2025.11.26

起業・開業

起業に必要な費用とは?起業後に必要な費用や調達方法についても徹底解説

起業 費用

読了目安時間:約 8分

起業を検討する際には、法人設立に伴う登記手続きや初期投資、開業後の運営資金など、一定の資金を確保する必要があります。

特に、自己資金のみで賄うことが難しい場合には、金融機関・政策金融機関からの融資など、外部からの資金調達を併せて検討することが重要です。

また、法人設立する際には、登記などの設立費用だけにとどまらず、開業後の運転資金や日々の事業運営にかかるコストまで見据えて資金計画を立てることが大切です。

本記事では、起業に必要な費用の基本から、「起業後に必要な費用」や「起業に必要な費用の調達方法」についても解説します。

起業に必要な費用とは?

起業に必要な費用とは?

起業に必要な費用について、以下の6つの設立形態ごとに解説します。

  • 費用①:株式会社
  • 費用②:合同会社
  • 費用③:一般社団法人
  • 費用④:一般財団法人
  • 費用⑤:NPO法人
  • 費用⑥:個人事業主

費用①:株式会社

株式会社を立ち上げる際には、以下の初期費用が必要になります。

項目内容
登録免許税最低15万円(※資本金の0.7%が15万円を上回る場合はその金額)
定款謄本取得費約2,000円
定款認証に関する費用約9万円(収入印紙代を含む)

電子定款を利用すれば印紙代4万円が不要となるため、多くの場合で設立費用を抑えられます。ただし、電子署名の機材を自力で準備する場合には、逆にコストがかかることもあります。

一般的には、株式会社を設立するにはトータルで22万円から25万円程度のコストがかかると見積もっておくべきでしょう。

参考:株式会社の設立手続(発起設立)について|法務省

費用②:合同会社

合同会社を設立する際にかかる主な初期費用は、以下のとおりです。

項目内容
登録免許税最低6万円(※資本金の0.7%が6万円を上回る場合はその金額)
定款の謄本交付手数料約2,000円
定款に貼る収入印紙代一律4万円

合同会社の特徴として、公証人による定款認証が不要な点があり、その分、株式会社の設立に比べて費用を抑えることが可能です。

しかし、株式会社と異なり株式を発行できない形態なので、出資を募る手段が限定されます。

また、社会的な信用力という面では株式会社に比べてやや劣る傾向があるという点もあらかじめ注意が必要です。

参考:合同会社の設立手続について|法務省

費用③:一般社団法人

一般社団法人は、営利活動を主な目的としない法人形態なので、設立時に資本金の払い込みが求められないメリットがあります。

株式会社や合同会社に比べて、比較的低コストで設立できるのが魅力と言えます。

実際に一般社団法人を設立する際には、おおよそ11万円前後の初期費用がかかります。

具体的な内訳については、以下のとおりです。

項目内容
登録免許税6万円
定款の謄本取得手数料約2,000円
定款認証にかかる費用約5万円

また、他の法人形態と異なる点として、一般社団法人は定款を紙媒体で作成・認証する場合でも、印紙税が免除されます。

そのため、収入印紙の費用が不要となり、よりコストを抑えた設立が可能です。

費用④:一般財団法人

一般財団法人は、特定の目的に応じて資産を活用しながら事業をおこなう法人形態です。

その性質上、法人格の取得には最低300万円以上の基本財産の拠出が求められるという要件があり、「財産に法人格が付与される」という一般財団法人特有の仕組みに基づくものです。

