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飲食店開業に失敗してしまう原因とは?成功させるポイントについても解説

読了目安時間:約 6分
飲食店開業に失敗してしまう原因を把握しておくことによって、事前に対策を行うことができ、開業を成功させることにつながります。
本記事では、飲食店開業に失敗してしまう原因について紹介します。
他にも「飲食店開業に失敗してしまう人の特徴」や「飲食店開業を成功させるポイント」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、飲食店開業を成功させてください。
目次
飲食店開業に失敗してしまう原因

飲食店開業に失敗してしまう原因には、以下の7つが挙げられます。
- 資金計画の不備
- 飲食店のコンセプトが決まっていない
- 収入と収支のバランスが崩れている
- 分析が不十分
- 適切な場所を選定できていない
- 宣伝不足
- 価格設定のミス
それぞれの原因について解説していきます。
資金計画の不備
飲食店開業に失敗してしまう原因として、資金計画の不備が挙げられます。
実際に、飲食店を始める際、考えるべき重要なポイントは資金の見通しです。
多くの場合、店の名前が地域に浸透し、安定した経営が実現するまでには一定の期間が必要になります。
そのため、店舗の立ち上げ費用に加えて、売上が安定するまでの運転資金もあらかじめしっかりと確保しておくことが重要です。
飲食店のコンセプトが決まっていない
どれほど美味しい料理を提供していたとしても、お店としての方向性が明確でなければ、その魅力が十分に伝わらずに、飲食店開業に失敗してしまう原因になります。
実際に、来店する顧客が求めているのは単なる食事だけではなく、店内の雰囲気や接客といった総合的な「体験」なのも事実です。
開業前にお店のコンセプトをしっかりと固めておくことで、新メニューのアイデアや集客戦略を立てる際に、誰に向けてどのようなアプローチを取るべきかを的確に判断しやすくなります。
収入と収支のバランスが崩れている
飲食店の開業が失敗してしまう原因のひとつに、収入と支出のバランスの悪化が挙げられます。
店舗を運営する上では、売上の中からスタッフの給与や食材費、テナントの賃料などさまざまな経費を賄う必要があります。
どの程度の収入が期待できるのか、どれだけの運営コストがかかるのかを、開業前に見積もっておくことが重要です。
分析が不十分
飲食店を開業する際には、地域のニーズや他店舗との競合状況をしっかりと見極めることが重要です。
事前の調査や分析を怠ると、地域住民の好みを的確に捉えることが難しくなり、店舗の方向性や立ち位置が曖昧になってしまうリスクがあります。
例えば、その地域で求められている食のスタイルや価格帯を理解しないまま開業すると、顧客のニーズに応えられず、来店に繋がらないリスクがあります。
また、周囲の飲食店がどのようなサービスや戦略で顧客を惹きつけているかを知らずに営業を始めると、独自性を打ち出すことができず、埋もれてしまう可能性も挙げられます。
このように、飲食業開業の成功を目指すなら、開業前に地域の特性を丁寧に調べ、緻密な戦略を立てることが重要です。
適切な場所を選定できていない
飲食店の開業を成功させるには、店舗の場所選びも重要な要素になります。
しかし、単に人通りが多い場所を選べば良いというものではなく、様々な視点から総合的に判断することが求められます。
例えば、交通の利便性は見逃せないポイントになり、駅から遠かったり、アクセスが不便な場所に店を構えると、せっかく興味を持ってくれた顧客も足を運びづらくなります。
そのため、周囲の交通事情や公共交通機関の状況を調査し、来店のしやすさを重視することが不可欠です。
また、周辺の飲食店の状況にも注目しましょう。同業態の店舗がひしめくエリアでは、新しく店を出す余地が少なくなり、競争も激しくなります。
さらに、地域ごとの住民の傾向を理解し、そのニーズにマッチしたサービスや商品を提供できる場所を選ぶことが、長期的な繁栄につながります。
宣伝不足
飲食店が失敗してしまう原因のひとつとして、情報発信の不十分さが挙げられます。
来てほしい客層に店舗の魅力が届かず、結果として来店者が伸び悩むことになります。
情報発信が弱い店舗には、以下の共通点が挙げられます。
- 広報活動をほとんど行わない
- SNSを活用していない など
宣伝を実施する上で、もっと注目すべきなのは、SNSの運用です。
実際に、多くの人々がSNSを通じて外食先を選んでおり、魅力的な投稿が来店のきっかけになるのも事実です。
価格設定のミス
飲食店を開業する際には、メニューの価格を適切に設定することが重要です。
適切な価格設定をしないと、原価の高い食材を用いたり、手間のかかる調理法を採用したりして、結果的に価格が高騰してしまうリスクがあります。
例えば、高価格帯のメニューで支持を得るためには、その価格に見合う明確な理由や魅力を顧客に伝える必要があります。
例えば、伊勢海老やブランド牛などの高級食材を活用したラーメンであれば、特別感や希少性を訴求できるため、価格が高くても納得されやすくなります。
重要なのは、食事をする側の視点を常に持ち、納得感のある価格帯を意識してメニューを構築することです。
このように、適正な価格設定が、長期的な店舗の安定経営につながります。
飲食店開業に失敗してしまう人の特徴

