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起業・開業
起業には税理士が必要か?相談するメリットや選ぶ際のポイントについても徹底解説

読了目安時間:約 6分
起業時に税理士の依頼は法律上必須ではありませんが、専門的な知見を活用することで手続きや経営準備が格段にスムーズになり、後々のトラブルや手続きの手間を大幅に軽減することにもつながります。
本記事では、「起業に税理士が必要かどうか」について紹介します。
他にも「起業前後から税理士に相談するメリット」や「起業で税理士を選ぶ際のポイント」についても解説します。
ぜひこの記事を参考にして、起業する際に税理士に相談するメリットについて理解を深めてみてください。
目次
起業には税理士が必要か?

起業する際には、税理士は必ず必要ではありません。
しかし、専門的な知識を持つ税理士に相談することで、設立作業が円滑に進んだり、将来を見据えたアドバイスを得られるなど、さまざまなメリットが挙げられます。
会社設立をサポートする専門職には、司法書士や行政書士など複数の選択肢があります。
その中でも税理士は特に税務や会計の分野に強く、創業時のコスト管理や経理体制の構築、さらには節税対策の提案など、事業に直結するサポートが可能です。
具体的に、起業前後で税理士に相談できる主な内容については、以下が挙げられます。
項目 | 内容 |
起業前に相談できる内容 | ・設立手続きに関するアドバイスや代行業務 ・必要な書類の作成支援 ・税務面の設計や注意点の指導 ・許認可や法律面での注意事項についての助言 |
起業後に相談できる内容 | ・日々の記帳や会計業務の代行年度末の申告 ・納税処理税務調査への備えと対応経営全般にわたるアドバイスや改善提案 |
上記のように、起業後も、税理士の存在は心強い味方となり、会社設立後のスムーズな運営にもつながるため、早い段階での相談を検討してみることをおすすめします。
起業前から税理士に相談するメリット

起業前から税理士に相談するメリットについては、以下の5つが挙げられます。
- 起業に必要な手続きを他の士業と連携して進められる
- 適切な税対策ができる
- 役員報酬などのアドバイスを受けられる
- 適切な設立時期や決算期が把握できる
- 融資や補助金などのサポートを受けられる
それぞれのメリットについて解説していきます。
起業に必要な手続きを他の士業と連携して進められる
起業前から税理士に相談するメリットとして、起業に必要な手続きを他の士業と連携して進めることができることが挙げられます。
実際に、会社を設立する際には、複数の士業が関わることが一般的で、税理士はもちろん、司法書士や行政書士、社会保険労務士などといった専門家からサポートを受けられます。
しかし、それぞれの士業には法律で定められた業務範囲があり、おこなえる業務とおこなえない業務が明確に分かれているので注意が必要です。
このように、起業前から税理士に相談することによって、税理士が連携している他の専門家と協力しながら、会社設立に関する各種手続きを一括して依頼できるメリットが挙げられます。
適切な税対策ができる
起業する際には、設立費用や税金の扱いなど複雑な問題が発生するので、税理士の的確なアドバイスが役立ちます。
例えば、資本金や役員報酬の額をどう決めるかによって、将来的な税負担が大きく変わる可能性があります。
もちろん、税理士に依頼するための費用は発生しますが、法令に準拠した適正な節税対策や資金管理のアドバイスを受けることができます。
役員報酬などのアドバイスを受けられる
起業する際には、資本金や役員報酬の設定が将来的な税金や社会保険の負担に大きく影響を与えるため、慎重な判断が求められます。
例えば資本金1,000万円以上の場合、設立初年度から消費税の課税事業者となるため、納税義務が発生します。ただし、資本金が1,000万円未満でも課税事業者となる場合があるので注意が必要です。
また、役員報酬の設定は、社会保険の加入義務や税負担に直結する重要な要素であり、法令に基づいた適切な判断が必要です。安易に判断するのではなく、税理士などの専門家に相談することが望ましいでしょう。
参考:消費税法基本通達|国税庁
適切な設立時期や決算期が把握できる
税理士は、税務の専門知識を活かし、企業の業種や規模に応じた最適な設立時期や決算期を提案してもらうことができます。
例えば、決算期や設立のタイミングは、消費税の課税対象となるかどうかにも関係するので、税制の理解が浅いと損をしてしまう可能性もあります。
このようなリスクを避けるためにも、設立前に税理士へ相談することで、自社にとって有利なスケジュールを整えることができます。
融資や補助金などのサポートを受けられる
起業前から税理士に相談することで、融資や補助金などのサポートを受けられるメリットが挙げられます。
実際に、税理士は補助金や助成金に関する情報にも精通しているケースが多く見られます。
特に、起業直後は何かと出費がかさむ時期なので、公的支援制度をうまく活用することで資金繰りに余裕を持たせることができます。
税理士に相談する際には、こうした支援制度の活用についても併せて確認しておくことをおすすめします。
起業後から税理士に相談するメリット

