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起業・開業
アパレルブランド開業までの手順を解説!必要なスキルや開業方法とは?

読了目安時間:約 6分
ファッションが好きで、「いつか自分のアパレルブランドを立ち上げたい」と思っている方は、思い切って開業するのも方法の一つです。
しかし、いざ開業しようと思っても、どのように準備をすれば良いか、必要な資格はあるのか、分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アパレルブランドの開業方法や手順、必要な資格やスキルについて解説します。
実店舗での販売やネットショップ運営など、開業にもさまざまな方法がありますので、ぜひこの記事を参考に、アパレルブランド運営を成功に導いていただけたら幸いです。
目次
アパレルブランドの開業で有利な経験やスキル

ファッションに興味があり、アパレルブランドを立ち上げようと考えている人は少なくありません。
しかし、資格や経験がなければ開業したとしても事業を継続していけるか不安に思うでしょう。
ここでは、アパレルブランドの開業であると有利な経験やスキルについて詳しく説明していきます。
アパレルブランド開業に国家資格は必要ない
アパレルブランドの開業に国家資格は必要ありません。
そのため、開業に必要な資金があり、仕入れまたは製品の製造ができるのであれば、アパレルブランドを起業することは可能です。
ただし、古着の販売などをする場合には古物商許可が必要になり、管轄する警察署の生活安全課保安係に提出しなければならないので注意しましょう。
参考:古物営業法|衆議院
アパレルブランドの開業に役立つ資格
先述したとおり、アパレルブランドは資格がなくとも開業可能ですが、ファッションや接客に関する資格が知識の習得や信頼性向上に役立つことがあります。
アパレルブランドの開業に役立つ資格としては、以下があります。
- ファッションビジネス能力検定
- ファッション販売能力検定
- リテールマーケティング(販売士)検定試験
- 接客サービスマナー検定
ファッションに関するスキルや接客・ビジネスマナー、経営に関する資格の取得はアパレルブランドの運営に役立てられるでしょう。ただし、資格の有無が直接売上に結び付くわけではなく、実践的なスキルやマーケティングが重要であるといえます。
アパレル業界での勤務で得た知識や経験

アパレルブランドを開業する人の中には、アパレル業界でデザイナーやスタイリスト、販売員などとして働き、知識と経験を積み重ねてから独立するケースが多いです。
業界の知識やスキルがあらかじめ備わっているため、ブランドを立ち上げた後にスムーズな事業運営が可能になります。
特に、商品の企画開発や接客などのスキルは実務に大いに役立つでしょう。
ただし、業界に長く携わると、独立のタイミングを失う可能性もあるので注意が必要です。
アパレル関連の専門学校で得たファッションの知識
ファッションに関する専門学校で学んだ経験がある人もアパレルブランド開業で、その経験や知識を活かすことが可能です。
専門学校ではデザインや製造技術だけでなく、アパレルビジネスやマーケティングについても学べます。
また、在学中に業界のネットワークを構築できる点もメリットでしょう。
ただし、専門学校で学ぶには入学金、授業料、教材費として数百万円の費用が必要になります。
会社経営で得た知識やスキル
アパレル業界に限らず、事業を立ち上げた経験がある人は、運営を軌道に乗せるために以下のような知識やスキルを身につけているケースが多いです。
- Webデザインの知識・スキル
- マーケティング知識
- 財務・会計知識
- 生産管理能力
- 経営スキル
- SNS運営スキル
これらの知識やスキルを活かすことで、より安定的な事業運営につながる可能性が高まるでしょう。
ただし、知識やスキルを習得しなくても、専門的な能力がある人材を確保したり、アウトソーシングしたりすれば、不足する知識やスキルを補うことができます。
アパレルブランドの開業方法

