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創業融資
創業融資の面談は何が聞かれる?成功させるための事前準備と注意点を解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
「日本政策金融公庫の創業融資は厳しいらしい…」
「面談ではどんなことを聞かれる?」
創業融資の申し込みを検討している方の中には、このような不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
確かに創業融資の面談は詳細まで厳しくチェックされますが、基本的なポイントを抑え、事前準備をしっかりと行えば不安に思う必要はありません。
今回は、日本政策金融公庫の創業融資の申し込みから融資実行までの一連の流れや必要書類、面談で聞かれることの多い質問と回答のポイントについて解説します。
目次
面談の申し込みから融資実行までの流れ
日本政策金融公庫の創業融資審査は、一般的に下記のような流れで行われます。
- 必要書類を準備する
- オンラインで申込をする
- 担当者と電話で日程の調整をする
- 担当者と面談をする
- 審査結果が届く
- 融資実行
以下で詳しく説明します。
必要書類を準備する
日本政策金融公庫で創業融資を申し込む場合、申込の時点で以下の書類が必要となりますので、あらかじめ準備しておきましょう。
- 本人確認書類
- 事業計画書
- 履歴事項全部証明書
- 確定申告書または決算書
本人確認書類
運転免許証やパスポートなど代表者の本人確認書類をご用意ください。オンライン申込をされる場合は顔写真のデータを添付する必要があります。
また、面接当日にも本人確認書類は必要となりますので、住所変更などが済んでいない場合は早めに手続きを済ませておくようにしましょう。
事業計画書
日本政策金融公庫で創業融資を申し込む際は、日本政策金融公庫指定の用紙で創業計画書や月別収支計画書、資金繰り表を作成することが必要となります。
もしもまだ事業の実績がない場合は、この事業計画書の内容が非常に重要です。
履歴事項全部証明書
法人として創業融資を申し込む際に必要となる書類です。
原則として3か月以内に取得したものが必要ですので、手元にない場合はあらかじめ法務局にて取得しておくようにしましょう。
確定申告書または決算書
直近の確定申告書または決算書が必要となります。
電子申告の場合には受付番号が印字されているもの、紙申告の場合には税務署の収受印があるものを用意しましょう。
オンラインまたは窓口で申し込みをする
創業融資の申し込み方法は、日本政策金融公庫のサイトからオンラインで申し込みを行います。
そのほか、電話で申し込みを行うことも可能ですが、混み合うことも予想されるためオンラインでの申し込みが推奨されています。
担当者と電話で日程の調整をする
申し込み完了後、日本政策金融公庫の担当者から電話があり、面談の日時の調整や当日持参すべき書類について説明があります。
面談の日時は平日の9時~17時に限定され、休日や17時以降にはできませんので、あらかじめ念頭に置いておきましょう。
ただし、オンライン面談が可能な支店もあるため、どうしても平日に出向くことが困難な場合などは担当者にオンライン面談の相談をしてみてください。
当日持参すべき書類に関しては、後述する「日本政策金融公庫における面談の必要書類」で詳しく解説します。
担当者と面談をする
面談は申し込んだ日本政策金融公庫の支店で行われることが大半ですが、実際の店舗などの確認が必要な場合には、申込者の店舗や事務所などで行われることもあります。
面談にかかる時間はおおよそ1時間~1時間半とされ、日本政策金融公庫の担当者1、2人との面談となります。
審査結果が届く
審査結果は面談から約10~20日前後で、電話連絡または借用書が同封された封筒が届きます。
もしも融資が否決された場合でも、必ず連絡が来るため、面談後の2~3週間は結果を待つようにしましょう。
融資が通った場合には、必要書類を揃えて郵送で提出します。
融資実行
必要書類の返送後、およそ5営業日程度で指定の口座に融資金が入金されます。
