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確定申告をずっとしていない無申告状態を解消するにはどうしたらいいの?

2023.01.19

確定申告をずっとしていない場合、ケースによっては無申告状態となっている可能性があります。「確定申告を忘れていた」「確定申告が必要だと知らなかった」という状況を解消するには、どうしたら良いのでしょうか。 ここでは、確定申告をずっとしていない人のリスクやデメリットに加え、確定申告が必要なケースや税務署にバレる理由などについて解説しています。無申告状態を解消する方法についても紹介していますので、現状を確認する際の参考としてもお役立てください。確定申告のご相談をご希望の方は税理士法人松本の無料LINE相談をご活用ください。



確定申告をずっとしていないとどうなるの?

確定申告が必要であるにも関わらず、申告をずっとしていない場合、以下のようなリスク、デメリットなどが生じる可能性があります。

無申告状態のデメリット

フリーランスや自営業の人が無申告状態でいた場合、収入を証明する書類がないため、融資や助成金の申請などに必要な書類を揃えることができなくなります。 また、賃貸住宅の契約や子どもの保育園入所手続き、国民健康保険料の減額申請など、生活に必要な契約や手続きも難しくなってしまうでしょう。 なお、確定申告をすれば、確定申告書の控えをもって収入証明とすることが可能です。

確定申告をずっとしていないことのリスク

確定申告の必要があるのにしていなかった場合、遡って申告をすることになります。期限までに確定申告をしなかったペナルティとして、通常の申告で納税するべき所得税に加え、延滞税や無申告加算税などが課税されることとなります。 無申告状態で収入がないものとして徴収されなかった住民税なども、この時に徴収される場合があるでしょう。1,000万円を超える売上が発生している場合、消費税も納めなければなりません。
また、無申告であることが税務署にバレた場合、税務調査が入るケースもあるでしょう。税務調査で無申告の指摘を受けてから申告した場合には、自主的に申告した場合よりも無申告加算税の税率が重くなったり、重加算税などの更なる課税がついたりする可能性が高まります。

税務署に無申告状態がバレる理由

「確定申告をずっとしていないのだから、税務署に収入があることはバレないのでは?」と考える人もいるかもしれません。 しかし、税務署は無申告状態の把握に力を入れており、定期的に特定の事業に従事している人や、フリーランスに対する調査を強化することがあるのです。 税務署独自のルートによる調査だけでなく、外部からのタレコミや、取引先への調査を通じて無申告がバレるケースもあるでしょう。 「取引先が代金を支払っている業者のうち、確定申告をしていない者がいる」という事実は、調べればすぐにわかってしまいます。 銀行口座の取引履歴なども税務署は確認できる権限があり、隠すことはできません。現金取引をしている場合には、銀行による取引をしている業者よりも、重点的に調査を受ける可能性が高いのです。
このように、確定申告をしていないことによるデメリットやリスクは大きく、特に税務署にバレた場合のペナルティは想像を大きく超える場合も少なくありません。 「バレたらどうしよう」と怯えながら日々を過ごすよりも、できるだけ早い段階で確定申告することをおすすめします。

本当に確定申告しなくても大丈夫?申告した方が良いケース

「自分は確定申告の必要がない」と思っていても、以下のようなケースでは、確定申告を行った方が良いでしょう。

税金の還付が受けられる可能性があるケース

フリーランスの場合、年間の所得(売上から経費等を差し引いた額)が48万円以下の場合、所得税の確定申告を行う必要はありません。 しかし、確定申告したことで所得税の還付が受けられるケースもあるのです。税金の還付が受けられる可能性があるかどうかは、日々の取引を会計ソフトなどへ記帳し、確定申告書を作成してみないとわかりません。 所得は少なくとも、売上より経費が多かった場合には、還付もその分多くなる可能性があるため、一度確認してみると良いでしょう。

