メニュー
起業・開業
焼肉屋を開業するにはどうすればいい?手順や成功させるポイントも徹底解説

読了目安時間:約 7分
焼肉屋の開業を成功させるには、事前の綿密な計画と準備が欠かせません。
また、開業までの流れや成功のためのポイントについて、正しい知識を身につけておくことも大切です。
本記事では、「焼肉屋を開業するために必要なステップ」や「準備すべきこと」をわかりやすく解説します。あわせて、「焼肉屋開業の手順」や「成功のためのポイント」についても詳しく紹介していきますので、焼肉屋の開業を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
焼肉屋開業に必要な資金

焼肉屋開業に必要な資金については、以下の2つが挙げられます。
- 初期費用
- 運営資金
それぞれの資金について解説します。
初期費用
焼肉店を開業する際には、大きく分けて以下2種類の初期費用がかかります。
- 物件取得にかかる費用
- 店舗設備への投資費用
物件取得費用は、一般的に数百万円から1,000万円以上となる場合もあり、立地条件や店舗の広さによって大きく異なります。この中には、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃といった支払いも含まれます。
物件が決まった後は、次に設備投資が必要です。
内装工事費用は仕様や規模によって大きく変動し、数百万円から数千万円に及ぶことがあります。
さらに、厨房機器の設置費用や、オープン前後に必要な広告宣伝費も必要になるので、どのくらいの初期費用が必要になるのか確認しておきましょう。
運営資金
焼肉店を開業する際には、事業を安定して運営するための運営資金の確保が必要です。
主に必要となる費用には、以下のものが挙げられます。
- スタッフの給与
- 店舗の家賃
- 食材の仕入れ費用
- 電気・ガス・水道などの光熱費
- 広告や宣伝活動にかかる費用
人件費は店舗規模や地域によって大きく異なり、数十万円から数百万円まで幅があります。
一般的に飲食店では、人件費の目安として売上の20〜30%程度が意識されますが、店舗の規模や業態によって適正な割合は異なります。あくまで参考値としてお考えください。
また、使用する食材のグレードによって原材料費は大きく変動します。
高級食材を取り扱う場合は相当のコストが必要となりますので、無理のない範囲で予算を組み、原材料費に反映させることが重要です。
焼肉屋開業に必要な資格や手続き

焼肉屋開業に必要な資格や手続きについては、以下の3つが挙げられます。
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
- 飲食店営業許可
それぞれの項目について解説していきます。
食品衛生責任者
焼肉店を開業する際には、飲食物の衛生管理を行うために「食品衛生責任者」の資格が求められます。
資格は店舗スタッフのうちいずれかの方が取得していれば要件を満たしますが、多くの場合は店舗オーナー自身が資格を取得しています。
食品衛生責任者は多くの場合、1日程度の講習で資格取得が可能ですが、地域や状況により異なりますので、事前に確認してください。
食品衛生協会の公式サイトに講習会のスケジュールが掲載されているため、余裕のあるタイミングで早めに受講しておくことをおすすめします。
参考:食品衛生責任者について|一般社団法人東京都食品衛生協会
防火管理者
一般的に、収容人数が30名以上の飲食店などを運営する際には、防火管理者の資格を取得することが義務付けられています。
防火管理者資格は、食品衛生管理者と同様、多くの場合1日程度の講習を受講することで取得可能です。
日本防火・防災協会の公式Webサイトでは、講習日程や申し込み方法などが掲載されていますので、大型店舗での焼肉店開業を考えている方は、早めに情報を確認し、必要な準備を進めておくことをおすすめします。
飲食店営業許可
焼肉店を開業するには、まず食品衛生責任者の資格を取得した上で、飲食店営業許可を申請し、正式な認可を受ける必要があります。
営業許可申請には店舗の設計図提出が必要で、指摘があれば修正・再提出を行います。ただし、各自治体で手続きの流れが異なることがありますので、あらかじめご確認ください。
申請後には、店舗の設備(換気設備や厨房配置など)や衛生管理の基準を満たしているかが、保健所によって審査されます。
参考:営業許可・届出の概要|「食品衛生の窓」東京都保健医療局
焼肉屋を開業する手順