申し込みから融資実行までの期間としては、1~2か月ほどを見込んでおきましょう。
日本政策金融公庫における面談当日の必要書類
面談当日に持参するよう求められる書類は、以下のようなものです。
- 通帳の原本
- 借入金の支払明細書
- 源泉徴収票
- 納税証明書
- 許認可証や資格証明書
- 事業内容がわかる資料
それぞれ詳しく解説します。
通帳の原本
自己資金が確認できる通帳の原本を用意してください。
自己資金が預金以外のものである場合は、それらが分かるような資料を持参します。
ネットバンキングなどで通帳がない場合は、直近6か月分の入出金履歴や残高などがわかるものをプリントアウトすればよいことが大半ですが、あらかじめ担当者に確認しておくと良いでしょう。
申し込みの時点で既に自己資金の一部を事業のために使用している場合は、その領収書も持参することが求められます。
借入金の支払明細書
住宅ローンなど、借入金がある場合は支払予定や残金などが分かる支払明細書が必要となります。
源泉徴収票
代表者が直近で勤務していた会社などの源泉徴収票が必要です。
こちらは年収のチェックや実際に勤務していたかの確認が目的となります。
納税証明書
こちらは必ずではないようですが、担当者によっては住民税の支払いの確認のために納税証明書の提出が求められることがあります。
許認可証や資格証明書
保健所の営業許可証や古物商免許などの許認可証や、資格証明書の提出が求められる場合があります。
事業内容が分かる資料
事業内容がイメージしやすいような資料を持参すると良いでしょう。
飲食店の場合はメニューや商品写真、クリエイターの場合は制作物などがそれにあたります。
日本政策金融公庫の面談で質問される内容と回答のポイント
創業融資の面談では、基本的に創業計画書の内容に基づいた質問をされます。
そのため、あらかじめ創業計画書に記載した内容については分かりやすく説明できるようにしておきましょう。
以下は創業計画書に基づいて問われることの多い質問です。
- 創業の動機・目的
- 代表者の略歴
- 事業内容
- 従業員
- 取引先
- 借入状況
- 事業の見通し
それぞれ回答のポイントも併せて詳しく解説しますので、事前にどのようなヒアリングがされるのかを頭に入れておきましょう。
創業の動機・目的
日本政策金融公庫の面談では、創業の動機や目的が最も重要な質問とされています。
この質問の意図としては、創業にあたっての意志の強さや代表者の人柄などを確認することにあります。
回答のポイントとしては、「なぜ創業しようと思ったのか」「なぜ創業する必要があるのか」「創業してどうしていきたいのか」などを熱意を持って説明してください。
この時、会社の利益だけではなく、社会の発展や世の中への貢献などにも触れると良いでしょう。
代表者の略歴
代表者の過去の経歴や職歴などについて質問されることも多いです。
日本政策金融公庫としては、必ず融資金を返済してもらうことが重要であるため、新たな事業を始めるにあたってのノウハウや知見があるかなどを判断します。
今まで携わってきた業界であれば、その経歴や人脈があることをアピールできますので、あらかじめアピールポイントをまとめておくようにしましょう。
全くの未経験の業界で創業される場合は、今までの経歴で活かすことのできるポイントや人脈についてアピールするようにしてください。
事業内容
自社で扱う商品やサービスについての詳細やターゲット、市場動向についても質問されることが多い内容です。
具体的には、「商品やサービスのセールスポイント」や「他社との違い」、「現在の市場動状況や今後の見通し」などが考えられます。
回答のポイントとしては、具体的な説明をできるだけ詳細に、分かりやすく使えることが大切です。
日本政策金融公庫の担当者がその業種や市場に関しての知識を持ち合わせているとは限らないため、誰が聞いても分かりやすい説明を意識するようにしましょう。
従業員
正社員やパートの内訳など、従業員の人数について質問されることもあります。
これは主に、「開業に必要な労働力があるか」「人件費が負担にならないか」といった部分を確認することを目的とした質問です。
実際、開業当初から正社員を多く雇用する賃金や保険料の負担が大きくのしかかります。
