2025.12.19
  • 税務調査

贈与税が発生するのはどんなとき?無申告がバレた場合のリスクとは

読了目安時間:約 6分

誰かから無償でお金やプレゼントをもらったとき、贈与税という税金の納税が必要になるかもしれません。しかし、どんなときに贈与税が発生するのか分からないまま贈与税の申告をしないと、無申告状態となってしまいます。また、中には贈与税の申告をしなければならないことを理解していても、税務署にはきっとバレないだろうと思い、無申告を続けてしまうケースもあるようです。

では、贈与税はどのような場合に納税義務が発生するのでしょうか。

今回は、贈与税の納税義務が生じるケースや無申告が税務署にバレた場合のリスクなどについて解説します。

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贈与税を納める必要があるケースとは

贈与税とは、個人から財産を無償で受け取ったときに発生する税金です。

贈与税の課税対象

贈与税の課税対象となるのは、次のような財産です。

・現金

・不動産

・株式

・高級なバッグや時計、ジュエリー、車など、金銭的価値をもつもの

また、次のようなケースも贈与によって財産を取得したものとみなされ、贈与税の対象になる場合があります。

・生命保険や損害保険の保険金を受け取った場合(自分が掛金の負担をしていない場合)

・著しく低い金額で財産の譲渡を受けた場合

・お金を支払うことなく借金の免除を受けた場合

・お金を支払うことなく、不動産や株券を自分名義にしてもらった場合

・利息なしで多額の金銭を返済期限を設けることなく借りた場合

贈与税がかからないもの

贈与税の課税対象となるケースをご紹介してきましたが、以下の財産については贈与を受けても、贈与税の課税対象とはなりません。

・法人から贈与を受けた財産

・親や兄弟、配偶者などから提供された生活費や教育費

・就業や学術その他公益を目的とする事業のために提供された財産

・奨学金の支給を目的とする特定公益信託等から交付される金品

・見舞金、香典、花輪代、祝物

・父母や祖父母、曾祖父母など直系尊属から教育資金として一括贈与された1,500万円以内の財産

・父母や祖父母、曾祖父母など直系尊属から住宅取得資金として贈与された1,000万円以内の財産 など

贈与税は年間110万円超の贈与を受けた場合に申告が必要

誰かから贈与を受けた場合でも、必ず贈与税の納税義務が生じるわけではありません。なぜなら、贈与税には非課税枠が設けられているからです。贈与税の申告が必要になるのは、1月1日から12月31日までの間に、合計110万円を超える贈与を受けた場合となります。したがって、年間の贈与額の合計が110万円以下であれば、贈与税が課されることはなく、申告も必要ありません。

ただし、1人から受けた贈与の額が110万円以下であっても、複数の人から受けた贈与の額が年間110万円を超えた場合は、贈与税の申告が必要になる点に注意しなければなりません。

贈与税の申告方法と期限

贈与税は、贈与を受けた人が、住所地を管轄する税務署に対し、贈与税の申告書を提出して納税をします。贈与税の申告期間は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までです。

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贈与税の無申告はなぜ税務署にバレる?

贈与を受けても、証拠がないのだから税務署にバレるはずがないと思う方もいるかもしれません。しかし、贈与税の無申告は税務署にバレるケースが多くなっています。なぜ、贈与税の無申告がバレるのでしょうか。贈与税の無申告がバレる主な理由は以下のとおりです。

収入に比べ高額な不動産を取得した

マンションや戸建て住宅を購入した場合、または贈与によって名義を変更した場合、税務署では不動産の登記情報を把握しています。納税状況を見れば、個人の収入は簡単に把握することができますが、収入に比べて高額な不動産を購入した場合、不動産の購入資金の出どころが疑われるでしょう。また、不動産の名義が変更された場合も、不動産の贈与を受けた可能性が高いと判断され、税務署から指摘を受けることになります。

