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CICに情報開示をするとどうなるの?メリット・デメリットや情報開示の方法も解説

読了目安時間:約 6分
CICは、個人のクレジットカード利用履歴や返済状況といった「信用情報」を取り扱っている信用情報機関の一つです。
クレジット会社や金融機関が融資審査を行う際に参考とする情報を管理し、提供する役割を担っています。
CICに情報開示を申し込むことで、「信用情報開示報告書」と呼ばれる文書を通じて、自身の信用状況を確認することが可能です。
本記事では、CICに情報開示をするとどうなるのかについて紹介します。
他にも「CICに情報開示を行うメリット・デメリット」や「CICの情報開示の方法」についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
CICに情報開示するとどうなるの?

CICに情報開示を申し込むことで、「信用情報開示報告書」という書類を確認することができます。
信用情報開示報告書では、主に次のような項目が記載されています。
- 現在利用中のクレジットカードやローンに関する契約内容
- クレジットカードやローンの使用状況、返済履歴、残高、遅延の有無
- 契約終了後の返済履歴など過去の利用に関する情報
- 氏名や生年月日、連絡先、住所、勤務先情報などの個人属性情報
- 過去に信用情報を開示した記録 など
また、支払いの遅延や長期間にわたる未払いなど金融事故に該当する事象があった場合には、その内容も信用情報として残ります。
さらに、CICでは、2024年11月以降、信用情報に加えて「クレジット・ガイダンス」というスコアや指数による自己評価情報も確認することが可能です。
CICに情報開示を行うメリット

CICに情報開示を行うメリットについては、以下の4つが挙げられます。
- ローンやクレジットカードの契約状況を把握できる
- 信用スコアを確認できる
- 申込状況が確認できる
- 審査に落ちた原因を知る手がかりになる
それぞれのメリットについて解説していきます。
ローンやクレジットカードの契約状況を把握できる
CICに情報開示を行うメリットとして、ローンやクレジットカードの契約状況を把握することが挙げられます。
信用情報には、主にクレジットカードや各種ローンの契約内容、支払いの進捗状況、残っている借入額などが記録されています。
これらの信用情報は、契約が続いている期間はもちろん、契約終了後も一定期間保持されるので、信用情報を確認すれば、現時点での契約内容や支払い状況、未払い金額などを一目で把握することが可能です。
信用スコアを確認できる
CICで情報開示を行うことで、信用スコアを確認できます。
信用スコアとは、信用情報を元に統計的な分析手法で算出される指標であり、CICでは「クレジット・ガイダンス」と呼んでいます。
自身の支払い能力が指数で表されるので、より視覚的に自身の信用度を理解することができます。
また、自身の信用スコアを確認することで、登録されている内容を把握し、ローンやクレジットの審査に通過する見込みがあるかどうかを予測することが可能です。
特に、過去に支払いの延滞や債務整理などの履歴がある場合は「異動情報」として記録されていることがあり、これが残っていると審査に不利に働くリスクが高くなります。
そのため、事前に信用情報の内容を十分に確認し、問題となる情報が記載されていないかをしっかりと確認することが大切です。
申込状況が確認できる
CICが管理する信用情報には、ローンやクレジットカードの申し込みに関するデータも含まれており、自分がどのような申し込みを行ったかを把握できるメリットがあります。
しかし、短期間に複数の金融機関へ申し込んだ履歴が記録されていると、経済的に余裕がないと判断され、返済能力に疑問を持たれる恐れがありますので注意が必要です。
また、CICではこれらの申込履歴を約6か月間保存しているため、立て続けに申し込みを行う予定がある場合は、事前に過去の履歴をチェックしておくことをおすすめします。
審査に落ちた原因を知る手がかりになる
住宅ローンやクレジットカードの申し込みにおいて、審査に通らなかった場合、具体的な理由が開示されることは基本的にありません。
そのため、再度申し込む際には、自分で原因を考え、改善策を講じることが求められます。
このようなときには、信用情報を開示して内容を確認することで、審査に落ちた可能性のある要因を知る手がかりになることがあります。
ただし、審査基準は金融機関ごとに異なるため、信用情報だけで原因の特定は難しいことは念頭に置いておきましょう。
CICに情報開示を行うデメリット

