2025.11.27

会社設立

運転資金を融資で調達する方法とは?調達するコツについても徹底解説

運転資金 融資

読了目安時間:約 8分

事業を安定的に継続するためには、日々の経営活動を支える「運転資金」を適切に確保しておくことが欠かせません。

運転資金を融資で調達する方法には複数の種類があり、それぞれに申込み要件や借入可能な金額、審査の通りやすさといった違いがあります。

本記事では、運転資金を融資で調達する方法について紹介します。加えて「運転資金を融資で調達する際のコツ」や「融資以外での運転資金の資金調達方法」についても解説しますので参考にしていただければ幸いです。。

運転資金とは何か?

運転資金とは何か?

運転資金とは、企業が日常の事業活動を滞りなく進めるために必要となる資金を指します。

飲食業であれば原材料の調達や機械の導入などに費用がかかったり、建設業であれば下請け業者への支払い、資材の購入などさまざまな支出が伴います。

商品やサービスの売上が実際に計上されるまでには、先にこれらの費用を支出する必要があり、支払いと収入のタイミングにズレが生じる「資金ギャップ」を埋めるのが運転資金の役割です。

万が一、資金の流れを適切に管理できなければ、手元資金が不足し、借入に頼った不安定な経営、いわゆる自転車操業に陥るリスクが高くなります

さらに、売上が拡大すると、それに応じて必要な経費も増えてしまうので、運転資金の需要も大きくなります。

運転資金の種類については、以下の5つが挙げられます。

  • 種類①:経常運転資金
  • 種類②:増加運転資金
  • 種類③:減少運転資金
  • 種類④:季節運転資金
  • 種類⑤:設備未払金決済運転資金

それぞれの種類について解説していきます。

種類①:経常運転資金

経常運転資金とは、日常的な業務運営を維持するために必要な資金を指します。

例えば、企業が商品や原材料を仕入れた際、その代金は通常すぐに支払う必要があります。一方、これらの商品が販売されて売上として入金されるまでには時間差があり、その間の資金を企業が負担しなければなりません。

このように、売上の入金前に発生する支出には、仕入れ代だけでなく、人件費や賃貸料などの継続的な経費も含まれます。

経常運転資金は、こうした支出に対応するための基本的な資金として、企業経営にとって重要な役割を果たしていると言えます

種類②:増加運転資金

増加運転資金とは、企業が事業を拡大していく際に、これまで以上に必要となる資金です。

例えば、売上が伸びれば、それに比例して商品の仕入れや外注費といった出費も膨らんでいきます。

しかし、売上による入金が実際に企業の口座に反映されるまでには一定の時間がかかり、この時間差、いわゆるキャッシュフローのズレは、事業の拡大によっても解消されません。

この資金の時間差を見誤ると、黒字経営であっても資金繰りが追いつかず、最悪の場合は資金不足によって倒産してしまう「黒字倒産」に陥るリスクもあります。

そのため、事業拡大時には増加運転資金をしっかりと見積もり、計画的な資金管理が欠かせません

種類③:減少運転資金

減少運転資金とは、売上が落ち込んだ際に発生する資金繰りのギャップを埋めるために必要な運転資金を指します。

実際に、売上が減って入金が少なくなったとしても、企業が支払わなければならない経費は変わらず継続して発生します。

また、売上が好調だった時期に発注した商品や原材料の代金といった支払いも時期をずらしてやってくるため、売上が落ちた直後でも資金の支出は大きなまま残る場合があります。

そのため、手元の資金だけでは支払いが難しくなり、資金繰りが悪化してしまうケースがあるのも事実です。

こうした状況では、金融機関からの借入などを通じて資金調達をおこなわなければならないケースが多く、早めの対応と資金管理が重要になります。

種類④:季節運転資金

季節性運転資金とは、特定の時期にだけ発生する業務活動に対応するために、企業が一時的に必要とする資金を指します。

業種やビジネスの内容によって、その必要時期はさまざまですが、季節ごとに需要が大きく変動する商品やサービスを扱う場合、特定の期間に集中して多額の仕入れや支出が求められることになります。

