2025.10.15

税理士の顧問料の相場はいくら?法人と個人事業主の場合に分けて解説

読了目安時間:約 6分

法人でも個人事業主でも、事業を営んでいれば事業の所得額を申告し、納税をする義務があります。税務には専門的な知識が必要になるため、多くの法人は顧問税理士契約を結んでいます。また、個人事業主の中にも税理士と顧問契約を結ぶ場合もありますが、気になるのは税理士の顧問料の相場です。税理士に相談はしたいけれど、問い合わせをする前に顧問料の相場を知っておきたいというケースも多いでしょう。

では、税理士の顧問料の相場はどのくらいになるのでしょうか。

今回は、税理士の顧問料の相場を法人のケースと個人事業主のケースに分けてご説明します。

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税理士の顧問料の相場は?

顧問料は税理士を選ぶ際の重要なポイントとなります。顧問料が高すぎる税理士は避けたいところですが、反対に顧問料が極端に低い税理士も不安が残るのではないでしょうか。

税理士の顧問料は、税理士が自由に設定できるものですが、一般的な税理士の顧問料の相場は次の水準が目安になるとされています。

法人の税理士顧問料の相場は3万円~

法人の場合、税理士の顧問料の相場としては月額3万円からが目安になります。ただし、事業規模が大きくなればなるほど税理士の業務量も大きくなるため、顧問料も高くなるケースがほとんどです。また、小規模の法人の場合は、顧問料が3万円よりも安くなるケースもあります。

個人事業主の場合の税理士顧問料の相場は1万~3万円

個人事業主の場合、法人に比べると事業規模が小さくなるケースが多いため、税理士の業務量も小さくなり、顧問料も低くなる傾向にあります。個人事業主の税理士の顧問料の相場は月額1万~3万円程度が目安になるでしょう。

個人事業主の場合、税理士と顧問契約を結ぶケースはそれほど多くはありません。しかし、消費税納税事業者である場合や将来的に法人化を検討している場合、本業に集中したい場合などは、個人事業主であっても税理士と顧問契約を締結している例が見られます。

税理士の顧問料の相場に影響を与える要素とは

税理士の顧問料の相場は、法人が月額3万円~、個人事業主が月額1万~3万円程度とご紹介しました。おおよそ、この程度の額が顧問料の相場とはなりますが、事業規模などによって顧問料は変わってきます。税理士の顧問料には、次のような要素が影響します。

売上額

年間の売上額が大きい場合、取引数も増えるため、税理士の業務量も増加します。そのため、売上額が大きくなるほど税理士の顧問料も高くなるケースが一般的です。

また、多くの税理士事務所では、売上高に応じた顧問料が設定されています。そのため、顧問税理士契約を締結しても、売上額が変動する場合は、売上額の変動に応じて顧問料も変動する可能性が高くなります。

税理士との打ち合わせ回数

税理士との打ち合わせの頻度によっても顧問料は変わってきます。顧問税理士契約を結ぶと、税理士が顧客のオフィスを訪れるか、反対に税理士の事務所を訪問し、定期的に税務についての相談をします。

打ち合わせの回数が増えるほど、税理士の時間を割くこととなるため、顧問料も高くなります。例えば、税理士法人松本の場合、月に4回の税務チェックを行う際の月額料金は13万2,000円ですが、6ヶ月に1回の税務チェック頻度であれば月額料金は2万2,000円となり、大きな差が生じます。

オプションサービスの付加

税理士によって、顧問料で提供するサービスの内容には違いがあります。多くの税理士事務所では、顧問料とは別に記帳代行を依頼する場合や決算を依頼する場合の料金を設定しています。したがって、顧問料に含まれるわけではないものの、オプションサービスを付加すればするほど、税理士に支払う費用は高くなります。

また、相場よりも高い顧問料を設定している税理士であっても、その顧問料に記帳代行や決算の料金まで含まれているケースもあります。その場合、オプションサービスの金額がプラスされることがないため、年間の支払総額を考えると、かえって相場よりも安くなる場合もあるのです。

