2025.09.29
  • 税務調査

税務調査とは。個人に対して行われている調査の実態を解説

読了目安時間:約 11分

税務調査というと、個人ではなく、法人を対象に行われる調査のイメージを抱く人が多いかもしれません。しかし、法人だけでなく、所得のある個人も税務調査の対象となります。個人といっても、すべての人に対して税務調査が行われているわけではなく、税務調査を受けやすい人には特徴があります。では、個人を対象とした税務調査は毎年どのくらい行われており、どのような個人が税務調査の対象になりやすいのでしょうか。

今回は、税務調査の概要や個人を対象とした税務調査の実施件数、調査の結果、調査の内容などについてわかりやすく解説します。

 

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税務調査とは

税務調査とは、納税の義務がある法人や個人が正しく申告を行い、納税をしているかを確認する税務署による調査です。日本では、法人や個人が自ら所得額と税額を計算し、納税をする申告納税制度が採用されています。したがって、申告時にミスをしていたり、意図的に不正な申告をしていたりするケースもあるのです。そのため、個人や法人がルールに則った正しい方法で申告を行っているかの確認をし、適切に納税を進めるため、税務署は税務調査を行います。

 

税務調査の種類

税務調査は大きく分けると、強制調査と任意調査に分けられ、任意調査も調査の内容によっていくつかの種類に分けられます。

 

強制調査

強制調査とは、国税局査察部が裁判所の令状を持って強制的に実施する調査です。多額の脱税が疑われる場合や悪質な所得隠しなどが疑われる場合などに実施される調査で、強制調査が行われる場合、納税者は調査を拒否することはできません。

強制調査の対象となるのは、法人だけではありません。個人も悪質な行為が疑われる場合などは、強制調査が実施されます。

強制調査は、立件を目的として行われる犯罪捜査の1つです。そのため、強制調査によって不正が発覚した場合、刑事事件として告発され、刑事罰が科せられる恐れもあります。

 

任意調査

任意調査は、税務署の調査官によって実施される税務調査です。一般的に税務調査という場合は、任意調査を指すケースが多くなっています。任意調査は、強制調査のように有無を言わさず、強制的に調査が行われることはありません。納税者の協力のもとで実施することが前提となっており、納税者は調査を拒否することはできないものの、調査日の調整などを依頼することは可能です。

 

実地調査

実地調査とは、調査官が調査対象となる納税者の事業所や自宅を訪問し、帳簿や書類などの確認、事業主などへのヒアリングを行う調査のことです。実地調査は、一般調査と特別調査、着眼調査の3つに分けることができます。

一般調査とは、確定申告の内容が正しいか、申告内容を確かめるために実施する調査です。また、特別調査は、特別調査部門などの調査官によって実施される調査です。特別調査は一般調査で不正が疑われる場合や事前調査によって不正が疑われる場合などに実施されます。

着眼調査とは、資料や情報、申告内容などを分析した結果、申告漏れの可能性がある個人を対象に実施される調査です。着眼調査は比較的短期間で行われるものが多くなっています。

 

簡易な接触

簡易な接触では、納税者の事業所や自宅を調査官が訪れることはありません。文書や電話で確認をしたり、税務署への来署を促してヒアリングをするなどして、申告内容の是正を求めるものです。簡易な接触が行われるのは、提出された確定申告書の記載方法や計算に誤りが見つかった場合など、軽微なミスが疑われる場合となります。

 

個人を対象に行う税務調査とは

個人を対象にして行われる税務調査は、所得税の申告内容を調査するものだけではありません。消費税や譲渡所得、相続税などについて行われるケースもあります。

個人を対象とした税務調査は、一般的に次のような流れで実施されることが多くなります。

 

事前通知

税務調査の対象となった場合、原則として税務署から電話で事前通知が行われます。事前通知とは、税務調査を実施する旨を知らせる連絡です。事前通知の際には、調査の目的や調査の対象となる税目、実地調査の日時、調査対象期間、調査に必要となる書類などが告げられます。

税務調査には税理士の立ち会いも認められています。告げられた調査日時に対応できない場合や税理士に立ち会いを依頼したい場合などは、日程の調整をお願いし、それぞれの都合がつく日程に調査日を変更してもらうことも可能です。

 

