2026.01.20
  • 税務調査

雑所得が20万円以下なら確定申告は不要?税務調査の可能性はない?

読了目安時間:約 6分

最近では、副業解禁の動きに伴い、会社員としての本業を持ちながら、副業をして所得を得ている人が増加しています。副業をしている場合であっても、年間の所得が20万円を超える場合、確定申告をしなければなりません。反対に、副業所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要です。

所得は10種類に分けることができ、そのうちの一つに「雑所得」があります。副業で得た所得も雑所得に該当するケースとほかの所得に該当するケースがあり、副業を行ううえでは副業所得がどの所得に該当するのかを把握しておくことも必要です。

今回は、副業所得がある方のために雑所得の概要や雑所得が20万円以下の場合の確定申告の必要性、税務調査との関係性などについて解説します。

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雑所得とは

では早速、雑所得とはどのような所得を指すのか、雑所得の基本から確認していきましょう。

所得の種類

所得は、次の10種類に分類されます。

・事業所得

・不動産所得

・利子所得

・配当所得

・給与所得

・雑所得

・譲渡所得

・一時所得

・山林所得

・退職所得

雑所得に該当する所得とは

雑所得は、上に紹介した他の所得のいずれにも当たらない所得のことです。具体的には次のような所得は雑所得に該当します。

・公的年金

・非営業用貸金の利子

・副業にかかる所得

公的年金は雑所得に

公的年金による所得は、雑所得に該当します。公的年金には次のようなものが含まれます。

・国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金

・過去の勤務により会社などから支払われる年金

・確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金

・外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で、国民年金法や厚生年金保険法、公務員等の共済組合法に掲げる法律の規定による社会保険または共済制度に類するものに基づいて支給を受ける年金

生命保険契約や生命共済契約に基づく年金、互助年金などは、公的年金には該当しません。

非営業用貸金の利子は雑所得

非営業用貸金の利子とは、事業とは関係のないお金を貸した場合に受け取る利子のことです。例えば、友人にお金を貸し、利息を受け取った場合は雑所得として扱われます。

副業にかかる所得には雑所得になるものとならないものがある

会社員として働く人が、業務終了後や休日を利用して働いた場合、副業で得られる所得は雑所得に該当するものと該当しないものがあります。したがって、副業所得が必ずしも雑所得には該当しない点に注意が必要です。

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副業が雑所得になるケース

副業によって得た所得が雑所得になるのは、次のようなケースです。

・アフィリエイトで収入を得た場合

・YouTubeの配信で広告収入を得た場合

・ネットオークションやフリマアプリで商品を販売して利益を得た場合

・原稿を書いたことで原稿料を得た場合

・講演をして講演料を得た場合

・FX取引や仮想通貨取引で利益が出た場合

ただし、これらの活動によって得た収入であっても、継続的に事業規模で行っている場合などは、雑所得ではなく、事業所得として判断される可能性があります。

アフィリエイトで少額を稼ぎ、お小遣い程度になっているという場合であれば雑所得として判断される可能性が高いでしょう。しかし、いくつもサイトを運営し、毎月一定の利益を得ている場合などは事業所得とみなされる可能性が高くなります。

副業が雑所得としてはみなされないケース

国税庁では、事業所得の判断基準として次のように示しています。

・所得を得るための活動が、社会通念上、事業と称する程度で行われているものか

・記帳や帳簿書類の保存があるか

また、事業所得と雑所得の区分として次のように示しています。

・収入金額が300万円を超え、記帳・帳簿書類の保存がある場合:おおむね事業所得

・収入金額が300万円を超え、記帳・帳簿書類の保存がない場合:おおむね雑所得

・収入金額が300万円以下で、記帳・帳簿書類の保存がある場合:おおむね事業所得

・収入金額が300万円以下で、記帳・帳簿書類の保存がない場合:おおむね雑所得

ただし、所得の収入金額が僅少と認められる場合、その所得を得る活動に営利性が認められない場合については、個別に判断するとも示されています。

また、副業としてアルバイトをして、収入を得ている場合は雑所得ではなく給与所得に該当します。そのほか、株式投資で得た配当金や売却益は、配当所得や譲渡所得となるため、雑所得には該当しません。

