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忙しい個人事業主にとって、確定申告は手間がかかる、面倒なことです。しかし、確定申告をしなければ、脱税の罪に問われる恐れもあります。確定申告の必要性は理解しているものの、確定申告シーズンとなると申告書の作成に時間が取られ、本業にも支障をきたすケースもあるでしょう。そのような場合、税理士に確定申告を丸投げしたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、確定申告を丸投げしたら費用は高くつくのではと不安に思うケースもあるかもしれません。
そこで今回は、個人事業主が確定申告を税理士に丸投げする際に依頼できる業務の内容や費用相場についてご説明します。
目次
確定申告を丸投げするということは、税理士に確定申告に関する業務をすべて任せるという意味です。税理士は、確定申告書をはじめ、税に関する書類を作成することができ、さらに納税者に代わって税の申告を行うことができます。また、確定申告書を作成するためには、日々、記帳などの毎月の経理業務を行う必要があり、これらの経理業務も税理士に丸投げすることが可能です。
個人事業主が税理士に依頼することのできる業務は次のようなものです。
確定申告書は、確定申告の時期だけに作業をすることで作成できるわけではありません。売上や支出など、日々の取引内容を、請求書や領収書などをもとに記帳する必要があります。記帳にあたっては簿記の知識も必要となるため、複雑な処理が生じた場合には書籍やインターネットで仕訳の方法を調べたりするなど、時間がかかるケースは少なくありません。
税理士に丸投げする場合、記帳も依頼することが可能です。その場合、個人事業主は、領収書や通帳のコピーや画像を渡すだけで済むため、記帳に関する手間と時間を大幅に軽減できます。
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までと期間が決まっています。この期間中に確定申告書を作成し、申告をしなければなりませんが、業種によってはこの時期が繁忙期にあたるケースもあるでしょう。
確定申告書の作成も税理士に丸投げすることが可能です。確定申告書の作成と申告までを税理士に依頼できれば、個人事業主の負担は大きく軽減されます。
税務相談も税理士の仕事です。税理士との契約内容によりますが、顧問税理士契約を締結している場合などは、税金に関する相談をすることもできます。個人事業主から法人化を検討している場合も、法人化をすべきタイミングや法人化によって生じるメリットなどについて相談できれば、安心です。
確定申告を税理士に丸投げする方法には、顧問税理士契約を締結する方法と確定申告業務だけを丸投げする方法があります。それぞれによって税理士が対応する業務内容が変わってくるため、費用も変わります。それぞれのケースの費用の目安についてご説明します。
顧問税理士契約を結び、確定申告を税理士に丸投げする場合、その料金相場は、年間の売上額や訪問頻度、依頼する業務の内容によって変わってきます。
一般的には、個人事業主の場合は月々1万円~3万円程度です。ただし、確定申告や記帳代行を依頼する場合は、別途費用が発生するケースが多くなっています。
顧問税理士契約を締結して、確定申告まで丸投げしたい場合は、月々の顧問料に加え、別料金が必要になることも踏まえて、契約を締結するか検討した方がよいでしょう。
顧問税理士契約は結ばず、確定申告だけを税理士に丸投げする場合の費用は、白色申告か、青色申告かによって変わってきます。ただし、白色申告についてはそれほど複雑な処理が必要になるわけではないため、税理士に丸投げするのであれば、節税メリットを得られる青色申告を行った方がよいでしょう。
青色申告での確定申告を税理士に丸投げする場合の費用は、売上額によっても変わってきますが、10万円~20万円程度が目安になるでしょう。ただし、記帳代行からすべて依頼する場合などは、費用がより高額になる可能性があります。
事業が順調に成長すればするほど、取引の額も増えるため、日々の記帳や確定申告にかかる時間も手間も負担となります。確定申告を税理士に丸投げすると、次のようなメリットを得られます。
個人事業主の場合、税金について専門的な知識を保有しているケースはそれほど多くありません。しかし税理士は、税務の専門家であり、税理士に確定申告を依頼した場合、正しい確定申告書を作成することが可能です。正しく確定申告をしていれば、税務署から目をつけられることはありません。
また、万が一、税務調査の対象となった場合でも、税理士が作成した確定申告書であればミスが生じている可能性は低く、問題なく調査も終了するでしょう。
確定申告を正しく行うためには、経理や税金についての知識が必要です。個人事業主として仕事をしながら、経理や税について学ぼうとすると、ある程度の時間がかかってしまいます。また、確定申告書の作成時には、仕訳の方法をチェックしたり、領収書などの書類と照合したり、さまざまな手間が生じます。税務に関する知識がない場合、インターネットなどで調べながら、何度もやり直したり、悩んだりといった時間が生じます。そのため、本業に費やすことができる時間に影響を与えるケースは少なくありません。特に確定申告シーズンと本業の繁忙シーズンが重なる場合などは、確定申告作業の煩雑さが悩みの種になっているのではないでしょうか。
税理士に確定申告を丸投げすれば、確定申告の作業に頭を悩ます必要も、時間や労力をかける必要もありません。確定申告の時期にも本業に注力できる点は、税理士に確定申告を丸投げする大きなメリットだと言えます。
個人事業主であれば、誰でも、できるだけ税金の負担を軽減したいと思うはずです。しかし、経費としては扱うことができない費用を経費に計上するなど、正しくない方法で税金を不正に逃れようとする行為は違法行為になります。
