2025.11.21

会社設立

試算表の見方とは?作成するメリットや注意点についても徹底解説

試算表 見方

読了目安時間:約 6分

試算表とは、日々の取引を仕訳帳に記録し、その内容を総勘定元帳へ転記したうえで、各勘定科目の残高を整理し、借方・貸方の金額を一覧形式でまとめた会計資料です。

試算表の見方を把握しておくことによって、会社の資産や負債、純資産といった財務状況を把握でき、経営の見直しや金融機関への資料としても活用できます。

本記事では、試算表の見方について紹介するとともに、「試算表を作成することのメリット」や「試算表を作成する際の注意点」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、試算表の見方について理解を深めてみてください。

試算表とは?

試算表とは?

試算表とは、日々の会計処理が正確におこなわれているかを検証するために作成される帳票です。

決算書類(貸借対照表や損益計算書)を作る前の段階として、各勘定科目の残高を整理・集計し、借方と貸方の合計に不一致がないかを検証する役割を担います。

また、企業の現時点における資産・負債の状況や売上・費用の内訳を把握でき、経営状況の把握に役立ちます。

経営者にとっては、試算表を通じて財務の健全性を確認したり、資金繰りの計画を立てたりする際の重要な判断材料となります。

さらに、会計期間中の取引が正確に記録されているかどうかをチェックすることができるので、企業規模を問わず活用されています。

試算表の見方

試算表の見方

試算表の見方については、以下の4つが挙げられます。

  • 正しく仕訳されているか確認する
  • 資産状況を確認する
  • 利益状況を確認する
  • 無駄な費用がないか確認する

それぞれの項目について解説していきます。

正しく仕訳されているか確認する

仕訳が正確におこなわれ、総勘定元帳への記録にも誤りがなければ、試算表における借方と貸方の合計金額は一致します。

このバランスが取れていない場合は、金額の記入ミスや誤った勘定科目の使用、仕訳帳から総勘定元帳への転記時に不備があった可能性が高いと考えられます。

そのため、試算表を作成した際は、借方・貸方それぞれの合計が一致しているかをまず確認し、もし差異が見つかった場合には、仕訳帳および元帳の内容を丁寧に見直し、原因となっている箇所を修正することが重要です。

資産状況を確認する

試算表の上部に表示される各勘定科目には、それぞれ「資産」「負債」「純資産」といった区分があり、それぞれの性質に応じて分類されているので、財務状況を確認するようにしましょう。