起業後から税理士に相談するメリットについては、以下の4つが挙げられます。
- 経営に関するアドバイスをもらえる
- 書類作成や各種手続きを代行してもらえる
- 税務調査への立ち合いが可能になる
- 会計処理のサポートを受けられる
それぞれのメリットについて解説していきます。
経営に関するアドバイスをもらえる
起業後から税理士に相談することで、企業の収益状況や資金の流れを定期的に把握してもらえるので、より実践的な節税の提案や経営に関する助言を受けることができます。
例えば、「収益に対して支出が過剰ではないか」「資金管理の改善策はあるか」といった実務的な指摘に加え、事業拡大時に他の顧問先との連携機会を提供するなど将来的な経営課題への支援を受けることができます。
書類作成や各種手続きを代行してもらえる
起業後から税理士に相談するメリットとして、決算申告に関わるあらゆる手続きを一括して任せられる点です。
煩雑な書類の作成から電子申告の手続き、控えの受け渡しまで、一連の流れをすべて代行してもらうことができます。
決算業務の委託には一定のコストがかかりますが、決算期の多忙な時期において本業に集中できたり、手続き上のミスを防ぐ効果も期待できるので、費用以上の価値があると言えます。
税務調査への立ち合いが可能になる
起業後から税理士に相談することで、税務調査への立ち合いが可能になるメリットが挙げられます。
実際に、法人として事業を進めていく中で、税務署から調査を受ける可能性は常に付きまといます。
万が一、税務調査がおこなわれることになった場合、専門知識のないまま自身で対応してしまうと、意図せず税務署に不信感を与える結果になってしまうリスクがあるのも事実です。
そこで税理士に相談することで、税務調査における対応を一手に引き受け、法的に正当な範囲での説明や交渉を依頼することができます。
このように、突然の税務調査に備えて、日頃から信頼できる税理士と連携を取っておくことをおすすめします。
会計処理のサポートを受けられる
起業後から税理士に相談するメリットとして、記帳業務や月次決算をはじめとした会計業務全般に関して、継続的な支援を受けることができます。
また、必要に応じて各種の申請や手続きを代理してもらうことも可能です。
特に、起業直後で会計の知識や経験が少ない場合には、こうした実務を専門家に委ねることで、事務作業に対する不安や初歩的なミスのリスクを大幅に軽減することにつながります。
起業で税理士に依頼する費用相場

起業で税理士に依頼する費用相場として、3万円前後が多く見られます。
一方で、顧問契約を結ばずに決算や申告だけを依頼するケースでは、15万円前後からが一般的な相場となっています。
しかし、顧問契約を締結していても、決算申告に関しては追加費用が発生することがあるため、事前に明確な確認が必要です。
また、顧問料は会社の規模や売上高、業種の特性、従業員の人数、そして税理士が訪問する頻度など多くの要因に左右されるのも事実です。
そのため、税理士と契約を進める前に、面談の機会を設けて具体的なサポート内容や料金体系についてしっかりと話し合うことをおすすめします。
起業で税理士を選ぶ際のポイント

