2025.11.14

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法人の資金調達方法とは?資金調達の種類から注意点について徹底解説

法人資金 調達

読了目安時間:約 6分

企業が持続的に発展して、安定した経営を実現するには、資金調達が不可欠です。

資金調達の方法にはさまざまな選択肢があり、採用する調達方法によって準備や手続きの内容、難しさが大きく異なってきます。

そのため、自社の状況や目的に最も合った資金調達方法を見極めるためにも、それぞれの特徴や仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、法人の資金調達方法について紹介します。「法人の資金調達の種類」や「法人の資金調達する際の注意点」についても解説しますので、法人の資金調達方法について理解を深めてみてください。

法人の資金調達方法

法人の資金調達方法

法人の資金調達方法については、以下の7つが挙げられます。

  • 方法①:融資
  • 方法②:社債の発行
  • 方法③:M&A(事業譲渡)
  • 方法④:株式発行
  • 方法⑤:クラウドファンディング
  • 方法⑥:固定資産の売却
  • 方法⑦:補助金・助成金

それぞれの資金調達方法について解説していきます。

方法①:融資

法人が資金を調達する際、最も広く利用されている方法のひとつが融資です。

融資は、これまでに積み重ねた実績や信用力のある企業にとって特に適しており、日々の運転資金から将来的な設備投資まで、幅広い目的に対応可能です。

しかし、資金を借り入れる以上、継続して返済をおこなう力が必要とされ、安定した利益体制が前提条件となります。

融資元としては、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などの政府系機関があり、これらの機関から受ける融資は、低金利で資金使途の柔軟性が高く、利子補給制度や各種支援策が整っている点で優れています。

中小企業を対象とした施策の中には、担保や保証を不要とする制度融資や創業期の企業を支援する特別なプランも存在しています。

そのため、自社の状況に応じて他の資金調達手段とも比較しながら判断することが求められます。

方法②:社債の発行

社債とは、企業が必要な資金を確保するために発行する債券の一種で、投資家から直接お金を集める方法として活用されます。

企業側は社債を発行することで、金融機関を介さずに資金を調達することが可能になります。

特徴として、あらかじめ決められた満期日に、投資家に対して元本を返済する義務があるということです。

発行時に設定された償還期限が到来すれば、企業は元本を全額返済する必要があり、その期間中には、定期的な利息の支払いも必要となるので、発行する企業は満期時に問題なく返済できるかなどを十分に検討する必要があります。

このように社債は、金利条件や返済計画を慎重に設計しなければならない資金調達手段であり、投資家にとっても企業の信用力を見極めることが重要となります。

方法③:M&A(事業譲渡)

M&Aとは、企業が他の会社や事業を統合・取得する手法を指します。

日本語では「合併・買収」と訳され、企業戦略のひとつとして多くの場面で活用されています。

M&Aを実施することにより、企業は資金を一括で得られるほか、外部からの信頼性やブランド価値を高めることも期待できます。

たとえ経営状況が芳しくない事業であっても、買い手側の戦略と一致すれば、思わぬ高値がつく可能性もあります。

ただし、M&Aは買収側との条件交渉が成立して初めて実現するため、資金調達の手段として即効性があるとは言えないので注意が必要です。

参考:事業承継 | 中小企業庁

方法④:株式発行

投資家から資金を集める方法の一つとして、新たに株式を発行するという手段があります。具体的には、企業が新株を発行することによって、投資家から直接資金を調達する方法です。

しかし、株式発行が可能なのは株式会社に限られており、合同会社や合資会社、合名会社ではこの方法を採ることはできません。※「持分」の追加出資を受け入れることで資金調達をおこなうことは可能。

また、上場していない中小企業やスタートアップの場合、不特定多数の投資家から資金を集めるのは難しく、資金調達の手段として実行に移すまでには障壁が多いと言えます。

方法⑤:クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネット上で特定の目的を掲げたプロジェクトを立ち上げ、不特定多数の人々から広く資金を募る仕組みです。

