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創業融資
渋谷区の創業融資とは?創業融資を受ける手順やポイントも解説

読了目安時間:約 7分
渋谷区でも他の自治体と同様に創業支援融資制度が整備されており、場合によっては助成金の活用も併せて検討することが可能です。
創業融資は自治体ごとに内容が異なり、融資の上限金額や返済期間などの条件も地域によってさまざまです。そのため、まずは自分の住んでいる地域の創業融資を把握することが重要となります。
本記事では、渋谷区の創業融資制度の内容を中心に、「渋谷区で創業融資を受ける手順」や「利用にあたってのポイント」も併せて解説します。
ぜひ本記事を参考に、渋谷区での創業支援制度についての理解を深めていただければ幸いです。
目次
渋谷区の創業融資

渋谷区の創業融資については、以下の4つが挙げられます。
- 中小企業事業資金融資あっせん制度
- 創業支援制度
- 東京都中小企業制度融資「創業」
- 東京都女性・若者・シニア創業サポート事業2.0
それぞれの創業融資について解説します。
※以下でご紹介する適用条件や実際の金利は申込時点で異なるため、詳細は公式サイトなどであらかじめご確認ください。
中小企業事業資金融資あっせん制度
渋谷区では、中小企業向けに資金調達を支援する「中小企業事業資金融資あっせん制度」を設けています。
中小企業事業資金融資あっせん制度は、区が直接融資を行うわけではありませんが、一定の条件を満たすことで、金融機関からの融資をスムーズに受けられるよう支援してくれる仕組みです。
また、場合によっては金利負担の一部を渋谷区が補助することもあります。
対象となるのは、渋谷区内に本店または主な事業所を持ち、かつ区内で1年以上にわたり事業を営んでいる法人または個人事業主です。
利用にあたっては、以下の条件を満たす必要があります。
- 法人都民税もしくは特別区民税をあっせん申込日までに完納している
- 信用保証協会が保証対象とする業種に属し、必要な許認可を受けている
- 反社会的勢力に関与していない など
中小企業事業資金融資あっせん制度を通じて調達した資金は、事業運営に必要な運転資金や新たな設備投資に活用できます。
創業支援資金
渋谷区の創業支援資金とは、起業を目指す方を支援するための制度融資のことを指します。
この制度融資は、地方自治体・金融機関・信用保証協会の三者が連携して実施するもので、一般的な融資とは異なる特徴を持っています。
利用にあたっては信用保証協会への保証料の支払いが必要ですが、渋谷区が金利の一部を補助する仕組みがあるので、創業者の負担は大幅に軽減されます。
一部のケースでは、区の利子補給制度を活用することで、実質負担金利が0.1%程度になることもあります。
この「創業支援資金」の対象となるのは、渋谷区内でこれから創業する方、もしくは創業して1年未満の個人または法人です。
融資の上限は2,000万円以内で、用途に制限が設けられています。自動車の購入に充てる場合は、事業用であることが条件となり、最大400万円までの制限があります。
さらに、東京都の「創業」融資制度の要件を満たしている場合、信用保証料の3分の2についても東京都から補助を受けることができます。
参考:創業支援等事業 | 商工・労働・相談 | 渋谷区ポータル
東京都中小企業制度融資「創業」
東京都中小企業制度融資「創業」は、東京都が主導し、創業を目指す方々を対象に提供される支援策です。
東京都、民間金融機関、そして東京信用保証協会の三者が連携して資金を供給しています。
対象となるのは、都内に拠点を持ち、東京信用保証協会が保証する業種に該当する中小企業者や個人で、次のいずれかに該当する方です。
- まだ事業を始めていないが、具体的な創業計画を持っている個人
- 創業後5年以内の中小企業
- 分社化を予定している、または分社後5年以内の企業
この制度は、紹介した3つの創業融資制度の中でも特に借入限度額が高く、金利の優遇も受けられるため、大きな資金調達を検討する場合の選択肢の一つと言えます。
東京都女性・若者・シニア創業サポート事業2.0
東京都女性・若者・シニア創業サポート事業2.0とは、東京都内に住んでいる方、または都内で事業を営んでいる女性、39歳以下の若者、55歳以上のシニア世代を対象とした創業融資制度です。
対象者として、NPO法人を含め、東京都内で創業を予定している方、あるいは創業から5年未満の方が対象となっています。
特に女性に関しては年齢制限が設けられておらず、また若者・シニア層についても幅広い年齢をカバーしているため、多くの方が利用しやすいのが特徴です。
低金利の融資が受けられる点に加え、創業後の経営支援を無料で受けられ、制度全体として支援体制が充実していることが特徴です。
資金調達だけでなく、創業から経営まで幅広いサポートを希望する方は、ぜひ活用を検討してみてください。
渋谷区の補助金・助成金

