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法人借入とブラックリスト|銀行融資以外の選択肢と審査落ちを防ぐポイント
読了目安時間:約 6分
「一度ブラックリストに載ったら、もうどこからも借りられない」「過去の支払遅延のせいで、会社の将来が閉ざされてしまった」。資金繰りに奔走する中で、金融機関からの冷たい返答に絶望を感じている方もいるでしょう。信用情報に傷があるという事実は、経営者にとって大きなプレッシャーとなります。
しかし、実はブラックリストという状態にあっても、法人借入の道が完全に断たれたわけではありません。そこで本記事では、「信用情報に傷がある状態での借入の現状」について解説します。「借入を成功させるための手順」や「審査が不安な時の方法」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
借入でブラックリストに載っている時の現状と影響

ブラックリストに載るということは、信用情報機関に過去の延滞や債務整理などの事故情報が記録されている状態を指します。この状態になると、銀行の審査ではシステム上で自動的に否決されることがほとんどです。
特に中小企業の法人融資では、代表者個人が連帯保証人になるケースが多く、個人の信用情報の傷が原因で法人としての借入がストップしてしまいます。資金繰りが悪化し、取引先への支払いや給与の支払いに支障が出るなど、経営に深刻な影響を及ぼしてしまうでしょう。
信用情報に傷があっても法人借入の道は残されている
銀行から断られたとしても、法人借入の道が完全に閉ざされたわけではありません。なぜなら、全ての金融機関が銀行と同じ審査基準で動いているわけではないからです。例えば、過去のデータよりも現在の事業収益や将来性を重視する会社も存在します。また、個人の信用情報が原因であっても、法人としての実績がしっかりしていれば、そちらを評価してくれる調達先もあります。
ブラックリストに載ったからと諦めてしまう前に、今の状況でも利用できる制度やサービスを正しく知るところから始めましょう。
なぜ銀行融資以外の選択肢が重要なのか
銀行融資は低金利で魅力的ですが、審査が非常に厳しく、結果が出るまでに数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。そのため、ブラックリストの状態では銀行の審査を通過する確率が極めて低く、結果を待っている間に会社が倒産してしまうリスクが生じます。
一方、銀行以外の選択肢(ノンバンクやファクタリングなど)は、審査のスピードが速く、独自の基準で判断してくれます。緊急時の資金調達に適しているといって良いでしょう。まずは目先の資金を確保し、その間に信用を回復させる戦略を取るなどして、長期的な視点で借入を検討しましょう。
ブラックリストの状態から法人借入を成功させるための手順

ブラックリストに載っている状態から借入を成功させるには、以下の手順で進めてみましょう。
- 現在の信用情報を正確に把握する
- 法人と個人のどちらに原因があるか切り分ける
- 事業計画書と返済計画書を準備する
- 複数の金融機関に相談する
Step1.現在の信用情報を正確に把握する
まずは、自分の信用情報がどのような状態にあるのかを正確に把握するところから始めてください。以下の3つの信用情報機関で情報開示請求の手続きをすれば、自分がブラックかどうかを確認できます。
| 個人信用情報機関 | 保有している情報 |
| 全国銀行個人信用情報センター(KSC) | ・奨学金 ・銀行のローン商品 |
| 株式会社シー・アイ・シー(CIC) | ・クレジットカード ・スマホ本体代の分割払い |
| 株式会社日本信用情報機構(JICC) | ・消費者金融のローン商品 |
開示請求をすると、どの支払いがいつから遅れているのか、あと何年で情報が消えるのかがわかります。原因がはっきりしないまま闇雲に融資を申し込んでも、審査落ちの履歴だけが増えてしまい、さらに借入が難しくなるため、まずは確認を行いましょう。なお、開示請求には1,000円程度の手数料が発生します。
Step2.法人と個人のどちらに原因があるか切り分ける
次に、審査落ちの原因が代表者個人にあるのか、それとも法人にあるのかを明確にします。個人のクレジットカード延滞が原因なら、法人の決算書が黒字であれば交渉の余地があるかもしれません。逆に法人側に問題がある場合は、経営改善計画を提示する必要があります。原因を特定することで、どこを補強すれば審査に通る可能性があるのか、ターゲットにすべき金融機関はどこなのかが見えてきます。
Step3.事業計画書と返済計画書を準備する
次に、事業計画書と返済計画書を準備しましょう。信用に傷がある以上、口頭での説明だけでは納得してもらえないためです。その際、なぜ過去に延滞が起きたのか、現在はどう改善されているのか、今後の売上からどう返済していくのかを数値で示した事業計画書を用意してください。
過去の失敗を隠さず、過去の問題を上回る将来の収益性を証明できれば、金融機関の担当者も上司や審査部門に対して、前向きな検討を依頼しやすくなります。客観的に見て納得のできる計画書を作りましょう。
Step4.複数の金融機関に相談する
借入を相談する際は、1つの窓口に絞らず、複数の金融機関やサービスに並行して相談しましょう。それぞれで、審査のハードルや着眼点が異なるためです。
- 地方銀行
- 信用金庫
- 日本政策金融公庫
- ノンバンク
A社では断られても、B社では事業の将来性を評価してくれるというケースは多々あります。特定の金融機関にこだわるのではなく、選択肢を広げ、自社の状況にマッチした調達先を見つけましょう。
参考:一般社団法人全国信用保証協会連合会|初めての融資と信用保証
審査が不安の場合でも借入をする2つの方法

