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創業融資
飲食店の融資審査で見られる点|公庫の面談・店舗訪問と許可の段取り
読了目安時間:約 6分
飲食店の開業資金を日本政策金融公庫に申し込むと、資金の使いみちや事業計画などをもとに融資が検討されます。営業許可の取得時期は一律に決めつけず、申込時の状況と提出時期を公庫に確認しましょう。
この記事では、申込みから送金までの流れに沿って、面談や店舗予定地の訪問での準備、許可取得の段取りを確認します。
目次
飲食店の融資審査は何を見られる?公庫の確認内容
公庫は創業予定者との面談で、資金の使いみちや事業計画について話を聞き、事業計画などをさまざまな角度から検討すると公表しています。店舗や事業所の予定地を訪問することも案内しています。
面談に向けて、計画に関連する資料と、資産・負債がわかる書類を準備しましょう。飲食店の開業に必要な費用や売上の見込みについて、創業計画書の内容を説明できるようにしておくと、相談を進めやすくなります。
予定地訪問の詳細な採点基準は、今回参照した公庫の一次資料では確認できません。実務上の準備として、物件の立地や設備、営業開始予定を説明できるようにしておくとよいでしょう。
自己資金の必須割合や審査通過率、面談の固定質問リストも、参照した一次資料では確認できません。数値だけで結果を判断せず、個別の計画や許可取得の予定を公庫に相談し、必要に応じて専門家にも確認しましょう。
公庫への申込みから融資金の送金まではどう進む?
飲食店の開業資金を日本政策金融公庫に申し込むと、面談や店舗予定地の訪問を経て審査が行われます。融資が決定した場合は契約手続きの完了後に送金されるため、開業準備と並行して進めましょう。
公庫への申込みと開業準備は、次の順序を目安に進めます。面談・訪問と保健所手続きの前後関係は、物件や工事の進捗によって変わります。
- 事業計画をまとめ、物件・設備の見積りと必要書類を準備する
- 工事着工前に、施設の設計図などを持って保健所へ事前相談する
- 日本公庫ダイレクトにログインまたは会員登録し、申込情報の入力と書類のアップロードを行う
- 公庫の面談と店舗・事業所の予定地訪問に対応する
- 融資決定後に契約手続きを行い、金融機関の口座で送金を受ける
- 営業許可の申請・検査・許可取得を進め、営業を開始する
例えばカフェの物件を探している段階では、創業計画書をまとめながら、設備費用の見積りや必要書類を準備します。インターネット申込の操作は、公庫の案内で確認してください。
面談では、公庫が資金の使いみちや事業計画などを聞き取り、店舗や事業所の予定地も訪問します。計画と開業準備の進み具合を説明できるよう、物件や設備、営業開始予定を確認しておくとよいでしょう。
営業許可の手続きは融資と並行して進めます。例えば新宿区では、工事着工前の事前相談後に申請し、施設完成後の検査を受ける流れです。申込時に許可が未取得の場合は、取得予定と書類の提出時期を公庫の支店に確認してください。
申込みから送金までの日数に決まった目安はある?
申込みから融資決定・送金までの公庫の現行平均日数は確認できていません。開業予定日から逆算し、申込先の支店に手続きの見通しを確認しましょう。
融資は希望どおりに決まるとは限らず、決定後も契約手続きが必要です。工事費などの支払予定と照らし、資金の準備時期に余裕を持たせておきましょう。
出典:日本政策金融公庫「融資のご案内」、新宿区「食品営業許可申請」

飲食店の融資申込みにはどんな書類が必要?
飲食店の融資審査に向けて、創業計画書や設備資金の見積書、許認可に関する確認書類などを準備します。必要書類は申込者の状況や利用する制度によって異なり、追加資料を求められる場合もあります。
創業計画書と見積書はどう準備する?
創業計画書には売上や費用、必要な資金とその使い道を記載し、設備資金を申し込む場合は見積書を用意します。許認可が必要な事業では、許認可証などの確認書類も関係するため、申込時点での状況を公庫に伝え、提出書類を確認しましょう。
- 創業計画書:売上・費用の見込みと資金使途を記載する
- 見積書:設備資金を申し込む場合に用意する
- 許認可に関する確認書類:取得状況と提出時期を確認する
計画書の数字は根拠と照らし合わせて説明できるようにすることが大切です。例えば、客単価や来店客数から売上を見積もり、仕入れや家賃などの費用とあわせて、見込みの考え方を整理します。
厨房設備や内装工事の資金を申し込む場合は、見積書の金額と計画書の設備資金を照合しましょう。差額がある場合は、何にいくら使う予定かを説明できるようにしておきます。
都道府県知事の推せん書が必要なのはどんな場合?
