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起業・開業
40代から起業するのは遅い?成功させるポイントや進め方についても紹介

読了目安時間:約 7分
40代からの起業は「遅い」とは一概には言えません。
これまでの経験や人脈、資金面での準備などが活かせるため、挑戦する上で強みを持てる年代です。
実際に、40代になってから会社を立ち上げる経営者も少なくなく、ライフステージの変化を契機に起業を検討する方も増えています。ただし、40代での起業には業界や個人の環境によって取るべき戦略が異なります。
本記事では、40代での起業に関する考え方や注意点を紹介します。
また、成功につなげるためのポイントや、起業を進める際の流れについても解説しますので、ぜひご自身の状況に合わせた起業準備に役立ててください。
目次
40代から起業するのは遅い?

40代からの起業は、これまでの経験や人脈を活かせる点で可能性を広げやすい世代といえます。
この世代は、業界の仕組みや顧客ニーズを理解していることが多く、トラブル対応力や人脈といった強みが起業に役立つケースもあり、事業を安定的に運営する力が備わっている人も多くいます。また、これまでの社会生活を通じて築いた信頼関係は、創業初期の顧客開拓やビジネスパートナー探しにプラスとなることがあるでしょう。
さらに、これまでの職歴や資産背景によっては、金融機関や投資家から評価されやすいケースもあります。もちろん、個人の信用状況や事業内容により信用度は変わるほか、教育費や住宅ローンなどで資金的な制約を抱える方も少なくないため、事業計画の立案や資金繰り対策は必要です。
40代は「年齢がハンデになる」と考えがちですが、これまでの経験を適切に活かせば、むしろ起業の強みになる世代だと言えるでしょう。
40代からの起業を成功させるためのポイント

40代からの起業を成功させるには、以下7つのポイントに注目しましょう。
- 起業する目的を明確にする
- 資金管理を入念におこなう
- 事業計画を立てる
- 経験や知識を活用する
- 人脈を戦略的に利用する
- 財務や会計の知識を身につける
- 周囲の理解を得る
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
起業する目的を明確にする
40代からの起業を考える際には、「なぜ自分は起業したいのか」という目的を明確にすることが重要です。
目的が定まっていれば、日々の活動のモチベーションにつながり、今後のビジネスの方向性もぶれにくくなります。
例えば、40代から起業を志すのには以下のような理由が考えられます。
- 自分の裁量で自由に仕事を進めたい
- プライベートの時間を確保したい
- 家族との時間を増やしたい
- 収入の幅を広げたい
自分の裁量で自由に仕事をしたい人にとっては、働く時間が固定される時給制よりも、納期から逆算して計画を立てられる成果報酬型の働き方の方が、自分の理想に近づきやすいと言えます。また、現在以上の収入を目指す場合、法人化してスタッフを雇い、組織的な事業展開を視野に入れる選択肢もあります。ただしコスト増にも注意が必要です。
このように、起業する目的を明確にすることによって、起業するうえでやるべきことが浮かび上がってきます。
ただし、法人化によって収入が増加する場合もあれば、管理コストがかかり必ずしも収入増加に繋がらないこともあるため、慎重な判断が必要です。
資金管理を入念におこなう
資金管理が不十分な場合、赤字経営に陥るリスクが高まります。
資金管理とは、事前に収入と支出の見通しを立て、必要な資金をどう確保し、どのように運用するかを計画することを指します。資金管理が不十分だった場合、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 手元資金が足りなくなる
- 資金の流れが滞り、赤字経営に陥る
- 現金不足が原因で、借入金の返済や取引先への支払いが遅れる
こうしたリスクを避けるためには、事業運営に必要な資金をきちんと確保すると同時に、資金の流れを把握して不足や余剰を調整することが欠かせません。
自己資金だけでは難しい場合、金融機関からの融資の検討や、条件に合えば補助金や助成金を申請することも可能です。ただし、制度ごとに要件が異なるため、利用を希望する場合は事前に確認しておく必要があります。
事業計画を立てる
40代から起業を成功させるには、事業計画を立てるようにしましょう。
事業計画書とは、経営の方向性や取り組みたい事業内容を文章にまとめた資料です。
具体的には、事業計画に以下のような情報を盛り込むようにしましょう。
- 事業の理念や将来的なビジョン
- 想定される市場環境や競合状況
- 販売方針や宣伝方法などのマーケティング戦略
- 売上高や利益などの収益予測
- 必要資金とその調達方法
事業計画書を用意することで事業の目的や方向性を明確にするとともに、潜在的なリスクの早期把握が可能となり、経営改善にも役立ちます。
さらに、金融機関などから融資を受ける際に提出を求められるケースも多いので、前もって作成しておけば、資金調達を円滑に進められるでしょう。
経験や知識を活用する
40代という年代の強みは、これまでに積み重ねてきた知識や経験の豊かさにあります。そのため、この経験や知識を活用することも重要です。
長年のキャリアの中で培ったスキルや業界特有のノウハウは、組織においても中心的な役割を担い、仕事を効率的に進める大きな力となります。
起業を考える際には、まず自分が持っている経験や知識をどのように活かせるかを優先的に考えると良いでしょう。
人脈を戦略的に利用する
これまで培ってきた人とのつながりを活用する方法も有効です。
実際に、40代から起業する人は、長い社会人生活を通じて、同僚や取引先、業界関係者など多方面にわたる人脈を築いてきた方も多くいます。
この人脈を利用することで、新規顧客を獲得する手助けになったり、事業の方向性について有益な助言を得られたり、あるいは思いがけないビジネスチャンスをもたらすこともあるでしょう。
財務や会計の知識を身につける
財務や会計の知識を身につけておくことも、大切なポイントです。
事業を健全に運営するには、売上・経費・利益の流れを理解しておくことが欠かせません。基本的な財務や会計の知識があれば、事業の課題を早めに把握しやすくなります。
特に、業績を正確に把握できれば、事業上の課題を発見したり改善の方向性を定めたりすることがしやすくなり、結果として事業の成長へとつなげやすくなります。
このように、健全な資金基盤を築き、経営上のリスクをできるだけ抑えるためにも、財務や会計の知識を身につけておくことは重要です。ただし、会計処理や税務申告は専門性が高いため、必要に応じて税理士に相談して、法令に沿った正確な対応や、経営改善につながるアドバイスを受けるのが有効です。
周囲の理解を得る
40代から起業する場合には、配偶者や家族の理解と支援を得ることが欠かせません。
実際に、起業直後は、準備や運営に多くの時間や労力を割かねばならず、家庭生活へ少なからず影響が及ぶ可能性があります。
そのためパートナーや子どもがいる方は、家族の理解や協力の有無が起業成功に大きな影響を与えます。
周囲の理解を得られていれば、不規則な働き方や収入の一時的な減少による生活の変化にも柔軟に対応しやすくなるでしょう。
40代から起業する際の進め方