参照元:国税庁「雑所得の範囲の取り扱いに関する所得税基本通達の解説」

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副業で雑所得が20万円以下の場合のルールを確認

副業をしている会社員の方にとって、雑所得が20万円以下という基準は確定申告に関係してきます。ここで、雑所得の20万円以下のルールについて確認していきましょう。

雑所得の計算方法

雑所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。しかし、雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

雑所得とは、副業で得られた収入を指すわけではありません。所得とは、収入から必要経費を差し引いた額のことです。例えば、フリマアプリで販売をして利益を得ている場合は、商品の仕入にかかった金額やシステム利用料、送料などは、必要経費として扱うことができます。そのため、収入が20万円以上であっても、雑所得が20万円以上になるわけではないのです。雑所得の計算をする際には、収入と所得の違いをしっかりと理解し、収入から必要経費を差し引いて計算することが大切です。

雑所得が20万円以下なら確定申告は不要だが住民税の申告は必要

副業によって得た雑所得が20万円以下の場合は、確定申告は不要です。ただし、副業の雑所得が20万円以下でも、住民税の申告はしなければなりません。確定申告での申告対象は所得税であり、所得税については、雑所得が20万円以下であれば確定申告は不要ですが、住民税は雑所得があれば、申告をしなければならないのです。

住民税の申告は、住民票を置いている自治体に行います。住民税の申告期限は原則として毎年3月15日までとなります。ただし、所得税の確定申告をしている場合は、課税所得額についての情報が自治体に提供されるため、個別に住民税の申告をする必要はありません。

インボイスに登録している場合は消費税の申告が必要

インボイス制度が開始したことにより、副業であってもインボイスの発行事業者として登録している方もいるかもしれません。その場合、消費税の課税事業者となるため、消費税の申告と納税の義務が生じます。したがって、インボイス登録事業者の場合は、雑所得が20万円以下であっても、消費税の確定申告と納付が必要になる点に注意しましょう。

雑所得が20万円以下でも確定申告をした方がよいケースも

世帯全体での年間の医療費が10万円を超えた場合や住宅ローンを使って住宅を取得した場合などは、確定申告を行うことで医療費控除や住宅ローン控除の適用ができ、税金が還付される可能性があります。

その場合、雑所得が20万円以下であっても確定申告はした方がよいでしょう。ただし、医療費控除や住宅ローン控除の適用を目的に確定申告をする場合には、たとえ20万円以下であっても副業分の雑所得を合わせて確定申告をしなければなりません。

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雑所得が20万円以下の人は税務調査の対象になる可能性はない?

最近、副業をする人が増えたことやインターネットビジネスで収入を得ている人が増えたことなどから、会社員でも税務調査の対象になるケースが増加しています。では、雑所得が20万円以下であれば、副業をしている会社員が税務調査の対象に選ばれることはないのでしょうか?

税務調査とは

日本では、申告納税制がとられており、納税の義務がある人は自ら所得額を申告し、納税をしなければなりません。しかし、申告納税制であるために、確定申告をせずに納税の義務を怠っている人や確定申告を正しく行わずに納税額を不正に抑えている人なども見られます。

そのため、税務署では、確定申告をしていない無申告者や確定申告書の内容に不審点がある人を中心に、不正を指摘し、正しい納税を促す調査を行っているのです。この調査を税務調査といいます。

税務調査が入るとどうなる?

