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法人カードの審査基準とは?確認される項目や通りやすくなるポイントについても解説

読了目安時間:約 6分
法人向けクレジットカードの審査内容は、公式には公開されておらず、カードの種類や発行会社によって異なります。
一般的に、法人カードの審査では「企業の信用状況」や「代表者の個人信用情報」など、複数の観点が確認されるといわれており、事前にどのような点が重視されやすいのかを把握することで、審査通過の可能性を高めることが可能です。
本記事では、公表されている情報や一般的な観点をもとに、法人カードの審査で確認される事項や、審査に臨む際の準備ポイントについて解説します。 ぜひ参考にして、法人カードの申請にお役立てください。
目次
法人カードの審査基準とは?

法人カードの審査基準は、一般には公開されていません。各カード会社が独自の判断基準を設けており、その詳細は外部からは分からない仕組みになっています。
しかし、一般的には、企業の設立年数、財務状況、決算書の内容などが審査の際に参考にされるケースが多いです。経営実績がある企業や安定した経営を続けている企業は、信用力の観点から有利に働く場合があると考えられます。
また、法人カードの申請方法には、法人名義で申し込む方法と、代表者個人の名義で申し込む方法の2種類が存在します。それぞれの申請方法によって審査内容が異なり、法人名義では企業の経営状態が、代表者名義ではその個人の信用情報が重視される傾向があります。
このように、法人カードの審査にはいくつかの要素が絡んでおり、企業ごとの状況によって結果が変わる可能性があるので、慎重にカード会社を選び、自社の状況に合った申請方法を検討することが大切です。
法人カードの審査で確認される項目

法人カードの審査において確認される項目として、一般的に以下の3つが挙げられます。
- 信用情報
- 経営実績
- 事業の財務状況
信用情報
信用情報とは、クレジットカードや各種ローンの申し込み履歴や利用状況など、金融取引に関する個人・法人の記録を指します。
クレジットカードは支払い代金をカード会社が一時的に立て替え、後日利用者が返済する仕組みであるため、申込みの際には「支払い能力が適切かどうか」が重要な判断材料となり、この情報が審査に活用されるのが一般的です。
特に、法人カードは、利用可能額が高めに設定されることが多いため、カード会社によっては個人カードよりも詳細に審査を行う場合があります。
また、審査で確認される範囲はカードの名義によって異なります。法人名義のカードでは企業の信用状況が、個人名義や個人事業主の場合は代表者本人の信用情報が確認対象となるのが一般的です。
参考:一般社団法人全国銀行協会
経営実績
一般的に法人カードの申請においては、企業の設立時期やこれまでの経営状況などが重要な判断材料となることが多いです。
長期間にわたって安定して事業を運営している企業は、信頼性の高い存在とみなされやすく、その分審査に通りやすい傾向があります。ただし、創業からの年数や経営実績に関して、明確な基準が定められているわけではありません。
設立間もない法人であっても、企業の財務状況や返済能力が十分と判断されると、カード発行が認められる場合もあります。
事業の財務状況
法人カードの審査を受ける際には、事業の経済的な状況についての情報が必要となるケースがあります。
例えば、会社の売上や代表者の収入状況などの情報が確認されることがあります。
黒字経営が望ましいとされますが、赤字であっても事業内容や将来性などを含めて総合的に判断される場合があります。
また、個人事業として運営している場合には、事業主自身の売上実績や信用情報に基づいて個人向けの審査がおこなわれるのが一般的です。
法人カードの審査申し込みに必要な書類