日本政策金融公庫の創業予定者向け案内では、生活衛生貸付の一般貸付を希望する場合、原則として都道府県知事の推せん書を準備します。ただし、設備資金の申込金額が500万円以下であれば不要で、500万円ちょうども対象です。
この条件は融資の申込総額ではなく、設備資金の申込金額で確認します。振興事業貸付では別途、生活衛生同業組合の長が発行する「振興事業に係る資金証明書」が必要です。
書類の要否や提出時期は、利用予定の貸付と自身の状況を伝えたうえで、公庫の支店に確認してください。制度の条件は生活衛生貸付の一般貸付の案内も参照しましょう。

公庫の面談・店舗予定地訪問では何を準備する?
面談では、創業計画書に記載した売上や費用、必要資金、返済の見通しを自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。店舗予定地の訪問に備え、立地や設備、営業開始予定も確認しておくと説明しやすくなります。
面談では事業計画をどう説明する?
開業動機から売上・費用の根拠、借入金の返済まで、提出資料と照らし合わせて説明できるようにします。日本政策金融公庫は、面談で「資金のお使いみちや事業計画など」を尋ねると案内していますが、質問が固定されているわけではありません。
準備の際は、調理経験を踏まえた店づくりの考えや、計画書の数字をどのように見積もったかを確認しましょう。例えば、売上は客単価と来店客数、費用は家賃や仕入れなどに分けて説明できるようにします。
- 開業動機と、調理経験を店の営業にどう生かすか
- 売上・費用を見積もった根拠
- 必要資金の使い道と、借入後の返済の見通し
公庫は面談時に、事業計画に関連する資料や資産・負債がわかる書類などを準備するよう案内しています。提出資料の控えも見返し、数字の違いや説明しにくい部分があれば事前に確認しておきましょう。
公庫はオンライン面談も受け付けています。希望する場合は、利用方法を申込先に確認しましょう。
店舗予定地の訪問に向けて何を確認する?
予定地については、選んだ立地や使う予定の設備、営業開始までの見通しを説明できるようにしておきましょう。公庫は創業予定者向けに、店舗や事業所の予定地を訪問すると公表しています。
例えば、カフェの開業を考えている場合は、物件を選んだ理由や設置予定の設備、工事と営業開始の予定を話せるよう準備します。物件を探している段階で予定が定まっていなければ、その状況を公庫に伝え、訪問について相談しましょう。
なお、現地で何を採点するかという詳細な基準は確認されていません。立地や設備などの準備は実務上の提案であり、公庫が各項目を必ず審査すると断定するものではありません。

飲食店はどの融資制度を選べばいい?
飲食店の創業時は、必要な資金の使いみちと組合員区分をもとに、日本政策金融公庫の制度を比較します。生活衛生新企業育成資金と新規開業・スタートアップ支援資金では、対象となる資金や必要書類が異なります。
| 比較項目 | 生活衛生新企業育成資金 | 新規開業・スタートアップ支援資金 |
|---|---|---|
| 対象者 | 生活衛生関係の事業を創業する方、または創業後おおむね7年以内の方 | 創業する方、または事業開始後おおむね7年以内の方。適正な事業計画等の要件あり |
| 資金使途 | 振興計画認定組合の組合員は設備・運転資金、それ以外は設備資金 | 設備・運転資金 |
| 通常の返済期間 | 設備20年以内、対象となる運転資金10年以内。原則据置5年以内 | 設備20年以内、運転資金10年以内。原則据置5年以内 |
| 必要書類 | 一般貸付は原則、知事の推せん書。振興事業貸付は資金証明書 | 創業計画書など。知事の推せん書は生活衛生貸付の一般貸付希望者に関する書類 |
例えば、厨房設備に加えて開業後の仕入れなどに充てる運転資金も必要なら、組合員区分を確認しましょう。振興計画認定組合の組合員以外は、生活衛生新企業育成資金では運転資金が対象とならないため、新規開業・スタートアップ支援資金も含めて公庫に相談します。
飲食店営業・喫茶店営業は生活衛生貸付の対象業種として掲げられています。ただし、個別の事業内容や規模、適用される制度は申込先に確認してください。
生活衛生貸付の一般貸付では、設備資金の申込額が500万円以下なら知事の推せん書は不要です。表の書類に加え、申込者の状況に応じた書類や追加資料を求められる場合があります。
返済期間には例外や適用条件があるため、希望する資金使途とあわせて公庫に確認しましょう。制度の詳細は生活衛生新企業育成資金、新規開業・スタートアップ支援資金の案内をご確認ください。

営業許可は融資申込みの前に必要?
