2025.11.19

創業融資

融資と投資の違いとは何か?メリット・デメリットについても徹底解説

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読了目安時間:約 7分

融資は、銀行などの金融機関から資金の貸付けを受け、将来的に元本および利息を返済する義務を負う資金調達手段です。

一方、投資は、ベンチャーキャピタルや投資ファンド、個人投資家などから出資を受け、原則として元本の返済義務を伴わない資金調達の形態を指します。

資金調達手段としての融資と投資の最大の違いは、返済義務の有無にあります

本記事では、融資と投資の違いを中心に、それぞれを受ける場合のメリット・デメリットについても分かりやすく解説します。

資金調達を検討する際の判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

融資と投資の違いとは何か?

融資と投資の違いとは何か?

融資と投資の違いについては、以下の6つが挙げられます。

  • 資金提供者
  • 資金提供の目的
  • 返済義務の有無
  • 財務諸表上の仕訳
  • 経営への関与度合い
  • 審査基準

それぞれの違いについて解説していきます。

資金提供者

融資と投資では、資金を提供する主体が異なります。

融資は、銀行・信用金庫・信用組合などの民間金融機関に加え、日本政策金融公庫や地方自治体、商工会議所等が実施する公的融資も含まれます。これらは、一定の金利を前提として資金を貸し付けるスキームです。

一方、投資では、主にベンチャーキャピタルや機関投資家、個人投資家といった多様な出資者が関わります。中には専門的な投資家だけでなく、「企業を支援したい」「自分の資産を運用したい」といった思いから資金を出す個人投資家も存在します。

このように、融資と投資では資金提供者の属性や関わり方が大きく異なる点を理解しておくことが重要です。

資金提供の目的

金融機関が行う融資は、契約で定められた利息の支払いを通じて収益を得ることを主目的としており、特に重視されるのは、「貸し出した元本が期限までに確実に回収されること」です。

これに対して、投資家が資金を提供する際に重視するのは、投資先となる企業や事業の将来的な成長可能性です。

事業が順調に発展し、企業価値が上がれば、その株式を高値で売却することで利益(キャピタルゲイン)を得ることができます。

そのため、投資の成果は企業の成長と密接に結びついています。

このように、投資と融資では目的が異なるので、資金提供の判断基準も変わっていき、投資では「将来の成長性」に、融資では「返済能力の確実性」に重点が置かれます。

返済義務の有無

融資では借入金として取り扱われ、返済期限と利息が契約によってあらかじめ定められており、その条件に従って元本と利息を返済する義務が生じます。

一方、投資による資金調達には、提供された資金が企業の自己資本として扱われるので、原則として返済義務はありません。その代わり、企業が生み出した利益や企業価値の向上によって、投資家にリターンを提供していく構造となっています。

返済義務の有無は、資金調達後の資金繰りや財務戦略に大きな影響を与えるため、事業計画や成長ステージに応じて慎重に選択すべきポイントです。

財務諸表上の仕訳

融資と投資は、企業の財務諸表における会計処理にも明確な違いがあります。

投資(出資)による資金調達は、貸借対照表上の「資本金」「資本剰余金」などの純資産の部の増加として計上されます。自己資本が増加することにより、自己資本比率の改善や財務基盤の安定化といった効果が期待できます。

一方、融資による資金調達は、貸借対照表の「短期借入金」「長期借入金」といった負債の部に計上され、返済義務のある債務として扱われます。借入金が増加すると、負債比率の上昇や利息負担の増加につながるため、金融機関や取引先からの信用評価にも影響し得ます。

このように、同じ「資金調達」であっても、財務諸表上の表示や財務指標への影響が異なる点を踏まえた検討が求められます。

経営への関与度合い

融資の場合、金融機関などからの借り入れであり、資金提供者が企業の運営に直接介入することはありません。契約に基づき、定められた返済を滞りなくおこなっていれば、企業側の経営の自由度は基本的に確保されます。

一方、投資の場合、資金提供は株式の引受け等を通じて行われるのが一般的であり、投資家は株主として議決権を持つ立場になります。
特に、議決権の過半数以上が外部株主に移転した場合、取締役の選任・解任や経営方針など、重要な意思決定への影響力が強まる可能性があります。

経営の自由度を重視するのであれば、融資による資金調達が適している場合が多く、
一方で、経営支援・ネットワーク・ノウハウ提供など、資金以外の付加価値も重視する場合には、投資を活用する選択肢も考えられます。

