2025.05.21
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ガールズバーに税務調査が入ると、キャストの無申告がバレる?

読了目安時間:約 6分

ガールズバーは、気軽に女性キャストとの会話を楽しめる場所として人気です。また、キャバクラのような接待をする必要がないにもかかわらず、比較的高い時給が設定されているため、ガールズバーのキャストとしての仕事は女性からも人気を集めています。

ガールズバーは、水商売に該当する業種であり、水商売は税務調査の対象に選ばれやすい業種として知られています。そのため、ガールズバーを経営している方の中には税務調査が入るのではと不安に思う方もいらっしゃるでしょう。また、ガールズバーで働くキャストの中には、税務調査で自身の無申告がバレるのではと心配される方がいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、ガールズバーに税務調査が入る理由やキャストの無申告まで調査が及ぶ可能性などについてご説明します。

 

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ガールズバーに税務調査が入る理由

ガールズバーは、税務調査の対象に選ばれやすい業種です。なぜ、ガールズバーが税務調査の対象に選ばれやすいのでしょうか。

それは、水商売は不正が行われやすい業種として知られているからです。国税庁が公表している資料によると、令和5年事務年度において、税務調査によって不正が発見された割合の多い業種の1位は、バーやクラブとなっています。バー・クラブの不正発見割合は59.0%にも上ります。

税務調査は、納税の不公平を解消し、正しい納税を推進することを目的としています。そのため、正しく納税をしている納税者を対象に税務調査を行っても、正しい納税の推進にはつながりません。つまり、税務調査の目的を効率的に達成するためには、正しく納税をしていない可能性が高い納税者を中心的に調査した方が良いのです。

バーやクラブの約6割は正しく申告を行っていません。したがって、バーやクラブを対象に税務調査を実施すると、不正を暴ける可能性が高くなるため、ガールズバーを含めた水商売は税務調査の対象になる確率が高いのです。

 

ガールズバーに税務調査が入るとどうなる?

ガールズバーに税務調査が入った場合、どのようなことが起きるのでしょうか。

 

売上の状況がチェックされる

ガールズバーに税務調査が入った場合、まずは帳簿や書類などで売上の状況、支出の状況などがチェックされます。

最近ではキャッシュレス決済を利用できるお店も増えていますが、ガールズバーではまだ、お客様から現金で支払いを受けるケースが多くなります。現金商売の場合、銀行振込などのような取引に比べ、お金の出し入れの証拠が残りにくいという特徴があります。そのため、売上を過少に申告し、納税額の負担を減らそうとするケースも見られます。

ガールズバーに税務調査が入る場合、調査官が事前に客として潜入し、席数や客の入り状況、メニューの価格、客単価などをチェックしていることがあります。席数と客の入り具合、客単価などが分かれば、おおよそ1日の売上額が把握できるでしょう。想定される額よりも売上が極端に低い場合、売上を過少に申告していると疑われます。また、帳簿をチェックした際に、自身が支払った代金が計上されていなければ、少なくとも調査官の支払いについては計上していないことが発覚するのです。

納税額を低く装うためには、売上を過少に申告するか、経費を水増しして計上するか、いずれかの方法を取らなくてはなりません。そのため、ガールズバーに税務調査が入る際には、売上の計上漏れがないか、詳しくチェックされることとなります。

 

経費の状況がチェックされる

ガールズバーに税務調査が入った際には、経費についても詳しい調査が行われます。ガールズバーのキャストの中には、長期間にわたって継続して働いている人もいれば、短期間でやめてしまう人もいます。また、採用時の面接も一般的な企業に入社する際のように、これまでの経歴などについて詳しく問うことはありません。そのため、気軽な気持ちでガールズバーに入店し、自分に合わないと感じた場合やほかにもっと条件の良い仕事が見つかった場合などは、すぐにやめてしまう人が多いのです。

このようなキャストの流動性の高さを利用し、人件費を水増しするという不正が行われることもあります。実際には勤務をしていないキャストに報酬を支払ったことにし、経費計上の額を増やし、納税額を低く抑えようとするケースがあるのです。

そのほか、同じ請求書を2回計上するなどして、経費を水増しするケースもあります。税務調査では、請求書や領収書、タイムカードなどもチェックしながら、人件費が正しく計上されているかについても調査を行います。

 

不正がバレるとペナルティが課せられる

税務調査の結果、売上の額や経費の額に誤りがあり、納税額が不足していることが発覚すると、不足分の税金の納税が求められます。また、正しく申告を行わなかったことのペナルティとして過少申告加算税も課せられます。

過少申告加算税の税率は、不足分の税額に対する10%ですが、期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については15%と高くなります。さらに、納税が遅れたことに対するペナルティとして延滞税の納税も必要です。

また、意図的に売上を隠蔽するなど、悪質な不正行為が見られる場合には、さらに税率の重い重加算税が課される恐れもあります。過少申告加算税に代えて重加算税が課せられる場合の税率は、不足分の税額の35%です。

 

ガールズバーの税務調査でキャストの無申告がバレる?

ガールズバーに税務調査が入ることで、店側の不正な申告がバレるだけでなく、働くキャストの無申告がバレるケースがあります。

 

ガールズバーの税務調査でキャストの無申告がバレる理由

ガールズバーに税務調査が入ると、前述のように調査官は経費の状況をチェックします。お店側では、キャストに支払った報酬を経費として計上しているため、税務調査を行うと誰にどのくらいの報酬を支払ったのかという情報も把握できるようになるのです。

現在は、マイナンバーカードも普及し、確定申告の状態は簡単にチェックできるようになっています。キャストがどのくらいの報酬を得ているかを把握し、報酬を得ている人が確定申告をしているかどうかをチェックすれば、確定申告をしていないキャストはすぐに分かるでしょう。

ガールズバーなどの水商売のお店では、銀行振込ではなく、手渡しで報酬を渡すケースも少なくありません。手渡しで報酬を受け取る場合、銀行振込のように記録が残らないため、確定申告をしていなくても税務署にバレないといわれるケースもあります。しかし、手渡しだからという理由だけで無申告がバレないはずはありません。ガールズバーに税務調査が入れば、キャストの情報も得られるため、手渡しで報酬を受け取っていても無申告はバレることになるでしょう。

 

無申告でも問題にならないキャストもいる?