実地調査

実地調査の日時に、調査官が個人の事業所や自宅を訪問します。事前通知から実地調査までは数週間空くケースがほとんどのため、その間に、調査に必要な帳簿や書類の準備をしておきましょう。調査対象期間は、基本的には3年間です。しかし、3年間の申告内容に不正が発覚した場合などは、5年分まで遡って調査されるケースもあります。

調査をスムーズに終えるためにも、原則3年分(状況により5年分)の帳簿や関係書類などを準備しておくようにしましょう。

 

調査結果の通知

個人に対する税務調査は1日程度で終わるケースがほとんどです。税務調査終了後、調査結果が通知されます。

申告内容に何も問題がなかった場合には、そのまま税務調査は終了となります。また、間違いなどが指摘された場合には、指摘を受けた箇所を修正して申告する修正申告が求められます。修正申告の際には、不足分の税額と申告内容が間違っていたこと、または申告をしていなかったことに対するペナルティの加算税が課せられます。

 

個人の税務調査ではどんなことが行われる?

個人に対して行われる税務調査では、まず、事業の内容や現在の収入状況などについて質問がなされます。会話を通して、事業の状況を確認した後は、帳簿などをチェックする調査がなされます。調査官は、売上の計上漏れがないか、計上時期にずれがないか、経費を不正に水増ししていないかなど、帳簿や請求書、領収書、契約書などと照合しながら詳細にチェックを行います。また、取引の記録を確かめるために通帳の確認をするケースや電子メールの提示を求めるケースもあります。

譲渡所得に関する調査では、土地や建物、金地金、株式などが調査の対象になるケースが多くなっています。正しく申告が行われているかを調べるため、譲渡契約書や資金移動の状況、売却した資産の購入価格などについて質問されたり、書類の提示を求められることが多いでしょう。

相続税の税務調査では、亡くなった人の家族関係や相続する人の現在の状況などについて質問がなされます。また、預貯金や保険、海外資産、不動産の状況についてもヒアリングが行われ、資産の移動を示す通帳や書類などのチェックも行われるでしょう。

 

税務調査でミスや不正が見つかった場合はどうなる?

税務調査でミスや不正が見つかった場合は、指摘された箇所を修正し、正しく申告を行いますが、このとき正しく申告をしなかったことに対してペナルティが科せられます。

確定申告の必要があったにもかかわらず、確定申告をしていなかった場合には無申告加算税の納税が必要です。また、確定申告の内容に間違いや不正があり、納税額が不足していた場合、過少申告加算税という税金が課せられます。さらに、多額の脱税行為を働いていた場合には、より税率の重い重加算税の納税が求められる点に注意しなければなりません。そのほか、納税が遅れたことに対するペナルティとして延滞税も加算されるため、確定申告は期限内に、正しく行うことが大切です。

 

個人を対象とした税務調査の実施実態

国税庁では、毎年、個人と法人に分けて税務調査の実施状況を公表しています。個人に対して実施している所得税と消費税についての令和5事務年度の税務調査の状況をご紹介しましょう。

 

個人に対して実施された所得税の税務調査の実施状況

令和5事務年度の所得税の税務調査の件数は、特別・一般調査が37,092件、着眼調査が10,436件、簡易な接触が557,549件となっています。合計すると、個人に対して605,077件の調査が実施されたことになります。

また、税務調査で申告漏れ等が指摘された件数は、特別・一般調査で32,685件、着眼調査で7,446件、簡易な接触で271,133件となっています。特別・一般調査の申告漏れ指摘率は約88%、着眼調査は約71%、簡易な接触は約49%となっており、実地調査を受けたケースの方が申告漏れを指摘される割合は高くなっていることがわかるでしょう。この結果から、個人を対象とした税務調査の場合、実地調査の対象に選ばれた人は、税務署が何らかの情報をもとに申告漏れを疑っている状況にあると考えられるのではないでしょうか。

 

所得税の追徴税額の合計額は1,398億円と過去最高額に

税務調査によって申告漏れが指摘され、追徴税額がなされた額は合計すると1,398億円にも上ります。1件当たりの追徴税額は、特別・一般調査が275万円、着眼調査が45万円、簡易な接触では6万円となっています。この調査結果を見ても、税務署では申告漏れの可能性が高い個人を特別調査や一般調査の対象として選んでいると考えることができるのではないでしょうか。