税理士と顧問契約を結ぶ際には、顧問料の相場を確認するだけでなく、顧問料で受けられるサービスの内容も確認することが重要です。

雇用する従業員の数

従業員の数も税理士の顧問料に影響します。従業員数が多くなるほど、税理士の作業量は増えるために顧問料も高くなるのです。特に、税理士に給与計算や年末調整を依頼する場合などは、従業員の数によって作業量が大きく変わります。オプションサービスとしてこれらの業務に対応している場合、従業員の人数ごとの料金設定を設けている税理士事務所も少なくありません。

税理士の顧問料が相場より低い場合の注意点

税理士の顧問料が相場よりも低い場合、お得に税理士と契約できると思ってしまう場合もあるでしょう。しかし、相場よりも低い顧問料を設定している税理士と契約を結ぶと失敗する恐れもあります。

顧問料が安い税理士を選ぶ際の注意点を4つご紹介します。

経験の浅い税理士が担当する可能性がある

税理士を選ぶ際、実績の少ない税理士より、豊富な実績をもつ税理士の方が安心して業務を任せられるという印象を与えます。そのため、若い税理士の場合、顧問契約を結ぶ法人や個人事業主と顧問契約を獲得することで実績を作ろうと安い顧問料に設定しているケースが見られます。

年齢によって税理士の能力が変わるわけではありません。若い税理士は最新の税制を把握しているケースも多く、ITツールも積極的に活用する傾向が見られます。

しかしながら、実務経験が少ない場合、これまで対応したことのない事例には適切な対応ができない可能性もあります。また、経営のパートナーとしての役割を求める場合、ノウハウが少ないために、期待するような提案を受けられないケースもあるでしょう。そのほか、弁護士や社会保険労務士、司法書士などとの連携体制が整っていない場合もあり、総合的なサポートを受けられない場合もあります。

税理士が対応できる範囲が限られている場合も

税理士は税の専門家ですが、税理士によって得意分野は異なります。顧問料が相場よりも安い税理士の場合、記帳代行や決算書の作成といった税務業務には対応できても、税務調査や資金調達のサポートなどには対応していないケースもあります。

税務調査では帳簿や関係資料をチェックし、細かな点についての質問がなされます。そのため、本来、税務調査対応は日頃から税務チェックを行っている顧問税理士に依頼した方がスムーズに対応できるでしょう。しかし、顧問料を安く設定している税理士の中には、税務調査の立ち会い経験がないという理由から、税務調査には対応をしていないケースもあるのです。

顧問税理士契約を結び、税理士が決算書類を作成していれば、税務調査の対象となるリスクは低くなります。しかし、税務調査では、前年分の申告内容のみを調査するわけではありません。一般的には過去3年分をさかのぼって調査を行うため、顧問税理士契約を結ぶ前の事業の状況についてチェックされる可能性もあります。

顧問税理士契約を結んだ税理士が税務調査に対応していないようであれば、税務署からの事前通知を受けた後に、税務調査だけに対応できる税理士を探さなければなりません。税務調査に対応してくれる税理士を探し、収支の状況などについて説明し、事前準備をする手間を考えれば、顧問料が多少高くても、税務調査に対応できる税理士を選んだ方が安心ではないでしょうか。

顧問料に含まれるサービスが少なく、オプションサービスの契約が必要

顧問料が相場より低いと、顧問料に含まれるサービスの内容が薄く、さまざまなオプションサービスの契約が必要になる場合があります。税理士と顧問契約を結ぶ場合、一般的には税務相談や月次試算表、総勘定元帳などのチェック、事業に合わせた節税対策の提案、提携しているその他の専門家の紹介などを受けることができます。また、税制改正などがあった場合など、把握しておくべき情報についての提供が行われるケースもあるでしょう。

顧問料を相場より低く設定している税理士の場合、顧問料に含まれている提供サービスが少なく、あらゆるサービスをオプションとして付加しなければならない場合があります。税理士を職業としている以上、ある程度の報酬を得なければ、税理士事務所として収益を上げることができません。そのため、顧問料が相場より低い場合、何らかの方法で報酬を得る必要があるのです。