CICに情報開示を行うデメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 手数料がかかる
- 情報漏洩のリスクがある
- 心理的なプレッシャーが増える
それぞれのデメリットについて解説していきます。
手数料がかかる
CICから個人信用情報を取得する際には、一定の費用が発生するデメリットが挙げられます。
具体的には、インターネットで請求する場合は500円、郵送での請求は1,500円です。
何度も確認を行ってしまうと、それなりの出費となる可能性があるため、申請のタイミングや目的をよく考慮することが大切です。また、料金は変更されることがあるため、公式サイトで最新情報を確認してください。
参考:CIC
情報漏洩のリスクがある
CICに情報開示を行うデメリットとして、情報漏洩のリスクがあることが挙げられます。
信用情報を開示する際には、氏名や住所といった個人情報だけでなく、金融取引に関する詳細なデータも含まれます。
CICは厳格なセキュリティ体制で信用情報を管理していますが、開示後の報告書の保管方法によっては、利用者自身の管理不備により個人情報が第三者に閲覧されるリスクがあります。
例えば、開示された情報を不用意に放置したり、不適切に取り扱ったりすると、個人のプライバシーが侵害される恐れも考えられます。
クレジットカードの不正使用といった被害が発生する可能性もあり、個人の信用や財産に悪影響を与えるリスクがあります。
心理的なプレッシャーが増える
信用スコアは、個人の金融履歴や社会的信頼性を数値で表す指標であり、その数値は住宅の賃貸やローンの可否、各種サービスの条件などに大きく関係してきます。
生活のあらゆる場面に影響を与える指標のため、スコアの評価を過度に気にするようになってしまい、無意識のうちに精神的な緊張や不安を抱えてしまうリスクがあります。
特にスコアが低めに出た場合、それが周囲からの信用を損ねる原因になるのではという懸念や、希望するサービスを利用できなくなるという不安が強まることがあります。
こうした心理的負担を軽減するためには、情報を冷静に理解し活用することが重要です。
クレジットカードやローンの審査に通りやすくするポイント

クレジットカードやローンの審査に通りやすくするポイントについては、以下の4つが挙げられます。
- 収入を安定させる
- 少額から申し込む
- 事故情報の原因を解消する
- 1社ずつ申し込む
それぞれのポイントについて解説していきます。
収入を安定させる
クレジットカードやローンの審査に通りやすくするポイントとして、収入を安定させることが重要です。
クレジットカードやローンの申し込みにおいては、信用情報機関に記録されている内容だけでなく、申込者の収入や所有資産の状況なども重要な判断材料となります。
そのため、信用情報に特に問題がなくても、収入面などの要因で審査に通らないことがあります。
このような場合には、まずは安定した収入を確保する、あるいは収入を増やす手段を考えることも一つの対策になります。
また、金融機関やカード会社によって審査の基準は異なるため、自分の収入状況に見合った商品を選ぶことも、審査通過のポイントとなります。
少額から申し込む
クレジットカードやローンの審査に通りやすくするポイントとして、小額から申し込むことも挙げられます。
もしも収入の状況などが理由で、クレジットカードの発行やローンの審査に通らないことが続く場合は、いきなり高額な借入を希望するのではなく、まずは少額から申し込むようにしましょう。
また、クレジットカードの申請時にはキャッシング枠をゼロに設定することで、審査通過の可能性を高めることができます。
事故情報の原因を解消する
過去に借金の返済を滞らせたり、債務整理の手続きを行った経験がある場合、信用情報機関に「金融事故」として情報が登録されている可能性がある場合には、事故情報の原因を解消することが重要です。
実際に、このような情報が残っている間は、ローンやクレジットカードなどの審査に通るのは難しいので、審査の申し込みは控えるようにしましょう。
事故情報は、滞納などの原因を解消してから一定期間が経過すると削除されます。CICの場合、その期間は約5年です。
しかし、期間はあくまでも一般的な目安であり、正確な削除時期は個別の状況によって変わることがあります。
また、滞納を解消した日からカウントが始まるので、借金の返済を長期間放置していると、事故情報の登録期間もその分長引いてしまうので注意が必要です。
1社ずつ申し込む
クレジットカードやローンの申し込みは、一度に複数社に申し込むのではなく、1社ずつ慎重に行うことが重要です。
1社ずつ申し込む理由として、申し込み履歴や審査結果は、信用情報機関に記録される仕組みになっていることが挙げられます。
万が一、短期間のうちに複数のカードやローンに申し込むと、金融機関側から「資金繰りが厳しいのでは?」「返済に不安があるのでは?」と疑われてしまうリスクがあります。
このような状況は「申し込みブラック」と呼ばれ、審査に不利に働く原因となるのです。
そのため、審査に落ちてしまった場合は、すぐに次の申し込みをせず、少なくとも3か月ほどの期間を空けることをおすすめします。
このように、冷静に計画を立て、信用情報に悪影響を与えないよう注意しましょう。
クレジットカードやローンの審査に落ちてしまう原因