相続税の申告調査でバレる

誰かが亡くなった場合、市区町村に死亡届を提出しますが、市区町村では死亡届を受け取ると税務署にもその情報を共有する仕組みとなっています。税務署では、生前の納税状況などから、故人の財産額をある程度把握することができ、相続税の申告がなされていない場合や申告額が少ない場合は、税務調査を実施します。

税務調査では、預貯金の動きや不動産の名義なども調べることになりますが、多額のお金が引き出されていた場合などは贈与が疑われることになります。また、不動産名義が変更になっている場合も、贈与があったとみなされるでしょう。相続税の調査をきっかけに、贈与税の無申告がバレるケースは少なくありません。

保険会社が提出した支払調書で無申告が発覚する

保険会社では、生命保険や損害保険などの支払いが発生した場合、誰に、どのような目的で、どのくらいの金額を支払ったのかを支払調書と呼ばれる書類を提出し、税務署に報告をしています。支払調書に記載がある人物の申告状況を調べれば、贈与税が無申告であることはすぐにバレるでしょう。

SNSにアップした派手な生活で無申告がバレる

税務署は、あらゆる手段を駆使して、不正に税金を逃れようとしている人の情報を収集しています。多くの人がSNSを利用している今、税務署では調査を目的にSNSをチェックしていることが分かっています。

SNSに豪華なマンションでの生活や保有する高級車の写真、高価なブランドバッグやジュエリーなどを紹介している場合、それらの財産をどのように入手したのか税務署では調査を始めます。納税状況をチェックし、豪華な生活を支えるほどの収入がない場合は、誰かから贈与を受けたのではという疑いを抱くでしょう。お金の流れを調べれば、誰かから贈与を受けていたことはすぐに発覚します。

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贈与税の無申告がバレた場合のリスク

贈与税の申告が必要であるにも関わらず、申告をしない、無申告状態が税務署にバレた場合、次のようなペナルティが課されます。

無申告加算税が課される

無申告加算税とは、期限までに申告を行わなかったことに対するペナルティとして課される税金です。税務調査によって無申告が発覚した場合に課される無申告加算税の税率は、税額が50万円までは15%、50万円超300万円以下までは20%、300万円超の部分については30%となります。

ただし、税務調査が実施される前に、無申告であることに気が付き、自ら申告を行った場合は無申告加算税の税率は、税額に関わらず一律5%に軽減されます。

重加算税が課される

贈与税の申告が必要であることを理解していながら、贈与を受けていたことを隠蔽するような行為が見られた無申告者に対しては、無申告加算税よりさらに税率の重い重加算税が課されます。無申告の場合の重加算税の税率は40%です。

重加算税が課された場合は、重加算税という行政罰が科されるだけでなく、刑事事件として裁判所に告発されるリスクもあります。裁判によって有罪判決を受けた場合、懲役や罰金刑が科される恐れがある点にも注意しなければなりません。

延滞税が課される

無申告加算税は期限までに申告をしなかったことに対するペナルティであり、重加算税は申告義務があることを知りながら無申告状態であったことに対するペナルティです。

無申告状態は、税金の納付も遅れている状態であり、納税が遅れていることに対して課されるペナルティが延滞税です。贈与税の申告を行わなかった場合は、無申告加算税や重加算税に加え、延滞税も課されることとなります。

延滞税の税率は毎年変わりますが、納期限の翌日から2ヶ月までとそれ以降では税率が大きく跳ね上がります。また、延滞税は納付が完了するまで1日単位で課され続けるため、納付が遅れれば遅れるほど延滞税の課税額は大きくなります。

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贈与税の納税が不要でも申告が必要なケース

贈与税には、特例制度によって納税が免除や猶予されるケースがあります。しかし、特例を利用する場合であっても、申告は必要なケースがあります。代表的な事例を4つご紹介します。

相続時精算課税制度を利用する場合

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母が18歳以上の子どもや孫に贈与をする場合、2,500万円までは贈与税が非課税となる制度です。ただし、この制度を利用した場合、贈与をした父母や祖父母が亡くなった際、贈与を受けた財産は相続財産に組み入れられるため、相続税の対象となります。