例えば、夏場のエアコン販売や冬の暖房器具の需要などが典型的なケースとして挙げられます。

また、夏季・冬季のボーナス支給といった人件費の増加も季節性の資金需要に含まれます。

こうした時期的な資金ニーズに備えるには、年間を通じた資金計画と十分な準備が欠かせません

種類⑤:設備未払金決済運転資金

設備未払金決済運転資金とは、既に発生した設備投資にかかる未払い金や手形の決済期限が到来した際に、一時的に必要となる資金を指します。ただし、融資では通常、設備資金として扱われる項目です。

特に、業績が悪化し支払いが半年以上滞ってしまうと、その未払い分が経営の資金繰りに深刻な影響を与えることがあります。

このような長期の未払いが続くと、金融機関からの信用が低下し、追加の融資を受けにくくなる可能性があります。

そのため、こうした事態に備えて早めに対策を講じ、資金計画を見直すことが不可欠です。未払い状態を放置せず、早期に対応することで、事業の健全性を保つことができます。

運転資金を融資で調達する方法

運転資金を融資で調達する方法

運転資金を融資で調達する方法については、以下の5つが挙げられます。

  • 方法①:日本政策金融公庫
  • 方法②:銀行
  • 方法③:信用金庫
  • 方法④:ノンバンク
  • 方法⑤:制度融資

それぞれの方法について解説していきます。

方法①:日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が全額出資して運営している公的な金融機関であり、用途に応じた多様な運転資金向け融資制度を展開しています。

特徴として、一部の融資制度において担保や利息が不要なものがあり、全体的に金利が民間よりも低めに設定されていることが挙げられます。

これにより、中小企業や個人事業主にとって利用しやすい融資先となっているのも事実です。

しかし、融資を申し込む際には多くの書類を準備する必要があり、審査にもある程度の時間を要するので、緊急性の高い資金調達にはあまり適していない点には注意が必要です。

参考:日本政策金融公庫

方法②:銀行

銀行融資とは、企業が運転資金を確保する際の主要な手段の一つです。

特に、信用力の高い企業にとっては、比較的スムーズに融資を受けられる可能性が高く、安定的な資金調達手段として広く利用されています。

銀行からの融資を受けることによって、計画的に資金を確保できるというメリットがありますが、一方で審査が厳しく、融資条件として担保の提供や保証人の設定が求められるケースもあります。

メリットとしては、低い金利で資金を借り入れられることに加え、長期的な返済スケジュールを組める点が挙げられます。

また、継続的な取引を通じて銀行との関係性を深めることで、将来的により好条件での融資が受けられる可能性も高まります

方法③:信用金庫

信用金庫は、地域の経済活性化を目的として設立された金融機関であり、地元企業、特に中小企業への支援を重視しています。

そのため、大手銀行と比べて地域密着型のサービスを提供しているのが特徴です。

メリットとして、地域や会員の利益を第一に考える経営姿勢があるので、一般的に地方銀行よりも融資審査が比較的柔軟である傾向があります。

一方、銀行と比べると融資の上限額がやや低く設定されている場合があり、また金利も高めになるケースが見られます。

そのため、信用金庫を利用する際には、メリットとデメリットをしっかり比較検討することが重要です。

方法④:ノンバンク

ノンバンクとは、銀行のように預金業務はおこなわず、貸付業務に特化した金融機関を指します。

具体的には、消費者金融会社や事業者向けローンを提供する企業などが該当します。

特徴として、融資までのスピードにあり、条件が整えば、申請から即日に資金を受け取れるケースもあり、急ぎの資金ニーズに対応しやすいメリットが挙げられます。

一方、ノンバンクからの借入は金利が高めに設定されていることが多く、長期間にわたって返済を続ける場合や多額の資金が必要なケースでは、返済負担が重くなるリスクがあります。

