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税金の仕組みは複雑です。そのため、個人事業主として事業を開始した場合や新たに法人を立ち上げた場合、初めて確定申告をする場合などは、税金や確定申告の方法などがよく分からないケースも少なくありません。税について詳しい人に相談したいと思うものの、できるだけコストをかけたくない場合は、税務署の無料相談が魅力的に感じるはずです。しかし「税務署の無料相談は危ない」という噂があるのをご存じでしょうか。
なぜ、税務署の無料相談は危ないのでしょうか。今回は、税務署の無料相談が危ない理由や税務署の無料相談を利用する際の注意点などについてご説明します。
目次
まずは、税務署の無料相談の内容から確認していきましょう。
税に関する相談は次の4つの方法で受け付けられています。
個人の国税に関する質問は、ロボットが自動的に返答してくれるチャットボットで受け付けています。土日も含め、無料で24時間、税についての相談を受け付けている点は魅力です。しかし、チャットボットの相談範囲は、所得税の確定申告に関する相談、消費税の確定申告に関する相談、インボイス制度に関する相談、年末調整に関する相談の4つに限定されています。そのため、法人の税に関する質問には対応していませんが、個人の方が抱く基本的な疑問であればチャットボットでも解決できる可能性があります。
医療費控除や年末調整など、よくある一般的な質問と回答をWebサイト上で確認できるサービスです。こちらも24時間、無料で利用できます。いくつかの質問に回答することで、自分に合った状況から該当の質問を探すことができ、企業の場合でも知りたい情報を確認できる可能性があります。
国税に関する制度や法令の解釈、適用などの相談や手続きなどに関しては、国税局の職員が電話で回答する国税相談センターのサービスを利用することができます。通話料金はかかるものの、電話相談は無料です。受付時間は、平日の8時30分から17時までとなっています。
また、聴覚に障害があり、電話相談が難しい方は電子メール相談やファクシミリでの相談にも対応しています。
チャットボットやタックスアンサー、電話相談センターを利用しても問題が解決しない場合は、税務署で対面式の相談を受け付けています。税務署での面接相談も無料です。
ただし、税務署での面接相談を希望する場合は、事前の予約が必要になります。予約をせずに、税務署を訪れても面接相談は受けられず、税務署内から電話相談センターを利用するよう伝えられるため、注意しなければなりません。税務署を訪問し、対面での無料相談を希望する場合は、まずは電話で日時の予約をしましょう。その際、質問の内容を伝えると、持参すべき書類が伝えられるため、必要書類を持参し、予約日時に税務署を訪問することとなります。
税務署での無料相談は、費用もかからず、税務署の職員に税についての質問ができる、非常に魅力的な制度に思えます。もちろん、コストをかけずに税務署に相談できる点は、無料相談の大きなメリットでしょう。しかし、税務署の無料相談が危ないといわれる理由は、税務署の無料相談にはデメリット面もあるからです。
税務署の無料相談が危ない理由をご紹介します。
税務署で無料相談に対応する職員によって、知識や経験に大きな差がある場合もあります。基本的な税の知識は保有しているものの、経験が浅い職員では、質問や悩みに対して十分な回答を持ち合わせていないケースが少なくないのです。そのため、税務署の無料相談を利用し、税務署の職員からもらった回答で対処をしても、必ずしもその回答が正しいとは限らないのです。
税務署の無料相談が一概に危ないわけではありませんが、税務署の無料相談を利用すれば必ず正しい回答を得られると考えている場合は、後々、リスクが生じる可能性があります。
税務署の無料相談で相談できることは、一般的な税に関する内容にとどまります。税の仕組みや手続きの方法など、タックスアンサーに記載されているような基本的な内容であれば、面と向かって説明を受けることで、より分かりやすくなるでしょう。しかし、納税者の状況に応じた、細かな税務処理の方法や複雑な税金の計算などについては、適切なアドバイスを受けられない可能性があります。
