2026.02.26

創業融資

金融ブラックリストとは?載ってしまう条件やリスクについても徹底解説

金融 ブラックリスト

読了目安時間:約 7分

金融ブラックリストとは、信用性に問題があると見なされた人をまとめたリストのことを指します。実際に金融業界では、返済の遅延や債務整理などにより、個人の信用情報にネガティブな履歴が登録された状態を金融ブラックリストと呼ぶことがあります。

本記事では、金融ブラックリストとは何かだけでなく、「金融ブラックリストに載ってしまう条件」や「金融ブラックリストに載ってしまうリスク」についても解説していきます。ぜひこの記事を参考にして、金融ブラックリストについて理解を深めてみてください。

金融ブラックリストとは?

金融ブラックリストとは?

金融ブラックリストとは、借入の返済遅延や債務整理など、お金に関する重大なトラブルが発生した際に、その情報が信用情報機関に記録される状態を指します。実際には、「金融ブラックリスト」と題された名簿が存在するわけではありません。

金融機関は、ローンの申込みやクレジットカードの発行を検討する際、申込者の信用状況を確認するために信用情報機関に照会を行います。信用情報機関とは、ローン返済状況やクレジットカードの利用歴など、個人の支払い能力を判断するための情報を取り扱う機関です。支払いの遅れや債務整理といった「金融事故」の記録が残っていると、それが審査時にマイナス評価となり、新たな借入やクレジットカードの契約が拒否される原因となります。

金融ブラックリストに載ってしまう条件

金融ブラックリストに載ってしまう条件

金融ブラックリストに載ってしまう条件については、以下の5つが挙げられます。

  • 支払いの滞納や延滞
  • 保証会社からの代位弁済
  • 申込みブラック
  • 債務整理
  • クレジットカードの現金化

それぞれの条件について解説していきます。

支払いの滞納や延滞

借入の返済が遅れたり、毎月の支払いが滞ってしまった場合、その情報は信用情報機関が発行する「信用開示報告書」の中の「入金状況」という項目に記録されます。このような遅延の対象には、カードローンや消費者金融からの借入の返済だけでなく、クレジットカードのリボ払いや分割払い、スマートフォン本体の分割購入代金の支払い遅延なども含まれます。

しかし、1回程度の支払い遅延があったからといって、すぐに「金融ブラックリスト」に載るわけではなく、ある程度の期間にわたって滞納が続いたり、複数回にわたる延滞が発生した場合に限り、信用情報に「事故情報」として記載されます

参考:「信用情報開示報告書」表示項目の説明|CIC

保証会社からの代位弁済

銀行などの金融機関から借入をしていて、返済が約3か月以上遅れてしまうと、通常は保証会社が借主に代わって返済する「代位弁済」という措置がとられます。代位弁済とは、債務者が何らかの事情で返済できなくなったときに、保証会社がその人に代わって借入先に返済する仕組みです。例えば、銀行のカードローンで3か月以上返済が滞った場合、保証会社が代わりにその返済を実施し、今後の支払いに関する対応は、銀行ではなく代位弁済を行った保証会社(アコム等)とのやり取りとなります。

この手続きが実施されると、信用情報には「保証履行」や「代位弁済」といった記載がされ、クレジットカード会社や他の金融機関は、申込者に過去の返済トラブルがあったことを容易に把握できるようになります。このように、代位弁済は返済不能が一定期間続いた場合に発動され、信用情報機関に「事故情報」として記録されます。

申込みブラック

短期間のうちに複数のクレジットカードやローンに申し込むと、場合によっては金融機関側から「信用リスクが高い」と判断されてしまい、信用情報に事故情報が登録されるリスクがあります。実際に、信用情報機関には各種ローンやクレジットの申込履歴も記録されており、審査の際にそれらの情報が確認されます。

例えば、立て続けに複数の金融業者へ申込みを行っている場合、申込先の会社は「資金繰りに困っている可能性がある」と読み取る可能性があります。申込情報は延滞や代位弁済のようなネガティブな記録ではありませんが、それでも短期間に集中して申し込んでいると、審査で不利になることがあるので注意が必要です。

債務整理

過去に債務整理を行った経験がある場合、その情報が信用情報機関に記録され、いわゆる「金融ブラックリスト」に該当してしまう可能性があります。債務整理とは、借入の返済負担を軽減するために行う法的な手続きで、自己破産や任意整理・個人再生などが代表的な方法です。債務整理を行うと、その手続きに応じた情報が一定期間、信用情報として登録されてしまうので注意が必要です。