したがって、たとえ顧問料が相場より安い場合でも、オプションを付けていくことで税理士に支払う費用の総額が、相場より高額になる恐れもある点に気を付けなければなりません。

きめ細かいサービスを受けられない可能性がある

繰り返しになりますが、税理士も顧客から報酬を受け取らなければ、収益を上げることができません。そのため、相場より顧問料が低い税理士の場合、一顧客にかける時間や手間を限定し、多くの顧客の顧問をすることで、収益を上げようと考える場合があります。いわゆる、薄利多売の戦法で顧客を集客しようとするケースもあるのです。

顧問料が安くても、多くの顧客と顧問契約を結べば、総収入額は大きくなります。しかし、顧問契約を結ぶ顧客が多くなれば、当然、一つの顧客に対して割ける時間は限定されてしまいます。そのため、ある程度のサービスを受けることはできても、事業の内容や状況に合わせた節税対策など、顧客に寄り添ったきめ細かいサービスの提供は期待できない可能性が高いでしょう。

顧問料が相場よりも高い税理士の特徴

顧問契約を結ぶ税理士を探す中で、顧問料を相場よりも高く設定しているケースも見られます。税理士を選ぶ際には、顧問料の額だけで判断することは非常に危険です。中には、深い理由なく顧問料を高額に設定している場合もありますが、相場よりも顧問料が高い税理士には次のような特徴が見られるケースが多くなっています。

経営について適切なアドバイスを行っている

顧問料が相場よりも高い税理士の場合、経営コンサルティング的なサービスを提供している場合があります。税理士は、帳簿や決算書から財務状況を読み解くことができるため、資金繰りについてのアドバイスや中長期的な経営計画の立案などをサポートすることが可能です。顧問税理士であれば、顧客の財務状況を詳細に把握しており、節税対策についても詳しいため、的確なアドバイスを受けられるでしょう。

ただし、顧問料に経営についてのコンサルティングサービスが含まれている場合でも、契約前には提供されるサービスの範囲は確認しておくことが大切です。

税務調査にも対応できる

顧問料が高い場合、新規の顧客は獲得しにくい可能性があります。なぜなら、法人であっても個人事業主であっても、税理士などの専門家と契約する際、料金も重要な判断基準の一つとなるからです。相場よりも顧問料が高ければ、相談のハードルが高いと感じ、契約を躊躇する顧客もいるでしょう。それでも、相場より高い顧問料に設定している税理士事務所は、提供するサービスの質に自信を持っている可能性があります。

その一つが税務調査の対応です。税務調査に対応するためには、税務の知識に加え、調査官と適切な交渉を行うスキルも求められます。税務調査の対応実績を豊富にもつ税理士であれば、税務調査が実施された場合でも、顧客のリスクを最小限に抑えるよう、調査官と交渉することが可能です。

顧問料が相場より高い場合であっても、税務調査時に適切な対応ができれば、追徴課税のリスクも低くなるため、顧問契約を締結したいと考える事業主は少なくありません。したがって、提供するサービスの質に自信がある税理士事務所の場合、顧問料を相場よりも高く設定しているケースが見られます。

まとめ

税理士の顧問料の相場は、法人は月額3万円~、個人事業主は月額1万~3万円程度となっています。ただし、打ち合わせの頻度や売上高、従業員数などによって顧問料は前後し、規模が大きくなるほど顧問料も高くなるケースが一般的です。

また、顧問契約を締結することで受けられるサービスは一律ではありません。税理士事務所によって顧問契約によって提供しているサービスには違いがあるため、契約時には顧問料の額だけでなく、サービスの内容を含め、総合的に判断することが重要です。

税理士法人松本では、節税対策のアドバイスや税務調査の対応など、幅広い業務に対応しています。顧問税理士をお探しの際にはぜひお気軽にご相談ください。


 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者16万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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