2025.03.3
  • 融資

中小企業経営力強化資金の特徴や申請の流れ|認定支援機関の選定について

日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金とはどのような融資制度なのでしょうか。

融資額が大きいという特徴がありますが、要件が厳しく設定されており、誰でも申し込めるというものではありません。

中小企業経営力強化資金に申し込むには、認定支援機関で相談・助言を受けていなければいけませんので、まずは認定支援機関を探さなくてはいけません。

中小企業経営力強化資金の制度について、また認定支援機関について、お話をしていきます。

中小企業経営力強化資金とは

中小企業経営力強化資金とは、日本政策金融公庫が実施している金融制度です。

中小企業の経営力強化が目的であり、低金利で融資を受けられるのが特徴です。

「国民生活事業」と「中小企業事業」の2つに分かれていますので、それぞれ詳しくご説明します。

  • 日本政策金融公庫の創業融資
  • 中小企業経営力強化資金「国民生活事業」
  • 中小企業経営力強化資金「中小企業事業」

日本政策金融公庫の創業融資

中小企業経営力強化資金は、日本政策金融公庫の創業融資のひとつです。

日本政策金融公庫は日本政府が100%出資している機関であり、国民の経済的な課題解決を優先する機関です。

新しい事業者や経営者を育てたいという目的があるため、低金利での融資を行っています。

事業を軌道に乗せるための資金として融資を受けられるよう、内容を正しく理解しておきましょう。

中小企業経営力強化資金「国民生活事業」

国民生活事業とは、小規模事業者や個人企業やこれから事業をスタートさせる方をサポートするためのものです。

併用できる特例制度がありますので、該当するものがないか確認しておきましょう。

資金の使い道

新規事業

設備資金および運転資金

限度融資額

7,200万円

(うち運転資金4,800万円)

返済期間

20年以内/設備資金

(うち据置期間5年以内)

10年以内/運転資金

(うち据置期間5年以内)

利率

特別利率A

(1.20%~3.40%)

担保・保証人

要相談

併用特例制度

経営者保証免除特例制度

創業支援貸付利率特例制度

設備資金貸付利率特例制度(東日本版)

賃上げ貸付利率特例制度

参照:日本政策金融公庫|新規開業資金(中小企業経営力強化関連)
参照:日本政策金融公庫|国民生活事業(主要利率一覧表)

中小企業経営力強化資金「中小企業事業」

中小企業事業とは、中小企業や小規模事業者を対象に融資をする事業です。

国民生活事業よりも限度融資額が大きくなります。

融資額2億7千万円までは特別利率①が適用となり、利率は貸付期間に応じて1.35%~2.05%となります。

資金の使い道

設備資金および長期運転資金

限度融資額

直接貸付 7億2千万円

返済期間

20年以内/設備資金

(うち据置期間2年以内)

7年以内/運転資金

(うち据置期間2年以内)

利率

基準利率

(1.75%~2.45%)

特別利率①

(1.35%~2.05%)

担保・保証人

要相談

併用特例制度

なし

参照:日本政策金融公庫|中小企業経営力強化資金
参照:日本政策金融公庫|中小企業事業(主要利率一覧表)