40代からの起業を進めるステップは、以下の通りです。
- 起業に必要な時間を確保する
- 起業理由を考える
- 起業計画を立てる
- 必要な資金を明確にする
- 手続きをする
起業に必要な時間を確保する
40代は仕事や家庭で多忙になりやすいため、起業準備のための時間を意識的に確保することが大切です。
40代は仕事の経験が豊富になる一方、多くの方が組織の中で責任ある立場にあり、起業準備の時間を確保しにくい状況でもあります。そのため、日中は会社の業務に追われがちで、副業や独立の準備に時間を確保するのが難しいケースが多くみられます。
しかし、起業を考えるならば、意識的に自分の時間を生み出す工夫が欠かせません。
具体的に、起業に必要な時間を確保する方法として、これまで何気なく浪費していた時間や日々の業務プロセスを見直すことが重要です。例えば、日々のスケジュールを見直し、30分〜1時間のスキマ時間を活用して事業アイデアの整理や学習を進めるのも有効です。
このように、小さな積み重ねが、起業に向けて前へ進めることにつながります。
起業理由を考える
次に、自分が何のために起業するのかをはっきりさせておくことが重要です。
例えば、「組織に縛られず柔軟な働き方を実現したい」や「自分のビジネスを成長させて収入を高めたい」など、起業を目指す動機は人によって大きく異なります。そのため、動機を整理することで、困難に直面した際の支えになり、事業を継続する力につながります。
経営の過程では壁にぶつかることも予想されますが、出発点となる理由が明確であれば、ぶれることなく事業を前進させられる可能性が高いです。
起業計画を立てる
起業を目指すなら、事業を始める時期や準備期間をイメージし、そこから逆算して計画を立てると効果的です。資金面や家庭の事情、リスク対応を含めた現実的な計画を作成することで、無理のない起業準備が可能になります。
起業計画を立てる際には、家庭の事情や資金状況といった要素を考慮に入れた綿密な計画が重要です。
また、事業アイデアの具体化や必要な資金の調達方法、リスクへの備えなどを起業計画に盛り込むようにしましょう。
必要な資金を明確にする
開業にかかる初期費用・運転資金・生活費を整理し、自己資金でまかなえる範囲と不足分を確認しましょう。
不足する場合は、融資・補助金・助成金の活用も選択肢となりますが、制度によって入金まで時間を要することもあるため、計画には余裕を持たせることが大切です。
さらに、日々の運転資金を含めた資金についても、資金繰りが逼迫しないように注意しなければなりません。不安があれば税理士に相談するなどして資金計画を立てると安心です。
手続きをする
準備が整ったら、会社員の場合は退職時期を検討し、社内規程や取引先への影響も踏まえて調整する必要があります。
スムーズに独立へと移行できるよう、できるだけ早い段階で退職の意思を伝え、計画的に行動する必要がありますが、今後のビジネスにおいて元同僚や取引先が協力者や顧客になる可能性もあるので、会社や関係先との信頼関係を損なわないよう配慮しながら退職することが大切です。
さらに、開業に必要な手続きを忘れず進めるようにしましょう。個人事業主であれば開業届の提出や保険の切り替え、法人であれば登記や法人口座の開設など各種書類の手続きを済ませることで、事業を本格的に進めることができます。
税務や社会保険の手続きも重要なため、税理士に相談しながら進めるとスムーズです。
40代で起業する際の注意点

