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「税務調査は第三者からのタレコミが原因で実施されることがあるのか」と、気になる方も多いでしょう。
この記事では、タレコミから税務調査の対象となる可能性や、タレコミ方法、タレコミからの調査の流れなどを紹介します。
タレコミされたら困る覚えがある方は、一度税理士法人松本までご相談ください。最善の解決策を提案させていただきます。
目次
タレコミから始まる税務調査は本当にあります。
実際、国税庁のホームページに「課税・徴収漏れに関する情報の提供」の窓口が設けられているため、第三者からの匿名通報や内部告発が難しくありません。このタレコミにより税務調査が開始されることがあります。
情報提供の内容が具体的で信憑性が高い場合、税務署はそれをもとに内部で調査の必要性を検討し、事前調査を経たうえで「実地調査(税務調査)」に発展します。
なお、タレコミのすべてがそのまま調査に直結するわけではなく、内容が不明確であったり根拠に乏しい場合には、調査が行われないことも少なくありません。
しかし、元従業員や取引先といった関係者からの情報提供をきっかけに税務調査が実施されるリスクもあります。そのため、日頃から正確な帳簿管理と申告を行うことが重要です。
タレコミや密告、投書などを行う人の多くは、恨みや嫉妬、トラブルなどの私情が動機となっているケースが見受けられます。
例えば、元従業員や取引先とのトラブル、知人との金銭的な揉め事、あるいは家庭内のトラブルなどがきっかけとなり、「あの人は無申告をしている」「売上を隠しているらしい」といった情報が税務署に提供されることがあります。
また、税務署に送られる情報のなかには、日常のちょっとした会話やSNS上の発言などがきっかけとなる場合も少なくありません。
親族や内縁関係者、同居人など、身近で実際の収入状況をある程度把握している人物からの情報提供もあります。
とはいえ、すべてのタレコミや投書に対して税務調査が実施されるわけではなく、提供された情報の信憑性や具体性に応じて、調査するかどうかが決まります。
第三者が税務署に対してタレコミする方法は主に2つあります。
いずれの方法も匿名での情報提供が可能であり、特別な手続きや証拠書類の提出が求められるわけではありません。
そのため、提供する側の心理的なハードルが比較的低く、気軽に通報されてしまいます。
国税庁のホームページに用意されている「課税・徴収漏れに関する情報の提供」から、匿名でのタレコミが可能です。
脱税や所得隠しなどの不正行為や帳簿操作、虚偽の領収書発行など、過去の情報提供事例についても細かく掲載されています。
外部や第三者からのタレコミは、国税庁のオンラインフォームだけでなく、税務署への電話などでタレコミされるケースもあります。
「○○という会社が売り上げをごまかしている」「現金取引を計上せず、税金逃れをしている」「無申告を続けている人がいる」など、タレコミの内容はさまざまです。
こうした一般から寄せられる情報をもとに税務調査が開始され、実際に調査の対象となったケースも少なくありません。
内部関係者の退職などにより、「万が一、申告漏れや帳簿の不備が指摘されたら…」と不安を感じている方は、気軽に税理士法人松本までご相談ください。税務調査のリスクや対応策について、経験豊富な税理士が丁寧にサポートいたします。
税務調査の対象となりやすい情報提供には、いくつかの共通した特徴があります。
特に重視されるのが、情報の信憑性や具体性です。
単なる恨みや感情に基づいたものではなく、裏付けとなる証拠や内部事情に詳しい人物からの情報である場合、税務署が調査に進む可能性が高くなります。
ここでは、実際に税務調査につながりやすいとされるタレコミの例を2つ紹介します。
現社員や元社員から、「毎月現金売上の一部を別管理していた」「架空のアルバイト代が支払われていた」など、明確な金額や期間が示されたタレコミは内部でしか知り得ない内容のため、税務署も高い関心を示し、調査が行われる傾向にあります。
また、税金や税務に関する詳しい情報のタレコミも説得力が増すため、税務調査に進む可能性が高くなります。
配偶者や兄弟姉妹などの親族関係者や出資関係者、役員などからのタレコミは信憑性が高いと判断され、税務調査につながりやすい傾向にあります。
例えば、配偶者しか知らない隠し財産の保管場所や裏金などがある場合は、詳しい調査に動き出すでしょう。
ほかにも、取引先からタレコミされたり、情報提供者が税務署に直接タレコミしたりする場合は、しっかりとした調査が行われやすくなります。
タレコミや投書から税務調査となるケースには、以下のようなものが挙げられます。
タレコミのなかには、恨みや報復心などから大げさな内容や、虚偽の投書などが含まれている場合があるため、税務署ではどの程度信憑性があるのか、慎重に判断します。
タレコミは匿名で行うことができるため、虚偽のタレコミに対して人件費や時間を投じて本格的な調査をするのは、税務署も避けたいでしょう。実際に、タレコミから摘発となる割合は1%にも満たないともいわれています。
