2025.11.12

創業融資

政策公庫とは?役割から審査を通過するコツまで徹底解説

政策公庫とは

読了目安時間:約 7分

政策公庫とは、政府がつくった公的な金融機関で、正式には「日本政策金融公庫」と言います。

銀行よりも借りやすいケースが多く、特に創業時や資金繰りが難しい時に役に立つ機関です。

本記事では、政策公庫の基本的な仕組みや特徴についてわかりやすく解説します。あわせて、政策公庫が担う役割や、融資審査を通過するためのポイントについても触れていきます。

政策公庫を活用した資金調達を検討する際の参考として、ぜひ役立ててみてください。

政策公庫とは?

政策公庫とは?

政策公庫は、日本政策金融公庫の略称で、政府が全額出資して運営している公的な金融機関です。

民間の金融機関では対応が難しい中小企業や個人事業主、農林水産業、教育関連の資金ニーズに応えることを目的に、国の政策に沿った形で融資をおこなっています。

営利追求ではなく、景気の安定や地域の振興、起業支援といった社会的な目的のもと、比較的低い金利で融資が提供されているのが特徴です。

そのため、多くの起業家や中小企業経営者が創業時の資金調達先としてこの公庫を利用しています。

参考:日本政策金融公庫

政策公庫の役割

政策公庫の役割

政策公庫の役割については、以下の3つが挙げられます。

  • 役割①:セーフティネット機能
  • 役割②:地域活性化
  • 役割③:日本経済成長・発展

それぞれの役割について解説していきます。

役割①:セーフティネット機能

政策公庫は、中小企業や個人事業主に対する公的支援の要として、多くの役割を果たしていますが、その中でも特に「セーフティネット機能」は重要な柱の一つとされています。

突発的な自然災害や経済の急変といった予測困難な状況においては、多くの中小事業者が資金繰りに大きな不安を抱えることになります。

そうした際に、日本政策金融公庫は、状況に応じた迅速かつ柔軟な対応を通じて、企業の存続と再建をサポートしています。

例えば、地震・台風といった大規模災害や新型感染症の拡大といった緊急事態が発生した際には、影響を受けた企業向けに特別な融資制度を設けたり、返済スケジュールの見直しをおこなったりなど実情に即した支援策を打ち出しています。

こうした対応によって、被災または影響を受けた事業者が早期に事業活動を再開できるよう、強力な後押しがおこなわれているのです。

役割②:地域活性化

政策公庫は、地域経済の発展において欠かせない存在として、多面的な取り組みをおこなっています。

地方創生を目指す「地方版総合戦略」などの政策に積極的に関与するだけでなく、全国に広がる支店網を活かして、地域事業者同士の出会いや連携を促進するマッチングイベント、商談会、セミナーなどを各地で展開しています。

これらの活動を通じて、単に資金を供給する金融機関としての枠を超え、地域の未来を共に築いていくパートナーとしての役割を果たしています

このように、政策公庫は地域経済の持続的な発展と活性化を後押しするため、現場に寄り添ったサポートを続けています。

役割③:日本経済成長・発展

日本政策金融公庫は、中小企業のさまざまなステージに応じた支援をおこない、企業の成長と発展を後押ししています。

新たなビジネスの立ち上げ支援から、経営が厳しくなった事業の再建や円滑な事業承継まで企業が直面する多様な課題に対応しています。

また、海外市場への進出を目指す企業へのサポートや農業・林業・水産業における新たなビジネス展開を促す取り組みにも力を入れています。

さらに、民間の金融機関では対応が難しい先進的な分野にも踏み込み、イノベーションを支援し、次世代産業の創出を後押ししています

政策公庫の事業内容

政策公庫の事業内容

政策公庫の事業内容については、以下の3つが挙げられます。

  • 事業①:国民生活事業
  • 事業②:農林水産事業
  • 事業③:中小企業事業

それぞれの事業内容について解説していきます。

事業①:国民生活事業

国民生活事業では、個人や小規模事業者の生活・経営を下支えするための多様な融資をおこなっています。

例えば、子どもの進学に必要な教育資金や小規模な事業者が日々の運転資金や設備投資をおこなう際の資金を提供しています。

また、創業希望者だけでなく、グローバル市場への進出や社会課題の解決を目指すソーシャルビジネスに挑戦する企業、事業の立て直しなど幅広く対応してきました。

経営に大きな影響を及ぼす環境変化や自然災害などの緊急事態には、資金繰り支援を通じて「セーフティーネット機能」としての役割も果たしています

さらに、地域の金融機関、商工団体や税理士・中小企業診断士などの専門家と連携し、地域の事業者が安定して経営できるよう継続的な支援体制を整えています。

参考:国民生活事業の業務の概要|日本政策金融公庫

事業②:農林水産事業

農林水産事業では、農業・林業・漁業および食品関連産業に携わる事業者を対象に資金支援をおこない、国内の安定した食料供給体制の維持と強化に貢献しています。

これらの産業は、天候や自然環境に左右されやすく、事業の安定性に欠けるという課題があります。

こうした背景を踏まえ、日本政策金融公庫は、一般の金融機関では対応が難しいこれらの分野に対して積極的に融資を実施し、資金面での不安を抱える農林水産業の事業者を支援しています。

