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税務調査が入るときには、調査に必要な書類を準備しておかなければなりません。もし、必要書類が用意されていない場合、税務調査の期間が長くなる可能性があります。また、調査が十分に行えないために取引先に対して反面調査が入り、取引先から不信感を抱かれる恐れもあるでしょう。そのため、税務調査が入る前には適正に調査を行えるよう、必要書類をしっかり準備しておくことが大切です。
では、税務調査ではどのような書類が必要になるのでしょうか。
今回は、税務調査の必要書類の一覧、調査の流れ、対応ポイントについてわかりやすく解説します。
目次
税務調査では、多くの書類の準備が必要です。ここでは必要書類を、カテゴリ別に分けてご紹介します。
帳簿関係の必要書類は次のとおりです。
・総勘定元帳
・現金出納帳
・仕訳帳
・売掛帳
・買掛帳
・請求書
・領収書
・見積書
・契約書
・注文書
・納品書
・棚卸表
・賃金台帳
・源泉徴収簿
・タイムカード
・扶養控除等(異動)申告書
・株主総会や取締役会の議事録
・会社概要パンフレット
・車検証
・保険証券
・リース契約書
・融資契約書など
税務調査では、原則として3年分の申告内容についての調査が実施されます。しかし、調査を進めていくうちに、さらにさかのぼった確認が必要になるケースは少なくありません。そのため、最低でも5年分の書類を準備しておくと安心です。
ただし、意図的な改ざんや隠蔽など、悪質な行為が認められる場合は、7年分をさかのぼって調査がなされます。不安な場合は、7年分の書類を準備しておくとよいでしょう。
税務調査の必要書類を準備する際には、調査当日に調査官から指摘を受けても的確に答えられるよう、書類を確認しながら準備をすすめておきましょう。
必要書類のチェックポイントは次のとおりです。
総勘定元帳は、勘定科目ごとの取引履歴が記録されている主要帳簿です。総勘定元帳に漏れている取引があれば、税務調査時には指摘を受けやすくなります。仕訳帳、現金出納帳、買掛帳、売掛帳などの補助簿をチェックしながら、確実に取引が記載されているかを確認します。また、それぞれの補助簿の合計額と総勘定元帳の残高が一致しているかどうかもチェックしておきましょう。
買掛帳や売掛帳は、請求書や納品書などとの整合性がチェックされます。入金の状況や入金・支払いのタイミングなどもチェックの対象です。
帳簿関係の書類については、年度ごとに分けて準備をしておきましょう。
請求書や領収書、納品書、契約書等については、日付や金額、取引先が明確に記載されているかを確認します。それぞれが売掛帳や買掛帳、預金口座などの記録と一致しているか、確認が必要です。
また、接待交際費などに関する経費の領収書の場合は、接待をした取引先の名称や参加者名、参加人数、接待の目的が記載されたメモも残されているか、確認をしておく必要があります。
棚卸表については、実際の棚卸資産と帳簿上の数が一致しているかを確認し、在庫評価についても税務署に届け出た方法で評価しているか、チェックしておきましょう。
人件費も税務調査でチェックされやすいポイントです。人件費に関係する書類は、従業員ごとにまとめ、源泉所得税や社会保険料が正確に計算されているか確認をしておきましょう。
一般的に税務調査と呼ばれる任意調査は次のような流れで実施されます。
それぞれの内容についてご説明します。
任意調査の場合、原則として事前通知がなされます。事前通知は、税務調査実施日の1~3週間程度前に実施されることが多くなりますが、事前通知の時期について明確なルールが定まっているわけではありません。また、事前通知をすることで、証拠の隠蔽などが行われるリスクがあり、調査に支障が生じる可能性があると判断される場合は、事前通知なしで調査が実施される可能性もあります。
事前通知で伝えられるのは、調査の目的や調査の実施場所、調査対象税目、調査対象期間などです。また、調査の必要書類についても事前調査で伝えられます。
任意調査は「任意」とつくものの、税務調査を受けるかどうかについて納税者が任意で判断できるわけではありません。任意調査とはいうものの、税務署の調査官には質問調査権と呼ばれる権利が認められており、納税者には質問に答える受忍義務があります。そのため、任意調査であっても、調査を拒否することはできません。
しかしながら、任意調査は納税者の協力の下で実施される調査であることから、調査日時の都合がつかない場合などは調整を依頼することが可能です。税理士の立ち会いを希望する場合は、税理士の都合を確認したうえで、日程の調整を申し出ても構いません。
税務調査の日程が決定したら必要書類の準備を始めます。この際、前章でご紹介したポイントについて事前に確認をしておくようにしましょう。また、税理士とも相談をし、調査官から指摘を受けやすい箇所についてはどのように回答すべきか打ち合わせを進めておくことも大切です。
もし、必要書類をチェックする中で不備やミスが発見された場合でも、帳簿や書類を変更することはできません。数字を変更すると書類を改ざんしたとみなされ、重加算税が課される恐れがあります。事前準備の際にミスが発覚した場合には税理士に相談し、修正申告をすべきか判断することが大切です。
税務調査の事前通知を受けてからでも修正申告を行えば、過少申告加算税などのペナルティは軽減されます。しかしながら、事前通知後に修正申告をするとその後の税務調査がさらに厳しくなる恐れがあります。そのため、修正申告をすべきかどうかは、慎重に判断する必要があるのです。