飲食店開業に失敗してしまう人の特徴については、以下の4つが挙げられます。
- お金の管理ができない
- 顧客目線に立てていない
- コミュニケーションが苦手
- 知識が足りない
それぞれの特徴について解説していきます。
お金の管理ができない
飲食店の開業をする際に、お金の管理ができないのは、業務上大きなリスクを伴います。
個人でお店を営んでいる方の中には、事業の経費と私的な出費を明確に区別せず、混同してしまっているケースもみられます。
また、原材料の比率が極端に高かったり、売上がそれほどでもないのに接待交際費が妙に多いという状況が見られる可能性もあります。
住民税などの税金を滞納してしまうと、経営が厳しくなり、公的な融資を受けたいと思っても、税金の未納があると融資を受けることが難しくなる場合があります。
その結果、税金を納めるために新たな借金をするという、悪循環に陥る方も少なくありません。
顧客目線に立てていない
飲食店開業において「こだわり」を持つことは、お店の個性や魅力を高めるうえで大切な姿勢です。ただし、そのこだわりが強すぎてしまうと、経営面で思わぬ課題を招くこともあります。
実際、自分の理想だけを追求しすぎて顧客目線を忘れてしまうと、結果的にお客様から支持されにくいお店になってしまうケースも見受けられます。
例えば、学生の多いエリアで高価格帯の料理を提供するなど、地域や顧客層に合わないこだわりがある場合も、工夫次第でお店の魅力につなげることができます。
大切なのは、ご自身のこだわりを活かしつつも、地域やお客様のニーズをしっかりと把握し、「このお店は自分に合っている」と感じてもらえる工夫をすることです。
コミュニケーションが苦手
飲食店開業に失敗してしまう人の特徴として、コミュニケーションが苦手なことが挙げられます。
スタッフとの日常的な会話や情報交換を疎かにする経営者がいる店舗では、現場で起きている課題や有効な提案が経営判断に反映されにくくなります。
その結果、顧客から寄せられる貴重な意見も見逃されることになり、サービス向上のチャンスを逃す恐れがあります。
また、社内での意思疎通が十分に行われないと、チーム全体の協力体制が崩れ、顧客に対して一貫性のある対応が難しくなるという悪循環を招いてしまうリスクがあります。
飲食店開業を成功させるポイント

