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会社設立
地方で会社設立するメリット!UIJターン起業支援金と地方自治体の独自補助金
読了目安時間:約 13分
目次
都市部から地方へ。地方での起業・法人設立を後押しする支援制度
近年、リモートワークの定着や働き方の多様化により、場所にとらわれないビジネスを展開する経営者や個人事業主が増加しています。
それに伴い、国を挙げた「地方創生」の流れも加速しており、東京などの都市部から地方への移住(Uターン・Iターン・Jターン)を機に、地方での起業や会社設立を計画する方が非常に多くなっています。内閣官房・内閣府が推進する地方創生に関する取り組みなどを背景に、地域の課題解決につながる新しいビジネスへの期待は高まるばかりです。
地方には、豊かな自然環境や生活コストの低さといったライフスタイル面の魅力があります。しかしその一方で、「地方 起業 補助金にはどのような制度があるのか?」「都会で起業する場合と比べて、資金面やサポート体制にどのような違いがあるのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
見知らぬ土地や、長く離れていた地元で新しくビジネスを立ち上げるにあたり、オフィス準備などの初期費用や当面の資金繰りに不安を感じるのは当然のことです。
しかし、地方での起業には、都市部では受けられない手厚い資金支援や税制上の優遇措置が数多く用意されています。
本記事では、移住と起業を組み合わせることで最大300万円が支給される国の支援金制度をはじめ、地方で法人登記を行うことによる税制メリット、そして各自治体が独自に提供しているサポート体制について詳しく解説します。
| 支援の枠組み | 主なメリット・制度の例 |
|---|---|
| 国の支援金制度 | 起業支援金と移住支援金の併用で最大300万円の支給 |
| 税制上の優遇措置 | 法人設立時の登録免許税半額、地方拠点強化税制による減税 |
| 自治体独自のサポート | オフィス家賃補助、設備投資助成、インキュベーション施設提供 |
地方でのビジネスを軌道に乗せるためには、これらの制度を正しく理解し、事業計画に合わせて最大限に活用することが重要です。具体的な手続きや適用条件については、最終的に税理士などの専門家や各自治体の担当窓口へご相談いただくことをお勧めしますが、まずは本記事で全体像を把握していきましょう。
地方での起業を成功させるためには、ご自身が活用できる支援制度を漏れなくチェックすることが第一歩となります。これから解説する内容をもとに、理想のビジネス環境の構築に向けて準備を進めてみてください。
都市部から地方への移住やUターンをきっかけに、地方での起業や法人化を検討している方にとって、初期費用の調達は大きな課題となります。
そこで注目したいのが、国が主導するUIJターン起業・移住者向けの目玉支援策である「地方創生起業・移住支援金」です。
この制度は、東京圏からの移住と地方での起業をセットで支援するもので、要件を満たせば最大300万円が支給されます。
地方 起業 補助金の中でも非常に手厚い内容となっており、創業期の資金繰りを安定させる上で強力な選択肢となります。
ここでは、それぞれの支援金の仕組みと、併用するための具体的な受給要件について詳しく解説します。
1. 起業支援金(最大200万円):地域課題を解決する社会的事業が対象
起業支援金は、地方において地域の課題解決につながる「社会的事業」を新たに立ち上げる方を対象とした制度です。
過疎化や高齢化、買い物弱者、子育て環境の整備など、その地域が抱える特定の課題に対して、ビジネスの手法を用いて解決を図る事業が求められます。
支給額は最大200万円で、補助率は対象経費の2分の1以内と定められています。
対象となる経費は幅広く、店舗の改装費や設備費、従業員の人件費、さらには事業立ち上げ時の広報費など、開業に必要な資金の一部として活用できるのが大きな魅力です。
どのような事業が「社会的事業」として認められるかは、各都道府県が設定するテーマによって異なります。
事業計画を立てる際は、移住先の自治体がどのような地域課題の解決を求めているかを事前にリサーチし、事業内容とすり合わせることが重要です。
| 項目 | 起業支援金の概要 |
|---|---|
| 対象者 | 地方で新たに社会的事業を起業する方 |
| 支給上限額 | 最大200万円 |
| 補助率 | 対象経費の2分の1以内 |
| 主な対象経費 | 店舗・設備費、人件費、広報費、外注費など |
2. 移住支援金(最大100万円):東京圏からの移住者が対象
移住支援金は、東京への一極集中を是正し、地方への人材還流を促進するために設けられた制度です。