中小企業経営力強化資金のメリット

日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金には、以下のようなメリットがあります。

  • 融資限度額(支店決裁権限)が大きい
  • 特別利率が適用可能で低金利
  • 自己資金の準備不要

融資限度額(支店決裁権限)が大きい

中小企業経営力強化資金は、融資限度額が大きいという特徴があります。

新事業分野の開拓や開業には必ず資金が必要となりますので、多額の融資を受けられるかが大きなポイントになるはずです。

ただ不要な資金を借り入れる必要はありませんので、必要な金額を正しく精査しましょう。

融資額が大きいと実現可能な範囲が広がりますので、理想的な事業スタートのサポートになります。

特別利率が適用可能で低金利

中小企業経営力強化資金「中小企業事業」では、特別金利①が適用となりますので低金利で融資を受けられます。

貸付期間が5年以内であれば利率は1.35%、20年になると2.05%になります。

中小企業経営力強化資金「国民生活事業」では、特別利率Aが適用となり、有担保で融資を受けた方が利率を低く抑えられます。

自己資金の準備不要

創業融資を受けるには、創業にかかる費用の1/10以上の自己資金が必要だとされています。

しかし中小企業経営力強化資金においては、自己資金が0円でも申し込みが可能です。

自己資金が準備できた方が望ましいとはいえますが、特に準備できていないという人でも申し込みができます。

中小企業経営力強化資金のデメリット

中小企業経営力強化資金にはメリットだけでなくデメリットもありますので、確認しておきましょう。

  • 認定支援機関からの指導や助言が必要
  • 事業計画書を作成しなければならない
  • 事業計画進捗報告書による経過報告をする

認定支援機関からの指導や助言が必要

中小企業経営力強化資金は、融資を受けるための要件を設けています。

国民生活事業も中小企業事業も、「中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方」とあります。

専門家によるサポートを受けているかというのが要件のひとつとなっていますので、融資を受けたいと思ったタイミングでいつでも申し込めるものではありません。

事業計画書を作成しなければならない

事業計画書とは事業の戦略や収支計画を記載した文書で、融資申し込みの際に必要になるものです。

日本政策金融公庫が指定した事業計画書を作成しなければならず、何枚もの書式が用意されています。

参照:日本政策金融公庫|各種書式ダウンロード

事業計画書の完成度は、融資の審査結果を左右する重要な資料となります。

基本的には経営者自身が作成しますが、専門家に相談するという方法もあります。

事業計画進捗報告書による経過報告をする

中小企業経営力強化資金を利用したら、日本政策金融公庫に対して1年に1回進捗報告をしなくてはいけません。

A4用紙1枚程度で簡単なものではありますが、進捗報告を怠ると借入金を一括返金しなくてはいけなくなるかもしれません。

融資を受ける際に提出した事業計画書と照らし合わせ、実績を確認していきます。

毎年実績を確認されるという状況になりますので、事業計画書は堅実で実現可能な数値を記載しておくようにしましょう。

中小企業経営力強化資金を受けるまでの流れ

中小企業経営力強化資金で融資を受けるまでの流れについて、ご説明します。

  • 認定支援機関の選定と相談
  • 必要書類を準備する
  • 日本政策金融公庫に書類を提出する
  • 融資面談の後に審査
  • 融資決定&契約

認定支援機関の選定と相談

中小企業経営力強化資金は、「認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方」が対象となります。

認定支援機関は全国に複数ありますので、どの機関に相談するかを選定するところから始めていきましょう。

認定支援機関の種類は、税理士や公認会計士、弁護士や中小企業診断士、商工会議所などです。

それぞれ得意分野がありますので、自社に合う認定支援機関を選定するようにしましょう。

認定支援機関は中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムから探せますので、参考になさってください。

必要書類を準備する

認定支援機関を選定して相談をしたら、中小企業経営力強化資金で融資を受けるための必要書類を作成していきます。

指定の書式があるものは、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードします。

主に以下のような書類を作成、準備していきます。

  • 事業計画書
  • 借入申込書
  • 確定申告書・決算書(直近2期分)
  • 見積書
  • 履歴事項全部証明書
  • 身分証明書(代表者の運転免許証またはパスポート)