先述したとおり、アパレルブランドの開業には特別必要な資格は必要ないため、初心者でも開業しやすいです。
アパレルブランドの開業方法としては、主に以下の3つがあります。
- 実店舗をオープンする
- ネットショップを開設する
- フリーマーケットやポップアップストアで出品する
それぞれ詳しく説明しますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、自身に合った方法で開業しましょう。
実店舗をオープンする
アパレルブランドを起業する方法として、まず、顧客が実際に足を運べる実店舗を構える方法があります。
対面での接客ができるため、顧客とのコミュニケーションが取りやすく、商品に対する相談やアドバイスを求めたい人やサイズ感や質感を確かめたい人への購入意欲を高められます。
また、ネットショップのように競合と比較されにくいため、価格競争に巻き込まれにくい点も特徴です。
ただし、実店舗を構える場合は初期費用や維持費で高額な費用が必要になる点には注意しなければなりません。
ネットショップを開設する
近年増えている起業方法として、ECサイトを作成し、ネットショップを開設する方法があります。
実店舗をオープンするのに比べると、家賃や水道光熱費などの店舗運営費がかからないため、コストをあまりかけずにアパレルブランドをオープンすることができます。
また、ネット上で時間や場所を選ばずに営業できるため、効率良く稼げるでしょう。
ただし、ネットショップはユーザーに見つけてもらわなければ売上に繋がらないほか、競合に勝つためには適切な価格設定や効果的なプロモーションを行う必要があります。また、ネットショップを運営する場合は「特定商取引法」に基づき、販売者情報や返品ポリシーの明記が義務付けられていることにも注意しましょう。
フリマやポップアップストアに出品する
各地域で行われているフリーマーケットやポップアップストアに出店する方法もあります。
ポップアップストアは、主に数日から数週間程度の期間限定で出店する店舗を指し、一時的にスペースを借りて販売するため、テナント料がかからず、初期費用を抑えられる点がメリットです。
開業する際のお試し営業として利用する人も多いです。
しかし、フリマやポップアップストアでは販売できる商品数が限られてしまう点や、地方での出店場所を見つけにくい点がデメリットとなります。
アパレルブランドを開業する流れ

アパレルブランドの開業は、主に以下の流れで進めていきます。
- 販売形態を決める
- ブランドの出店方法を決める
- ブランドのコンセプトやターゲット層を決める
- 必要な許認可の確認
- 資金調達をする
- 商品を用意する
- 集客活動をする
- 開業する
スムーズに開業するためには、それぞれの工程を把握して計画的に行うことが重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①販売形態を決める
まずは、アパレルブランドの販売形態を決める必要があります。
服を仕入れてセレクトショップのように商品を販売するのか、自社で服を作って販売するのか、それぞれの方針によって必要な資金や販売戦略などが大きく変わってくるので重要なポイントです。
仕入れてセレクトショップのように販売する場合は、製作に必要な時間やコストを削減できるほか、未経験でも比較的始めやすいです。
自社で製作・販売するとなると知識やスキルがある程度必要になりますが、独自性のある商品展開ができます。ただし、デザインの類似や模倣には注意が必要なため、必要に応じて商標登録や意匠法の確認を行いましょう。
参考:商標法|e-Gov 法令検索
参考:意匠法 | e-Gov 法令検索
②ブランドの出店方法を決める
先ほど詳しく説明したように、実店舗を構えるのか、ネットショップを開設するのか、アパレルブランドの出店方法を決定します。
実店舗での開業の場合、立地や店舗の規模によっても異なりますが、1,000万円程度必要になると考えておいた方が良いでしょう。
ネットショップで販売する場合、数万円から開業が可能ですが、ネットショップ開設やデザイン作成を行う必要があります。
近年では、「モール型」と呼ばれる、Amazonや楽天市場のようにECモール内に出店するネットショップがあり、手続きが簡単で集客しやすいのが特徴です。
③ブランドのコンセプトやターゲット層を決める
次に、ブランドのコンセプト、ターゲットの年齢層・特徴などを細かく設定します。
たとえば、「30、40代の女性をターゲットに高価格帯のセンスの良い服飾品を売る」など、具体的に設定すると経営がしやすいです。
ブランドのコンセプトは今後事業を行ううえで根幹となるものなので、じっくり時間をかけて決定し、コンセプトを明確にしたうえで、ブランド名やロゴを決めると良いでしょう。
④必要な許認可の確認
アパレルブランドをオープンするにあたり、必要な許認可があるか確認しましょう。
基本的に、自社で製造した商品や仕入れた商品を販売する場合は、特に許可を得たり申請したりする必要はありません。
しかし、古着を扱う場合や仕入れた服を加工して販売する場合は「古物商許可」が必要となります。
販売する商品によって必要な許認可が異なるため、必ず確認して必要な許認可を得ましょう。
参考:古物営業法|衆議院
⑤資金調達をする

