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起業・開業
美容サロンの開業費用は?サロンオーナーが知っておきたいお金の基本

読了目安時間:約 6分
美容サロンを開業するには、何から始めればよいのか、どんな準備が必要で、いったいどれくらいの費用がかかるのか。これらのポイントは、実際に開業する前にしっかり理解しておくべき大切なことです。
開業前にかかる費用はもちろん、開業後の運営にかかる費用もしっかり計画を立てておかないと、後々の経営に支障をきたすこともあります。さらに、個人事業主として毎年の確定申告も必要になるので、お金に関する基本を押さえておくことは非常に重要です。
今回は、そんな美容サロンの開業に関わる「お金の基本」について、実際にかかる費用を具体的に見ていきましょう。
目次
美容サロンの開業準備にかかる費用
美容サロンを開業するには、お店のコンセプト作りやメニュー作りなどさまざまな準備が必要になります。
コンセプトやメニューのような無形のものだけでなく、内装や美容機器のような有形のものも用意していかなければいけません。
実際にお店をオープンし、お客様をお迎えするためには、どんな費用がかかるのか考えていきましょう。
- お客様をお迎えする物件費用
- 空間を演出するための内装・リフォーム工事費用
- 業種により美容機器の購入費用
- 施術に必要な備品費用
- お客様のための備品費用
- オイルなどの消耗品費用
- 予約受付に必要な通信費用
- 集客に欠かせない宣伝広告費用
お客様をお迎えする物件費用
店舗専用の部屋を借りる場合は、ターゲット層に合わせた場所や物件を考慮する必要があります。
新規で契約をするのであれば、敷金・礼金や保証金、前家賃などが必要になります。
家賃10万円の物件であれば、初期費用は45万円~60万円程度を想定しておきましょう。
美容サロンの店舗として使用する旨を伝え、大家さんに許可をとっておきます。
空間を演出するための内装・リフォーム工事費用
美容サロンとしてお客様が求めているものは、質の高い施術だけではありません。
特別なサービスや非日常を感じられるリラックス空間を意識した、内装工事やリフォームが必要になる場合もあります。
インテリアや照明、選ぶカーテンひとつでも空間作りができますので、どこにお金をかけるべきかを考えていきましょう。
「このサロンに通いたい」と思わせるような唯一無二の空間を演出できるようにし、コンセプトを決めることが大切です。
業種により美容機器の購入費用
美容サロンと一口に言っても、ネイルサロンや脱毛サロン、リラクゼーションサロンなど、業種はさまざまです。
施術内容やメニューに合わせた美容機器の購入が必要になります。
メーカーによって価格や購入方法が異なりますので、購入方法を調べておきましょう。
施術に必要な備品費用
開業してから困らないよう、施術を行うために必要な備品を忘れずに揃えておきましょう。
施術内容により異なりますが、以下のようなものが必要になります。
価格帯は目安として御覧ください。
備品 | 費用 |
---|---|
エステベッド | 20,000円前後~ (フェイシャル用) |
小物や備品を 入れるワゴン | 8,000円前後~ |
タオルウォーマー | 10,000円前後~ |
遠赤外線消毒器 | 10,000円前後~ |
他にもバスタオルやフェイスタオル、ジェルを入れるボウルなどが必要になります。
美容サロンで使用する備品は「なんでもよい」というわけにはいきませんので、お客様の目に触れるものは世界観を意識して統一感のあるものを選ぶと良いでしょう。
お客様のための備品費用
施術のための備品とは別に、以下のようなお客様のための備品が必要になります。
- 必要であればロッカー
- スリッパやコート掛け
- ウェルカムドリンクのためのグラスやカップ
- ひざ掛け
お客様目線に立ち、必要なものを揃えるようにしましょう。
オイルなどの消耗品費用
施術のために必要なオイルや業務用化粧品などは、美容サロンとしてのサービスの質に影響します。
しかし単純に高価なものを選べば良いというわけではありませんので、継続的な購入を考えて無理のないものを選びましょう。