クレジットカードやローンの審査に落ちてしまう原因については、以下の3つが挙げられます。
- 信用情報に問題がある
- 他社から多く借入している
- 申し込み内容に虚偽がある
それぞれの原因について解説していきます。
信用情報に問題がある
クレジットカードやローンの申請が通らない原因の一つに、「信用情報」に関する問題が挙げられます。
例えば、クレジットカードの支払いの遅延やキャッシングの返済遅れ、過去に債務整理を行った経歴があると、信用情報機関に登録された情報により、審査が通らないこともあります。
クレジットカードやローンの申し込みがあった際、金融機関や保証会社は、その人の信用情報を照会し、他社での利用状況や返済の履歴などを確認しています。
特に注目されるのが、支払い遅延などの「事故情報」の有無で、これらの情報を踏まえ、返済能力に見合った融資が行われます。
他社から多く借入している
すでに複数の金融機関から多額の借入がある場合、新たなクレジットカードやローンの審査を通過するのは難しくなる傾向があります。
これは「総量規制」と呼ばれる法律が関係しており、年収の3分の1を超える借入は原則として認められていません。
例えば、年収が300万円の人であれば、貸金業者からの借入は最大で100万円が限度となります。
また、この規制は消費者金融などの貸金業者に適用されますが、銀行からのローン申し込みにおいても、すでに多額の債務があると返済能力が不足しているとみなされ、審査に落ちる可能性が高くなります。
参考:貸金業法Q&A:金融庁
申し込み内容に虚偽がある
ローンを申し込む際に、事実と異なる情報を記載すると、審査が通らなくなる可能性が高くなります。
特に、勤務先の情報に関しては金融機関が確認を行う場合があり、虚偽の内容は発覚しやすいです。
この確認作業は「在籍確認」と呼ばれており、申込者が申告した職場で実際に勤務しているかを確かめるものです。
例えば、申込者のプライバシーに配慮しつつ、ローン会社の担当者が個人名で勤務先へ電話をかけて、本人がその職場に在籍しているかどうかを確認することがあります。
万が一、電話をかけた時に本人が不在だったとしても、他の社員の対応で在籍が確認できれば確認は完了となります。
CICで自身の信用情報を確認しよう!

今回は、CICに情報開示をするとどうなるのかについて紹介しました。
CICに情報開示をすると、自分の信用情報を確認することが可能です。
この手続きを行った履歴はCICに保存されますが、その履歴自体が信用情報の評価に影響を与えることは基本的にありません。
信用情報をチェックすることで、現在利用しているクレジットカードやローンの状況、残っている債務の総額などを冷静に把握することができます。
また、情報を正しく理解することは、自分自身のお金の使い方や管理方法を見直す良い機会となるでしょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。