審査基準

融資の場合、返済能力の確実性が最も重視され、過去の業績や財務の安定性、担保の有無、経営者の信用情報といった具体的なデータに基づいて審査がおこなわれます。

一方、投資では、将来的な成長性や市場での可能性が評価の中心となります。

独自性のあるビジネスモデルや大きな市場ポテンシャル、競合他社に対する優位性、経営陣の経験や実力などが出資の判断材料になります。たとえ創業間もない企業であっても、高い成長性が見込まれれば、多額の資金調達が実現することもあります。

しかし、融資においては実績や信用が重視されるので、同様の企業が資金を得るのは難しい場合があります。

このように、資金調達のしやすさは企業の成長段階によって変わり、すでに安定した収益をあげている成熟企業であれば、金融機関からの融資を受けやすい傾向があります。

新たな市場に挑戦するスタートアップや新規事業を立ち上げたばかりの企業にとっては、将来性を評価される投資の方が、より適した手段となるケースが多いと言えます。

融資を受けることのメリット

融資を受けることのメリット

融資を受けることのメリットについては、以下の2つが挙げられます。

  • 第三者が経営に介入しない
  • まとまった資金を得られる

それぞれのメリットについて解説していきます。

第三者が経営に介入しない

銀行などからの融資による資金調達では、出資者が企業の経営に直接関与することは通常ありません。

そのため、経営者自身のビジョンに基づいた事業展開がしやすくなるというメリットがあります。

仮に資金を確保できたとしても、出資者の意向が経営に影響を及ぼすような状況では、経営の柔軟性が失われ、事業の進行に支障をきたす可能性があります。

このようなリスクを避け、自らの裁量で事業を進めたいと考える場合には、経営の自由度が保たれる融資が有効と言えます。

まとまった資金を得られる

融資は、投資に比べて一度に多額の資金を確保しやすい手段とされています。

特に、日本政策金融公庫や自治体等の公的融資制度を活用することで、民間金融機関に比べて低金利・長期での借入れが可能となる場合もあります。

また、返済を計画的に継続し、金融機関との取引実績を積み重ねることで、信用力が高まり、将来的な追加融資や新規融資を受けやすくなる効果も期待できます。
このように、融資は中長期的な資金計画や設備投資などに適した資金調達手段と位置づけられます。

参考:日本政策金融公庫

融資を受けることのデメリット

融資を受けることのデメリット

融資を受けることのデメリットについては、以下の3つが挙げられます。

  • 返済義務がある
  • 審査が厳しい
  • 保証人や担保が必要になるケースもある

それぞれのデメリットについて解説していきます。

返済義務がある

融資による資金調達をおこなう際には、あらかじめ設定された返済期間内に元本と利息の両方を返済する義務が発生するデメリットが挙げられます。

実際に、手元に入る資金以上の金額を返す必要があるので、その点を踏まえた慎重な資金管理が求められます。

資金繰りに悪影響を及ぼさないためにも、資金の使い道に加えて、返済スケジュールを見据えた計画を立てておくことが不可欠です。

また、融資を受ける際には金融機関の審査を通過する必要があり、その際には事業計画書や返済計画書などの書類提出が求められます。

このように、スムーズに融資手続きを進めるためには、これらの書類を事前に整えておくことが大切です。

審査が厳しい

銀行等から融資を受けるには、厳格な審査を通過する必要があります。提出書類も多岐にわたるため、内容の整合性や説明の一貫性を含め、事前準備に一定の時間と労力を要します。