クレジットカードの現金化

クレジットカードを使って現金を手に入れる「現金化」という行為がカード会社に発覚すると、その情報は「信用情報機関」に事故情報として登録され、金融ブラックリストに載ってしまうリスクがあります。現金化とは、クレジットカードで購入した商品を、買取業者などに転売し現金に換える手段のことを指します。キャッシング枠を利用せずに資金を得られるので、クレジットカード会社の規約で明確に禁止されている違反行為です。

このような不正利用が発覚すると、利用していたクレジットカードは即時に強制解約となり、その情報は「金融事故」として記録されます。また、解約時点でまだ支払いが残っていた場合には、残額を一括で請求されてしまいます。さらに、現金化を巡っては詐欺や犯罪に巻き込まれるリスクも高いので、どんなに金銭的に困っている状況であっても、クレジットカードの現金化は絶対に行わないようにしましょう

参考:JCCA

金融ブラックリストに載ってしまうリスク

金融ブラックリストに載ってしまうリスク

金融ブラックリストに載ってしまうリスクについては、以下の5つが挙げられます。

  • リスク①:クレジットカードが止められる
  • リスク②:ローン審査が通らなくなる
  • リスク③:賃貸契約ができなくなる
  • リスク④:ローンの保証人になれない
  • リスク⑤:端末の分割購入ができない

それぞれのリスクについて解説していきます。

リスク①:クレジットカードが止められる

金融ブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードが止められてしまう可能性が高くなります。現在保有しているクレジットカードや、ETCカードなど付帯サービスも使えなくなったり、新しくカードを作ろうとしても審査に通らない状況が発生します。クレジットカード会社は申込者や利用者の信用情報を確認した上でカードの利用可否を判断するので、登録されている事故情報がネックとなり、利用が停止されるケースもあります。

リスク②:ローン審査が通らなくなる

金融ブラックリストに記録されている状態は、多くの金融機関でローン審査に通過するのが難しくなります。信用情報に記載される金融事故の情報は、その人の返済能力に不安があることや経済的な問題を抱えていることを示す重要な判断材料とされてしまうのも事実です。

消費者金融の提供する少額ローンに限らず、住宅ローンや事業資金向けのビジネスローンなど大型の融資にも及びます。しかし、地方自治体や国の制度、企業内の従業員貸付制度のように、営利目的ではなく生活支援を目的とした貸付については、信用情報が直接審査基準にならないケースもあります。

参考:生活福祉資金貸付制度について|厚生労働省

リスク③:賃貸契約ができなくなる

金融ブラックリストに載ってしまうと、賃貸契約ができなくなってしまい、賃貸物件への入居を断られてしまうケースもあります。特に、家賃の支払いに関して「家賃保証会社」との契約が必要な物件では注意が必要です。保証会社の中には貸金業を営む企業が含まれており、入居審査の一環として個人の信用情報をチェックされる可能性があります。

その結果、過去に金融事故などのネガティブな情報が信用情報機関に登録されている場合、保証会社からの承認が得られず、物件の契約ができなくなることもあります。このように、賃貸住宅の契約であっても、信用情報が審査に影響を及ぼすケースがあるという点は、事前に理解しておくことが重要です。

リスク④:ローンの保証人になれない

金融ブラックリストに載ると、ローンの保証人になれなくなってしまうリスクがあるので注意が必要です。保証人とは、借主本人が返済できなくなったときに、その債務を肩代わりして支払う責任を負う人物のことを指します。そのため、保証人には安定した収入や、返済能力の裏付けとなる信用力が求められます。

実際、保証人に対しても金融機関による審査が実施されるので、信用情報に事故情報が記録されると、審査に通らないことも考えられます。保証人として不適格と判断された場合は、改めて別の候補者を用意する必要があり、手続きが遅れてしまう原因にもなります。このように、保証人を選ぶ際は、経済状況だけでなく信用情報の状態にも注意する必要があると言えます。

リスク⑤:端末の分割購入ができない

金融ブラックリストに登録されてしまうと、スマートフォンや携帯電話を新たに購入する際、端末代金の分割払いが利用できなくなるケースがあります。端末の代金は月々の通話・通信料と一緒に支払う形式が一般的ですが、「割賦販売」としてローン契約の一種に該当します。そのため、購入時には信用情報の確認が行われ、過去に金融事故の記録があると、審査に通らない場合もあるので、あらかじめ注意が必要です。