そのため、はじめは代表者一人や家族などでの経営や、パート・アルバイトを雇うといった計画にしておくことをおすすめします。
また、パートやアルバイトを雇う場合は、シフト表の例などを持参すると計画性を伝えやすくなるでしょう。
取引先
取引先に関しては、具体的な仕入れ先や取引条件を確認されることが多いです。
これは「実際に仕入れ先を確保できているか」や「仕入れの支払日と販売の入金日がどの程度の間隔か」などを確認することを目的としています。
もし仕入れ先や販売先が明確に決まっていない場合には、計画が不十分だと判断されかねませんので、できるだけ明確にしておきたい部分です。
ただし、飲食店などの場合の販売先は一般顧客であるため、想定される顧客像で問題ありません。
借入状況
住宅や車のローン、クレジットカードのリボ払いに至るまで、借入状況について詳しく質問されることがあります。
質問の意図としては、「ローンが融資金の返済に影響を与えないか」「返済期日を守れているか」などの確認にあります。
クレジットカードのリボ払いが多く残っている場合はマイナスな印象を与えかねませんので、創業融資の申し込みをする前に完済しておくことが望ましいです。
回答のポイントとしては、ローンの月額と残数を正直に伝えた上で、返済に遅れはないことをアピールするようにしましょう。
事業の見通し
創業1年目の売上見込みや、軌道に乗った後の予測値などを具体的に問われます。
ここでの意図としては、「事業を行っていく上での変化をどのようにイメージしているか」「変化に対応出来る対策を考えているか」などの確認にあります。
回答のポイントとしては、「なぜそのような売上になるのか」「どのように集客していくのか」など、根拠や売り上げを上げるための具体的な仕組みを説明できるようにしておくことが重要です。
また、開業当初などの赤字が考えられる場合についても、返済を滞らせないための具体的な対策を提示できると良いでしょう。
日本政策金融公庫の面談で気を付けるべきポイント
創業融資の面談で気を付けるべきポイントについて、以下の項目を解説します。
- 回答の仕方
- 服装
- 同席者
回答の仕方
回答をする際には、いくつか気を付けるべきポイントが存在します。
まず、どのような質問に対しても「結論」を述べてから「根拠や理由」を説明するようにしましょう。
結論が見えない説明は聞き手にとってストレスになる場合があり、担当者にマイナスな印象を与えかねません。
回答する際は、結論から延べ、順序立った分かりやすい説明を意識してください。
また、「多分」や「恐らく」、「と思います」などの曖昧な表現は避けましょう。
このような表現は自信の無さを感じさせてしまうため、経営者としての信頼性に欠ける恐れがあります。
質問に対しては自信をもって言い切るような回答を心がけてください。
服装
創業融資の面談に服装の規定はありませんが、服装は人柄の印象にも繋がるため、最低限のマナーは守るよう気を配りましょう。
無難なのはスーツやオフィスカジュアルですが、必ずしもかしこまった服装である必要はありません。
清潔感があり、短パンなどカジュアルすぎるものを避けるなど、常識的で不適切ではない服装を心がけてください。
同席者
原則として、面談は事業主である代表1人が出向ことが求められていますが、夫婦で経営をするケースなどにおいて、パートナーしか回答できない専門的な内容がある場合には同席が認められる場合があります。
また、あらかじめ日本政策金融公庫の許可が下りた場合には、経理担当者や顧問の税理士を同席させることも可能です。
ただし、担当者の判断によるところが大きく、基本的には同席者は入れられないという認識を持っていていただくと良いでしょう。
創業融資の面談対策は税理士に相談を
日本政策金融公庫の創業融資の面談では、事前準備が非常に重要です。
少なくとも事業計画書に記載する内容に関しては、具体的な計画に基づいた説明ができるようにしておきましょう。
なお、面談が不安な方は税理士に相談することもおすすめです。
資料作成はもちろん、面談対策も行ってくれますので、創業融資獲得の力強いサポートとなるでしょう。
是非お気軽にご相談ください。
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