情報に信憑性があるかどうかを判断する基準については各管轄の税務署によって変動します。
しかし、通帳の入出金履歴や宅配便の発送・受取履歴などの情報から、実際に事業が行われているかどうかは、現地調査を行わなくても把握可能です。
運営しているサイトやホームページはもちろん、実際に店舗を経営している場合、税務署の調査員が客を装って調査に訪れるケースもあります。
タレコミの信憑性を判断する基準は明確ではないものの、タレコミに基づいて税務署が事実関係をチェックすれば、不審な点がすぐにバレると考えておいたほうがよいでしょう。
申告漏れや不正な申告内容に関するタレコミよりも、無申告であることがタレコミによって摘発されるケースもあります。税務署では、無申告者に対しての情報提供や税務調査を強化しているため、税務調査につながる可能性が高くなります。
申告内容をごまかしていないか、脱税行為に該当しないかを判断するには、ある程度専門的な知識が必要ですが、一定以上の収入があるにもかかわらず無申告であれば、専門知識がなくても容易に判断することが可能です。
このように、無申告は第三者からの指摘を受けやすく、税務署に無申告であることがわかれば、延滞税や重加算税などのペナルティが科せられることとなるため、できるだけ早い段階で自主的に申告しておくことが大切です。
タレコミから税務調査が始まる際の流れを紹介します。
まず税務署は、情報提供者が特定できる場合に限り、提供された情報の裏付けや詳細を確認するための聞き取り調査を行います。
具体的な証言が得られれば、それを手がかりに調査の準備が進められます。
情報提供の内容をもとに、必要に応じて以下のような調査が実施されます。
収集した資料や状況証拠により、申告内容との乖離や不審な取引が確認された場合や申告内容に重大な疑義があると判断された場合には、正式に税務調査が実施されます。
税務調査は「任意調査」が原則ですが、悪質性が高いと判断される場合は、「強制調査」に発展する可能性があります。
税務調査は主に6つの流れに分かれます。
税務調査には「任意調査」と「強制調査(査察)」の2種類があります。
任意調査の場合、事前に税務署から調査の通知(事前通知)が届き、調査実施の旨や調査対象期間、準備書類などが伝えられます。
ただし、現金取引が多い業種や悪質性が高いと判断されたケースでは、強制調査(査察)となり、事前通知なしで突然調査官が訪問してくるため、日頃からの備えが重要です。
税務調査の日程は調整が可能です。
また、税務調査には税理士の立ち会いが認められているため、顧問税理士の日程を考慮して調査日を調整しましょう。
調査時の対応や交渉を専門家に任せることで、余計な誤解やトラブルを避けられます。
事前通知の際に、調査に必要な書類や対象期間が指定されます。通常は過去3年分の資料が対象となりますが、内容によっては5年~7年分の書類提出を求められることもあります。
そのため、指定された分だけでなく、余裕をもって複数年分の資料を整理・準備しておくと安心です。
また、一般的に求められる書類の一覧は以下のとおりです。個人・法人で求められる書類に違いがありますが、これらを参考に書類を揃えておいてください。
よく求められる書類の一例
概要
帳簿関連
元帳、入金出金振替伝票、現金出納帳、当座預金出納帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳、買掛帳、売掛帳など
取引関連の書類
見積書、納品書、請求書、領収書、工事契約書、在庫確認書など
預貯金関連
会社の普通預金の通帳、定期預金・定期積立金の通帳および証書(法人の場合は個人の普通預金の通帳、定期預金、積立金の通帳)、クレジットカードの明細など
人件費関連
源泉台帳、扶養控除申告書等、社会保険関係の書類、特別徴収の住民税の通知書、タイムカードの記録等、役員報酬の改定の明細書、役員退職金の明細書など
そのほか
会社のパンフレット、登記簿謄本、稟議書、株主総会・取締役会の議事録、定款など
税務調査の当日は、通常午前10時頃から開始され、午後4~5時頃まで行われます(昼休憩あり)。
調査は一般的に1~2日程度で完了しますが、調査対象の内容が複雑であったり、悪質性が疑われる場合は、複数日にわたり実施されることもあります。
当日は主に税理士が税務署とのやり取りに対応しますが、事業内容や日々の運営実態については、納税者本人へ質問されることもあります。
そのため、事前に税理士と打ち合わせを行い、よく聞かれる質問や回答のポイントを共有しておくことが重要です。
可能であれば質疑応答のシミュレーションをしておくと、当日の対応がスムーズになります。
実地調査の終了後、税務署から追加資料の提出依頼や、事実関係に関する確認の連絡が入ることがあります。
この段階では、誠実かつ迅速な対応が重要です。不備や遅延があると、税務署の心証を悪化させる要因となるため注意が必要です。
税理士が調査に立ち会っている場合は、税務署からの指摘事項は税理士宛に連絡が入ることが多く、交渉や対応も税理士を通じてスムーズに進められます。専門家の的確な助言を受けることで、無用なトラブルや誤解を避けることができます。