この仕組みでは、資金の使い道を明確にした上で、共感を得た個人や団体から支援を集めることが可能になります。

最も広く知られている形式は「購入型」と呼ばれ、支援者に対してリターンを提供する形で支援を受けるものです。

他にも、支援者に物品や権利を提供せず、善意による支援を受ける「寄付型」、さらには株式や新株予約権などを対価として提供する「投資型」など多様な形態があります。

参考:クラウドファンディングの仕組み|消費者庁

方法⑥:固定資産の売却

固定資産の売却は、短期間でまとまった資金を確保するための非常に直接的かつ効果的な方法です。

特に、資産を持て余している企業や経営が安定している企業にとって、有力な選択肢となります。

例えば、使用していない土地や設備、倉庫などの遊休資産を売却することで、その分を現金に換えることができ、資金調達のスピードも速いのが特長です。

また、減価償却費や固定資産税などの固定的な負担も軽減されるので、結果的に財務体質の強化や経営効率の向上にもつながります

このように、余剰な資産を保有している企業にとっては、固定資産の売却は一時的な資金需要に対応するだけでなく、将来的な財務改善にも貢献する実用的な手段と言えます。

方法⑦:補助金・助成金

補助金や助成金の最大の特長として、返済義務がないことが挙げられます。

そのため、創業間もないスタートアップから成長段階にある企業まで、幅広いフェーズで活用が可能です。

特に、新たな設備導入や新規事業への挑戦など大きな支出が伴う場面においては強力な後押しとなります。

しかし、どの企業でも無条件に受け取れるわけではなく、制度ごとに設けられた審査基準や申請手続きの準備負担を事前に十分理解する必要があります。

また、申請には各制度で定められたスケジュールに合わせる必要があり、採択されても基本的には後払い方式になるので、まず自己資金での対応が求められます。

法人の資金調達の種類

法人の資金調達の種類

法人の資金調達の種類については、以下の4つが挙げられます。

  • 種類①:デッドファイナンス
  • 種類②:エクイティファイナンス
  • 種類③:アセットファイナンス
  • 種類④:その他

それぞれの種類について解説していきます。

種類①:デッドファイナンス

デッドファイナンスとは、企業の負債を増やすことで資金調達を行う方法です。

具体的には、金融機関からの借入や社債の発行による資金調達が該当します。

特徴として、調達した資金を返済する必要があることです。

借り入れた金額や期間に応じて利息が生じることもあるので、返済負担について事前にしっかりと考える必要があります。

種類②:エクイティファイナンス

エクイティファイナンスとは、企業が株主資本を増やすことで資金を調達する方法を指します。

株主からの出資を意味し、この形態には新株の発行などが含まれます。

また、近年注目されている投資型クラウドファンディングもエクイティファイナンスの一種として捉えられています。

デットファイナンスと異なり、出資者に対して資金を返済する義務がない点が大きな特長です。

企業が新たに発行した株式を通じて集めた資金は、負債ではなく自己資本として計上されるので、財務の健全性を高める効果もあります。

種類③:アセットファイナンス

アセットファイナンスとは、企業が所有する資産を活用して資金を調達する手段です。

具体的には、売掛金を利用するファクタリングや、保有している固定資産の流動化・売却などが該当します。

メリットとして、借入に頼らず資金を得られる点にあり、資金調達の際に負債を増やす必要がないので、財務指標のひとつである負債比率を維持したい企業にとっては有効な手段です。