仕入れ先によっても価格が異なる場合がありますので、どこで購入するかも検討すると良いでしょう。
予約受付に必要な通信費用
通信費用とはスマホやパソコン、インターネット環境を整えるための費用です。
インターネット予約を受け付ける、SNSでの投稿を行うという場合には、これらの費用が必要になります。
業務のためにExcelなどの表計算ソフトを購入する、予約システムを導入する、という場合は、これらの費用もかかります。
集客に欠かせない宣伝広告費用
オープンしたばかりの美容サロンでは、集客のために宣伝費用が必要となるでしょう。
どの媒体にどの規模で宣伝をするかが悩ましいところではありますが、一般的には10万円~30万円の費用がかかると想定しておきましょう。
同じ媒体でも人目につきやすい場所に掲載するとなると、費用が高額になる傾向があります。
美容サロン開業後にかかる費用
美容サロンは開業前だけでなく、開業した後も以下のような費用がかかります。
ランニングコストとして継続的に必要なものとなりますので、開業前にどのくらいかかるのかを想定しておくようにしましょう。
- 毎月の家賃や駐車場代・通信費
- 美容機器の出力に欠かせない光熱費
- 必要に応じて宣伝広告費
- 消耗品の購入やクリーニング費用
- 保険料や人件費の費用
毎月の家賃や駐車場代・通信費
自宅サロンであれば店舗の家賃は不要ですが、店舗を借りる場合は家賃がかかります。
お客様のための駐車場を用意するのであれば駐車場代も毎月かかりますし、通信費なども固定費となります。
これらは売上が少なくても必ず必要になるものです。
ランニングコストとして想定しやすいものなので、正しく計算しておくようにしましょう。
美容機器の出力に欠かせない光熱費
美容サロンを経営していくためには、毎月の光熱費がかかります。
美容機器によっては電気を使用するものが多く、店内の照明や空調設備にも電気代がかかります。
ただし、使用する機器や設備によっては電力以外のエネルギー源を使用する場合もあるため、実際に使用する機器や設備に応じた光熱費を考慮する必要があります。
必要に応じて宣伝広告費
美容サロンを常に予約でいっぱいにするのであれば、継続的に宣伝広告費が必要になるかもしれません。
ただしこれは状況によりけりで、1度来店したお客様が次の予約を必ず入れてくれるような方ばかりであれば、宣伝を打つ必要性も下がる可能性があります。
オープン前の宣伝広告費は必須ですが、オープン後は予約状況をみながら判断すると良いでしょう。
消耗品の購入やクリーニング費用
施術のために必要なオイルや業務用化粧品などの消耗品は、使用すれば当然新たに購入していかなければいけません。
美容サロンは毎日のようにバスタオルやガウンなどのリネンを使用しますので、クリーニング費用もかかります。
サロンの規模により、これらにどのくらいの費用がかかるかを想定しておきましょう。
保険料や人件費の費用
美容サロンを経営するのであれば、検討したいのが保険の加入です。
万が一、「お客様に怪我を負わせてしまった」「マッサージが強すぎて持病を悪化させてしまった」という時のために入れる保険があります。
保険が絶対的に必要なものかは経営者の判断によりますが、長く安定した経営をしていくのであれば備えておくと安心です。
従業員を雇うのであれば人件費がかかってきます。この人件費には、従業員の給与だけでなく、必要に応じて社会保険料(健康保険、年金、雇用保険など)、労働保険、福利厚生費なども含まれます。これらのコストは、経営者としてしっかりと予算に組み込む必要があります。
美容サロンの開業資金を抑えるコツ
美容サロンの開業や経営には、さまざまな費用がかかります。
開業資金を抑えようと考えるのであれば、以下のような内容を検討してみましょう。
- 店舗を持たずに開業する
- 設備関連費用を工夫する
- 補助金・助成金を申請する
店舗を持たずに開業する
美容サロンの開業時に大きなウエイトを占めるのが、物件費用です。
お客様のニーズを考えて場所から選ぶとなると決めていく項目が多くなりますし、内装やリフォームも考えると費用がかさみます。