渋谷区の補助金・助成金については、以下の4つが挙げられます。
- 東京しごと創出応援団「事業再構築等支援事業」
- ものづくり補助金
- 創業助成事業
- 商店街起業・承継支援事業
それぞれの補助金・助成金について解説します。
東京しごと創出応援団「事業再構築等支援事業」
東京しごと創出応援団「事業再構築等支援事業」は、中小企業や中堅企業が事業内容を見直したり、新しい分野に進出したりする際に必要となる費用を国がサポートする制度です。
運営は経済産業省が行っており、特にコロナ禍を機に新たなビジネス展開を目指す企業の間で大きな関心を集めています。
この支援を通じて、企業の変革を促進し、日本経済全体の体質強化を目指すことが、制度の根本的な目的となっています。
また、「ものづくり補助金」など、他の支援策と併用できるケースもあるため、幅広い事業者にとって活用価値の高い制度と言えます。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が対象となる国の支援制度であり、「生産性の向上」や「持続的な賃上げ」を目指して、新たな製品やサービスの開発を行うための設備投資などをサポートする補助金です。
特例措置を活用した場合、最大4,000万円まで補助を受けることが可能で、補助率は事業内容に応じて1/2または2/3に設定されています。
そのため、大型設備への投資にも幅広く活用できます。
しかし、この補助金には事業の特性に合わせた複数の「枠」や「類型」が設けられており、申請の際には、事業計画書をはじめとする各種書類の準備と提出が求められます。
助成金の交付は応募すれば必ず受けられるものではなく、厳正な審査を通過し、採択されることが条件となっています。
創業助成事業
創業助成事業とは、東京都で創業を目指す個人、または創業から5年未満の中小企業などを対象に、一定の条件を満たす方へ最大400万円の助成金が支給されます。
この助成金を受けるためには、「TOKYO創業ステーションのサポートを受けていること」や「東京都中小企業振興公社による事業評価を受けていること」など、いくつかの条件をクリアする必要があります。
助成対象となる経費は主に「事業費」「人件費」「委託費」に分類され、事務所の賃料、広告宣伝費、市場調査費用など幅広い用途に対応しています。
なお、申請には事前に専門家による支援や評価を受ける必要があり、スムーズな受給には計画的な準備が求められます。
商店街起業・承継支援事業
商店街起業・承継支援事業は、東京都内の商店街で新たに起業する方や異業種への進出を目指す方、あるいは既存の事業を引き継いで「事業承継」に取り組む方を対象に、最大694万円の助成金を支給する制度です。
この制度を利用するためには、申請者が業種・資本金・従業員数など、あらかじめ定められた条件を満たしていることが求められます。
助成対象となる経費は「事業所整備費」と「店舗賃借料」の2つのカテゴリーに分かれています。
「事業所整備費」としては、店舗の内装工事費や設備購入費、広告宣伝費などに対して最大250万円まで支援されます。
また、「店舗賃借料」に関しては、交付決定日から3年間、賃料の一部を補助し、合計37万円までが助成対象となります。
渋谷区で創業融資を受ける手順