東京23区に在住している方、または東京圏(神奈川・千葉・埼玉)から東京23区へ通勤していた方が、地方へ移住して起業や就業をする場合に支給されます。
基本となる支給額は、単身での移住で最大60万円、世帯での移住で最大100万円です。
さらに、18歳未満の帯同家族がいる場合には「子育て加算」が適用されるため、移住後の生活基盤を整えるための強力なサポートとなります。
移住支援金を受給するためには、移住元の居住歴や通勤歴、移住先の自治体が制度の対象となっているかなど、細かな要件をクリアする必要があります。
要件は複雑な部分もあるため、以下のチェックポイントを参考に、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
- 直近10年間のうち、通算5年以上東京23区に在住または通勤していたか
- 移住直前の1年間、連続して東京23区に在住または通勤していたか
- 移住先の都道府県・市町村が移住支援事業を実施しているか
- 移住支援金の申請日から5年以上、継続して移住先に居住する意思があるか
3. 2つの支援金を併用して最大300万円を受給するための条件
これら「起業支援金」と「移住支援金」は、要件を満たすことで併用することが可能です。
併用することで、起業支援金の最大200万円と移住支援金の最大100万円(世帯の場合)を合わせ、最大300万円の受給が可能になります。
併用して受給するための基本的な流れは、まず移住先の都道府県で「起業支援金」の公募に申請し、事業計画の審査を経て採択を受けることが第一歩となります。
起業支援金の交付決定を受けた後、指定された期間内に移住先の市町村に対して「移住支援金」の申請を行うというステップを踏みます。
注意点として、移住のタイミングには厳格な規定があります。
原則として、移住支援金の申請日から起算して一定期間内に移住していることや、起業支援金の交付決定から1年以内に移住支援金の申請を行うことなど、スケジュール管理が非常に重要です。
移住する前に申請が必要なケースもあるため、順番を間違えると受給対象外となってしまう恐れがあります。
また、これらの制度は国が主導していますが、実際の運用や予算の執行は各都道府県・市町村が行っています。
自治体によっては年度途中で予算上限に達して受付を終了してしまったり、独自の追加要件を設けていたりするケースも少なくありません。
確実に支援金を受給するためには、移住・起業の計画段階から移住予定の自治体窓口へ相談し、最新の公募状況や申請スケジュールを確認することが不可欠です。
事業計画書の作成や複雑な申請手続きに不安がある場合は、地域の商工会議所や、補助金申請に強い税理士・行政書士などの専門家に相談しながら進めることを強くお勧めします。
地方での会社設立・登記で得られる強力な税制メリット
都市部から地方への移住・Uターンを機に、地方での起業や法人化を検討する方が増えています。地方での会社設立には、オフィス賃料などの固定費を抑えられるだけでなく、国や自治体が用意する手厚い税制優遇を受けられるという大きな強みがあります。
「地方 起業 補助金」を検索して資金調達の方法を調べる方は多いですが、同時に「出ていくお金(税金)」を減らす仕組みを理解しておくことも重要です。創業期の限られた資金を有効に活用するためには、設立時の登録免許税や、事業開始後の法人税・地方税の負担を軽減する制度を漏れなく活用しましょう。
1. 登録免許税が半額に!「特定創業支援等事業」の活用
株式会社や合同会社を設立する際、法務局で登記を行うために「登録免許税」という国税を納める必要があります。通常、この費用は株式会社で最低15万円、合同会社で最低6万円かかり、創業時の初期費用として重くのしかかります。
しかし、設立予定地の自治体が実施する「特定創業支援等事業」を活用することで、この登録免許税が半額に軽減される特例措置を受けることができます。
特定創業支援等事業とは、産業競争力強化法に基づき、市区町村が地域の商工会議所や金融機関と連携して行う創業支援のことです。具体的には、創業セミナーへの参加や、専門家による個別相談(1ヶ月以上にわたり4回以上)を受けることで、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識を身につけます。
支援を修了し、自治体から証明書の発行を受けることで、以下のように税負担が大幅に軽減されます。
| 会社形態 | 通常の登録免許税 | 軽減後の登録免許税 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 資本金額の0.7%(最低15万円) | 資本金額の0.35%(最低7.5万円) |