税務署の無料相談で得られる回答は、一般論に限定されると考えておいた方がよいでしょう。
個人であっても法人であっても、納税者であれば、誰でも不要な税金は納めたくないと考えるはずです。そのため、確定申告が初めてであったり、利益が大きく伸びた事業年度などに、節税の方法を知りたいと思い、税務署の無料相談を利用するケースもあるかもしれません。
しかし、税務署の無料相談では、節税に関するアドバイスを得ることは難しくなります。
節税とは、課税対象となる所得額を減らすことで、合法的に納税する税金の額を軽減する対策のことです。しかし、税務署は、納税者の正しい納税を促進する役割を担う機関であり、納税者の納税額を低く抑えるためのサポートを行うことを目的とはしていません。そのため、個別の事情に合わせた、具体的な節税テクニックを知りたいと考えている方は、税務署の無料相談ではせっかく訪問しても欲しい情報を得られないという点を理解しておく必要があります。
税務署の無料相談では、特定の納税者だけに、長い時間をかけて相談を受け付けることはできません。税務署の面談相談は、無料で受け付けているため、時期などによっては多くの納税者から予約を受けているケースも少なくないのです。そのため、じっくりと時間をかけ、納得がいく回答を得られるまで相談をすることは難しいケースが多くなっています。
複雑な内容について、悩みを抱えている場合、限られた時間の1回だけの相談では解決できないケースがほとんどでしょう。税務署の無料相談を利用できる回数に制限があるわけではありません。しかし、無料相談の予約を入れても、毎回、別の職員が担当する可能性があるため、最初から事情を説明し直すなどの手間が必要となり、欲しい情報をなかなか得られない可能性があるのです。
特に、確定申告の時期が近くなっている時期などは、税務署の無料相談も混み合います。税務署の無料相談を利用して、疑問を解決しようとしてもなかなか適切な回答を得られず、書類の提出期限までに申告書を作成できない危険も生じてきます。申告書の提出期限間近になって、複雑な処理を税務署の無料相談だけで解決しようとする行為は非常に危ない行為だといえるのです。
税務署の無料相談は、税金や税務に関するすべての相談に対応できるわけではありません。したがって、税務署の無料相談を利用する際には、税務署の無料相談の対応可能範囲を把握しておくことが大切です。
税務署の無料相談で得られる情報は、税に関する基本的な知識や手続きの方法などです。初めて確定申告をする場合で、確定申告書の書き方が分からない場合などは、税務署の無料相談で欲しい情報が得られる可能性があります。また、会社を立ち上げたばかりで、法人の税金に関する基本的な情報を知りたい場合なども、無料相談で適当な回答を得られるかもしれません。
しかし、特定の状況下における複雑な処理の方法や節税に関するアドバイスなどを期待することはできません。
税務署の無料相談は、確定申告についての相談を受け付けています。手続きの仕方や書類の記入方法などについての説明は受けられますが、確定申告書の作成を一から手伝ってくれるわけではありません。無料相談の時間は限られているため、一人の納税者に長い時間をかけて、確定申告書の作成をサポートすることは難しいのです。
税務署の無料相談では、限られた時間の中で、必要なアドバイスをもらえるよう、相談をする前に事前の準備が必要になります。したがって、無料相談を有効に利用するためには、確定申告や税についてまったく知識を持っていないという状態ではなく、ある程度、申告方法などについて理解していることが前提になるでしょう。
税についての相談ができる場所は、税務署だけではありません。次のような場所でも、税について相談することが可能です。
商工会議所では、会員やこれから創業を予定している人を対象に、無料の税務相談を開催しています。商工会の無料税務相談では、税理士が対応しているため、税務署の無料相談とは異なり、個別の状況に応じた具体的なアドバイスを得られる可能性があります。
しかしながら、税理士に相談ができる日時は限られており、平日の日中に設定されているケースが多いため、タイミングによっては予約を取ることが難しい場合もあるでしょう。商工会議所の相談を利用する場合は余裕を持って、予約を入れるようにすることが大切です。