起業で税理士を選ぶ際のポイントについては、以下の6つが挙げられます。
- 実績が豊富か
- 適切な料金かどうか
- 相性の良さ
- サービス内容
- レスポンスの早さ
- 自社の業種に知見があるか
それぞれのポイントについて解説していきます。
実績が豊富か
起業で税理士を選ぶ際のポイントとして、実績が豊富かどうかを確認するようにしましょう。
実績が豊富な税理士であれば、起業時に必要な税務上のポイントを熟知しており、融資の手続きや資金調達面でも的確なサポートを受けやすくなります。
さらに、税理士にもそれぞれ専門分野があり、得意不得意があるので、自社と同じような実績があるかどうかも事前に確認しておくようにしましょう。
適切な料金かどうか
起業で税理士を選ぶ際には、適切な料金かどうかもポイントになります。
実際に、税理士に業務を依頼する際の費用は、各税理士事務所によって設定が異なります。
そのため、一般的な相場を参考にしつつ、契約前には必ず見積もりを取得して料金内容を把握することが大切です。
具体的には、基本料金の中にどのようなサービスが含まれているのか、または追加で費用がかかる可能性があるかどうか事前に確認しておくことが重要です。
相性の良さ
税理士を選ぶ際には、相性の良さも重要なポイントになります。
実際に、企業にとって税理士は、単なる税務の専門家ではなく、経営の良き助言者として長期的な信頼関係を築く相手です。
どれほど実績や知識がある税理士でも、相性が悪ければ相談しにくくなってしまうのも事実です。
そのため、依頼を検討する段階で、対面またはオンラインで直接話す機会を持ち、自分にとって理解しやすい説明をしてくれるか、相談しやすい雰囲気かを確認することが重要です。
サービス内容
起業で税理士を選ぶ際のポイントとして、サービス内容も重要となります。
実際に、税理士が担う役割は多岐にわたっており、対応できる業務の内容は各税理士によって異なります。
そのため、税理士と顧問契約を結ぶ前には、契約後にどのようなサポートを期待するかを明確にし、それがその税理士の得意分野と一致しているかを見極めることが重要です。
例えば、資金調達や融資関連の支援を求めている場合、選んだ税理士が事業計画の策定に不慣れだったり、自社の利用する金融機関と関わりが薄いケースでは、スムーズな連携が難しくなる可能性があります。
このようなケースを防ぐためにも、依頼内容と税理士の対応力の相性を事前にしっかり確認するようにしましょう。
レスポンスの早さ
税理士を選ぶ際には、レスポンスの早さも重要なポイントになります。
実際に、税理士と顧問契約を結ぶと、継続的なやり取りが発生するので、相手の反応の速さや信頼性を見極めたうえで、契約を進めることが大切です。
税理士事務所によっては、顧問契約の件数や売上に関する目標が設定されていることがあり、顧客が多い場合には返信が遅れる可能性もあります。
また、チャットツールなど柔軟な連絡手段を利用できるかどうかも、スムーズなコミュニケーションのために確認すべきポイントと言えます。
自社の業種に知見があるか
税理士を選ぶ際には、自社の業界に詳しい税理士かどうかが重要です。
業界知識の乏しい税理士では、実務に即した助言や有益な情報を得るのが難しくなることがあります。
実際に、税理士にも専門分野があり、全員があらゆる業界に精通しているわけではありません。
例えば、自社の業界に知見が少ない税理士に相談をする場合、専門用語や事業モデルを一から説明する必要があるので、余計な手間が生じてしまうデメリットがあります。
また、業界によっては、特有の商習慣や規制が存在しているので、それらを理解していない税理士では、適切な節税策を提案できなかったり、見当違いの助言をしてしまうリスクもあります。
そのため、自社の業種に通じた税理士を選ぶことで、実践的で有効なアドバイスを受けることにつながります。
税理士に相談して起業を効率的に進めよう!

今回は、起業には税理士が必要かどうかについて紹介しました。
税理士は、起業準備段階から起業後に至るまで、経営を円滑に進めるための重要なサポート役となります。
また、税理士を選ぶ際のポイントを把握しておくことによって、自分のニーズに合った税理士に相談することにもつながります。
今回の記事を参考にして、税理士から適切なアドバイスを得ながら、起業を効率的に進めるようにしましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。