例えば、現金や当座預金、売掛金などは「資産」に分類され、買掛金や借入金は「負債」、資本金や引出金は「純資産」として扱われます。

勘定科目の使用は業種や会社の規模によって異なるものの、金額の変動が大きい項目ほど経営の安定性に与える影響も大きいので、常にその動きを意識しておくことが大切です。

一般的には、「資産」の総額が「負債」を上回っていれば、財務状態は良好とされます。

しかし、負債が資産を超えているような状況では、経営にリスクが伴っている可能性があるため注意が必要です。

利益状況を確認する

利益状況を確認するようにしましょう。

試算表の下部には、企業の営業活動に関わる収益や費用の科目がまとめられています。

例えば、売上高は収益に分類され、仕入や水道光熱費、旅費交通費などは費用に該当します。

この収益と費用の差額が、企業の最終的な利益になります。

売上が高くても、それに見合わないほど費用がかかっていれば、結果的に利益はほとんど残らず、費用が収益を上回ると赤字になる可能性も出てきます。

そのため、収益・費用のバランスを定期的に確認し、不要または過剰な支出が含まれていないかを見直すことが不可欠です。

試算表を作成することのメリット

試算表を作成することのメリット

メリットについては、以下の4つが挙げられます。

  • 間違いを早期に発見できる
  • 経営改善につながる
  • 融資を受ける際の資料として提出できる
  • 経営状況をリアルタイムで把握できる

それぞれのメリットについて解説していきます。

間違いを早期に発見できる

メリットとして、帳簿上の誤りを早い段階で見つけられます。

試算表は借方と貸方の金額が常に一致している必要があるので、もしズレが生じていれば、どこかに記帳ミスがあるというサインになります。

これにより、問題をその場で把握し、迅速に対応することが可能です。

もし決算時にミスが発覚すると、1年間の取引記録をすべて確認し直す必要があり、手間がかかってしまいます。

そのため、月ごとに試算表を確認することで、トラブルを未然に防ぎ、帳簿の正確性を保つことにつながります

経営改善につながる

試算表を作成することで、自社の経営状況を短期間ごとに確認できるようになり、迅速な経営判断や改善策の実行がしやすくなるメリットがあります。

試算表を活用すれば、現金残高の推移や売上の増減傾向、不要な経費の有無といった重要な情報を把握することができます。

例えば、毎月定期的に試算表を確認していれば、資金の出入りや売上の変動を細かくモニタリングできたり、前年同月や直近の月と比較して現状を分析することも可能です。

また、そこに示される途中段階の数値を元に、年間の業績の見通しを立てることもできます。

このように、リアルタイムで財務状況を確認できれば、決算を待たずして課題に対応し、改善のためのアクションを早期に起こすことが可能となります。

融資を受ける際の資料として提出できる

試算表を作成するメリットとして、融資を受ける際の資料として提出できることが挙げられます。

実際に、金融機関に融資を申し込む際には、企業の現状を正確に伝える資料として、試算表を求められるのが一般的です。

日頃から継続的に試算表を作成しておけば、資金調達が必要になったときにも迅速に対応でき、審査もスムーズに進む可能性を高められます。

また、経営状況が悪化している中小企業が利用できる「セーフティネット保証制度」でも、試算表が提出書類のひとつとして求められるケースがあります。

セーフティネット制度は、信用保証協会が通常とは別枠で保証をおこない、資金調達を後押しするものです。

こうした制度を活用する上でも、試算表を整えておくことが重要と言えます。

参考:セーフティネット保証制度 | 中小企業庁

経営状況をリアルタイムで把握できる

試算表を作成することによって、経営状況をリアルタイムで把握できるメリットがあります。

実際に、年に一度の決算書だけでは、めまぐるしく変化する経営状況に対応するには不十分なのも事実です。

また、売上や利益、資産、負債といった企業の財務状態をリアルタイムで把握できます。

これにより、「売上が順調なはずなのに現金が減っている」「利益が出ていると思っていたのに資金繰りが厳しくなっていた」などといった見えにくいリスクに早く気づくことができます。

このように、試算表で経営状況をリアルタイムで把握し、数字に裏付けられた情報を元に判断することが、持続可能で健全な経営への第一歩となります。

試算表の種類

資産表の種類

試算表には複数の形式が存在し、必ずしも統一された見せ方が求められているわけではありません。

売上や仕入れといった各勘定科目に加え、それぞれの合計金額や残高が一覧で確認できるようになっていれば、基本的な要件は満たされていると言えます。

レイアウトや表示方法については、特に厳密なルールはなく、必要に応じて柔軟に調整することが可能です。

具体的に試算表の種類については、以下の3つが挙げられます。

  • 種類①:合計試算表
  • 種類②:残高試算表
  • 種類③:合計残高試算表

それぞれの種類について解説していきます。

種類①:合計試算表

合計試算表とは、売上や仕入れなど各勘定科目について、増加・減少それぞれの金額を合計して記載する形式の試算表です。

この表を用いることで、一定の期間内に企業がおこなった取引の全体的な金額の流れを把握できます。

例えば、「現金が増えたときは借方に記入する」「借入金が増加した場合は貸方に記入する」といった基本的な記帳ルールに従いながら、各項目ごとに金額の合計をそのまま一覧で示したものが合計試算表です。