個人事業主に対する消費税の税務調査の実施状況

個人事業主でも、年間の売上高が1,000万円を超える事業者やインボイス発行事業者として登録している事業者は、消費税の課税事業者となり、消費税の納税が必要です。個人事業主を対象にした消費税の税務調査の実施件数は、特別・一般調査が21,741件、着眼調査が4,835件、簡易な接触が93,919件となっており、合計して120,495件の調査が実施されています。

 

個人の消費税の追徴税額も423億円と過去最高に

申告漏れを指摘された件数は、特別・一般調査が18,521件、着眼調査が3,493件、簡易な接触が55,533件です。また、追徴税額の額は、合計すると423億円となり、過去最高を記録しました。1件当たりの追徴税額は、特別・一般調査が158万円、着眼調査が32万円、簡易な接触は7万円です。消費税の税務調査の結果を見ても、やはり、特別・一般調査における追徴税額が高くなっていることがわかるでしょう。

参照:国税庁「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」

 

税務調査の対象になりやすい個人の業種

国税庁では、申告漏れの額が高い個人事業主を業種別にランキング形式で発表しています。

令和5事務年度の場合、申告漏れ所得金額が高額な上位10業種は次のようになっています。

 

事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

順位 業種 1件当たり申告漏れ所得金額(万円) 1件当たりの追徴税額(万円)
1位 経営コンサルタント 3,871 1,040
2位 ホステス、ホスト 3,654 507
3位 コンテンツ配信 2,381 436
4位 くず金卸売業 2,068 683
5位 ブリーダー 2,028 459
6位 焼き鳥 1,657 427
7位 太陽光発電 1,625 119
8位 内科医 1,621 408
9位 スナック 1,616 326
10位 西洋料理 1,517 288

参照:国税庁「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」

 

税務調査の対象になりやすい個人の傾向とは

税務調査は、納税の義務がある人であれば、誰でも対象に選ばれる可能性があります。しかし、税務調査の目的は正しく申告をしているかをチェックし、誤りがあった場合には正すことです。そのため、効率よく誤りを正すためには、正しく申告をしている個人を対象に税務調査を行うのではなく、不正が疑われる個人を対象に税務調査を行った方がよいでしょう。

したがって、まず、確定申告をしていない人や確定申告の内容に疑義が生じる場合などは、税務調査の対象になりやすくなります。さらに、上にご紹介したように申告漏れの額が大きい業種を営んでいる個人事業主は、税務調査の対象になりやすいといえるでしょう。

また、課税売上高が1,000万円を超えると翌々年から消費税の課税事業者となるため、消費税の納税を免れるために、売上が1,000万円を少し下回る程度に調整する人もいます。そのため、数年にわたって売上が1,000万円ギリギリとなっている人なども税務調査の対象になりやすいといえるでしょう。

ただし、インボイス制度が開始したことにより、税務調査へ与える影響にも変化が見られる可能性が高まっています。

 

インボイス制度は個人の税務調査に影響がある?

インボイス制度が個人への税務調査に及ぼす影響などについても見ていきましょう。

 

インボイス制度とは

インボイス制度とは、2023年10月よりスタートした消費税に関する新しい制度の1つです。インボイス制度の正式名は「適格請求書等保存方式」で、インボイスの正式名称は「適格請求書」といいます。
売上1,000万円に満たない個人事業主であっても、インボイスの発行事業者となることで、消費税の課税事業者となります。

 

インボイス制度では何が変わるのか

インボイス制度がスタートしたことによって、具体的には以下のような点が従来と変更になっています。

 

 

・インボイスがないと仕入税額控除ができなくなる
消費税はほとんどのサービスや商品売買に対して発生するため、売上と仕入の両方において消費税が発生することとなります。
そのため、消費税が二重課税とならないように、売上で生じた消費税から仕入で生じた消費税を差し引いて計算することができ、これを「仕入税額控除」と呼びます。
これまでは通常の請求書で仕入税額控除が可能でしたが、インボイス制度以降は適格請求書(インボイス)がない仕入については、仕入税額控除をすることができなくなりました。

・適格請求書発行事業者だけがインボイスを発行できる
インボイスを発行できるのは適格請求書発行事業者に限られます。適格請求書発行事業者となるためには、事前の申請が必要となります。