事業計画や返済計画の内容が曖昧であったり、財務内容に問題がある場合には、希望額どおりの融資が受けられない、あるいは融資自体が否決される可能性もあります。

また、一度審査で否決された場合、同一金融機関に再申請できるまでに一定期間を要することもあり、資金計画に影響を与える点にも注意が必要です。

保証人や担保が必要になるケースもある

融資審査の結果次第で、返済能力が不十分と見なされることがあり、保証人の設定や担保の提供を求められる場合があります。

特に、スタートアップなどで事業用資産が乏しい場合には、経営者自身の個人資産を担保として差し出さなければならないケースも珍しくありません。

そのため、事業が想定通りに進まなかった場合には、会社の経営だけでなく、経営者個人の財産や貯蓄にも損失が及ぶリスクに注意する必要があります。

投資を受けることのメリット

投資を受けることのメリット

投資を受けることのメリットについては、以下の3つが挙げられます。

  • 返済する必要がない
  • 投資家からアドバイスをもらえる
  • 資金用途に制限がない

それぞれのメリットについて解説していきます。

返済する必要がない

投資による資金調達では、受け取った資金は原則として返済義務を伴いません。

また、融資のような利息支払いも不要なため、毎月のキャッシュアウトを増やさずに成長投資に資金を充当できる点は大きなメリットです。

事業が計画どおりに進まなかった場合でも、借入金の返済負担に直結しないため、資金繰り悪化のリスクを一定程度抑える効果もあります。

その分、投資家には将来の成長や株式価値の上昇を通じてリターンを提供することが求められます。

投資家からアドバイスをもらえる

投資を受けることで、投資家から実践的な知見や豊富な経験に基づく貴重なアドバイスをもらえるメリットが挙げられます。

こうした助言は、事業の方向性を見極める上で参考になり、企業の成長を後押ししてくれる可能性があります。

また、投資家とのつながりを通じて、普段の生活では出会えないような人脈にもアクセスできるようになります。

こうした新たな出会いは、経営者としての視野を広げるとともに、より社会のニーズを的確に捉えたビジネスの構築に繋がります

その結果、事業を一層発展させるためのヒントや機会を得やすくなり、成功への道筋がより明確になると言えます。

資金用途に制限がない

投資で調達した資金は、融資に比べて用途の自由度が高いことが一般的です。

銀行融資のように「設備資金」「運転資金」等の用途制限が厳格に定められていない場合も多く、事業の状況に応じて柔軟に資金配分を行うことが可能です。

もっとも、法的な制約が少ないからといって、資金を自由に使ってよいわけではありません。

投資家は、あらかじめ説明を受けた資金使途や事業計画に基づいて出資を決定しているため、資金の使い道については、事前の説明と実際の運用との整合性が重要となります。

投資を受けることのデメリット

投資を受けることのデメリット

投資を受けることのデメリットについては、以下の3つが挙げられます。

  • 経営に関与される
  • 十分な資金を得られない可能性がある
  • 経営権を脅かされる恐れがある

それぞれのデメリットについて解説していきます。

経営に関与される

投資による資金調達では、株式の発行により投資家が株主としての立場を持つことになります。

株主には株主総会等での議決権が認められているため、経営に対する一定の関与や意見表明が行われることがあります。

特に、議決権比率の高い株主が反対した場合、経営者が進めたい事業計画が実行困難となるケースも想定されます。

このため、投資を受ける際には、資金だけでなく経営への影響力も含めて、どこまで受け入れるかを慎重に検討する必要があります。

十分な資金を得られない可能性がある

投資による資金調達には、十分な資金を得られない可能性がある点に注意が必要です。

多くの場合、企業は出資の対価として株式を発行しますが、株価が低く評価されている場合には、十分な資金を確保できない恐れがあるのも事実です。

また、企業の業績が向上すれば、配当金や株主優待といった株主への利益還元を求められる場面も増え、それが新たなコスト負担になる可能性があります。

このように、資金調達手段を選ぶ際には、単なる利息の有無だけでなく、将来的な負担も含めた総合的な視点で検討することが重要です。

経営権を脅かされる恐れがある

投資によって資金を調達する際には、株式の発行による持ち株比率の変動に注意が必要です。

新たに発行された株式を投資家が取得することで、経営者自身の持ち株比率が低下する場合、企業の意思決定権が出資者側に移ってしまうリスクが生じます。

このように、資金調達を目的とした株式の発行は、経営権の希薄化につながる可能性があるので、出資比率の変化が経営体制に及ぼす影響を事前にしっかりと把握しておくことが重要です。

自社の状況を踏まえて最適な資金調達方法を選ぼう!

自社の状況を踏まえて最適な資金調達方法を選ぼう!

今回は、融資と投資の違いについて紹介しました。

融資と投資は、いずれも企業が資金を確保するための手段である点では共通していますが、返済義務の有無や経営の自由度といった側面では大きく異なります。

これらの違いは、資金調達後の経営判断や企業運営に影響を及ぼすのも事実です。

今回の記事を参考にして、自社の状況を踏まえて最適な資金調達方法を選ぶようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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