もし審査に通るか不安な場合は、以下の方法で借入もできます。銀行と比べて金利は高くなりますが、検討してみましょう。
- 売掛金を現金化するファクタリングの活用
- 担保や保証人に頼らないビジネスローンを選ぶ
売掛金を現金化するファクタリングの活用
ファクタリングは、会社が持っている売掛金(請求書)を専門業者に買い取ってもらい、早期に現金化する手法です。厳密にいうと借入ではなく資産の譲渡にあたるため、社長自身の信用情報が重視されにくいのが最大の特徴になります。審査の主眼は売掛先(取引先)の支払い能力に置かれるため、自社がブラックリストの状態でも利用できる可能性が非常に高い方法です。最短即日で資金を確保できるため、緊急時の支払い対応には極めて有効な手段と言えます。
担保や保証人に頼らないビジネスローンを選ぶ
ビジネスローンは、銀行融資よりも審査スピードが速く、独自のスコアリングシステムで判断される融資商品です。銀行が敬遠するようなケースでも、金利を少し高めに設定することでリスクを許容し、貸し出してくれる場合があります。特に無担保・無保証で利用できるタイプは、個人の信用情報の比重を下げて審査してくれることも。銀行融資と比べて金利負担は増えますが、事業を継続させるための運転資金の確保を優先する際には、検討する価値があります。
再度の審査落ちを防ぐ6つのポイント

借入の審査に1度落ちたからといって、諦める必要はありません。以下のポイントを意識して、次の審査に臨みましょう。
- 代表者個人と法人の信用を分けて考える
- 担保や保証人を用意して信用力を補う
- 少額からの借入実績を積み重ねる
- 事業計画書で返済能力を視覚化する
- 税金の未納や滞納を優先的に解消する
- 資金調達の専門家(認定支援機関)の力を借りる
代表者個人と法人の信用を分けて考える
中小企業では個人と法人が一体視されがちですが、審査の場ではあえてこれらを切り離して説明しましょう。社長の個人の事情(過去のカード延滞など)が、法人の事業運営や収益性に一切影響を与えない仕組みになっていることをアピールしてください。
例えば、経理担当を別途雇用している、透明性の高い会計ソフトを導入しているなど、組織としての健全性を強調するといった形です。個人の傷によるネガティブな影響を最小限に抑えられます。個人で借りるのは審査上難しくても、審査対象が業績だと可能性が残されている、と考えておくと良いでしょう。
担保や保証人を用意して信用力を補う
信用情報に傷がある場合、補うための物的・人的な補強が有効な方法です。所有している不動産を担保に入れたり、信用力の高い第三者に保証人になってもらったりすることで、金融機関側の貸し倒れリスクを大きく下げられます。
自分一人の力で解決しようとせず、協力者を得ることで、ブラックリストでも審査に通る確率が高まります。金融機関が恐れるのは貸した資金を回収できないことなので、回収できると客観的に示せれば、審査にも通りやすくなるでしょう。
少額からの借入実績を積み重ねる

いきなり高額な融資を狙うのではなく、まずは審査に通りやすい少額の借入からスタートする方法もあります。たとえ数十万円のビジネスローンであっても、期日通りに返済を続けることで「この会社は約束を守る」という新しい信用実績を作れるためです。借入では、こうした小さな実績の積み重ねが、半年後、一年後の大きな融資を引き出すための土台になります。焦らず、まずは着実に返済実績を公的な記録として残していくところから始めましょう。
事業計画書で返済能力を視覚化する
審査担当者が最も恐れるのは、返済が滞ることです。そうした不安を拭い去るためには、毎月のキャッシュフロー推移表を作成し、返済資金がどこから生まれるのかを視覚的に提示すると効果的です。特に、売上の根拠となる受注見込みや、徹底したコスト削減の取り組みをグラフや表で示すと良いでしょう。返済計画の具体性が増します。数字に裏打ちされた返済能力を視覚化できれば、過去の信用情報の傷を、現在の経営努力による信頼で上書きできます。
税金の未納や滞納を優先的に解消する
金融機関が審査の際に最も厳しくチェックするのが、税金の納付状況です。ブラックリストよりも、実は税金の滞納の方が融資においては致命的になるケースが多くあります。なぜなら、税金の差し押さえは融資の返済よりも優先されるためです。結果として、銀行にとって大きなリスクになってしまいます。もし滞納がある場合は、借入を申し込む前に分納の相談に行きましょう。解消の目途を立てるか、最優先で完納してください。誠実な納税姿勢を見せられれば、借入への信頼回復にも繋がります。
資金調達の専門家(認定支援機関)の力を借りる
悩んでも良い方法が思い浮かばない場合は、認定支援機関などの資金調達のプロに相談するのも検討してみましょう。税理士や中小企業診断士の中でも、特に融資に強い専門家は、ブラックリスト掲載時でも柔軟に対応してくれる可能性があります。提出書類の質をプロの視点で高めてくれるため、自力で申し込むよりも格段に成功率が上がります。専門家のお墨付きがあると、金融機関側も安心して審査を進められるという点もメリットです。
借入はブラックリストに載っていても方法はある

借入を考えた際、ブラックリストに載っているという事実は、資金調達において大きな障害になります。しかし、現状を正しく把握し、適切な手順と代替案を組み合わせれば、借入する方法はあります。
ブラックリストに載ってしまったのを悔やむのではなく、今の事業をどう守り、どう成長させていくかに意識を向けましょう。正しい知識を持って行動すれば、再び金融機関からの信頼を得るのも難しくありません。そのためにも、専門家の視点を借りるなど様々な方法を検討してみてください。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