また、借入と異なり返済義務が発生しないので、キャッシュフローへの圧迫を避けつつ柔軟な資金運用が可能になります。

特に、金融機関からの融資が受けにくいスタートアップや資産を多く保有する中小企業にとっては、アセットファイナンスは現実的で即効性のある選択肢となります。

種類④:その他

その他については、助成金や補助金といった公的支援(グラントファイナンス)が挙げられます。

これらの公的支援は基本的に返済義務がなく、企業の負債を増やすこともありません。

しかし、実際に申請するとなると、書類の準備が煩雑だったり、採択後には定期的な報告が求められたりと、相応の手間がかかってしまうので注意が必要です。

万が一、準備や対応に時間を取られすぎて、本業の業務が後回しになってしまっては、本来の経営活動に支障をきたすリスクもあります。

そのため、申請を検討する際には、実際の業務負担とのバランスを考えることが重要です。

法人の資金調達をする際のポイント

法人の資金調達をする際のポイント

法人の資金調達をする際のポイントについては、以下の3つが挙げられます。

  • 目的を明確にしておく
  • 事業計画書を入念に作成する
  • 金融機関や投資家から信用を得る

それぞれのポイントについて解説していきます。

目的を明確にしておく

法人の資金調達をする際のポイントとして、資金調達の目的をはっきりと定めることです。

金融機関から融資を受ける場合、「何のために資金が必要なのか」が不明確だと、貸し手側は返済能力や信頼性を判断する材料に欠けてしまいます。

また、調達の目的を明確にすることで、必要となる資金の規模を具体的に見積もることが可能になります。

適切な資金計画を練るには、まず「どのくらいの資金を調達すべきか」という点を明らかにしておくことが重要です。

事業計画書を入念に作成する

法人の資金調達をする際には、事業計画書を入念に作成することがポイントの一つです。

効果的な事業計画書を作成するには、以下の軸で構成するようにしましょう。

  • 法人の基本情報
  • 取り組む事業の内容
  • 市場や社会環境の分析
  • 収支の見通し
  • 資金の流れ

このように、全体を通して、過去の実績データなどを活用して計画の信頼性を高め、将来的な発展性や継続性が伝わるよう意識してまとめることをおすすめします。

金融機関や投資家から信用を得る

法人の資金調達をする際には、金融機関や投資家から信用を得ることがポイントになります。

企業が金融機関からの借入や株式を新たに発行して資金を調達する際には、まず企業としての信用力が問われるのも事実です。

具体的に、信用を築くには、過去の安定した経営成績に加え、将来性のある事業展開を具体的に示すことが欠かせません。

単なる期待や理想ではなく、客観的なデータと数値を伴った事業計画書を作成し、金融機関や投資家に企業の成長性をしっかり伝えることが重要です。

法人の資金調達する際の注意点

法人の資金調達する際の注意点

法人の資金調達する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。

  • キャッシュフローを把握する
  • 資金繰りの計画を立てる
  • 資金調達のデメリットを理解しておく

それぞれの注意点について解説していきます。

キャッシュフローを把握する

法人の資金調達する際には、将来的に元金の返済や利息の支払いといった義務が発生するため、事前に慎重な資金計画が求められます。

特に、キャッシュ・フローに無理が生じないよう、現状の資金の流れを正確に把握するとともに、今後の収支予測を立てることが不可欠です。

また、資金繰り表を定期的に作成し、月次・週次単位で入金と支出のスケジュールをチェックすることで、資金不足を未然に防ぐ体制づくりにもつながります。

資金繰りの計画を立てる

法人の資金調達する際の注意点として、しっかりとした資金繰りの計画を立てることが不可欠です。

資金繰り計画とは、将来的な資金の流入と流出を見通し、資金不足を防ぐために管理する仕組みです。

例えば、返済義務が発生しない助成金や補助金であっても、会社の経営状況を的確に把握し、将来的に起こり得る課題に備えるには、資金繰りの見通しを立てておくことが重要です。

資金の流れを明確にし、健全な財務運営を支えるためにも、計画的な資金管理は欠かせません。

最適な資金調達方法を選ぼう!

最適な資金調達方法を選ぼう!

今回は、法人の資金調達方法について紹介しました。

法人が資金調達する方法としては、銀行などの金融機関からの借入以外にもさまざまな選択肢が存在します。

特に、まとまった資金が必要な場合には、融資に限らず、出資の受け入れや、国や自治体が提供する補助金・助成金制度を活用することも重要です。

資金調達する際には、自社の状況や資金ニーズに応じて最適な方法を検討することが重要です。

今回の記事を参考にして、最適な資金調達方法を選びましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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