| 合同会社 | 資本金額の0.7%(最低6万円) | 資本金額の0.35%(最低3万円) |
この制度を利用するための基本的な流れと確認事項は以下の通りです。
- 設立予定の市区町村が「創業支援等事業計画」の認定を受けているか確認する
- 自治体窓口や商工会議所で「特定創業支援等事業」の受講を申し込む
- 規定のセミナー受講や個別相談(1ヶ月以上・4回以上)を完了する
- 市区町村の窓口に申請し、「証明書」の交付を受ける
- 法務局での会社設立登記の際、申請書に証明書の原本を添付する
注意点として、すでに会社を設立してしまった後ではこの特例を受けることができません。設立準備の初期段階で計画的に受講を始める必要があります。詳細な要件については、中小企業庁の「創業・ベンチャー支援」ページや、各自治体の公式ホームページで確認してください。
2. 本社機能の移転・拡充で優遇される「地方拠点強化税制」
東京23区から地方へ本社機能(総務、経理、人事、研究所など)を移転する場合、または地方にある企業が本社機能を拡充する場合には、「地方拠点強化税制」という強力な優遇措置を活用できる可能性があります。
この制度は、地方における良質な雇用の創出と企業の地方分散を促すためのものです。都道府県から「地方活力向上地域等特定業務施設整備計画」の認定を受けることで、法人税に関する大きな減税メリットを享受できます。
具体的には、オフィスビルや研究所などの建物を取得・改修した際にかかる費用に対して、特別償却(早期に経費計上して利益を圧縮する)または税額控除(法人税額から直接差し引く)が認められます。これを「オフィス減税」と呼びます。
さらに、本社機能の移転や拡充に伴って従業員を新たに雇用したり、東京23区から従業員を異動させたりした場合には、「雇用促進税制」の特例が適用されます。一定の要件を満たすと、増加した従業員1人あたり最大で数十万円の法人税額控除を受けることができ、人件費の負担軽減に直結します。
地方拠点強化税制における「雇用促進税制」では、移転型事業の場合、増加した雇用者1人につき最大120万円(3年間の合計)の税額控除が受けられるケースがあります。適用には詳細な要件があるため、計画段階での確認が必須です。
これらの制度は非常に要件が複雑であり、計画の認定申請を事業着手前に行う必要があります。制度の詳しい適用要件や控除額の計算については、国税庁のタックスアンサー(No.5433 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)を参照しつつ、税理士などの専門家に相談して慎重に判断してください。
3. 自治体独自の地方税(固定資産税・事業税など)の減免措置
国税(法人税など)の優遇だけでなく、地方税の分野でも自治体独自のサポート体制が整っています。多くの都道府県や市区町村が、企業誘致や地域経済の活性化を目的に、特定の地域で開業・操業する企業に対して「不均一課税」や「課税免除」といった条例を設けています。
不均一課税とは、通常の税率よりも低い税率を適用する措置のことです。地方で新たに事業用の土地や建物を取得し、一定の設備投資や新規雇用を行った場合、本来であれば重い負担となる税金が大幅に軽減されます。
対象となる主な地方税には、以下のようなものがあります。
| 税金の種類 | 課税主体 | 減免措置の例 |
|---|---|---|
| 不動産取得税 | 都道府県 | 事業用不動産の取得時にかかる税率の軽減、または全額免除 |
| 法人事業税 | 都道府県 | 事業開始から3年間、通常税率の2分の1などに軽減 |
| 固定資産税 | 市区町村 | 設備や家屋に対する税額を3年間免除、または大幅に減額 |
これらの減免措置は、自治体が指定する産業団地や過疎地域、地方創生特区など、特定のエリアに拠点を構えることが条件となるケースが一般的です。また、「設備投資額が〇〇万円以上」「地元からの新規雇用者が〇名以上」といったハードルが設定されていることも多いため、事業計画とのすり合わせが欠かせません。
地方での起業や法人設立を検討する際は、事業を予定している自治体の企業誘致窓口や商工担当部署に直接問い合わせることをお勧めします。地方独自の補助金や助成金とあわせて、これらの税制減免をフル活用することで、創業初期の財務基盤を盤石なものにできるでしょう。
最終的な適用可否や申告手続きについては、管轄の都道府県税事務所や市区町村の税務窓口、または顧問税理士へ事前に確認を行ってください。
資金・コストを大幅削減!地方自治体独自の補助金・助成金制度
都市部から地方への移住やUターンを機に法人化を目指す際、資金調達は経営の大きな課題となります。国が実施する最大300万円の「地方創生起業・移住支援金」は非常に強力ですが、それ以外にも各地方自治体が独自に実施している手厚い資金支援策を見逃してはいけません。