日本政策金融公庫に書類を提出する

必要書類の準備ができたら、日本政策金融公庫へ提出します。

郵送やインターネット申し込みが可能なので、支店に出向く必要はありません。

審査を開始するには全ての書類が揃っていなければいけません。

不備があると審査に時間がかかってしまいますので、完璧な状態で提出できるようにしましょう。

融資面談の後に審査

書類を提出したら、面談を行います。

面談では事業に関する内容や事業者の経歴や強み、取引商品やサービスについて聞かれます。

聞かれる内容はだいたい予測できますので、答えを準備しておくようにしましょう。

モゴモゴして答えられない、「わからない」という返答ではネガティブな印象を与えてしまいます。

面談が無事に終われば、いよいよ審査に入っていきます。

融資決定&契約

審査の結果、融資が決定すれば日本政策金融公庫と契約を結びます。

結果は電話か郵送で行われます。

契約の締結を完了したら、おおよそ1週間程度で指定口座に融資額が振り込まれるという流れです。

中小企業経営力強化資金は税理士法人松本へ

中小企業経営力強化資金の申し込みや必要書類に関するお悩みは、税理士法人松本へご相談ください。

税理士法人松本は、以下のような強みがあります。

  • 認定支援機関に選出されている
  • 資金調達実績が多数

認定支援機関に選出されている

中小企業経営力強化資金の融資を受けるには、認定支援機関への相談、指導および助言を受ける必要があります。

税理士法人松本は認定支援機関となっており、日本政策金融公庫の融資を考えている方のサポートの実績が多数あります。

認定支援機関種別

支援実績

渋谷オフィス

税理士

事業再構築補助金

新宿オフィス

税理士

事業再構築補助金

錦糸町オフィス

税理士

事業再構築補助金

大阪オフィス

税理士

事業再構築補助金

横浜オフィス

税理士

事業再構築補助金

柏オフィス

税理士

事業再構築補助金

参照:中小企業庁|認定経営革新等支援機関検索システム

資金調達実績が多数

事業をしていく上での資金調達は、融資を受けるだけでなく、補助金や助成金を申請するという方法もあります。

しかしこれらの制度は自身で探さないと情報を得られず、「どんな制度が使えるかわからない」と頭を悩ませる人が多いのが現状ですので、プロに相談するのが近道です。

元銀行員による銀行対応支援も行っており、融資成功率は95%以上という実績があります。

融資の審査は1度落ちると期間を空けなければ再チャレンジできませんので、成功率が高い税理士法人松本にご相談ください。

中小企業経営力強化資金に関する質問

中小企業経営力強化資金や融資に関するよくある質問をまとめました。

  • 中小企業経営力強化資金はフランチャイズも申請できますか?
  • 審査に通過しやすい事業計画書とは?
  • 日本政策金融公庫の審査通過率は?

中小企業経営力強化資金はフランチャイズも申請できますか?

フランチャイズに加盟して事業をスタートさせようとすると、加盟金や保証金などの資金が必要になります。

しかし日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金は、フランチャイズだと利用できません。

日本政策金融公庫の新規開業資金を検討してみましょう。

参照:日本政策金融公庫|新規開業資金

審査に通過しやすい事業計画書とは?

内容が正確で、説得力のある事業計画書です。

おおよその見込みではなく、きちんとエビデンスを証明しながら説明していきます。

強みだけでなく弱みも客観的に理解し、偏りのない目線で事業計画書を作成しましょう。

中小企業経営力強化資金は1年に1回の進捗報告が必要なので、達成できないような無謀な計画をたてないよう注意しましょう。

日本政策金融公庫の審査通過率は?

日本政策金融公庫の審査通過率は、約50%といわれています。

融資を受けやすいと言われている日本政策金融公庫でも、約半数の人は審査に落ちてしまうのが現状です。

審査落ちの理由としては、経営能力の不安や事業の収益性の問題などが挙げられます。

融資を受けるならプロに相談を

中小企業経営力強化資金など融資を受けるのであれば、準備の段階からプロに相談すべきです。

経営者自身で準備をするのも可能ではありますが、慣れない書類作成に時間がかかってしまうかもしれません。

税理士法人松本は、認定支援機関として一定の知識があると国に認められた税理士法人です。

事業計画書の作成など、書類の準備からサポートができますので、是非お早目にご相談ください。

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は 国税OB・元税務署長 が所属し、 確定申告・相続・会社設立・融資サポート・労務手続きなど 幅広いサービスを提供する税理士法人です。

全国からの 税務・労務相談実績 年間1,000件以上

税理士法人松本の強み

  • 税務署目線、税理士目線、お客様目線の三方良しの考え方でアドバイス
  • 過去の無申告分から税務調査、相続、会社設立まで幅広く対応可能
  • 融資や助成金、補助金の申請など資金調達サポートにも豊富な実績
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