金融ブラックリストかどうか確認する方法

金融ブラックリストかどうか確認する方法

ローンやクレジットカードの申込み審査に通らなかったとしても、金融機関がその理由を具体的に教えてくれることは基本的にありません。実際に、信用情報に問題があったとしても、「金融ブラックリストに載っているため審査不可」と明言されることはありません。

そのため、自分が信用情報上で不利な状態にあるかを確かめたい場合には、信用情報機関に対して「情報開示」の請求を行う必要があります。具体的に、日本国内には主に以下の3つの信用情報機関があり、それぞれが扱う金融業者の種類に違いがあります。

金融業者特徴
CICクレジットカード会社や信販系企業の情報を管理
JICC主に消費者金融などの貸金業者が加盟
KSC銀行や銀行系のクレジットカード会社が対象

どの信用情報機関に開示請求を行うべきかは、過去に利用した金融サービスの種類によって異なるので、事前に把握しておくことが重要です。開示手続きの詳細や方法については、各信用情報機関の公式ウェブサイトで事前に確認しておくようにしましょう。

金融ブラックリストに載ったときの対処方法

金融ブラックリストに載ったときの対処方法

ブラックリストに登録されてしまった場合、自分の意思だけで削除することはできません。登録内容に明らかな誤りがある場合は、情報の訂正や削除を申し立てることは可能ですが、正当な理由による登録であれば、原則として一定の保存期間が過ぎるまでその情報は残ります。しかし、以下のような取り組みを行うことで、信用回復のスピードを少しでも早めることにつながります。

  • 借入を早く完済する
  • 新規でお金を借りない
  • 債務整理を検討する

それぞれの対処方法について解説していきます。

借入を早く完済する

金融ブラックリストに登録されてしまった場合は、できるだけ早く滞納している借入を返済することが重要です。信用情報機関では、支払いの遅延に関する記録は「完済日」から一定期間保存されるので、返済が遅れれば遅れるほど、情報が削除されるタイミングも後ろ倒しになります。

そのため、信用回復を少しでも早めたい場合は、可能な限り早急に未払いの借入を解消する必要があります。一方、全額を支払うのが難しいような高額な滞納がある場合は、金融業者に相談し、分割払いでの返済プランを提案してみるのも現実的な対応策と言えます。

新規でお金を借りない

金融ブラックリストの状態で新たな借入をしてしまうと、状況を悪化させてしまう可能性があります。すでに返済が困難な状態でさらに借入を重ねてしまうと、自己破産に追い込まれるリスクが高くなってしまうのも事実です。信用情報に傷がついてしまった場合は、これ以上ローンや借入に頼るのではなく、今ある資金の範囲内で生活を立て直す意識が必要です。借りることを前提とせず、まずは支出の見直しを行い、無理のない家計管理に切り替えることを重視しましょう。

債務整理を検討する

借入の返済で圧迫されている場合は、債務整理の手続きも検討しましょう。任意整理を行えば、今後発生する利息を免除してもらえたり、返済期間を延ばすことで月々の支払い負担を軽くすることが可能です。借入総額が大きく、返済がどうしても難しい場合には、自己破産という手続きによって、税金などを除いたほとんどの債務を帳消しにすることも可能です。

しかし、自己破産では原則としてマイホームなどの資産を手放さなければならないケースがあるので、あらかじめ注意が必要です。個人再生という方法も選択肢の一つで、一定の条件を満たすことで住宅を守りながら、借入の大幅減額を目指すことができます。このように借入の悩みがある場合には、専門家に相談することをおすすめします。

参考:破産法 第253条

金融ブラックリストに載らないようにしよう!

金融ブラックリストに載らないようにしよう!

今回は、金融ブラックリストについて紹介しました。金融ブラックリストとは、信用情報機関において、借入の返済遅延や債務整理などの「金融事故」が記録される状態を指します。借入の滞納や法的な整理手続きを行った場合、その情報は一定期間保存され、利用者自身の申し出で削除することはできません。また、信用情報をクリアな状態に戻すには、できるだけ早く未払いの借入を完済し、その後、定められた保存期間が経過するのを待つ必要があります。

そのため、金融ブラックリストに載らないように、日頃から管理をしっかりと行い、計画的な支出を心がけることが何より大切です。今回の記事を参考にして、金融ブラックリストに載らないようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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