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融資で資金調達する方法とは?審査を通過するポイントや注意点についても徹底解説

読了目安時間:約 6分
融資で資金調達する方法を把握しておくことで、自分の状況に合った資金調達をおこなうことにもつながります。
また、融資審査を通過するポイントをあらかじめ理解しておくことによって、スムーズな資金調達が可能です。
本記事では、融資で資金調達する方法について紹介します。
他にも「融資審査を通過するポイント」や「融資で資金調達をおこなう際の注意点」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、融資で資金調達する方法について理解を深めてみてください。
目次
融資で資金調達する方法

融資で資金調達する方法については、以下の7つが挙げられます。
- 方法①:日本政策金融公庫
- 方法②:プロパー融資
- 方法③:信用保証付き融資
- 方法④:制度融資
- 方法⑤:ビジネスローン
- 方法⑥:不動産担保ローン
- 方法⑦:売掛債権担保融資
それぞれの方法について解説していきます。
方法①:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府が全額出資している公的な金融機関であり、利用目的に応じた融資を選ぶことができます。
特徴として、融資によっては担保が不要なケースがあり、一般的に金利も低く設定されていることが挙げられます。
一方で、申請にあたっては多数の書類を準備する必要があり、スピードを重視する資金調達には不向きな面があるので注意が必要です。
参考:日本政策金融公庫
方法②:プロパー融資
企業が日々の事業活動を維持するための資金調達手段として、銀行からの融資はもっとも一般的な方法とされています。
銀行融資の形式には、銀行自身の判断で実行される「プロパー融資」と、信用保証協会が保証を提供する「保証付き融資」の2種類があります。
プロパー融資は、銀行がリスクを負って融資する方式であり、保証付き融資は、信用保証協会が企業の返済を保証することで、銀行がより安心して貸し出しをおこなえる仕組みです。
銀行融資の主なメリットとして、比較的低い金利で資金を借りられる点や返済期間を長く設定できる点が挙げられます。
しかし、融資を受けるには詳細な審査を経る必要があり、企業の財務状況や信用力に応じて借入可能な金額に差が出るという課題もあります。
参考:プロパー融資借換 特別保証制度のご案内|東京信用保証協会
方法③:信用保証付き融資
信用保証付き融資は、中小企業や創業間もない企業の資金調達を支援するための制度です。借り手は信用保証協会に保証料を支払い、その保証を前提に金融機関から融資を受けます。
万が一返済が難しくなった場合には、信用保証協会が金融機関に対して代位弁済を行います。ただし、その後は申込者が信用保証協会に対して返済を行う義務が生じる点に注意が必要です。
この仕組みにより、担保や十分な実績がない企業でも融資を受けやすくなる一方で、審査では事業計画や資金繰り計画の妥当性が厳しく確認されます。また、信用保証協会と金融機関の両方で審査を通過する必要があるため、実際に資金が振り込まれるまでには1〜2か月程度かかるのが一般的です。
そのため、資金調達を検討する際は余裕を持ったスケジュールを組むことが重要であり、必要に応じて税理士に相談し、計画や必要書類の準備を整えておくと安心です。
参考:初めての融資と信用保証
方法④:制度融資
制度融資とは、地域の金融機関や信用保証協会と連携して資金を供給する仕組みです。
自治体ごとに内容が異なるので、利用を検討する際は、あらかじめ情報をしっかり確認することが重要です。
メリットとしては、一般の融資に比べて金利が抑えられており、長期間の返済計画にも対応できることが挙げられます。
しかし、関係機関が複数関わるので、手続きや審査に時間がかかる点には注意が必要です。
参考:東京都中小企業制度融資
方法⑤:ビジネスローン
ビジネスローンとは、企業や個人事業主を対象に、銀行や金融機関などが事業用資金として提供する融資のことです。
一般の個人が利用することはできず、事業運営に関わる人のみが申し込みの対象となります。
ビジネスローンの資金は、新たなビジネスの開始や設備導入、取引先への支払いなど会社経営や業務拡大といった事業目的に限定されます。
ビジネスローンは、他の融資手段と比べて審査基準が緩和される場合がありますが、条件が整えば短期間で資金を受け取れるケースもあります。
ただし、金利は他の融資手段と比べて高く設定される傾向があるので、資金計画をしっかり立てたうえで、慎重に検討するようにしましょう。
方法⑥:不動産担保ローン
不動産担保ローンとは、住宅や土地などの不動産を担保にすることで、まとまった資金を借り入れる方法です。
通常のローンと比べ、低い金利で資金調達ができるのが特徴です。
また、借りる本人が所有する不動産に限らず、配偶者や親族、法人名義の物件でも担保にできるケースがあり、金融機関によって対応が異なります。
しかし、借り入れの際には、申請者の返済能力や担保物件の評価を行う必要があり、審査が数日間かかってしまうので、事前にスケジュールを確認しておくことをおすすめします。
方法⑦:売掛債権担保融資
売掛債権担保融資とは、自社が持つ売掛債権を担保として資金を調達する方法です。
不動産などの担保を持っていない企業や、売掛債権はあるものの現金が不足している場合に適した資金調達手段と言えます。
担保として認められる売掛債権は、売掛先が法人または事業者であることが前提になり、以下のようなものがあります。
- 売掛金に関する債権
- 分割払いによる販売代金の債権
- 運送に関する債権
- 医療機関が得る診療報酬債権
- 建設工事の請負による債権
しかし、「譲渡を禁止する特約」が付されている債権は担保として利用できないので、あらかじめ注意が必要です。
参考:中小企業庁:在庫や売掛債権を担保とする融資・保証について
融資審査を通過するポイント