ガールズバーの中には、キャストを従業員として雇用しているケースと個人事業主として扱うケースの2つのパターンがあります。このうち、雇用契約を結び、従業員として勤務し、給与という形でお金を受け取っているキャストは、年収2,000万円を超えない限り確定申告は不要です。

一方、ガールズバーと雇用契約を結ばず、個人事業主という形でキャストの仕事に就いている場合には、年間48万円の所得を得ている場合、確定申告をしなければなりません。反対にいえば、年間所得が48万円未満であれば、ガールズバーのキャストとして働いていても確定申告はしなくても問題になることはありません。

また、ガールズバーの仕事は夜間が対象となります。そのため、昼間は会社員として勤務し、本業の仕事を終えたあとに副業としてガールズバーで働く女性もいます。副業としてガールズバーで働く人は、年間20万円を超える所得を受け取っているときに確定申告が必要になります。

 

ガールズバーからもらうお金が報酬か給与かはどうすれば分かる?

ガールズバーから受け取るお金が、報酬にあたるのか、給与にあたるのかが分からないケースもあるでしょう。その場合は、支払いの明細書を見ると確認できる場合があります。所得税が毎月支払われるお金から天引きされている場合は、お店側が所得税の納税をしているため、確定申告をしなくても問題になる可能性はありません。しかし、所得税が天引きされておらず、年間48万円以上の所得を得ている場合、副業では年間20万円以上の所得を得ている場合、確定申告が必要です。

明細が手元にない場合などは、お店に直接聞いてみると、報酬か給与かがはっきりします。

 

ガールズバーへの税務調査で無申告が発覚した場合のリスク

働いているガールズバーに税務調査が入り、キャストの無申告が発覚した場合、キャストに対しても税務調査が行われます。

ガールズバーで一定以上の所得を得ている場合、所得税を納税しなければなりません。会社員の場合、給与から所得税が天引きされますが、会社員ではない場合は、自ら確定申告を行い、1年間の所得額を計算し、しかるべき額の所得税を納める必要があるのです。

確定申告ができる時期は毎年、原則として2月15日から3月16日までと決められています。この期間内に確定申告をしなかった場合、無申告の状態となります。

税務調査で無申告が発覚すると、ガールズバーで得た所得にかかる所得税だけでなく、確定申告を期限までに行わなかったことのペナルティとして、無申告加算税の納税も求められます。

無申告加算税の税率は、税額が50万円以下の部分については15%、50万円超300万円以下の部分については20%、300万円を超える部分については30%となっています。さらに、納税が遅れたことに対するペナルティとして、延滞税の納付も求められるため、無申告が発覚すると多額の追徴課税がなされる可能性があります。

 

税務調査に不安がある場合は税理士に相談を

ガールズバーに税務調査が入り、正しく申告をしていないことが発覚すると多額の追徴課税がなされる恐れがあります。また、ガールズバーに税務調査が入った場合、ガールズバーで働くキャストの無申告がバレるケースも少なくありません。

正しく確定申告をしていないというガールズバーの経営者や無申告の状態にあるガールズバーのキャストの方は、税務調査が入る前に税理士に相談し、少しでも納税負担を軽減できるよう、早めの対策が重要です。

 

ガールズバーの経営者が税務調査前に税理士に相談すべき理由

正しく申告を行っていないことが税務調査で発覚すると、前述のように過少申告加算税の納税が求められます。しかし、税務調査の前に、自ら修正申告を行うと過少申告加算税の額を軽減することができます。

税務調査が行われる前には、事前に税務署から税務調査を実施する旨の通知が入ります。この事前通知を受ける前に、納税者が自ら修正申告を行った場合、過少申告加算税は課されません。

また、事前通知を受けてから税務調査の前に修正申告を行った場合でも、過少申告加算税の税率を軽減することが可能です。

 

ガールズバーのキャストが税務調査前に税理士に相談すべき理由

ガールズバーのキャストとして働き、確定申告の必要があるにもかかわらず、確定申告をしていない人も、税務調査が入る前に税理士に相談し、自主的に期限後申告を行うことをおすすめします。税務調査の事前通知前に期限後申告を行った場合、無申告加算税の税率は5%に軽減されます。また、事前通知を受けてから、税務調査が実施される前に自主的に期限後申告を行った場合でも、無申告加算税の軽減措置の適用が受けられます。

 

まとめ

ガールズバーを含め、バーなどの水商売の業種は、不正が行われる確率が高い業種として知られており、税務調査の対象に選ばれる可能性が高くなります。また、ガールズバーに税務調査が入ると、ガールズバーで働くキャストに対しても税務調査が実施されるケースが少なくありません。

正しく申告を行っている場合は税務調査が入った場合でも、追徴課税がなされる可能性はありません。しかし、申告内容にミスがある可能性が高い場合や申告をしてこなかった場合などは早めに税理士に相談することをおすすめします。税務調査の事前通知を受ける前に、自主的に修正申告を行った場合、過少申告加算税が課されることはありません。また、無申告の場合も無申告加算税の税率が軽減されます。税務調査の事前通知を受けたあとでは軽減される割合も低くなるため、できるだけ早く自主的な修正申告や期限後申告を行うことが大切です。

 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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