しかし、税理士に確定申告を丸投げする場合、正しい方法で節税が可能です。経費として計上できる額は漏らすことなく経費に計上し、適切な控除を適用させれば、合法的に納税額を抑えられる可能性があります。
確定申告を税理士に丸投げすると、確定申告にかかる手間を軽減できるほか、正しく確定申告を行うことができ、節税効果も得られるといったメリットがあります。しかし、その一方で丸投げすることで発生するデメリットがある点も忘れてはいけません。
税理士を確定申告に丸投げすることで生じるデメリットとして真っ先に挙げられるのが、費用が発生する点でしょう。税理士に依頼せず、個人事業主が自ら確定申告や記帳を行えば、税理士に支払う費用は発生しません。そのため、確定申告を丸投げすることで発生する費用が負担に感じる場合もあるでしょう。
しかしながら、確定申告を自分で行うことで、確定申告の作業に時間や労力を割かれ、逃してしまったビジネスチャンスがあるかもしれません。丸投げすれば、確定申告期間も事業に集中できるため、税理士に支払う費用を事業利益でカバーできるケースもあるでしょう。
記帳の代行を依頼する場合や確定申告書の作成を依頼する場合、税理士とのやり取りが発生します。税理士に資料を送付しても、内容を確認しなければならないケースもあり、税理士から電話やメールで問い合わせが入ることも少なくありません。業務の合間で電話に対応したり、メールで回答したりすることが、負担に感じるケースもあるようです。
税理士に記帳や確定申告を丸投げすると、自身で処理を行う必要がないため労力を軽減できるものの、経理や確定申告に関する知識は身に付きません。自分で経理や確定申告の知識を身に付けていきたいと考える方は、自分で確定申告をした方がよいかもしれません。
確定申告を税理士に丸投げすると費用が発生します。そのため、一概に確定申告は税理士に丸投げすべきだというわけではありません。個人事業主でも確定申告を税理士に丸投げした方がよいケースは次のような場合です。
売上が増加した場合、取引の量も種類も増えるため、記帳の負担も大きくなるでしょう。仕訳の量が増えると、記帳時にもミスが生じやすくなり、結果として確定申告の内容にも誤りが発生しやすくなると言えます。
また、売上が大きい個人事業主は税務調査の対象にも選ばれやすくなるため、正しく確定申告を行うためにも、ある程度の売上額に達した場合は税理士に確定申告を依頼した方がよいでしょう。個人事業主の負担を軽減できるとともに、税務調査のリスクも抑えられるため、費用以上のメリットを得られる可能性があります。
業務が忙しく、日々の記帳が難しい場合や確定申告期間でも確定申告書の作成に時間を取れない場合などは、記帳代行からの税理士への丸投げをおすすめします。経理の知識がない場合、日々の記帳も負担になり、事業に集中できないことが大きなストレスになるケースは珍しくありません。また、忙しいために記帳ができない場合、確定申告期間の直前になってまとめて記帳が必要になり、正しい処理が行えないこともあります。
業務が忙しすぎて、記帳が負担になっている場合などは、記帳の代行から確定申告の丸投げをおすすめします。
消費税の課税事業者の場合、確定申告時には所得税の申告だけでなく、消費税の申告も行わなければなりません。消費税の申告は、所得税の申告よりもさらに複雑な計算が必要になります。そのため、消費税の課税事業者になる場合などは、税理士に確定申告業務を依頼した方がよいでしょう。
開業する際には、税務署に対して開業届や青色申告承認申請書などの書類の提出が必要になります。また、開業したばかりの頃は、記帳方法も分からないケースも多く、開業のタイミングで税理士に相談しておけば、書類の作成や提出までを任せることが可能です。さらに、記帳や確定申告など、すべてを丸投げすることもできるため、税金に関する不安を抱えることなく、事業に全力を注げます。
信頼できる税理士を選ぶ際の重要なチェックポイントを2つご紹介します。
まず、明確な料金プランを提示している税理士ではない場合、確定申告を丸投げした後、想定外の費用が発生する可能性があります。確定申告の丸投げを依頼する場合は、必ず見積もりを取り、提示された金額にどのような業務が含まれているのかをチェックすることが大切です。
確定申告を丸投げするうえでは、税理士とのやり取りが発生します。相談しやすい、説明が分かりやすい、連絡が取りやすいといったコミュニケーションの取りやすさは、業務を依頼するうえで非常に重要です。質問をしても、希望する回答が得られない場合や対応に時間がかかる場合などは、丸投げすることでかえってストレスにつながる恐れもあります。
問い合わせ時の対応などから、信頼できる税理士であるかどうかをチェックするようにしましょう。
確定申告を税理士に丸投げする場合、費用が発生します。売上の額やどこまでの業務を依頼するかによって費用は変わるものの、売上が大きくなってきた場合や消費税の課税事業者となる場合などは、日々の記帳や確定申告時の負担が大きくなります。費用がかかっても、税理士に依頼した方が、高い節税効果につながったり、正しい確定申告によって税務調査のリスクを抑えられるといったメリットが生じます。
税理士法人松本では、個人事業主の方の確定申告の丸投げにも対応しています。確定申告や記帳の代行を検討している場合は、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者16万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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