「地方 起業 補助金」と検索するとさまざまな情報が出てきますが、自治体の独自制度は国の支援策と併用できるケースも多く存在します。初期費用や当面の固定費を大幅に削減できるため、事業の生存率を高める上で極めて有効です。ここでは、多くの自治体で採用されている代表的な3つの独自支援策について解説します。
1. 家賃補助・オフィス開設費用の助成
地方での起業において、多くの自治体が力を入れているのが事業拠点の確保に対する支援です。代表的なものとして、地方でオフィスや店舗を構える際の賃料を一定期間(例:1〜3年間)にわたって補助する家賃補助制度があります。起業直後の売上が不安定な時期に、最も重い固定費である家賃負担を軽減できるのは、経営を軌道に乗せる上で大きなメリットです。
また、地方ならではのユニークな支援策として、空き家や古民家、商店街の空き店舗を改修して事業所にする場合の「リフォーム費用補助」も人気を集めています。建物の改修費や内装工事費の一部が助成されるため、初期費用を大幅に抑えつつ、趣のある魅力的な店舗やオフィスを作り上げることが可能です。
地域の空き家問題を解決しつつ、新たな雇用や賑わいを生み出す事業は自治体からも歓迎されやすく、審査においても有利に働く傾向があります。対象となる物件や条件は自治体ごとに異なるため、事前に市区町村の担当窓口へ確認することが重要です。
2. 設備投資や販路開拓に対する独自助成金
事業をスタートし、売上を伸ばしていくための前向きな投資に対しても、自治体独自の助成金が用意されているケースが多々あります。例えば、製造業や飲食業における生産性向上のための機械・特殊機材の導入費用や、業務効率化を目的としたITツールの導入費用などが対象となります。
さらに、創業期に欠かせない「販路開拓」を支援する制度も充実しています。自社のホームページ作成費用、チラシやパンフレットの制作費、新規顧客を獲得するための展示会への出展費用など、営業活動にかかる経費の一部を自治体が負担してくれます。
国の補助金(小規模事業者持続化補助金など)と比較すると、自治体独自の制度は地域の実情に合わせて要件が柔軟であったり、申請のハードルが低く設定されていたりすることがあります。お住まいの地域でどのような助成金があるかは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21(支援情報ヘッドライン)」などで検索してみることをお勧めします。
3. 地元金融機関と連携した「低利の制度融資」
補助金や助成金は原則として返済不要ですが、事業を回すための手元資金を厚くしておくためには「融資」の活用も不可欠です。そこで検討したいのが、地方自治体、信用保証協会、そして地元金融機関(地方銀行や信用金庫など)が三位一体となって提供する「創業向けの制度融資」です。
この制度融資は、自治体がバックアップしているため、実績のない創業期であっても通常の事業融資より低金利での借り入れが可能になります。さらに注目すべきは、自治体が支払利息の一部または全部を負担してくれる利子補給制度や、信用保証協会に支払う保証料を補助してくれる制度が用意されている点です。
条件を満たせば、実質的に無利子に近い形でまとまった事業資金を調達できる場合もあります。地元金融機関との取引実績を作ることは、その後の事業拡大や追加融資の際にも強力な武器となるため、積極的に活用を検討しましょう。
| 支援の種類 | 支援内容の例 | 主なメリット |
|---|---|---|
| 家賃補助・開設費助成 | オフィス・店舗の賃料補助(1〜3年)、空き家の改修費補助 | 初期費用と当面の固定費を大幅に削減できる |
| 設備投資・販路開拓助成 | 機械設備導入、ITツール導入、HP作成、展示会出展費用の補助 | 国の制度より要件が柔軟で申請しやすい傾向がある |
| 制度融資(利子補給) | 創業融資の利息や信用保証料を自治体が負担 | 実質低金利・無利子でまとまった事業資金を調達できる |
注意:補助金や助成金は原則として「後払い(精算払い)」である点に注意が必要です。
事業にかかる経費を一度自社で立て替えて支払い、後日実績報告を行ってから入金される仕組みです。そのため、全額を補助金頼みにするのではなく、手元資金や融資を組み合わせた確実な資金繰り計画を立てておく必要があります。
自治体の独自支援制度は、予算の上限に達すると年度の途中でも受付を終了してしまうことがあります。確実に制度を活用するためには、事前の情報収集と準備が欠かせません。以下のチェックポイントを確認しながら、起業準備を進めてください。
- 起業予定の自治体の公式ホームページで「創業支援」「企業誘致」のページを確認する