このように、設立の初期コストは比較的高額になりますが、非営利法人でありながらも公益性の有無や活動の内容について制限がないという柔軟性の高さがメリットと言えます。

実際に、一般財団法人を立ち上げる際にかかる費用の目安はおおよそ311万円以上で、以下のような内訳となっています。

項目内容
基本財産の拠出300万円以上
登録免許税6万円
定款の謄本取得手数料約2,000円
定款認証費用約5万円

さらに、一般財団法人は一般社団法人と同様に印紙税の課税対象外となっているので、紙の定款を作成しても印紙代は発生しないので、設立コストの一部が軽減されます

費用⑤:NPO法人

NPO法人(特定非営利活動法人)は、社会的課題の解決や公共の利益に資する活動をおこなうことを目的とした法人形態です。

設立時においては資本金の払込や登録免許税、定款の認証手数料が一切かからないという特徴があります。

そのため、実質的には以下のような必要経費のみで設立が可能です。

項目内容
登記事項証明書(謄本)取得費用1通あたり600円程度、複数通取得が一般的です
住民票や印鑑証明の発行手数料1名あたりおよそ500円前後(役員全員分が必要)
法人印の作成費3,000円〜1万円程度

しかし、NPO法人として認められるには一定の要件があり、活動内容は医療や福祉、環境保全など20の定められた分野に限定されています。

そのため、事業の目的がこれらに合致しているかが重要なポイントとなります。

また、NPO法人の設立手続きは他の法人形態と比較して複雑で、「申請 → 認証 → 登記」という3段階を踏む必要があります。

そのため、設立完了までには最低でも2〜3ヶ月の期間が必要となることから、事前にスケジュールをしっかり立てて取り組むことが求められます

費用⑥:個人事業主

個人事業主として事業を始めるには、税務署へ開業届を提出するだけで手続きが完了します。

この開業手続きには費用がかからず、申請も比較的シンプルでスムーズに進められるのが特徴です。

また、初年度から所得税の優遇を受けたい場合は、開業届と併せて「青色申告承認申請書」も同時に提出しておくのがおすすめです。

これにより、複式簿記による記帳と確定申告をおこなえば、最大65万円の特別控除などの恩恵を受けられる可能性があります。

しかし、開業後に屋号付きの銀行口座を作る場合には、印鑑の作成費用がかかるほか、業種によっては営業許可や届出が必要となり、別途費用が発生するケースもあるので、事前に確認しておくことが重要です。

参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

起業後に必要な費用

起業後に必要な費用

起業後に必要な費用については、以下の2つが挙げられます。

  • 開業費用
  • 維持費用

それぞれの費用について解説していきます。

開業費用

起業する際には、多くの準備が求められ、その過程で発生する「開業費」とは、法人を設立してから実際に営業を開始するまでの間にかかる各種費用のことを指します。

この開業費には、事業運営に必要な環境を整えるための支出が含まれており、事務所の整備費や備品の購入、広告宣伝などが該当します。

また、会社設立費用とは区別され、実際のビジネスを始めるために不可欠な初期投資と考えられます。

具体的な開業費用の内訳については、以下のとおりです。

  • 設備費
  • 部権取得費
  • 広告費

それぞれの費用について解説していきます。

設備費

設備費は、事業を始める際に必要な費用で、業種や運営スタイルによって変わりますが、多くのケースで共通して必要とされるものは以下が挙げられます。

  • インターネット接続環境
  • パソコン本体
  • オフィス用ソフト
  • 電話回線またはスマートフォン
  • プリンター
  • 事務用品

特に、取引先との連絡や業務をオンラインで進める必要がある場合は、安定したネット環境と業務に適したパソコンは不可欠です。

これらをすべて購入するとなると初期費用がかさんでしまうので、必要に応じてリース契約やレンタルサービス、月額制のサブスクリプション形式を活用することで、コストを抑えながら必要な環境を整えることが可能です。

物件取得費

物件取得費は、オフィスや店舗などのテナントスペースを借りる際に必要な費用です。

実際に、契約の際には、まとまった初期費用が求められることが一般的です。

例えば、月額賃料が10万円の物件を借りる場合、契約時にかかる初期費用の総額はおおよそ100万円前後になるケースもあります。

主な費用項目は次のような内容です。

項目内容
敷金賃料の1〜10ヶ月分(退去時の原状回復費用などに充当)
礼金賃料の1〜2ヶ月分(返金なし)
仲介手数料賃料1ヶ月分が一般的
前払い賃料1〜2ヶ月分の賃料を前もって支払うケースもあります。
その他の諸費用火災保険料、鍵交換費、管理費など