税務調査の結果は、次の3つに分類されます。
税理士法人松本では、税務調査対応の豊富な実績を活かし、初めての方でも安心してご相談いただける体制を整えております。
また、税務調査の通知が届いた段階で顧問税理士がいない場合でも、税務調査のみを対象とした「スポット依頼」が可能です。
精神的な負担を軽減し、調査がスムーズに進むよう全面的にサポートいたしますので、どうぞ気軽にご相談ください。
税務調査にはいくつか種類があり、それぞれ必要に応じて実施されます。
ここでは実施されやすい4つの調査の種類を紹介します。
自宅やオフィスに訪問して調査する実地調査が行われる前に、税務調査員が内部調査をすることが一般的です。
この内部調査は主に3種類あり、必要に応じて行われます。
机上調査とは、税務署内で行う書類確認のことです。
提出された申告書や過去の調査履歴などをもとに、形式的な誤りや数値の不自然さがないかを確認します。
この段階で、不審な取引や不自然な損益状況が確認された場合、さらに踏み込んだ調査へ進展することがあります。
外観調査は、不動産や店舗、車などの資産を目視で確認する調査です。
例えば、無申告のまま店舗を営業していないか、申告された数字と生活が見合っているかなど、外から確認できる情報を収集します。
内観調査は、税務調査官が「客」や「取引先」を装って現地に足を運び、内部状況を調べる非公開の調査方法です。
例えば、飲食店の場合、実際に来店して客数や客単価、提供内容などを観察し、申告内容との整合性を確認します。
納税者本人ではなく、その周囲の関係者に対して行われる調査です。
帳簿書類の提出拒否や隠蔽、不正な取引、虚偽報告が疑われる場合に実施されます。
調査対象となるのは、以下のような関係者です。
目的は、本人の供述や帳簿と実際の取引状況との乖離を確認し、正確な課税を行うための補強証拠を得ることです。
なお、反面調査は証拠隠滅を防ぐため、基本的に事前通知なく実施されます。
臨場調査とは、税務署職員が納税者の事務所・店舗・自宅・倉庫などに直接出向き、書類や資産の現物確認を行う調査です。
帳簿類、領収書、在庫、現金、パソコンの会計データなどを確認し、申告内容との整合性を調べます。
本人の立ち会いが原則ですが、税理士に対応を依頼することも可能です。
金融機関調査とは、銀行・証券会社・保険会社などに対して、資産状況や取引履歴の照会を行う調査です。
税務署は、国税通則法に基づき必要な範囲で金融機関に調査協力を依頼できます。
これにより、以下のような情報が明らかになることがあります。
金融機関調査は、反面調査や実地調査と連携して行われることも多く、証拠収集の重要な手段のひとつです。
タレコミによる税務調査には、以下のような対策を取りましょう。
過去の申告内容に抜けや漏れがあったとしても、修正申告をすることができます。税務調査で指摘を受けるよりも前に修正申告を行えば、過少申告加算税は課税されません。無申告加算税についても軽減することが可能です。
税務調査では、多くの場合訪問前に事前連絡が入ります。よほど悪質な場合を除き、ある日突然抜き打ちで調査されることはないため、不安な場合は今からでも過去の申告内容をチェックするとよいでしょう。
確定申告をしていない無申告状態は、税務署が力を入れて調査する対象のひとつです。
現在無申告である場合、1日でも早く申告を行うことをおすすめします。
直近の申告だけでなく、数年分までさかのぼって申告することも可能です。
タレコミから無申告が税務署にバレたり税務調査で無申告の指摘を受けたりする前に、自主的に申告するようにしましょう。
「これまで税理士を顧問にしたことがない」「かつて依頼していたが、現在は何のサポートも受けていない」という場合には、気づかずに申告漏れや計上ミスなどが多発している可能性があります。
税理士のサポートを受けることで、適正な申告かどうかをチェックすることが可能です。
無申告状態で「確定申告に必要な書類や帳簿をどう作ればよいのかわからない」という場合には、税務調査や無申告などの取扱実績を多くもつ税理士事務所へ相談してみましょう。
専門家のアドバイスを受けて申告することにより、タレコミや税務調査を必要以上に恐れずに済みます。
タレコミによって摘発を受けるケースは多くはないものの、税務調査につながる可能性はあります。
特に、税務署が調査を強化している自営業や副業を無申告にしていると、指摘を受けて重いペナルティが課税されてしまう恐れもあるでしょう。
必要であれば税理士のような専門家のサポートを受けて、無申告分の申告や修正申告を早めに済ませることが大切です。
不安な点がありましたら、税理士法人松本まで気軽にご相談ください。
こちらの記事は幻冬舎GOLD ONLINEにも掲載されております。
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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