種類②:残高試算表

残高試算表とは、企業の売上や仕入れなどさまざまな勘定科目について増減の記録を整理し、最終的な残高を示すための帳票です。

この表を確認することで、会社の経営状況や損益の概略を把握することができます

各勘定科目には「借方」または「貸方」のいずれか一方に金額が記載される仕組みになっています。

具体的には「現金」という科目において、合計試算表では借方に1000、貸方に350と記されていたとします。

この場合、借方が貸方を上回っているので、差額の650が残高として残り、それが残高試算表の「借方」に記入されることになります。

種類③:合計残高試算表

合計残高試算表とは、各勘定項目について、取引の総額(合計)と差引後の残高の両方を記載する帳簿形式の一覧表です。

この試算表は、「合計試算表」と「残高試算表」の役割を一つにまとめた形式なので、企業の財務状況を一目で広く確認するのに適しています

しかし、その分記載する情報が多くなるので、作成に要する手間や時間は比較的かかる傾向があるので注意が必要です。

試算表を作成する際の注意点

試算表を作成する際の注意点

試算表を作成する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。

  • 仕分けの正確性を確認する
  • 資金繰り表の作成も必要になる
  • 適切な作成時期を理解する

それぞれの注意点について解説していきます。

仕訳の正確性を確認する

試算表は、日々の取引内容を記録する「仕訳帳」が正しく記載されていることが前提条件となります。

取引金額や勘定科目、日付などにミスがあると、そのまま試算表に誤った情報が反映されてしまい、正確な財務状況を把握できなくなります。

例えば、「売掛金」と記録すべきところを「現金」と誤って記帳すると、資金の流れに関する見通しがずれ、経営判断を誤るリスクがあります

特に、取引の種類が多かったり、経費の処理頻度が高かったりする場合には、記録ミスが起こりやすくなります。

こうしたリスクを減らすためにも、仕訳帳を作成したあとは必ず見直しをおこない、可能であれば定期的に第三者による確認を取り入れることをおすすめします。

参考:中小企業の会計|日本商工会議所

資金繰り表の作成も必要になる

試算表は、企業の経営状態を現時点で把握するための便利な資料ですが、現金の流れまでは正確に読み取ることができない点に注意が必要です。

日々の資金の動きやキャッシュフローの状況を詳細に管理するためには、別途「資金繰り表」の作成が欠かせません。

このように、経営を安定的に続けるためには、試算表に加えて資金繰り表も活用し、資金面の見通しを明確にしておくことが大切です。

適切な作成時期を理解する

作成する時期を正しく理解するようにしましょう。

企業によって作成のタイミングは異なりますが、一般的には以下のようなパターンが見られます。

項目内容
月次試算表毎月の業績や経営状態を定期的にチェックする目的で作成されます。
四半期試算表3ヶ月単位での経営判断や資金計画の検討に用いられることが多いです。
決算前試算表年度末に向けての決算作業を円滑に進めるための準備資料として活用されます。

特に、月次の試算表を継続的に作成すると、過去数か月との比較が容易になり、売上や利益の変化を早期に把握ができます。

また、異常値や記帳ミスに早く気付けるので、迅速な対応が可能になります

試算表を活用しよう!

試算表を活用しよう!

今回は、試算表の見方について紹介しました。

試算表とは、総勘定元帳に記録された勘定科目について、借方と貸方の金額を一覧にまとめた帳票です。

この表を確認することで、現時点での資産状況や財務のバランスがひと目で把握できるので、自社の経営状態や資金の流れを一定期間ごとに確認し、課題の発見や改善に役立てることができます。

また、仕訳ミスや集計の誤りを防止する効果もあり、金融機関からの融資を受ける際の資料としても活用できます。

経営の健全化と透明性を高めるためにも、日常的に試算表を作成・見直す習慣をつけるようにしましょう。

今回の記事を参考にして、試算表を活用してみてください。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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