテンツのタイプが異なりますので、自店の特徴やターゲット層に合ったSNSを選び、継続的に情報発信を行うことが効果的です。

入念に準備してリサイクルショップ開業を成功させよう!

入念に準備してリサイクルショップ開業を成功させよう!

今回は、リサイクルショップを開業する手順について紹介しました。

リサイクルショップを開業するには、許可の取得だけでなく、仕入先の確保や資金面の準備など、さまざまなステップを踏む必要があります。

準備が滞ってしまうと、予定していた開業日が遅れてしまうリスクも生じます。

スムーズなスタートを切るためには、全体の流れを把握したうえで、計画的に進行していくことが大切です。

今回の記事を参考にして、入念に準備してリサイクルショップ開業を成功させましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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