そこで選択肢のひとつとなるのが、店舗を持たずに開業するという方法です。
出張サービスで営業するという方法があり、「お客様の自宅に出向く」「ホテルやイベント会場に出向く」といった働き方があります。
内容としては、以下のような業務になります。
- 外出が負担になる高齢者の自宅でヘアカットをする
- リラクゼーションのために自宅でネイルケアやフェイシャルケアを行う
- 結婚式などイベントの前に出張でヘアセットやメイクをする
- 出張先でのイベント前に和装の着付けをする
機材や持ち物を保管する場所は必要になりますが、お客様をお迎えする空間を準備する必要はありません。
開業費用をグッと抑えられる方法のひとつといえるでしょう。
設備関連費用を工夫する
脱毛器やエステマシンなどの美容機器を一括で購入するとなると、高額になります。
負担を減らすのであれば、リースやレンタルという購入方法も選択肢のひとつとなります。
レンタルであれば月3万円~というものもあり、比較的手軽に導入できます。
またお客様のニーズに合うかを検討する際、レンタルにしておけば「短期間で他の機器に変更できる」といった柔軟さも持ち合わせています。
もちろん一括で購入するとトータル代金は安く収まるかもしれませんが、状況に合わせた方法で設備関連費を検討していくと良いでしょう。
補助金・助成金を申請する
補助金や助成金は原則返済不要とされていますので、該当ものがあれば積極的に活用しましょう。
美容サロンの開業では、以下のような補助金・助成金を検討してみましょう。
その他、各自治体でも独自の補助金・助成金があるかもしれませんので確認してみましょう。
サロン経営をする個人事業主の税金
美容サロンを開業したら、個人事業主として自身で確定申告をし、税金を納めていきます。
開業届や毎年の税金について、正しく理解をしておきましょう。
- 開業届を提出しよう
- 個人事業主として確定申告を
開業届を提出しよう
美容サロンを開業する際、基本的には特定の資格は必要ありませんが、施術内容によっては国家資格が必要なものがあります。
例えばまつげパーマやまつエクは美容師の国家資格、シェービングは理容師の国家資格が必要です。
開業をするには開業届を税務署に提出します。
理容所や美容所として開業するのであれば、保健所への届け出も必要です。
参考:理容所及び美容所における衛生管理要領について|厚生労働省
個人事業主として確定申告を
美容サロンを開業したら、1年に1回確定申告をして1年間の収支を税務署に報告します。
収入と経費を正しく計算し、所得に応じて所得税や住民税などの支払いをしていきます。
経費を計算する時に、自宅サロンの場合は計算が複雑になります。
光熱費や通信費など、プライベートとの線引きを明確にし、事業で必要になった経費のみを計上するようにしましょう。
参考:確定申告|国税庁
美容サロンの経営で税理士が必要なタイミング
美容サロンの経営には、必ず税理士が必要というわけではありません。
しかし、以下のようなタイミングでは税理士を検討するのがおすすめです。
- 確定申告をするとき
- 消費税の納税義務者になるとき
- 従業員を雇うとき
- 法人化するとき
確定申告は毎年必要なものなので、税理士に依頼すると確定申告に関わる作業負担を軽減でき、業務に専念できるようになります。
また消費税の納税義務者になるときや、法人化をするとき、従業員を雇うときは、さらに税関連の事務処理が複雑になります。必要に応じて専門家に依頼することをおすすめします。
美容サロンに強い税理士を選ぼう
税理士を選ぶ際は、美容業界に精通している税理士を選ぶと良いでしょう。
松本税理士法人は美容業界での実績も豊富なので、お悩みに合わせたサポートが可能です。
美容サロンを経営していくには、美容スキルだけでなくオーナーとしての資質を問われます。
健全な経営を長く続けていくには、税関連の悩みをクリアにしていかなければいけません。
会社設立や資金調達に関するサポートを得意としていますので、事業拡大や法人化のタイミングでも是非ご相談ください。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。