- 補助金や助成金の「公募期間」と「予算の上限(予算消化による早期終了)」を把握する
- 申請前に自治体の担当窓口や商工会議所へ「事前相談」を行う(必須要件の場合あり)
- 法人設立の「本店所在地の登記場所」が補助金の対象エリア内に含まれているか確認する
- 補助金が入金されるまでの間の「つなぎ資金」をどのように調達するか計画を立てる
各制度の詳細な要件や申請のタイミングについては、専門的な判断が求められる場面も多いため、地元の商工会議所や、創業支援に強い税理士・行政書士などの専門家に早めに相談することをお勧めします。
地方起業を成功に導く!補助金申請と準備の4ステップ
都市部から地方への移住・Uターンを機に法人化を検討する場合、事前のスケジュール管理が成功の鍵を握ります。地方での起業では、補助金や税制優遇を最大限に活用できるかどうかが初期の資金繰りに直結するからです。
たとえば、国の「地方創生起業支援事業・地方創生移住支援事業」を活用すれば、起業支援金(最大200万円)と移住支援金(最大100万円)を合わせて最大300万円の資金援助を受けることが可能です。しかし、これらの支援制度は「会社設立後」に気づいてからでは申請要件を満たせず、間に合わないケースが少なくありません。
ここでは、「地方・起業・補助金」のメリットを確実に取りこぼさず、スムーズに会社設立まで進めるための具体的な4つのステップを解説します。実際の申請要件や期限については、必ず専門家や各自治体の窓口にご確認ください。
ステップ1:移住先・起業地の選定と自治体の支援制度調査
地方起業における最初のステップは、ビジネスの拠点となる自治体の選定と、その地域で利用できる支援制度の徹底したリサーチです。自治体によって、起業家に対するサポート体制や補助金の内容は大きく異なります。
多くの自治体では、オフィスや店舗の家賃補助、設備投資への独自助成金、廃校や空き店舗を活用した格安のインキュベーション施設の提供など、初期費用や固定費を抑えるための魅力的な制度を用意しています。また、地方拠点強化税制を利用した法人税の減税や、自治体独自の地方税(固定資産税や事業税など)の減免措置も確認しておきたいポイントです。
情報収集の際は、中小機構が運営する中小企業ビジネス支援サイト「J-Net21」の支援情報ヘッドラインなどを活用すると、全国の補助金や助成金情報を効率よく検索できます。気になる自治体があれば、まずは現地のワンストップ相談窓口へ問い合わせてみましょう。
ステップ2:ビジネスプラン(事業計画書)の策定と社会的意義の明確化
起業地が絞り込めたら、次は事業計画書の策定に進みます。地方で補助金や支援金を申請する際、特に重要になるのが「その事業が地域にどう貢献するか」という社会的意義の明確化です。
たとえば、最大200万円が支給される「起業支援金」に採択されるためには、単なる営利事業ではなく、地域の課題解決につながる社会的事業であることを事業計画書で客観的に証明する必要があります。地域の高齢化対策、空き家問題の解消、地元特産品の販路拡大、新たな雇用の創出など、事業の目的と地域課題をリンクさせることが求められます。
起業支援金の対象となる「社会的事業」とは、地域社会が抱える課題の解決に資する事業であり、かつ、事業の実施に不可欠な要件(地域社会への貢献、事業の新規性・独創性、収益性・継続性)を満たすものを指します。
審査員に事業の実現可能性を納得してもらうためにも、ターゲット層の分析や収支計画は緻密に練り上げましょう。必要に応じて、商工会議所や税理士などの専門家からアドバイスを受けることをおすすめします。
ステップ3:特定創業支援等事業の受講と証明書の取得
会社設立(法人登記)を行う前に必ず済ませておきたいのが、各自治体が実施している「特定創業支援等事業」の受講です。これは、自治体が商工会議所や金融機関と連携して提供する、経営・財務・人材育成・販路開拓に関する継続的な支援プログラム(セミナーや個別相談など)です。
このプログラムを規定の回数・期間受講し、自治体から証明書の交付を受けることで、会社設立時の最大のネックとなる「登録免許税」が半額に軽減されます。この優遇措置は、株式会社だけでなく合同会社を設立する場合にも適用されます。
| 会社形態 | 通常の登録免許税 | 特定創業支援等事業による軽減後 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 15万円(※最低税額) | 7.5万円 |
| 合同会社 | 6万円(※最低税額) | 3万円 |
注意点として、証明書の取得は必ず「会社設立前」に行う必要があります。登記申請時に証明書を法務局へ提出しなければ、軽減措置は受けられません。プログラムの受講には通常1ヶ月以上の期間を要するため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