焼肉屋を開業する手順については、以下の通りです。
- 市場調査
- コンセプトの決定
- 仕入れ先を決める
- 立地と物件選び
- 事業計画書の作成
- 資金調達
- 人材採用
- 宣伝活動
それぞれの手順について解説していきます。
市場調査
焼肉店の開業に向けた第一歩は、徹底した市場調査と競合リサーチから行います。
最初に、出店を検討している地域の客層を分析し、ターゲットとする顧客像を具体的に描くようにしましょう。
地域のニーズや住民のライフスタイルに関するデータもあわせて収集することが重要です。
次に、競合店のリサーチに取り組みます。
近隣の焼肉店がターゲットにしている顧客層を調査し、繁盛している店の特徴を探るようにしましょう。
具体的には、店舗の内装・外装や接客スタイル、メニューの内容や価格帯、平日と週末での客足や顧客層の動向も調査し、営業戦略に活かすことが重要です。
このように、市場調査と競合調査を通して、どのような点で自店を差別化できるかを明確にすることが、焼肉店成功へのカギとなるのです。
コンセプトの決定
市場や競合のリサーチが完了した段階で、収集したデータをもとに自店舗のコンセプトを明確に設定していきます。
コンセプトをしっかりと定めることで、店舗運営の方向性が自然と固まり、事業計画にも一貫性が生まれます。
焼肉店におけるコンセプト設定の例として、以下のようなパターンが考えられます。
- 一人焼肉や少人数利用を想定した店舗
- 家族みんなで食事を楽しめる店舗
- 希少部位を贅沢に味わえる高級志向の店舗
- 健康志向に応えた赤身肉中心の店舗
例えば、ファミリー層を主要なターゲットとする場合、手頃な価格設定にすることで気軽に利用してもらえる可能性が高まるかもしれません。
このように、コンセプトを設計することで、他店との差別化が実現でき、より強い魅力を持つ店舗作りにつながります。
仕入れ先を決める
焼肉店での仕入れは、通常、卸売市場で卸業者が買い付けた肉を仕入れる形で進められるので、仕入れ先を決めていきます。
仕入れ先を決める際で重要になるのが、自ら肉の品質を見極める目と、卸業者との確かな信頼関係です。
初めて取引をする卸業者とは、事前に品質や価格、納品体制について十分に確認・相談を行うことが大切です。信頼できる業者と取引関係を築くことで、安定的な仕入れが可能になります。
また、自ら肉の良し悪しを見抜くスキルを身につけることも重要です。
立地と物件選び
焼肉店を成功させるには、立地条件や周囲の環境が重要な要素となります。
例えば、駅前や大型商業施設の近くや住宅街の中など狙いたい顧客層にマッチした場所を慎重に選定することが求められます。
また、既存店舗の設備を活かせる「居抜き物件」を活用すれば、内装工事や厨房機器の導入コストを大きく削減できる可能性があるため、初期投資を抑えたい方におすすめです。ただし、設備の老朽化や改修制限などのリスクもあるため、十分な事前調査を行いましょう。
立地と物件選びは、そのまま集客力や事業の安定性に直結するため、慎重に進めることが重要です。
事業計画書の作成
次は、事業計画書の作成に取りかかるようにしましょう。
事業計画書とは、起業の目的やビジネスのコンセプト、資金調達の方法、今後の展望などをまとめた書類です。
金融機関からの融資申請や、各種補助金を利用する際には必須となる重要な資料です。
特に、決まったフォーマットはありませんが、公式サイトから、参考となるテンプレートを手に入れることが可能です。
また、各地域の商工会議所では、事業計画書の作成支援を行っているため、相談してみるのもおすすめです。
資金調達
事業計画書の完成後は、資金調達に向けて本格的な準備に取り掛かるようにしましょう。
焼肉店を開業する際には、小規模な場合でも数百万円〜1,000万円以上を見込むケースもあります
特に、オープン直後は売上が安定しないことが多いため、最低でも3か月分の運転資金を自己資金として確保しておくことが重要です。
具体的な資金調達の方法として考えられるのは、以下のような手段です。
- 銀行からの融資を受ける
- 日本政策金融公庫の融資制度を利用する
- クラウドファンディングを活用して資金を集める
- 親族や知人から借入れを行う
資金調達をする際には、万全な資金計画と念入りな準備が重要になります。
人材採用
焼肉店を成功させるためには、人材の採用と育成が重要なポイントになります。
実際に、焼肉業態は、ひとりで全てを回すことが難しいので、信頼できるスタッフの力を借りることが不可欠です。
特に、飲食店での勤務経験を持つ人材を採ると、業務の立ち上げがスムーズに進みやすくなります。
採用や教育を進める際は、以下の点を意識して取り組むことをおすすめします。
- 調理・接客・衛生管理に関するマニュアルを整備しておく
- 食中毒や感染症対策を徹底する
また、人件費の負担を抑えたい場合には、タブレットやQRコードを利用して、お客様自身が注文や支払いを行う仕組みを検討するようにしましょう。
この仕組みを活用すれば、人手不足の対策にもなり、注文内容の伝達ミスも減少させる効果が期待できます。ただし、導入コストや操作面の課題には配慮が必要です。
宣伝活動
店舗の存在を広く知ってもらうための宣伝活動にも力を入れることが必要です。
特に開業時は、メディアへの露出や近隣住民、友人・知人の関心を集めやすくなるので、オープン前からしっかりと計画的に集客の準備を進めるようにしましょう。
集客方法には、オンラインを活用したデジタル施策だけでなく、チラシ配布など従来型の手法もあります。
代表的な集客施策の例については、以下の通りです。
- 自社ホームページの立ち上げ
- 業界関連のポータルサイトに情報掲載
- Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)への登録
- プレスリリースによる情報発信
- リスティング広告の運用
- InstagramなどSNSアカウントの開設と定期的な投稿
- チラシ配布や新聞への折り込み広告
ターゲット層の特性に応じて、最適な方法を選択し、効果的な集客を目指すことが重要です。ただし、広告や宣伝の内容は、実際のサービスや店舗の実態を正確に反映したものである必要があります。消費者に誤解を与えるような表示は、景品表示法違反となる可能性がありますので、注意しましょう。
焼肉屋開業を成功させるポイント