飲食店開業を成功させるポイントについては、以下の6つが挙げられます。
- コンセプトを明確にする
- 事業計画書を入念に見直す
- 商圏リサーチをおこなう
- 最適な物件を選択する
- 人材確保と育成に力をいれる
- ニーズに合ったメニューを開発する
それぞれのポイントについて解説していきます。
コンセプトを明確にする
飲食店開業を成功させるポイントとして、店舗の方向性をはっきりさせることは重要です。
具体的には、誰に来てほしいのか、どのくらいの価格で提供するのか、店内の雰囲気をどうするかなどといったあらゆる要素がそのコンセプトに基づいて決定します。
もしコンセプトがあいまいなまま準備を進めてしまうと、商品の価格設定や提供メニューに一貫性がなくなり、結果的に顧客が定着しづらく、思うような売上が得られないこともあります。
一方で、しっかりとしたコンセプトを持っていれば、ターゲットとなる客層や価格帯、サービスの方向性も自然と導き出すことができます。
事業計画書を入念に見直す
飲食店開業をする際に、融資を受けるために欠かせない書類の一つが事業計画書です。
事業計画書には、競合となる店舗の情報や想定している顧客層について、細かく記載する必要があります。
また、融資のための書類ではなく、経営を始めるうえでの大事な道しるべにもなります。
具体的な数字を用いて計画を立てることで、数ヶ月後に見込まれる売上などの目標が明確になり、自身のビジネスの方向性も見えてきます。
さらに、事業の成長を見据えた目標だけでなく、万が一業績が思わしくない場合の撤退基準をあらかじめ設定しておくことも重要です。
商圏リサーチをおこなう
飲食業は特に、事前の市場調査が重要になるので、商圏リサーチをおこなうようにしましょう。
出店を考えている地域について、どのような人々が集まる場所なのか、既存の飲食店にはどんな特色があるのかといった情報を細かく調べることが必要です。
実際に現地に足を運び、ライバル店の雰囲気やメニュー構成、サービスの質などを観察し、自店の強みをどう活かすかを考えることが大切です。
最適な物件を選択する
店舗に多くの来客を呼び込むためには、どこに出店するか立地選びが重要です。
どんなに店内の雰囲気が洗練されていて、魅力的な商品やメニューを提供していたとしても、交通の便が悪ければ集客に苦労する可能性が高くなります。
人の流れが多い駅前や繁華街といったエリアは理想的な場所ではありますが、その分、家賃などのコストが高くなる傾向があります。
そのため、出店する際には予算とのバランスをよく検討し、適切な物件を選ぶことが求められます。
また、商圏の特性を把握することも重要で、どのような客層が集まりやすい地域なのかを理解したうえで、そのエリアに合った店舗を計画するようにしましょう。
人材確保と育成に力をいれる
飲食店を発展させていく過程では、スタッフの採用が店舗の成長に直結する重要な要素になるので、飲食店開業を成功させるには、人材確保と育成に力を入れることが重要です。
特に、店舗運営にふさわしい人材を見極めて選ぶことが、安定した経営につながります。
採用時には、候補者の過去の職務経歴、特に前職での在職期間の長さが一つの判断材料になります。
また、職場での円滑な人間関係を築くためには、高いコミュニケーション能力も欠かせません。
さらに、スキルがあるからといって、それだけで適任とは限らず、トラブルの火種となりうるような性格やすぐに辞めてしまう傾向がある人、また協調性を欠いた態度で店舗の雰囲気を乱す人など避けるべきタイプを見抜く力も必要です。
採用後には、明確な役割と裁量を与えることで、社員のモチベーション向上や成長を後押しできます。
さらに、努力が正当に評価される報酬制度ややる気を引き出す仕組みを整えることで、職場全体の活性化にもつながります。
ニーズに合ったメニューを開発する
飲食店で求められるニーズは幅広くありますが、その中でも「美味しい料理」はどの客層にも共通して求められる要素と言えます。
魅力的な料理を提供するためには、メニューの工夫が欠かせません。
一つのテーマに絞って独自性を追求する戦略があります。
例えば、特定の料理に焦点を当てて専門性を高めれば、他店との差別化を図ることができ、強みになります。
一方で、多様なニーズに対応するために幅広いラインナップを用意するスタイルもあります。
特に繁華街など、さまざまな顧客層が訪れるエリアでは、多彩な選択肢を用意することで集客力を高めることができます。
しかし、どのようなメニュー構成であっても、店舗のコンセプトと合致していることが重要です。
飲食店開業を成功させよう!

今回は、飲食店開業に失敗してしまう原因を紹介しました。
飲食店開業に失敗してしまう原因を把握しておくことによって、事前に対策をおこなうことができ、開業を成功させることが可能です。
また、飲食店開業を成功へ導くためには、常に顧客の心を引きつける工夫が不可欠です。
魅力的なコンセプトの構築や効果的な集客方法、魅力あるメニューづくりなど、事前の準備が重要です。
今回の記事を参考にして、飲食店開業を成功させるようにしましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。