リスクの高い産業であっても、長期的な視点で持続可能な経営を後押しするのが、大きな役割のひとつになります。

参考:農林水産事業のご案内|日本政策金融

事業③:中小企業事業

中小企業事業は、日本全体の企業の約99%を占める中小企業を対象に、資金面と信用面の両方から支援をおこなう重要な取り組みです。

この分野では、融資や信用保険の提供を通じて、中小企業の発展を後押しし、それによって日本経済の根幹を支える役割を果たしています。

例えば、長期固定金利による融資制度を用いて、企業が安定的に事業資金を確保できるよう配慮されています。

また、資金調達の円滑化を図るために、企業の債務に対して保険をかける「信用保険業務」も展開しており、金融機関との取引をよりスムーズに進められるよう後押ししています。

参考:業務の概要・特徴|日本政策金融公庫

政策公庫を利用するメリット

政策公庫を利用するメリット

政策公庫を利用するメリットについては、以下の5つが挙げられます。

  • 創業初期でも申し込みしやすい
  • 無担保・無保証人で利用できる融資制度がある
  • 返済期間を長く設定できる
  • 経営に役立つアドバイスを得られる
  • 自社の信用を高めるのに役立つ

それぞれのメリットについて解説していきます。

創業初期でも申し込みしやすい

政策公庫を利用するメリットとして、創業初期でも申し込みしやすいことが挙げられます。

一般的に、創業直後や実績の乏しい企業に対しては、融資の審査が厳しくなる傾向があります。

政策公庫は国の政策に基づく目的のもとに設立されており、営利を主眼としない支援体制が整っています。

そのため、創業前の段階でも資金調達の可能性があり、実績不足や信用不安といった理由で民間の金融機関の融資を受けにくい企業にとっておすすめと言えます。

このように、公的性格の強い金融機関として、政策に沿った柔軟な対応が期待でき、初めての資金調達にも比較的取り組みやすい環境が整えられています

無担保・無保証人で利用できる融資制度がある

政策公庫では、担保や保証人が不要で利用できる融資制度を設けています。

特に、創業支援に力を入れており、「新規開業資金」などの創業関連融資を中心に、これからビジネスを始める方々や、創業間もない方々への支援を積極的に展開しています。

具体的には、事業開始後に税務申告を2期以上終えていない創業者などに対して、原則として無担保・無保証人で融資を受けられる仕組みを提供しており、起業時の資金調達におけるハードルを大きく下げています

こうした柔軟な制度により、日本政策金融公庫は中小企業や小規模事業者が成長しやすい環境を整え、地域経済や新しいビジネスの立ち上げを後押ししています。

参考:創業融資のご案内|日本政策金融公庫

返済期間を長く設定できる

政策公庫では、他の多くの金融機関に比べて、融資の返済期間を比較的長く設定できるメリットが挙げられます。

利用する融資制度によって異なりますが、返済期間はおおむね5年から最長で20年程度までとされており、これにより事業の安定化まで余裕を持った資金計画を立てることが可能です。