さらに、物件の状態によっては内装工事費や外装の整備費などが別途必要になることがあります。

設備や什器が既に備え付けられている「居抜き物件」を選ぶことで初期投資を抑えることも可能ですが、場合によってはクリーニング代や修繕費などの費用が発生する場合もあります。

広告宣伝費・その他初期費用

事業を始めるにあたっては、物件の賃貸契約や設備の導入といった初期費用に加え、運営を継続するうえで欠かせない広告宣伝費や専門家への報酬なども考慮する必要があります。

起業後に発生する主な運営コストについては、以下が挙げられます。

  • Webサイトの制作費
  • 名刺デザイン・印刷費用
  • 宣伝用チラシの作成費
  • 税理士との顧問契約料や各種保険料
  • 商品や材料などの仕入れ費

これらの費用は一見小さく見えるものの、積み重なれば大きな出費となるため、事前にすべての必要経費をリストアップし、資金計画を明確に立てておくことが重要です。

予算オーバーを防ぎ、持続可能な経営を実現するためにも、最初の段階から細やかなコスト管理を意識しておきましょう。

維持費用

維持費用は、事業規模に関わらず発生する基本的な経費であり、適切に見積もっておかないと経営を圧迫する要因にもなるのであらかじめ確認しておくことが重要です。

具体的に、維持費用の内訳については、以下が挙げられます。

  • 社会保険料
  • 税金
  • その他費用

それぞれの費用について解説していきます。

社会保険料

社会保険料は、法人を設立して役員に報酬を支払う限り、売上や利益の有無に関係なく発生する固定費のひとつです。

役員報酬を設定すれば、自動的に保険料の支払い義務が生じるため、会社経営において必ず計算に入れておくべきコストです。

社員を採用した場合は、その人数に応じて会社側が社会保険料を負担する必要があります。

しかし、代表者1名で会社を運営している場合は、保険加入対象者も自分一人だけとなるため、相対的に維持コストを抑えることが可能です。

税金

法人を運営していくうえで継続的に発生する税金には、主に以下の5種類の税金があります。

項目内容
法人税企業の利益に応じて課税される国税で、法人の種類や資本金、所得額によって税率が異なります。
法人住民税会社が所在する自治体に納める地方税です。たとえ事業が赤字であっても、「均等割」として最低7万円程度の納税が必要です。
法人事業税都道府県に対して、事業活動を行っていることに対して課される地方税です。申告と納付の際には、「特別法人事業税」とあわせて手続きします。
固定資産税会社が所有する不動産や減価償却資産に対して課税される地方税です。土地や建物、機械設備などが対象になります。
消費税商品販売やサービス提供に伴って発生する税金で、最終的には消費者が負担し、事業者が国に納めます。課税売上高が一定額を超えると納税義務が発生します。

これらは事業の収益に関係なく発生する場合もあるため、計画的な資金管理が必要です。

このように、法人である以上はたとえ利益が出ていない場合でも一定の税負担が生じるケースがあるので、経費に組み込んで、あらかじめ準備しておくことが重要です。

その他費用

会社経営において、オフィスや事業所を借りて運営する場合は、固定的な支出が毎月発生します。

代表的なその他固定コストは以下のとおりです。

  • 事務所や店舗などの家賃
  • 電気・水道・ガスなどの光熱費
  • Webサイト運用にかかるドメイン・サーバー代(月額制)
  • パソコンや周辺機器のメンテナンス費
  • 税理士・社労士など専門家への顧問報酬