これから新たに事業を始めようとしている場合や個人事業主から法人成りを目指している場合などは、創業支援センターの無料相談を活用することもできます。創業や法人成りを目指すケースに限られてしまいますが、創業期に利用できる助成金や補助金、融資などについての相談も可能です。また、節税に関するアドバイスも受けられるため、これから事業を始める場合などは、積極的に利用を検討してみるとよいでしょう。
税に関する悩みや疑問であれば、税務の専門家である税理士への相談もおすすめです。税理士への相談は費用が発生するものの、複雑な税務問題にも対処することができ、納税者の立場に立った適切なアドバイスを受けることができます。
先述のように、相談内容が明確に決まっている場合やある程度税についての知識があり、特定の手続きだけを知りたい場合などは、税務署の無料相談で求める回答を得られるでしょう。しかし、税に対する知識がそれほどない場合や節税対策などについてのアドバイスを求める場合は、税理士への相談がおすすめです。税理士に相談をすると、次のようなメリットを得られます。
税務署の無料相談の最大のメリットは、費用がかからない点でしょう。しかしながら、費用はかからないものの、1回の相談で的確なアドバイスを受けられる可能性は高くありません。無料相談で得た回答をもとに、自身で課題の解決を目指さなければならないケースが多くなるため、本業にかける時間とエネルギーをロスしてしまう恐れがあるのです。
一方、税理士への相談の場合、コストは発生しますが、状況に応じた適切なアドバイスを受けることができ、決算書や確定申告書の作成も任せることが可能です。税務署の無料相談の回答を参考に、試行錯誤しながら確定申告書を作成する場合、多大な時間がかかる可能性があります。税理士に相談し、的確なアドバイスをもらえれば、無駄な時間とエネルギーを削減でき、その分を本業に費やすことで、より業績を伸ばせる可能性があるのです。
税務署の無料相談の利用では、節税に関するアドバイスを受けることはできません。税理士は節税テクニックにも詳しいため、個別の事情に合わせた的確な節税のアドバイスを受けることができます。節税は、脱税ではなく、税法に則り、適切な方法で納税の負担を軽くすることです。納税額が多くなれば、それだけ、事業主や会社に残るお金は減ってしまいます。税理士に相談することで税理士に支払う報酬は発生するものの、税務署の無料相談では得られない節税のアドバイスを受けることが可能です。そのため、効果的に節税ができれば、総合的に考えると税理士に相談した方がかえってプラスになるケースもあるでしょう。
補助金・助成金の申請、融資などに詳しい税理士もいます。確定申告や節税対策についての相談をするだけでなく、資金調達についても相談ができれば、事業も拡大しやすくなるでしょう。また、税理士からは審査に通過しやすい書類の作成方法や資金調達後の資金繰りなどについてのアドバイスなどを受けられる点も安心できる要素です。
税務署では、納税者からの無料相談を受け付けています。しかし、税務署の無料相談は危ないといわれることもあります。それは、無料相談は税制や手続き方法などの相談はできても、個別の事情に合わせた具体的なアドバイスを受けることが難しく、税務署の無料相談だけでは十分に問題を解決できないケースが多いからです。
税理士に相談する場合、税務署の無料相談とは異なり、費用が発生しますが、節税対策をはじめ、納税者の状況に合わせた的確なアドバイスを受けることができます。税務署の無料相談だけで課題を解決しようとすると、多大な時間を浪費し、本業がおろそかになる可能性もあるでしょう。税理士に相談することで、税務に関する手間や時間を削減し、適切な節税対策を行うと、税理士報酬を上回るメリットを得られる可能性もあります。
複雑な税務処理に悩んでいる場合や節税対策を知りたい場合などは、税理士への相談がおすすめです。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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