税務調査当日は、調査官がオフィスや店舗などを訪れ、事業の概要や昨今の取引状況などについてインタビューがなされます。その後、準備した必要書類を元に申告内容に問題がないか、詳しく確認が行われ、何らかの疑問が生じた場合は納税者に対し、質問がなされることとなります。質問に対しては誠実に回答しなければなりませんが、法令に詳しい調査官からなされる専門的な質問に対し、的確な返答が行えない場合もあるでしょう。税理士に立ち会いを依頼している場合は、回答が難しい場合でも税理士にサポートをしてもらえるので安心です。
税務調査終了後、税務署から調査の結果が通知されます。調査終了後もすぐに結果が伝えられるわけではありません。調査終了にかかる時間は事業規模によって異なるものの、おおよそ1か月が目安となるでしょう。
調査の結果、申告内容に問題がないと認められた場合はそのまま調査は終了します。しかし、申告内容に誤りが認められる場合や不正が発覚した場合などは、修正申告を行い、不足分の税金を納める必要があります。また、その際には、無申告加算税や過少申告加算税など、加算税も課される点に注意が必要です。
税務調査時に指摘されやすいポイントを把握しておけば、事前準備に役立ちます。税務調査時にチェックされやすいのは次のようなポイントです。
・売上の計上漏れ、期ずれがないか
・仕入れが過大計上されていないか
・人件費が適切に計上されているか
・経費の処理は正しいか
・役員報酬の取り扱いが適正であるか
売上の計上漏れがあると、課税所得額が変動するため、納税額にも影響を与えます。そのため、売上の計上漏れや計上額のミスがないか、帳簿や書類、預金通帳などと照合しながら厳しくチェックされます。納品書や請求書の控えなどがあるにも関わらず、売上が計上されていない場合などは、その理由について調査官から説明を求められることになるでしょう。
また、売上の計上時期のずれも税務調査で指摘を受けやすいポイントです。本来、売上は入金日ではなく納品日を基準に計上しなければなりません。特に、期末に納品したものを翌月の売上として計上すると年間の売上額が変動するため、厳しくチェックがなされる傾向にあります。
売上同様、仕入れについても税務調査時にはよく確認されるポイントだといえます。仕入額を過大に計上すると売上を圧縮でき、税負担を軽減できるため、不正が行われるケースが多いのです。仕入れについては、二重に計上されているものがないか、売上に比べて仕入額が大きすぎないかなど、詳細にチェックがなされます。また、前年に比べて売上がそれほど変わっていないものの、仕入額が大きく増加している場合などは、仕入額増加の理由について確認がなされるでしょう。
人件費も税務調査でよく指摘されやすいポイントです。従業員に支払う給与は損金に算入できるため、実際には雇用していない架空の人物に給与を支払っているように装うケースや勤務実態のない親族に給与を支払う事例などが見られます。
そのため、税務調査時には従業員の勤務実態などが記録されているタイムカードやシフト表、雇用契約書などと照合したうえで、人件費の計上額に問題はないか、厳しくチェックされます。また、一定額以上の給与を支払っている従業員の場合、所得税の源泉徴収義務が生じます。源泉所得税の徴収漏れも税務調査で指摘されやすいポイントです。
税務調査では、個人的な支出が経費として計上されていないか、架空の経費が計上されていないかといった点を重点的に調査されます。交際費についてはプライベートな支出も混じりやすいため、特に指摘を受けやすくなっています。
そのほか、領収書がないものの経費として計上されているものはないか、領収書の筆跡が不自然ではないか、架空の外注費を計上していないかといった点もよく確認されるポイントです。領収書に品代が具体的に記載されているかも、税務調査ではチェックされやすくなっています。
定期同額給与として支給する場合、役員報酬の額を期の途中で変更することはできません。なぜなら、役員報酬の額を自由に変更できる場合、簡単に利益を調整できてしまうからです。
定期同額給与を変更できるのは事業年度開始から3か月以内に限られています。また、役員報酬を変更する際には、株主総会または取締役会における決議が必要です。ルールに違反していた場合、役員報酬の損金算入が否認されるため、追徴課税がなされることとなります。
税務調査では、役員報酬の支給額についても指摘を受けるケースが少なくありません。役員報酬の額が、同業他社や従業員の給与と比べて、不相当に高額であると判断されると、超過分について損金不算入となります。この場合、法人の課税所得が増加するため、法人税の負担が増加します。
また、実際には勤務実態がない親族などを役員に据え、報酬を支払っていないかといった点もチェックの対象となります。そのほか、役員として登記されていないものの、実質的に経営に携わっている従業員がいる場合、従業員ではなく、みなし役員として扱われます。みなし役員に支払う報酬は、給与ではなく、役員報酬としてみなされるため、役員報酬の支給ルールに則っていない場合は追徴課税の対象となる点にも注意が必要です。
税務調査の必要書類についてご紹介しました。税務調査の事前通知を受けたら、最低でも5年分の必要書類を準備しておくようにしましょう。
また、必要書類を準備すると同時に税理士への対応依頼も進めることが大切です。税理士とともに必要書類を確認すれば、調査時に指摘されやすいポイントが明確になり、調査当日も適切な対応を取りやすくなるでしょう。
任意調査では原則として、税務調査の実施前に事前通知がなされます。事前通知を受けたらできるだけ早く税理士に相談し、十分な対策を実施することをおすすめします。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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