融資審査を通過するポイントについては、以下の3つが挙げられます。
- 資金使途を明確にする
- 現実的な計画を提示する
- 自己資金を用意しておく
それぞれのポイントについて解説していきます。
資金使途を明確にする
融資審査を受ける際には、資金の使用目的を具体的に示すことが、融資担当者からの信用を得る上で重要です。
例えば、「新たな設備導入による事業規模の拡大」や「急な注文に対応するための原材料購入費」など、明確な理由を提示することで、審査の印象も良くなります。
しかし、本来の用途とは異なる使い道をした場合、金融機関から想定外の早期返済を求められるケースもあるので、資金の使途は慎重に管理することが重要です。
現実的な計画を提示する
融資審査を通過するポイントとして、現実的で根拠のある返済計画や事業計画の作成が欠かせません。
実現性の低い楽観的な数値や非現実的なビジョンではなく、これまでの実績や市場のデータをもとにした現状に即した計画が重要です。
また、資金繰り表を活用してキャッシュフローの流れを明確に示すことで、返済額や期間に説得力を持たせることができます。
収益や支出の見込みを具体的に提示し、どのように返済を進めていくのかを丁寧に説明することで、計画の信頼性が高まり、融資担当者から理解と支援を得ることにもつながります。
自己資金を用意しておく
起業時に融資を検討している場合、自己資金を用意できていることが重要な評価ポイントになります。
自己資金が多いほど、審査で有利に働く傾向があります。一般的に自己資金が総事業資金の3割以上あれば評価が高まりやすいとされますが、金融機関や制度によって基準は異なります。
また、自己資金の有無は審査項目のひとつにすぎず、事業内容や計画の妥当性など、他の評価要素と合わせて総合的に判断されます。
実際、日本政策金融公庫や一部の自治体では、一定の条件を満たせば自己資金が少なくても審査対象となる場合があります。
ただし、親族などから借りたお金は原則として自己資金と認められないため注意してください。
融資で資金調達をおこなう際の注意点