アパレルブランドの立ち上げにはある程度まとまった資金が必要になります。
開業資金が高額で、全額自己資金でまかなえない場合は資金調達方法を考えましょう。
- 日本政策金融公庫などの政策金融機関から開業融資を受ける
- 補助金や助成金を受ける
- クラウドファンディングを活用する
上記のようにさまざまな資金調達の方法があるので、必要な資金を計算したうえで、自社に合った方法を活用するのが望ましいです。
⑥商品を用意する
事前に決定した販売形態に沿って、商品を仕入れる、または自社で製作します。
商品を仕入れて販売する場合、以下のような選択肢があるので最適な方法を選びましょう。
- 国内の問屋やメーカーから仕入れる
- 海外のネットショップから仕入れる
- ネットショップで仕入れる
問屋街や展示会に足を運んだり、メーカーと契約を結んで直接仕入れる方法もありますが、実績がなければ応じてもらえない可能性もあるので注意しましょう。
近年では、インターネットを使って国内外の服を比較的容易に仕入れることができるので、検討してみてください。
⑦集客活動をする
販路の確保ができたら、ブランドのPRや宣伝といった集客活動を行います。
チラシや店頭POPなどのオフラインで行う集客施策や、WEBサイトやSNS、WEB広告、ECサイトなどインターネットを経由して行うオンライン施策があります。
特に、XやInstagram、facebook、TikTokなどのSNSは、画像や動画などさまざまな方法でアプローチでき、初心者でも簡単に活用できるため、低コストで多くの人に宣伝することができるのでおすすめです。
ブランドコンセプトに合ったプロモーションを行い、より多くの人に自社商品を販売しましょう。
⑧開業する
開業届の提出や商標登録などを行い開業します。
個人で開業する場合は法人のように登記手続きはなく、開業届を提出しなくても問題ありませんが、青色申告を利用する場合は、税務署に開業届を提出しましょう。青色申告をすると、一定条件のもとで所得控除などの優遇措置が受けられるため、結果的に納税額が抑えられる場合があります。
また、オリジナルの商品を販売する場合は、他社にデザインやブランド名を登録されてしまわないよう、商標登録をしておくのが安心です。
開業後も宣伝活動や売れ行きなどを分析し、改善を重ねながら運営していきましょう。
参考:国税庁|青色申告制度
アパレルブランド運営での失敗例と成功させるポイント

アパレルブランドの立ち上げで失敗しがちな例として、以下が挙げられます。
- 顧客のニーズを捉えられていない
- 在庫過多
- リピーターを獲得できていない
- 実店舗だけで販売している
コンセプトやターゲットを細かく設定すれば、ターゲットのニーズを捉えた効果的なアプローチができるようになります。
また、いくら質が良い服を販売したとしても、集客できなければ過剰在庫となり経営を圧迫させてしまうため、マーケティングを徹底的に行い、売り切る仕組み作りを構築することが重要です。
ネットを利用した販売は年々増加傾向にあるため、実店舗だけで運営している場合はネットショップの開設も検討してみると良いでしょう。
計画的に進めてアパレルブランドの開業を成功させよう

ファッションが好きで熱意があれば、アパレルブランドを立ち上げることが可能です。
ただし、成功に近づくためにはアパレル業界や会社経営に関する知識やスキルをある程度身につけておくと良いでしょう。
ご紹介したとおり、開業にはさまざまな準備が必要になりますので、ぜひこの記事を参考に、計画的に行っていただけたら幸いです。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。