営業許可は、融資申込みと並行して取得を準備しましょう。申込み前の取得が必須とも、未取得でも必ず融資されるとも断定できないため、許可の取得予定と書類の提出時期を日本政策金融公庫の支店に確認してください。
公庫は、事業に許認可が必要な場合の確認書類として許認可証を案内しています。創業計画を立てる際は、営業予定地の保健所にも相談し、工事から許可取得までの予定を確認しましょう。
保健所での手続きはどのように進む?
新宿区では、工事着工前の事前相談から始め、施設完成後の検査を経て営業許可書の交付を受けます。営業開始日を決める際は、検査や許可書交付に必要な期間も見込んでおきましょう。
新宿区の手続きの流れは次のとおりです。
- 工事着工前に、施設の設計図などを持って保健所へ事前相談する
- 営業許可の申請書類を提出する
- 施設完成後、日程を調整して立入検査を受ける
- 施設基準への適合を確認後、営業許可書の交付を受ける
- 営業を開始する
新宿区では、許可書の交付は検査終了後約1週間(5開庁日)とされています。ただし、自治体や個別の状況によって異なるため、営業予定地の保健所で確認してください。
例えば、カフェの物件を検討している段階から設計図を用意し、着工前に施設について相談すると、申請や検査の予定を立てやすくなります。居酒屋の場合も、予定する営業内容を保健所に伝えて確認しましょう。
食品衛生責任者の選任やHACCPに沿った衛生管理についても、準備内容を保健所に確認してください。営業形態によって追加の手続きが必要かどうかは、管轄機関や行政書士などの専門家に相談しましょう。
出典:新宿区「食品衛生法に基づく営業の許可」、日本政策金融公庫「ご融資の流れ」
法人で飲食店を始める場合に確認したいこと
法人で飲食店を始める際は、融資の準備とあわせて、会社の設立時期と営業許可の申請時期を調整しましょう。設立費用も開業に必要な資金として見込んでおくことが大切です。
設立登記にかかる登録免許税は、原則として資本金の額に応じて計算します。株式会社と合同会社では最低額が異なります。
| 会社の種類 | 原則の税額 | 最低額 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 資本金の額の0.7% | 15万円 |
| 合同会社 | 資本金の額の0.7% | 6万円 |
登録免許税以外にも設立に関する費用があるため、必要額を確認して資金計画に反映しましょう。税額や手続きは法務局の案内などで確認してください。
営業許可の手続きも、会社設立の予定と並行して進めます。新宿区の案内では、法人の申請に登記事項証明書などが関係するため、設立登記と申請の時期を保健所に相談しましょう。
設立後は、社会保険と税務の手続きも確認が必要です。必要な届出や期限は関係機関に確認してください。
日本政策金融公庫の面談に向けて、資金の使い道や事業計画を説明できるようにし、計画に関連する資料や資産・負債がわかる書類を準備しましょう。公庫は店舗予定地を訪問する旨も創業予定者向けの案内で公表しています。
融資の申込みと保健所への相談を並行し、必要書類や利用する制度、許可取得の時期をそれぞれの窓口に確認しましょう。判断に迷う場合は、税理士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。
参考情報の調査基準日は2026年10月29日です。制度や手続きは、公開時および申込前に最新情報を確認してください。
よくある質問
Q. 飲食店の営業許可がなくても公庫に融資を申し込めますか?
申込み前に営業許可の取得が必須かどうかは、一律に断定できません。未取得の場合は、許可の取得予定と書類の提出時期を公庫の支店に確認しましょう。
Q. 飲食店の融資を受けるには自己資金がどのくらい必要ですか?
記事で参照した公庫の一次資料では、自己資金の必須割合は確認できません。数値だけで判断せず、事業計画や許可取得の予定を公庫に相談しましょう。
Q. 公庫の面談ではどのような準備が必要ですか?
創業計画書に記載した売上や費用の根拠、資金の使い道、返済の見通しを説明できるようにしましょう。事業計画に関連する資料や、資産・負債がわかる書類も準備します。
Q. 飲食店の融資申込みに都道府県知事の推せん書は必要ですか?
生活衛生貸付の一般貸付を希望する場合は原則として必要ですが、設備資金の申込金額が500万円以下なら不要です。書類の要否や提出時期は、利用予定の貸付と自身の状況を公庫の支店に伝えて確認しましょう。
Q. 公庫への申込みから融資金の送金まで何日かかりますか?
申込みから融資決定・送金までの公庫の現行平均日数は、記事では確認できていません。開業予定日から逆算し、申込先の支店に手続きの見通しを確認しましょう。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