法人カードの申し込みに際して提出を求められる書類は、カード会社やカードの種類によって異なります。ただし、多くの場合は「法人に関する書類」と「代表者個人の確認書類」が必要となります。
中には事前に手続きが必要な書類もあるので、早めに準備しておくことが重要です。
具体的な提出書類の例として、以下が挙げられます。
- 経営者本人の身分証明書
- 法人の確認書類
- 決算書類
本人確認としては、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、写真付きの身分証明書が一般的に求められます。写真がない書類しか用意できない場合は、複数の書類の提出が必要になる場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
また、法人の確認書類としては、6か月以内に発行された「現在事項全部証明書」または「履歴事項全部証明書」がよく用いられ、これらは法務局の窓口やオンライン申請で取得可能です。オンライン申請の場合、申込書に記載する住所と提出書類の住所が一致していないと、追加資料の提出が必要になる場合があります。
さらに、会社設立から1年以上が経過している場合、企業の財務状況を確認するために決算書の提出を求められるケースが多いです。一方、設立1年未満の企業については、代わりに「定款」の提出が必要となることがあるので、書類不備による審査の遅れを避けるためにも、事前にカード会社へ確認を取っておくと良いでしょう。
法人カードの審査にかかる時間

法人カードの審査期間は、カード会社や申込者の状況によって異なりますが、一般的には1週間から1ヶ月程度を要します。
特に、利用限度額が高額なカードやプレミアムランクのカードでは、企業の返済能力についてより詳細な確認が行われるため、審査期間が長くなる可能性があります。
また、提出した書類に記載ミスや必要情報の欠落があると、再提出を求められるケースもあり、それによって審査が遅れるケースもあります。
このように、審査のスピードは、申込者の状況やカード発行会社の審査方針によって大きく左右されるので、詳細な目安を知るには、事前にカード会社に直接確認しておくのが望ましいです。
参考:CIC公式
法人カードの審査を通りやすくするポイント

法人カードの審査を通りやすくするために、意識しておきたいポイントは以下の6つです。
- 個人の信用度を高く保つ
- 提出書類に不備がないか確認する
- 固定電話を設置する
- 会社のホームページを作成する
- 利用限度額を低く設定する
- 自身の状況に合ったカードを選ぶ
個人の信用情報を良好に保つ
法人カードの審査が通りやすくなるポイントとして、信用情報を良好に保つことが挙げられます。
法人カードを申し込む際には、申請者本人の信用情報が参照されるケースがほとんどです。そのため、日頃から個人で使用しているクレジットカードや住宅ローンなどにおいて、支払い遅延や未納が起きないよう十分に気をつけ、良好な信用状態を保つことが重要です。
自分自身の信用情報は、開示請求を通じて確認できるので、信用状況に不安がある場合には、法人カードの申請前にチェックしておくのがおすすめです。
提出書類の不備をなくす
カード会社は、申し込み時に記載された情報や提出された書類を元に審査を実施するので、提出書類に不備がないか確認するようにしましょう。
法人カードを申請する際のチェック項目としては、以下の通りです。
- 書類での申し込み時に法人印に誤りがないか
- 提出する本人確認書類の有効期限が切れていないか
- 申込フォームや申込書に記載した内容が提出する書類と一致しているか
万が一、入力内容や書類に不備があると、審査が遅れたり、審査自体がおこなえなくなったりする恐れがあります。
固定電話を設置する
固定電話の有無は、法人としての実体を確認する一要素として見られる場合があるので、設置によって、法人カードの審査が通りやすくなる可能性があります。
ただし必須ではなく、携帯電話やIP電話も申請に使用できる場合があります。しかし、携帯電話の番号しかない場合だと、実際に事務所が存在しているか、また業務が継続的におこなわれているかどうかについて疑問を持たれる場合もがあります。
その点、固定電話を設置していることで、事務所の実態を示しやすくなるという点で、プラスに働く可能性もあるでしょう。
そのため、創業直後の企業や中小規模の法人にとって、固定電話を設置することは、外部からの信用を築く上で有効な手段と言えます。
会社のホームページを作成する
会社のホームページを作成することも有効な手段です。
法人カードの審査において、ホームページの有無が直接の審査基準とされているわけではありません。ただし、会社概要や事業内容を外部に分かりやすく示す手段として、ホームページがあると信用力を補強する材料になり得ます。
特に創業間もない法人の場合は、事業の透明性を示す効果も期待できます。
そのため、自社のホームページを作成する際は、事業の詳細、会社概要、連絡先といった基本情報をわかりやすく掲載して信頼性を高めると良いでしょう。
初期の利用限度額を低めに設定する
法人カードの審査が通りやすくなるポイントとして、利用限度額を低めに設定することも有効です。
クレジットカードの利用限度額が高くなるほど、カード会社が肩代わりする金額も増えることになり、回収できなかった場合のリスクも高くなるので、限度額が高い申込みほど審査のハードルも上がる傾向があります。一方で、初めから控えめな限度額で申請すれば、カード会社のリスクも減るため、審査を通過しやすくなる可能性があります。
そのため、カードを申し込む際には、まずは必要最低限の限度額でスタートし、利用実績を積み重ねたうえで、あとから増額を申請する方法がおすすめです。段階的に信用を築いていくことで、審査に通る可能性を高められます。
自社の状況に合ったカードを選ぶ
法人カードには、創業直後や小規模事業者でも申し込みやすい設計のものがあります。
例えば、利用限度額を低めに設定したカードや、事業実績が浅い法人を対象としたカードなどが挙げられます。
ただし、審査基準は公開されていないため、必ず審査に通るカードがあるわけではありません。自社の事業規模や設立年数に合ったカードを選ぶことが大切です。
法人カードの審査に落ちてしまう原因