融資で資金調達をおこなう際の注意点については、以下の5つが挙げられます。
- キャッシュフローの見直しをする
- 返済計画を立てておく
- 利用目的に合った使い方をする
- 計画的に収益化を目指す
- 余裕を持ったスケジュールで資金調達をする
それぞれの注意点について解説していきます。
キャッシュフローの見直しをする
融資で資金調達をおこなう際の注意点として、キャッシュフローの見直しをすることが挙げられます。
融資を利用する場合には、返済義務があることを踏まえ、利息の支払いや定期的な返済が経営を圧迫しないかどうか、事前にしっかりと検討することが欠かせません。
特に、年間を通じた資金の必要量を把握し、資金繰りに無理が生じないよう、キャッシュフローの見直しをおこなうことが重要です。
そのための基本的な取り組みとして、キャッシュフロー計算書や資金繰り表の作成は正確さが求められます。
資金繰り表では、将来的な収支の見通しをどれだけ高い精度で立てられるかが重要なポイントとなります。
返済計画を立てておく
融資で資金調達をおこなう際は、返済計画を立てておくようにしましょう。
融資を受ける際には、将来の成長可能性や返済能力に問題がないかを事前に確認されるので、融資後の収益見通しに不安要素がないか、あらかじめチェックしておくことが大切です。
万が一、当初の予測を下回る業績となった場合に備えて、返済計画に柔軟性を持たせておくことも重要です。
利用目的に合った使い方をする
融資は多くの場合、申請時に示した資金使途に限定して利用することが求められ、目的外使用は原則禁止されています。
特に、公的支援による融資制度や法人向けローンでは、あくまで事業活動のために資金が提供されており、私的な支出に流用することは禁止されています。
逆に、個人を対象としたローン商品を会社経営などに用いることも、本来の趣旨に反するため推奨されていません。
また、銀行系のカードローンの多くは、事業目的での使用が制限されているので、業務に関連する費用には、ビジネスローンや法人専用のカードローンなど、用途に適した資金調達方法を選ぶことが重要です。
計画的に収益化を目指す
融資で資金調達をおこなう際には、計画的に収益化を目指すようにしましょう。
実際に、直面しがちな課題の一つに、計画していた収益モデルがうまく機能せず、資金を思うように活かせないまま、資金繰りが困難になってしまうケースがあるのも事実です。
例えば、アプリの開発事業では、無料での利用者数が増加しても、有料サービスへの転換が進まず、想定していた利益を得られないといった状況が挙げられます。
収益をしっかり確保できなければ、事業の継続は困難になってしまいます。
このように、顧客の需要を的確に見極めた上で、持続可能な収益計画を立てることが重要です。
余裕を持ったスケジュールで資金調達をする
融資を申し込む前には、必ず申請の締切日を事前にチェックするようにしましょう。
実際に、申請のタイミングによっては、実際に資金が振り込まれるまでに数か月かかるケースもあります。
希望する時期に資金が手元にないと、事業の運営や計画に支障が出る可能性があるので、スケジュールにはゆとりを持つことが大切です。
また、審査においてもっとも重視されるのは「返済能力があるかどうか」です。
そのため、融資を受けた後にどう返済していくか、明確な計画を立てておくことが審査通過につながります。
金融機関から「完済までの事業の見通し」を尋ねられることもあるため、その際にしっかり説明できるように、関連書類や資料を整えておくようにしましょう。
このように、資金の用途や今後のビジネス展開と合わせて、返済スケジュールを詳細に示した計画書を提出することによって、金融機関からの信頼度も高めることにつながります。
どのくらいの資金が必要なのか明確にしよう!

今回は、融資で資金調達する方法について紹介しました。
事業を立ち上げる際には、多様な融資方法を検討することが必要です。
それぞれの融資方法には長所と短所があり、使い道が限定されているケースや、融資を受けるためにクリアすべき条件が設けられている場合もあります。
そのため、まずは資金の使途と必要な金額を明確にし、それに最適な手段を選ぶことが重要です。
今回の記事を参考にして、融資を受ける前にはどのくらいの資金が必要なのか明確にしましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。