渋谷区で創業融資を受ける手順については、以下の通りです。
- 渋谷区役所へ問い合わせる
- 融資あっせん書の交付
- 融資申し込み
- 融資審査
- 信用保証協会への申し込み
- 契約
それぞれの項目について解説します。
渋谷区役所へ問い合わせる
渋谷区で創業融資を受けるには、最初に渋谷区役所から「融資あっせん書」を発行してもらう必要があります。
融資あっせん書を手に入れるためには、事前に融資相談の予約を行わなければなりません。
融資相談は基本的にオンラインでの受付となっており、平日の10時から16時の間で約1時間程度の相談が行われます。
融資あっせん書の交付
資金調達の相談後、融資あっせんが認められた場合には「融資あっせん書」が発行されます。
この書類の交付には、経営相談員との複数回にわたる面談が必要となるため、発行までにおおよそ1か月程度の時間が必要になります。
また、相談は事前予約制となっており、当日は必要な書類を忘れずに持参する必要があるので、事前にしっかりと準備することをおすすめします。
このように、スムーズな資金確保のためにも、余裕を持った計画立案を心がけるようにしましょう。
融資申し込み
融資あっせん書が発行された後は、取扱金融機関へ提出し、速やかに融資申請を行います。
渋谷区の創業融資に対応しているのは、主に渋谷周辺に支店を構える金融機関です。
あっせん書には交付日から30日間という有効期限が設けられているので、期限切れを防ぐためにも、できるだけ早めの申込手続きが重要です。
ただし、融資あっせん書の発行後であっても、金融機関の審査結果によっては融資が見送られることもあります。そのため、事前の相談や準備が重要となります。
融資審査
融資を希望する金融機関に申請を行うと、まずはその金融機関による審査が実施されます。
審査では、提出された各種書類に基づき、事業計画の実現可能性や資金使途の明確さなどが慎重に確認されます。
審査に無事合格すると、次の段階として、民間の金融機関から信用保証協会へ審査依頼が提出されます。
しかし、金融機関の内部審査だけで融資が確定するわけではないので、あらかじめ注意が必要です。
信用保証協会への申し込み
信用保証協会は、公的な立場から企業や個人事業主が資金調達を円滑に行えるよう「保証人」として支援してくれる機関です。
融資にあたっては、保証協会による厳密な審査が行われ、銀行口座の取引内容確認や事務所訪問による実地調査など細部にわたるチェックが実施されることもあります。
場合によっては、追加資料の提出を求められることもあるため、事前に柔軟な対応準備が求められます。
保証協会による審査が完了すると、その結果が民間の金融機関を通して通知されます。
しかし、審査内容によっては、希望していた融資額が減額されたり、最悪の場合は融資自体が認められないケースもあるので注意が必要です。
契約
民間の金融機関や信用保証協会による審査が終了した後、正式に契約を締結し、融資金が指定口座に振り込まれます。
また、契約書に記載された内容に誤りがないか、十分に確認しましょう。
融資の返済期間中に渋谷区外への移転や事業の廃止を行った場合には、利子補給制度の適用が終了することがあるので、あらかじめ注意が必要です。
渋谷区で創業融資を受ける際のポイント

渋谷区で創業融資を受ける際のポイントについては、以下の3つが挙げられます。
- 自己資金比率を上げる
- 事業計画書に説得力を持たせる
- 面談でしっかりとアピールする
それぞれのポイントについて解説します。
自己資金比率を上げる
創業融資を受ける際、自己資金の割合は非常に重要な要素となり、割合が高いほど融資審査において有利に働きます。
仮に自己資金が十分でない場合でも、同じ業種での経営実績があったり、すでに売上が見込める状態であれば、融資が承認される可能性はあります。
しかし、強みがない場合は、特に意識して自己資金をしっかり確保しておくことが求められるので注意が必要です。
一般的には、希望する融資額の約3分の1程度を自己資金として準備しておくのが、審査通過のための基本的な目安とされています。ただし、必要な自己資金割合は金融機関や制度によって異なります。
事業計画書に説得力を持たせる
渋谷区で創業融資を受ける際のポイントとして、事業計画書に説得力を持たせることが挙げられます。
事業計画書に明確な根拠が記載されていると、融資希望の理由に対する理解が得やすくなり、希望金額の妥当性も相手に伝わりやすくなります。
特に、資金の使用目的については、設備資金と運転資金に分けて整理して記載することが基本です。
設備資金を申請する際には、購入予定の機器や設備について、規模や数量など具体的な情報を添えると、より信頼性が高まります。
加えて、市場環境の分析や競合企業の状況、ターゲットとなる顧客層の設定なども行い、計画書内で詳しく説明することで、事業の成長見込みを裏付ける材料となります。
このように、内容を充実させた事業計画書を作成していきましょう。
面談でしっかりとアピールする
創業融資を申し込む際には、金融機関の担当者と直接面談する必要があります。
具体的に、面談では、事業計画や自身の強みなど、融資審査にプラスとなる情報をしっかりと伝えることが重要です。
面談時間は一般的に30分から1時間ほどを見込んでおくようにしましょう。
また、審査に影響する重要な局面であるため、服装や態度にも十分な配慮が求められます。
また、清潔感のある格好を心がけ、礼儀正しく応対しましょう。
さらに、担当者からの質問には正直かつ丁寧に答え、自身が立ち上げる事業の内容について具体的でわかりやすい説明を心がけることが、信頼を得るためのポイントと言えます。
自社に合った創業融資を検討しよう!

今回は、渋谷区の創業融資について紹介しました。
創業融資は、各自治体によって仕組みや条件が異なるほか、種類ごとにも内容が変わります。
そのため、渋谷区で創業融資を検討している方は、自分自身の事業内容や事業計画をしっかり整理しつつ、社会情勢や業界の動向にも目を向けながら、慎重に検討を進めていくことが大切です。
今回の記事を参考にして、自社に合った創業融資を検討するようにしましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。