・インボイスの記載には必要な要件を満たす必要がある
インボイスの記載には一定の要件を満たす必要があり、適格請求書発行事業者となった際に税務署から付与される登録番号の記載などが求められます。

・受領側も発行側もインボイス(または控え)の保存が必要となる
インボイスを発行した事業者と受け取った事業者双方がインボイスまたは控えの保存が必要となります。

・免税事業者からは仕入税額控除ができなくなる
適格請求書発行事業者となった事業者は、売上額に関わらず消費税の課税事業者となります。そのため、インボイスを発行できない免税事業者が発行した請求書(従来の請求書)からは、仕入税額控除ができなくなります。

 

インボイス制度が個人の税務調査に与える影響

インボイス制度が始まったことによって、個人の税務調査に影響が及ぶ可能性があるポイントとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。

・売上1,000万円以下でも税務調査対象となる可能性がある
従来、消費税の課税事業者となるかどうかの目安として「売上1,000万円を超えているか」という基準がありました。しかし、適格請求書発行事業者となった場合は、売上額に関わらず消費税の課税事業者となります。そのため、売上が1,000万円に満たないケースでも、税務調査では消費税が調査対象となることがあるため注意が必要です。

・消費税の計算方法やインボイスの管理、保存方法をチェックされやすい
これまで消費税の免税事業者であった個人事業主が、インボイス制度のスタートによって課税事業者となった場合、消費税の計算や記帳方法、インボイスの発行や管理、保存などについて正しく行われているか、税務調査でチェックされやすくなるでしょう。
故意でない計算ミスや記帳漏れによって不正を疑われることのないよう、書類の管理や記帳、計算はチェックや見直しを行い、適正な申告をすることが大切です。

・仕入税額控除に免税事業者の請求書を含めていないか注意する
消費税の課税事業者となった場合、仕入税額控除の際に免税事業者の請求書を含めていた場合、税務調査で発覚すれば否認されてしまいます。
インボイスが記載要件を満たしていない場合には、記載が必要な事項について確認できる書類などを準備しておくようにしましょう。

・インボイス発行事業者として登録していない場合も注意が必要
インボイス発行事業者として登録していない場合、基準期間の売上が1,000万円を超えていなければ免税事業者となりますが、1,000万円を超えている場合には、インボイス発行事業者でなくても課税事業者となります。
「インボイスの登録事業者ではないから免税だろう」と思っていたら、消費税が無申告となっていた、といった事態にならないように注意しましょう。

 

税務調査で注意するべきポイント

税務調査で注意するべきポイントについて解説します。

 

税務調査で対象となるのは過去5年分

税務調査では、原則として過去3年分まで遡って調査されることとなります。しかし、法律上は過去5年分まで遡って調査することが可能で、脱税や隠ぺいが疑われるような場合には、7年まで延長して遡ることもあります。
直近の申告は適正に行っていても、5年前や7年前に申告漏れや無申告がある場合には、税務調査で発覚すればペナルティの対象となってしまうため注意が必要です。
「申告漏れがあったけど、税務署から何も連絡がないから大丈夫かな」と考えていたら、忘れた頃に税務調査の連絡が来るケースもあります。長期間申告漏れや無申告を放置していると、延滞税などの追徴税額も大きくなってしまうため、心当たりがある場合は早めに対処することが大切です。

 

書類や帳簿は法定期間保管しておく

税務調査では、過去の帳簿や請求書、領収書などの書類の提出を求められます。こうした会計書類は、一定期間の間保管することが法律で定められており、個人事業主の場合、確定申告の提出期限から7年間は書類を保存しておく必要があります。
上記で解説した通り、税務調査では過去3年または5年、悪質な場合は7年まで遡って調査を受ける可能性があるため、最低7年分の書類は保管しておくようにしましょう。
保管する際は月ごと、項目ごとにファイリングして、すぐに取り出せるようにしておきます。
特に、現金取引の多い事業に従事している場合、税務調査の手目が厳しくなる傾向にあります。現金取引が多いと売上や仕入の額を操作しやすいため、証明できる書類を準備しておくことで税務調査対策にもなるでしょう。

 