特に、創業期や設備投資後など、すぐに収益が見込めない状況でも、長期返済により毎月の負担を抑えることができます

しかし、返済期間が延びる分、支払う利息の総額が多くなり、結果的に返済総額が増加する可能性もあるので、資金計画を立てる際は慎重な検討が必要です。

参考:一般貸付|日本政策金融公庫

経営に役立つアドバイスを得られる

政策公庫は、企業や個人事業主への資金提供だけでなく、多角的なサポートもおこなっており、経営のパートナーとしての役割も担っています。

例えば、経営上の課題に対する助言をおこなったり、必要に応じて専門知識を持つ外部アドバイザーを紹介するなどきめ細かな支援が用意されています。

また、それぞれの会社のニーズに合ったビジネスパートナーを見つける手助けもおこなっています。

さらに、担当者との対話の中で経営改善につながるヒントや実践的なアドバイスを受けられる点も、企業にとって大きなメリットと言えます。

自社の信用を高めるのに役立つ

政策公庫から借入れた資金を計画的に返済し、完済に至った場合には、次の段階として民間の銀行や信用金庫などから融資を受けやすくなるメリットがあります。

また、一度同公庫からの融資実績がある場合、その返済状況が良好であれば、再度の資金調達もスムーズに進む可能性が高まります。

万が一、前回の融資がまだ返済中であっても、資金が追加で必要な状況であれば、再申請による対応も可能です。

政策公庫を利用する際の注意点

政策公庫を利用する際の注意点

政策公庫を利用する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。

  • 融資実行まで時間がかかる
  • 繰上返済ができない融資もある
  • 審査落ちすると半年間再申し込みができない

それぞれの注意点について解説していきます。

融資実行まで時間がかかる

政策公庫を通じた融資は、実際に資金が振り込まれるまでにある程度の時間を要するのが一般的です。

通常、申し込みから資金の受け取りまでには、おおよそ1カ月程度かかると見込んでおく必要があります。

一方、緊急に資金を確保したい場合には、より迅速に対応できる他の資金調達手段も存在します。

例えば、売掛債権を現金化する「ファクタリング」を活用すれば、条件次第では数時間以内に資金を得ることも可能です。

そのため、資金が今すぐにでも必要という場合には、政策公庫の利用にこだわらず、よりスピーディーな手段を検討することで、最適な結果につながるケースもあります。

繰上返済ができない融資もある

民間の銀行融資であれば、資金に余裕ができたときに早期返済をして、利息負担を軽減することが一般的に可能です。

しかし、政策公庫の一部融資では、契約時に定められたスケジュールに沿って返済を続ける必要があるので、資金の柔軟な運用という面では制約が生じる可能性があります。

また、繰上返済が認められている制度であっても、一括返済をおこなう際には「期限前弁済手数料」と呼ばれる一定の手数料が発生する仕組みとなっています。

そのため、早期返済を検討する際には、その手数料の有無や負担額も考慮に入れる必要があるので注意が必要です。

参考:期限前弁済手数料制度|日本政策金融公庫

審査落ちすると半年間再申し込みができない

政策公庫への融資申請が審査で否認された場合、再申請には一定の期間を空ける必要があるので注意が必要です。

基本的には、6カ月以内に再び申請をしても受理されないわけではありませんが、特に信用情報に関する問題が原因で審査に落ちた場合は、情報の修復が必要となるので、同じ条件のまま短期間での再申請では審査通過は難しいです。

また、信用情報以外が理由となっていた場合でも、原因の見直しと改善が不可欠です。

このように、再申請を検討する際には、前回の審査で指摘された可能性のある点を丁寧に分析し、必要な改善を施してから手続きを進めるようにしましょう

政策公庫の審査を通過するコツ

政策公庫の審査を通過するコツ

政策公庫の審査を通過するコツについては、以下の3つが挙げられます。

  • 遅延や滞納をしない
  • 事業の実績を積む
  • 実現性のある事業計画書を作成する

それぞれのコツについて解説していきます。

遅延や滞納をしない

政策公庫の審査を通過するコツとして、日頃から支払いの管理をしっかりおこない、遅延や滞納を避けることは、信用を築く上で重要です。

特に、クレジットカードや各種ローンの返済状況は、CICやKSCといった信用情報機関を通じて日本政策金融公庫の審査担当者にも確認されるので、日頃の支払い姿勢が審査結果に影響を与える可能性があります。

万が一、支払っていたとしても、期限を過ぎた支払いが続いていれば、信用にマイナスとして評価されるケースもあります。

このようなことを防ぐためにも、あらかじめ支払い期日を把握し、期日どおりに支払いを済ませる習慣をつけておくことが大切です。

事業の実績を積む

政策公庫の審査を通過するには、具体的な実績が重要な判断材料となるので、事業の実績を積むようにしましょう。

新規のビジネスであっても、運営実績が乏しい場合は、事業の継続性や安定性に疑問を持たれ、審査が厳しくなる傾向があるのも事実です。

そのため、事業の信頼性を高めるためには、これまでの取り組みや成果を積み重ね、金融機関に対して十分な説明ができるような「実績づくり」が欠かせません

また、自身の経験だけでなく、事業分野に関する知識やスキルを持った人材を採用することも、専門性を補い、審査での信頼性を高める手段の一つと言えます。

実現性のある事業計画書を作成する

政策公庫の融資審査においては、実現性の高い事業計画書を用意することが、審査通過につながります。

融資申請の際には事業計画書の提出が求められますが、見た目が整っているだけでは不十分と言えます。

実際に、計画の中身に具体性と現実味がなければ、事業の信頼性を十分に伝えることはできません。

そのため、どのようなビジネスをおこなうのか、収益の見込みや仕入先・販売先など実際に取引が見込まれる相手先の情報を明記し、計画の実現可能性を裏付ける材料を盛り込むことが重要です。

また、数字や根拠のある情報を交えて記載することで、審査担当者に対して説得力のある計画であることを示すことができるでしょう。

資金調達には政策公庫の融資を検討してみよう!

資金調達には政策公庫の融資を検討してみよう!

今回は、政策公庫について紹介しました。

政策公庫とは、正式名称を「日本政策金融公庫」といい、国が設立した公的な金融機関です。

起業や新規開業時の資金調達手段として、政策公庫の融資制度は多くの人にとって有力な選択肢の一つです。

特に、民間の銀行などからの借入が難しいと感じている方でも、公庫の制度であれば審査に通る可能性があります。

しかし、融資を受けるには、しっかりとした準備が不可欠であり、現実性のある事業計画や申請書類の内容など総合的な信頼性が審査で問われます

今回の記事を参考にして、資金調達には政策公庫の融資を検討してみてください。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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