そのため、利用にあたっては金利や返済計画を十分に確認し、慎重に判断することが大切です。

参考:ノンバンクの業務運営のあり方、資金調達の多様化等|金融庁

方法⑤:制度融資

融資制度とは、地方自治体・金融機関・信用保証協会の三者が協力して提供する資金調達支援の仕組みです。

地域ごとに異なる条件や内容が設定されているので、利用を検討する際には事前の情報収集が欠かせません。

メリットとして、金利が低めに設定されていたり、比較的長期間にわたる融資にも対応している点が挙げられます。

しかし、融資には複数の関係機関が関与するので、審査や手続きに時間がかかる傾向があるので、的余裕を持って申請することが重要です。

参考:東京都中小企業制度融資

運転資金を融資で調達する際のコツ

運転資金を融資で調達する際のコツ

運転資金を融資で調達する際のコツについては、以下の5つが挙げられます。

  • 資金用途を明確にしておく
  • 現実的な計画を立てる
  • 提出書類に不備がないようにする
  • 面談対策をする
  • 自己資金を準備する

それぞれのコツについて解説していきます。

資金用途を明確にしておく

運転資金を融資で調達する際のコツとして、資金用途を明確にしておくことが挙げられます。

金融機関へ融資を申し込む際には、「その資金を何に使うのか」を具体的に説明することが求められます。

実際に、使途が曖昧であったり、根拠が不十分だったりすると、審査の段階で信用性に疑問を持たれ、結果として融資が通りにくくなる恐れがあります。

例えば、「スタッフの給与支払いに充てたい」「商品の仕入れ資金として必要」など、具体的な支出項目ごとに金額を明確に整理して提示することが大切です。

また、その資金が事業の拡大や収益向上にどうつながるかを説明できれば、金融機関からの評価を高めることができ、有利な条件での融資が受けやすくなります

現実的な計画を立てる

金融機関に融資を申請する際は、実現可能性の高い返済計画書や事業計画書の提出が不可欠です。

信頼を得るには、実績やデータに裏打ちされた現実的な見通しが求められ、楽観的すぎる予測や非現実的な売上目標は避けるべきです。

具体的には、過去の経営実績や市場の傾向、競合の状況などを踏まえた分析をおこない、計画の裏付けを丁寧に示すことが重要です。

返済に関しては、資金繰り表などを活用し、毎月の収支を踏まえたキャッシュフローの見通しを明確に伝えることで、金融機関に安心感を与えることができます。

収益予測や支出計画を具体的な数値で示し、それに基づいてどのように返済していくのかを丁寧に説明することで、信頼性のある資金調達計画として評価されやすくなります

提出書類に不備がないようにする

融資を受ける際には、本人確認書類や所得証明書など所定の書類を正確に揃えて提出する必要があります。

これらの書類に不備があると、金融機関から差し戻しが発生し、再度の作成や修正が求められることになります。

再提出には手間や時間がかかるだけでなく、書類の内容に不正確さがあると、申請者の経営能力に疑念を持たれることもあり、審査通過の可能性が低くなる恐れがあります。

特に、何度も修正が生じるようなケースでは、融資の手続き全体が大幅に遅延するリスクもあるので、書類を提出する前に内容に漏れや間違いがないか、丁寧に確認してから提出することが重要です。

面談対策をする

日本政策金融公庫で融資を申し込むと、申請後に担当者との面談がおこなわれ、なぜ創業しようと思ったのかという背景や今後の事業展開の見込みなど幅広い質問を受けることになります。

質問の多くは、提出した事業計画書の内容に基づいているので、計画書に書いた内容をしっかり把握し、どのような考えで記載したのか、どんなデータや経験に基づいているのかといった具体的な裏付けを持って説明できるよう、事前に準備しておくことが重要です。