もし税理士などに依頼せず、自分で経理や申告手続きをおこなう場合には、専門家への報酬は不要になります。

しかし、法人税の確定申告や帳簿の作成には高度な知識が求められ、初心者にとっては大きな負担となる場合もあります。

処理に不安がある場合は、税理士のサポートを活用することで、時間や労力を削減することにもつながります

起業に必要な費用の調達方法

起業に必要な費用の調達方法

起業に必要な費用の調達方法については、以下の4つが挙げられます。

  • 調達方法①:自己資金
  • 調達方法②:融資
  • 調達方法③:補助金・助成金
  • 調達方法④:クラウドファンディング

それぞれの調達方法について解説していきます。

調達方法①:自己資金

自己資金とは、借入ではなく自らが準備した返済不要の資金のうち、出所などが明確に証明できるものを指します。

しかし、すべての資金が「自己資金」として認められるわけではなく、金融機関などが確認可能な証拠が必要です。

具体的には、以下のような資金は、一般的に自己資金として判断されやすいです。

  • 預金通帳などで積み立てが確認できる貯蓄
  • 配偶者名義の預貯金
  • 親族からの贈与資金
  • 相続により取得した現金や資産
  • 退職金として受け取った金銭
  • 不動産や有価証券を売却して得た売却益

しかし、金融機関や親族などからの借入金や資金の出所が確認できない現金などは自己資金として扱われないので注意が必要です。

このように、資金管理と記録の透明性には十分な注意が必要です。

調達方法②:融資

融資は、事業を始めるにあたり、まとまった資金を確保するための代表的な資金調達方法です。

主に2つのタイプに分類され、日本政策金融公庫が提供する公的な融資と、民間金融機関が行う創業・事業向け融資があります。

日本政策金融公庫は、政府の政策に基づいて設立された金融機関で、民間金融機関の補完的な役割を担っています。

一方、銀行が提供する創業融資は、より柔軟な資金用途が期待できる反面、審査基準が厳しめで、信用情報や返済能力に関する審査がより詳細におこなわれる傾向があります。

しかし、銀行によっては日本政策金融公庫と連携して創業融資プランを提供していることもあるので、併用の可能性も含めて調査するようにしましょう。

参考:日本政策金融公庫

調達方法③:補助金・助成金

補助金・助成金は、一定の条件をクリアすれば利用できる有効な資金調達の手段です。

しかし、補助金と助成金は、それぞれ異なる申請要件や利用対象が定められており、誰もが無条件で受けられるものではない点には注意が必要です。

実際に、申請を検討する際は、自身の事業内容や計画が支給対象に該当するか、また審査基準を満たしているかを事前に十分確認することが大切です。

参考:小規模事業者持続化補助金について | 中小企業庁

調達方法④:クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の支援者から資金を募る仕組みです。

特に、近年ではスタートアップの資金調達方法として広く活用されています。

この手法を通じて出資を集める際には、事業のビジョンやプロジェクトの目的、支援者にとってのメリットを明確に伝えることが重要です。

全てのプロジェクトが必ず目標金額を達成できるとは限りませんが、プロモーション戦略や訴求内容が上手くマッチすれば、クラウドファンディングだけで開業に必要な資金をカバーできる可能性もあります。

また、出資を通じて起業直後からある程度の認知度やファン層を築けることもメリットの一つです。

参考:クラウドファンディングの仕組み|消費者庁

起業に必要な費用を把握しよう!

起業に必要な費用を把握しよう!

今回は、起業に必要な費用について紹介しました。

起業する際には、あらかじめ必要となる資金の全体像を把握しておけば、スムーズな資金計画や調達が可能になります。

実際に、株式会社や合同会社といった法人形態によっても初期費用は変動し、これらの違いを理解した上で、自分に合った起業資金の準備を進めることが大切です。

また、起業に必要な費用に加えて、今後継続的に必要となる維持費も考慮する必要があります。

今回の記事を参考にして、起業に必要な費用を把握しましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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