ステップ4:補助金・支援金の申請と会社設立手続き
事前準備が整ったら、いよいよ補助金の申請と会社設立の手続きを進めます。ここでの最大の失敗要因は「申請と設立のタイミング(順序)を間違えること」です。
補助金や支援金の多くは、「交付決定を受ける前に発生した経費(設立費用や設備購入費など)は補助対象外」となるルールがあります。また、起業支援金のように「公募開始日以降、補助事業期間の完了日までに個人開業または法人設立を行うこと」といった厳格な期間指定が設けられていることも少なくありません。
- 申請を予定している補助金の公募要領を熟読し、対象となる「設立期間」を確認する
- 補助金の「交付決定通知」を受け取ってから、対象経費の支払い(契約・発注)を行う
- 特定創業支援等事業の証明書が手元にあるか確認してから、法務局へ登記申請を行う
- 移住支援金を併用する場合、移住のタイミング(転入日)と申請期限の整合性を確認する
このように、地方起業において補助金や優遇税制をフル活用するためには、申請要件から逆算した緻密なスケジュール設計が欠かせません。手続きの順番や要件解釈に少しでも不安がある場合は、設立手続きを進める前に、会社設立に詳しい税理士や専門家に相談して確実な判断を仰ぎましょう。
まとめ:補助金・支援制度をフル活用して地方で起業しよう
地方での起業は、都市部に比べてオフィスの賃料や人件費などのランニングコストを大幅に削減できるだけでなく、競合が少ない市場を開拓できる可能性があります。それに加え、国や自治体からの手厚い資金・インフラ・経営支援を受けられる点は、創業期の経営者にとって非常に大きなチャンスです。
本記事で解説してきたように、地方 起業 補助金や税制優遇などの支援策は多岐にわたります。これらを事業計画にうまく組み込むことで、初期の資金繰りを安定させ、ビジネスの成功確率を高めることが可能です。
国と自治体の支援制度を最大限に引き出す
国が主導する「地方創生起業・移住支援金」を活用すれば、起業支援金(最大200万円)と移住支援金(最大100万円)を合わせて最大300万円の資金支援を受けることができます。さらに、自治体が指定する「特定創業支援等事業」の認定を受けることで、会社設立時の登録免許税が半額になるなど、設立当初の負担を直接的に減らすメリットが用意されています。
また、資金面だけでなく、格安で利用できるインキュベーション施設や、空き店舗を活用したオフィスの提供など、事業環境を整えるためのインフラ支援も充実しています。自治体によっては、地元金融機関と連携した低利の融資制度や、専門家による伴走型の経営サポートを提供しているケースも少なくありません。
| 支援のテーマ | 主な制度・メリットの例 |
|---|---|
| 資金支援 | 地方創生起業・移住支援金(最大300万円)、家賃補助、設備投資助成金 |
| 税制優遇 | 登録免許税の半額軽減、地方拠点強化税制による法人税・地方税の減免 |
| インフラ・環境 | インキュベーション施設、コワーキングスペース、空き店舗の活用支援 |
| 経営サポート | ワンストップ相談窓口、専門家による伴走支援、地元企業とのマッチング |
まずは情報収集と専門家への相談から始めよう
注意しなければならないのは、補助金や助成金、税制優遇といった支援制度は、原則として自ら申請しなければ受け取れない「知っている人だけが得をする」仕組みであるという点です。事後申請が認められないケースも多いため、会社を設立したり移住を実行したりする前に、あらかじめ制度の要件やスケジュールを確認しておくことが不可欠です。
制度の詳細や公募期間は自治体によって大きく異なります。まずは、移住や起業を検討している候補地の自治体ホームページや、内閣府が運営する地方創生ポータルサイトなどにアクセスし、どのような支援策が用意されているか情報収集から始めてみてください。
また、補助金の申請書類作成や税制優遇の適用判定には、専門的な実務知識が求められます。ご自身の事業計画がどの制度に適合するか、より確実なアドバイスを得るためにも、早い段階で地域の商工会議所や、起業支援に強い税理士・行政書士などの専門家に相談することを推奨します。
- 検討している自治体の起業・移住向けポータルサイトを確認する
- 活用できそうな補助金・助成金の公募期間と申請要件をリストアップする
- 特定創業支援等事業の受講スケジュールを自治体の窓口に問い合わせる
- 事業計画や資金計画について、税理士や地域の商工会議所に相談する
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