40代で起業する際には、以下の点に注意しましょう。
- 起業に失敗するリスクもある
- 曖昧な計画を立てない
- 知識や経験がない業界・業種で起業しない
それぞれの注意点について解説していきます。
起業に失敗するリスクもある
40代からの起業にはリスクが伴いますが、そのリスクをいかに抑えるかが重要です。
多額の資金を投入して事業を始めても、思うような成果が出ずに失敗してしまえば、取り返しのつかない状況に陥る危険があります。万が一、起業に失敗した場合、再就職の選択肢が限られるケースもあるため、準備段階からリスク管理を意識することが重要です。
仮に思うような成果が得られなかった場合でも、柔軟に方向転換できる余地を残しておくと安心材料となります。多額の資金を投じてすぐに結果を出そうとするのではなく、まずは小規模に始めて実績を積み上げていく方法が有効です。
曖昧な計画を立てない
40代からの起業では、生活や家族のことも考慮する必要があるため、明確な事業計画を立ててからスタートすることが望ましいです。
年齢を問わず、事前調査や経営計画に基づいたシミュレーションは成功の基盤となりますが、特に家族を養い守る立場にある40代では、リスクを極力抑えるための計画づくりが不可欠と言えます。
事前の市場調査や収支シミュレーションを行っておくことで、資金繰りの見通しを立てやすくなるでしょう。
また、金融機関からの融資や補助金の申請の際にも、具体的な事業計画は大きな強みとなります。
知識や経験がない業界・業種での起業は慎重に
これまでの経験や強みを活かせる分野を選ぶことは、起業成功の可能性を高める要素のひとつです。そのため、40代で起業する際は、知識や経験がない業界・業種での起業には慎重になりましょう。
理想的なのは、自身のスキルを活かしながら、市場のニーズや将来性を踏まえた事業分野を検討することです。起業する業界の専門知識や経験、スキルを持っていれば、事業を成功へと導く要素となるでしょう。
ただし、未経験の分野であっても、十分な学習や専門家のサポートを得ながら進めることで成功につなげることは可能です。
40代からの起業はできるだけリスクを抑えよう!

今回は、40代からの起業についてご紹介しました。
40代の方は、社会人として培ってきた経験や人脈を事業に活かせるケースが多い一方で、家庭や生活に関わる責任が大きくなる時期でもあります。
そのため、起業を検討する際には、将来のライフプランも踏まえ、資金計画やリスク管理を丁寧に行うことが重要です。特に初めての起業では、小規模から始め、無理のない範囲で事業を拡大していく方法が望ましいでしょう。
当事務所では、資金繰りや事業計画の立案など、税務・会計の観点からもサポートを行っております。40代からの起業を安心して進められるよう、専門家への相談もぜひご検討ください。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。