相続時精算課税制度を利用した場合も、年間110万円を基礎控除として適用させることが可能です。また、贈与財産価額の合計が2,500万円を超えた場合、超過分の財産にかかる贈与税の税率が一律20%となるため、暦年課税に比べると課される税率を低く抑えられるなどのメリットがあります。

ただし、この相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与税の申告期限内に相続時精算課税制度選択届出書などの書類を添付し、申告を行わなければなりません。

住宅取得等資金の贈与の特例を受ける場合

住宅を取得する際に、父母や祖父母から資金の贈与を受ける場合、最大1,000万円まで贈与税を非課税にする制度があります。住宅取得等資金の贈与における非課税限度額は、省エネ等住宅を取得した場合は1,000万円まで、それ以外の住宅の場合は500万円までとなっています。住宅取得等資金の贈与を受け、非課税の特例を適用させる場合も贈与税の申告手続きが必要です。

教育資金の一括贈与の特例を受ける場合

30歳未満の人が父母や祖父母から教育資金の贈与を受けた場合、1,500万円を限度として非課税となる措置があります。教育資金とは、学校に支払う入学金や授業などの費用、学用品や修学旅行費など教育に伴って発生する費用のことです。また、学校以外の塾や習い事にかかる費用、習い事を行うために必要となる物品の購入費用、留学渡航費なども教育費に含めることができます。ただし、23歳以上の人に贈与する場合、学校への支払いは認められるものの、習い事や塾への支払いは認められません。

この非課税制度の適用を受けるためには、教育資金口座の開設を行ったうえで、教育資金非課税申告書を金融機関に提出する必要があります。金融機関に申告書を提出することで、提出日に納税地の税務署長に申告を行ったものとしてみなされるのです。

贈与税の配偶者控除を利用する場合

配偶者に対して自宅や自宅購入資金を贈与した場合、基礎控除額である110万円に加え、2,000万円まで贈与税が非課税となる制度を贈与税の配偶者控除と呼びます。贈与税の配偶者控除を利用するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

・婚姻期間が20年以上ある

・同一の夫婦間で初めてこの制度を利用する

・贈与を受けた人は、贈与を受けた年の翌年の3月15日までに取得した住宅に居住し、その後も継続して居住する見込みである

・贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告書を提出する

したがって、贈与税の配偶者控除、いわゆるおしどり贈与を利用する場合にも、期限内の申告が必要になる点に注意が必要です。

結婚・子育て資金の一括贈与に関する特例を受ける場合

父母や祖父母から、結婚や子育てのための資金として贈与を受けた場合、最大1,000万円まで贈与税を非課税とすることができます。対象となるのは、18歳以上50歳未満の人が挙式費用や衣装代等の婚礼費用、結婚に伴う家賃や敷金等の新居費用、不妊治療や妊婦健診に関する費用、分娩費用、子どもの医療費や保育料などに充てる目的で贈与を受けた資金です。

この特例の適用を受けるためには、金融機関で結婚・子育て資金口座の開設を行い、金融機関の窓口に結婚・子育て資金非課税申告書を提出しなければなりません。金融機関の窓口への提出をもって、税務署長へ申告書が提出されたものとしてみなされます。

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まとめ

年間110万円を超える贈与を受けた場合、贈与税の申告と納税が必要です。贈与税の納税が必要であるにもかかわらず、申告を行わない無申告状態の場合、無申告加算税や重加算税、延滞税などのペナルティが課されます。

また、特例を利用し、贈与税の納税が免除される場合であっても、申告書の提出をすることが特例適用の条件となっているケースがあります。その場合、贈与税の納税が不要だからと無申告状態を続けていた場合、特例が適用されず、納税義務が生じます。特例を適用させたい場合にも、期限までに必ず申告を行うようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者16万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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