このように、自信を持って面談に臨むためにも、自分の事業に関する情報を整理し、計画の実現性や市場性について論理的に話せるようにしておきましょう。

自己資金を準備する

運転資金を融資で調達する際のコツとして、申請者がどれだけ自己資金を確保しているかは、金融機関にとって大きな判断材料となります。

自己資金とは、事業主が自分自身で用意した現金のことを指し、それは金融機関に対して「返済への意識の高さ」や「事業に対する真剣さ」を示す要素と見なされるためです。

全額を融資でまかなおうとするより、事業主自身も資金を投入している場合の方が、返済計画に対する信頼性や経営への責任感が感じられ、審査において好印象を与える可能性が高まります

特に、新たに事業を始めるタイミングや直近の決算で赤字が出ているような状況では、自己資金があるかどうかが審査結果に大きな影響を与えることもあります。

そのため、融資を申請する前には、可能な範囲で自己資金を準備しておくことが、審査通過の確率を高めることにつながります。

融資以外での運転資金の資金調達方法

融資以外での運転資金の資金調達方法

融資以外での運転資金の資金調達方法については、以下の3つが挙げられます。

  • ファクタリング
  • 補助金・助成金
  • クラウドファンディング

それぞれの方法について解説していきます。

ファクタリング

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権を活用して現金を確保する資金調達の手段です。

具体的には、売掛債権をファクタリング会社へ売却し、その際に手数料を差し引いた金額が現金として受け取れる仕組みです。

売掛金の入金を待たずに、期日前に資金を手にできるので、キャッシュフローの改善や一時的な資金不足への対応に効果的です。

また、ファクタリングは借金とは異なる取引なので、返済義務が生じず、担保や保証人も必要ないメリットがあります。

このように、ファクタリングは柔軟な資金確保の方法として、多くの企業に利用されています。

参考:ファクタリング|金融|東京都産業労働局

補助金・助成金

補助金・助成金とは、国や地方自治体、さらには商工会議所などの公的機関が企業や個人事業主を支援する目的の給付金制度です。

これらの制度は、支給される金額こそ比較的小規模な場合が多いものの、基本的に返済義務がない点がメリットです。

金融機関からの融資に不安を感じている方や返済の負担をできるだけ避けたいと考える方には、有効な資金調達手段となります。

しかし、補助金や助成金にはそれぞれ異なる支給要件や申請方法、必要書類、交付上限額などが設定されているので、利用する際には事前に詳細を確認することが重要です。

参考:小規模事業者持続化補助金について | 中小企業庁

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて広く一般の人々から資金を募る仕組みです。

目的に応じて「購入型」「寄付型」「投資型」「融資型」の4つの方式があり、特に事業の運転資金を確保したい場合は、投資型や購入型が実用的な選択肢と言えます。

メリットとして、資金を返済する必要がない点に加えて、プロジェクトの公開を通じて事業の知名度を高めたり、新たな顧客層にアプローチできたりする可能性があります。

特に、新商品や新サービスの企画においては、支援者からの反応を参考にしながら市場の需要を確認できるというメリットもあります。

参考:クラウドファンディングの仕組み|消費者庁

自社に状況に応じた調達方法を選ぼう!

自社に状況に応じた調達方法を選ぼう!

今回は、運転資金を融資で調達する方法について紹介しました。

企業が安定的に事業を継続・拡大していくには、運転資金の確保が重要です。

運転資金を確保する方法としては、日本政策金融公庫や銀行、ノンバンクなどの融資が挙げられます。

また、融資を申請する際には、資金の具体的な使用目的を明確にし、実現可能性のある事業計画を丁寧に作成することが求められます。

さらに、必要な書類に誤りや不足がないかを事前に確認し、スムーズに手続きを進められるよう準備を整えることが、融資成功のポイントとなります。

今回の記事を参考にして、自社の状況に応じた調達方法を選びましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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