取引に急激な変化があった場合も注意が必要

前年度から急激に売上が増大したり、逆に赤字が大きくなったりするなど、取引に大きな変化があった場合も、税務調査が入りやすくなるため注意が必要です。
純粋に業績が上がったり、設備投資で経費が大きくなったりしている場合はよいのですが、税務署では「申告にミスや間違いがあったのではないか」「適正な申告が行われているか」などについて調査する可能性があります。
特に赤字や経費の増大については、経費の水増しなどの不正を疑われる原因にもなりやすいため、何か聞かれたときには毅然と説明できるよう経緯や証明書類などについてまとめておくようにしましょう。

 

開業後3年が経過している場合は注意する

個人と法人のいずれにおいても、開業して3年以上が経過している場合は、いつ税務調査が入ってもおかしくないと考えて対処するようにします。
開業して間もない間は事業規模も小さく安定していないケースが多いことに加え、税務調査で対象とする期間は原則3年であることも影響していると思われます。
「3年経たずに税務調査を受けた」「10年近く経つがまだ税務調査を受けたことがない」など、いつ税務調査がやって来るかについては個人差もありますが、開業して間もない場合は3年を目安に税務調査対策を検討するとよいでしょう。

 

過去に無申告期間がある場合は早期に解消を

過去に無申告にしている期間がある場合や、大きな申告漏れがある場合、その多くは税務署に把握されていると考えた方がよいでしょう。
税務調査で無申告や申告漏れを指摘するよりも、自主的に修正申告を行った方がペナルティは軽くなります。税務調査の連絡がないからと放置せず、不安な場合は税理士へ相談するなどして、早期に解消しておくようにしましょう。

 

法人成りを検討している場合は税務調査対策も

現在個人事業主として事業を行っていても、近い将来法人成りを検討している場合には、税務調査対策も併せて検討することをおすすめします。
一般的に法人には個人よりも税務調査が入りやすいといわれています。法人成り後に税務調査の対象となりやすい理由としては、以下の点などが挙げられるでしょう。

・法人成りの手続きの不備がないかチェックされる
個人事業主から法人成りする際には、役員報酬の設定や資産・負債の引継ぎなど、煩雑な手続きが多く、会計処理にも不備が見られるケースが多く見受けられます。
こうした過去の事例から、法人成りした直後には税務調査が行われやすくなるのです。

・脱税などの不正が疑われる
法人成りしてから売上や利益が大きく変動しているような場合、意図的な操作を行って脱税などの不正を働いているのではないかと疑われる可能性があります。
特に個人事業の際に計上するべき売上を法人になってから計上したり、法人としての経費を法人成りする前に計上したりしていないかなどがチェックされることとなります。
個人として申告していた際の帳簿と法人になってからの帳簿に一貫性がなかったり、会計処理のルールを大きく変えたりすることも、税務調査で指摘されやすいポイントとなるでしょう。

 

上記で挙げた理由以外に、そもそも個人より法人の方が税務調査を受ける確率は高くなります。また、法人として税務調査を受けた場合でも、法人成りする前の個人の申告について税務調査が行われる場合も少なくありません。
特に節税対策から法人成りを検討する場合は、税務調査で指摘される可能性がないか、手続きの際に専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

税理士法人松本では、個人への税務調査対応はもちろん、法人成りのサポートや税務、確定申告のサポートなども行っています。安心してご相談いただける環境づくりに取り組んでいますので、お気軽にご相談ください。

 

まとめ

税務調査とは、正しく申告と納税を行っているかを確認する税務署による調査です。税務調査は法人だけでなく、個人に対しても実施されます。実際、毎年個人に対する多くの税務調査が実施されており、令和5事務年度は追徴税額も過去最高を記録しています。

個人に対して税務調査が実施された実績を見ると、実際に調査官が現場を訪れて詳しく調査を行う特別・一般調査での追徴税額が高くなっています。この状況を鑑みると、税務署では何らかの手段で情報を得ており、不正を行っている疑いが強い人に対して実地調査を実施している可能性が高いといえるでしょう。

税務調査でミスや不正を指摘されると、ペナルティが課せられます。正しく申告をしていない自覚がある場合には、無申告加算税や過少申告加算税の軽減措置を受けられるよう、自主的に期限後申告や修正申告をすることをおすすめします。

 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者16万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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