税務調査の対象に選ばれると、税務署の調査官が自宅などを訪れ、収入に関係する書類や支出に関係する書類などを細かくチェックし、申告内容に問題がないかを確認していきます。調査を進める中で疑問点が生じれば、納税者に質問がなされ、処理の誤りや不正な処理、確定申告をしていなかったことが発覚した場合は追徴課税がなされることとなります。

追徴課税とは

追徴課税とは、本来納めるべき税金が正しく納税されていなかった場合に、差額について徴収を受けることを指す言葉です。しかし、追徴課税がなされる場合、徴収されるのは不足分の税額だけではありません。ペナルティとして加算税や延滞税の納税も求められるため、正しく確定申告を行った場合よりも多くの税金を納めなければならないのです。

まず、雑所得が20万円以上であったにもかかわらず確定申告をしていなかった場合に税務調査が実施されると、無申告加算税の納付が求められます。無申告加算税の税率は、税額が50万円以下の部分については15%、50万円超300万円以下の部分については20%、300万円超の部分については30%です。

また、確定申告はしていたものの、申告内容に不備があり、納税額が不足していた場合には過少申告加算税が課されます。過少申告加算税の税率は、不足分の税額の10%です。ただし、不足分の税額が50万円または期限内に申告した税額のいずれかよりも多かった場合は、超えている部分については15%が課されます。

そのほか、納税が遅れたことに対して延滞税と呼ばれる税金の納付も求められます。

雑所得が20万円以下でも税務調査の対象になる可能性はある

副業をしている会社員で、雑所得が20万円以下の場合であっても、税務調査の対象になる可能性は0ではありません。例えば、副業所得が雑所得ではない場合もあるでしょう。給与所得として、別の勤務先から年間20万円以上の所得を得ていれば、雑所得が20万円以下であっても確定申告をしなければなりません。また、本業以外の給与所得と雑所得の合算額が20万円を超える場合も確定申告が必要です。

そのほか、以下のような場合も雑所得が20万円以下でも確定申告が必要であり、確定申告をしていなかった場合は税務調査の対象になる可能性があります。

・株式投資で年間20万円以上の譲渡所得を得ている

・副業としてクラウドソーシングをしており、事業所得が年間20万円以上である

・農業と兼業しており、農業による事業所得が年間20万円以上である

・不動産投資をしており、年間20万円以上の不動産所得がある

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副業で確定申告をしていない人に税務調査が入った場合の対応方法

副業をしていても、雑所得が20万円以下だから確定申告をせず、税金を納める必要がないというわけではありません。副業でアルバイトをしている場合は給与所得となり、個人事業主としてホームページの作成業務などを請け負っている場合などは事業所得になる可能性があります。また、不動産投資で得られる家賃収入は不動産所得となります。つまり、会社員が副業をしている場合、すべての所得が雑所得に該当するわけではないのです。したがって、雑所得が20万円以下であっても、その他の所得と合わせた副業所得が20万円を超えていれば、確定申告をしなければなりません。

これまで、副業で20万円を超える所得があったにも関わらず、確定申告をしてこなかった人は税務調査の対象になる可能性があります。税務署はさまざまなルートから情報を収集しており、確定申告をしていない無申告者の情報を把握します。たとえ今はバレていない場合であっても、いずれ無申告であることが発覚し、税務調査が入る可能性が高いといえます。

雑所得が20万円以下だからといって確定申告をしてこなかった場合は、できるだけ早めに期限後申告を行いましょう。税務調査の通知を受ける前に、自主的に期限後申告を行えば、無申告加算税の額は5%にまで軽減されます。確定申告の経験がなく、確定申告書の作成が分からない場合などは、税理士への相談をおすすめします。

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まとめ

会社員が副業をしている場合、雑所得が20万円以下であれば確定申告は不要だといわれています。そのため、雑所得が20万円以下であれば確定申告をする必要がないと解釈し、雑所得以外の所得があるにもかかわらず、納税の義務を怠っているケースが見られます。

副業所得は雑所得に分類されるだけではなく、不動産所得や事業所得などに分類される場合もあります。雑所得も含め、副業所得が20万円を超える場合は、確定申告をして納税をしなければなりません。

万が一、確定申告をしてこなかったような場合は、税務調査が入る前に早めに期限後申告を行うようにしましょう。

 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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