焼肉屋開業を成功させるポイントについては、以下の4つが挙げられます。
- ターゲット選定を行う
- 他店との差別化を図る
- 自店舗に合った利益を上げる方法を考える
- 集客対策を入念に行う
それぞれのポイントについて解説していきます。
ターゲット選定を行う
焼肉店を成功させるためには、どの層をターゲットにするかを明確に定めることが必要になります。
実際に、ターゲットによって、お店のコンセプトや提供するメニューが大きく変わるのも事実です。
例えば、家族連れを中心に集客したい場合は、子ども向けのメニューを充実させることが重要です。
逆に、学生をターゲットにするなら、食べ放題プランを豊富に揃えると有効かもしれません。
ビジネスパーソンを想定するなら、手早く食事ができるランチセットを用意するなど、ニーズに応じた工夫が求められます。
このように、焼肉店の開業準備段階で、ターゲット選定をしっかり行うことが、繁盛店への第一歩と言えます。
他店との差別化を図る
焼肉屋開業を成功させるポイントとして、他店との差別化を図ることが挙げられます。
実際に、焼肉店の運営が思うようにいかない要因のひとつに、周辺に同業者が数多く存在することが挙げられます。
店舗数が多いと、顧客を取り合う状況が生まれ、想定していた売上を確保することが難しくなります。
他店にはないオリジナルメニューや独自サービスを取り入れることで、自店ならではの魅力を打ち出し、激しい競争の中でも存在感を発揮していくことが求められます。
そのため、焼肉店経営で成功を収めるためには、他店との差別化が不可欠です。
自店舗に合った利益を上げる方法を考える
焼肉店を繁盛させるには、まずしっかりと利益を確保することが欠かせません。
そのためには、利益率や各種コストの管理能力に加えて、焼肉店特有の客単価や客数といったビジネスモデルの特徴をきちんと理解する必要があります。
基本的に、売上は「客単価 × 客数(または回転数 × 席数 × 営業時間)」で算出されます。ここから経費を差し引いたものが、最終的な利益になります。
利益を高めるには、客単価を上げるか、回転率を向上させるか、あるいはコスト削減に努めることが求められます。
さらに、店舗のコンセプトや狙っている客層に合わせて、最適な利益向上策を立案し、実行に移していくことが重要です。
集客対策を入念に行う
焼肉店で安定した経営基盤を築くには、開店前から積極的に集客施策に取り組み、オープン直後から多くのお客様に来店してもらえる体制を整えておく必要があります。
具体的には、チラシ配布で近隣の方々に店舗の存在を知らせるだけでなく、SNSを活用して広範囲からの集客を狙ったり、オープニングキャンペーンを実施して話題性を高めたりする工夫が必要です。
このように、開業準備期間からしっかりと集客活動を展開するようにしましょう。
焼肉屋開業を成功させよう!

今回は、焼肉屋を開業するにはどうすればいいのかについて紹介しました。
焼肉屋を開業させるには、資格や手続き、初期費用が必要になるので、スムーズに開業させるためにも事前に把握しておくことが重要です。
また、焼肉店を成功へと導くためには、まず狙うべき顧客層を明確に定め、収益構造やコスト管理をしっかり把握したうえで、他店との差別化を図ることが欠かせません。
今回の記事を参考にして、焼肉屋の経営を成功へと導きましょう。
‐免責事項‐
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
税務・労務等のバックオフィス支援から
経営支援まで全方位でビジネスをサポート
本気で夢を追い求めるあなたの会社設立を全力サポート
- そもそも個人事業と会社の違いがわからない
- 会社を設立するメリットを知りたい
- 役員報酬はどうやって決めるのか
- 株式会社にするか合同会社にするか
会社設立の専門家が対応させていただきます。
税理士法人松本の強み
- 設立後に損しない最適な起業形態をご提案!
- 役員報酬はいくらにすべき?バッチリな税務署対策で安心!
- 面倒なバックオフィスをマルっと支援!
- さらに会社設立してからも一気通貫で支援
この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。