法人カードの審査に通らない背景には、いくつかの共通する要因があります。代表的なものとして、以下3つが挙げられます。
- 信用情報に問題がある
- 設立年数が浅い
- 短期間に何枚も申し込みをしている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
信用情報に問題がある
多くの法人カード審査では、会社情報に加え代表者個人の信用情報も参照されます。
そのため、過去にクレジットカードやローンの支払いで遅延があるなど、経営者自身の信用に関わる情報に問題がある場合、審査に不利となる可能性があります。例えば、税金や家賃の滞納、スマートフォンの分割払いでの遅延なども信用情報に影響を及ぼす恐れがあるので注意が必要です。
このような支払いの遅れや未払いがある場合には、できるだけ早く解消することが重要です。信用情報に登録された履歴は永続的ではなく、一般的に5年~7年程度で記録から削除されるため、その後に再申込を検討できます。
また、カード会社によって審査の基準は異なるので、別の会社に申請することで審査に通る可能性もあります。
参考:CIC公式
設立年数が浅い
創業間もない会社は、決算書などの財務データが十分に蓄積されていないため、返済能力の判断材料が少なく、審査が厳しくなる傾向があります。
しかし、法人カードの中には、会社の登記書類や決算書の提出が不要で、企業の代表者本人や個人事業主を対象に発行されるタイプも存在します。
カードの利用履歴は信用情報として記録されるため、起業直後の場合は、こうしたカードを選択肢に含め、実績を積み重ねていくことが有効です。
短期間に何枚も申し込みをしている
クレジットカードの発行を短期間で複数社に申し込んでしまうと、「多重申し込み」として信用機関に記録され、審査に通りにくくなるリスクがあります。
信用情報に申込履歴が残ってしまうので、金融機関側が「資金繰りに困っているのでは」と判断されてしまう可能性があるからです。
そのため、審査に不安がある場合でも同時に多数の申込をするのは避け、1社ずつ時間をあけて申請するのが望ましいです。万が一、審査に落ちてしまった場合でも、次の法人カードの申込まで一定期間を空けると良いでしょう。
法人カードの審査に向けてしっかりと準備しておこう!

今回は、法人カードの審査基準について紹介しました。
法人カードの審査では、一般的に申込者(法人や代表者)の信用情報が確認されるといわれています。そのため、日頃から支払状況などを適切に管理しておくことが望ましいです。
また、申込内容と添付書類の内容に相違があると、審査が遅れる場合があります。必要書類を事前に確認し、正確に準備しておくことが円滑な手続きにつながります。
今回の記事を参考にして、法人カードの審査に向けてしっかりと準備しておきましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。