確定申告は赤字でもした方が良い場合もある

事業が赤字となる場合、基本的に確定申告の義務はありません。しかし、青色申告をしている事業者の場合は、赤字を申告すれば、来期へ赤字を繰り越すことが可能です。 前年度分の赤字を申告して繰り越し、当年度に黒字となった場合、翌年の申告では繰り越した赤字を差し引いて申告できるため、所得を抑えることができます。

退職したサラリーマンの確定申告が必要なケース

サラリーマンを年の途中で退職し、フリーランスや個人事業主となった場合、確定申告が必要となります。 フリーランスとして確定申告する場合でも、会社員時代の給与収入は計上しなければなりません。添付資料として、退職した会社の源泉徴収票も必要なため「退職したから関係ない」と書類を捨ててしまわないよう確定申告時期まで大切に保管しておきましょう。
もし、前職が源泉徴収票を発行してくれない場合や前の会社が倒産してしまったような場合は、まずは所轄の税務署に相談することをお勧めしますが「源泉徴収票不交付の届出書」を活用することも可能です。税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することで、税務署からその職場に対して源泉徴収票を発行するように行政指導が行われます。
参考:国税庁(源泉徴収票不交付の届出手続)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100017.htm

確定申告をするのが不安な場合は税理士へ相談しよう

「過去に確定申告が必要だったのかわからない」「過去の収入について、どのように確定申告すれば良いのか知りたい」といった場合には、自分だけで悩まずに、税理士などの専門家のサポートを受けると良いでしょう。 実は、税理士事務所には得意とする業務があり、どの税理士事務所でも同じ相談に同じように対応してくれわけではありません。 フリーランスの確定申告や無申告を続けている場合のサポート、確定申告をずっとしていない人への対応などが丁寧な税理士へ依頼することが大切です。 過去分からの確定申告に親切に対応してくれる税理士かどうかは、初回無料相談などを利用して決めると良いでしょう。 税金の還付を受けたい場合や、消費税納税の有無など、税金について不明な点があれば確認してみることをお勧めします。



まとめ

確定申告をずっとしていない状態は、いわゆる「無申告」として、さまざまなリスクやデメリットが生じてしまいます。無申告は税務署の調査対象となりやすいうえ、指摘を受けて確定申告となれば、ペナルティとしての追徴課税は免れなくなります。 フリーランス以外でも、確定申告が必要なケースや、申告して払いすぎた税金が還付されるケースなどもあるため、まずは税理士事務所へ相談してみましょう。

無申告なのに税務調査の連絡がきた!なぜ税務署にばれたのか?

2023.01.18
無申告なのに税務調査の連絡がきた

「税務調査は申告している人の不正申告を調べるものだから、申告自体をしなければばれないだろう」と考えている方はいないでしょうか。
無申告であっても税務調査の対象となるケースや、それはどのようにしてばれるのか、無申告がばれて税務調査となる可能性やしくみなどについて解説します。 すでに税務調査が入っている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



無申告であることは税務署にばれるのか

無申告であれば、申告者の中に含まれることはない

税務調査は、前年度の収入について確定申告などをおこなった人を対象に、その取引内容に不審な点がないか、重複計上や記帳もれ、不正な帳簿操作がないかといった点をチェックされます。
この時点では、無申告の人が調査の対象として浮上することは物理的に困難であるため、税務調査の対象とはならないだろう、と考えたくなるでしょう。しかし、実際に無申告であることを疑われて税務署から調査が入ったケースはあり、申告の有無以外の情報から、無申告者の存在を税務署が把握できる場合は多いのです。

取引先の情報からばれるケース

自分自身は申告していなくても、取引先が正しく申告している場合に、支払先の情報として税務署に把握されるケースもあります。 取引先が税務調査の対象となれば、より詳しくチェックされることとなるため、無申告がばれる可能性も高まるでしょう。

開業届提出後の状況からばれるケース

税務署へ開業届を出して事業を始めた場合、最初の数年は思うように収入が得られず、控除の範囲内であったために確定申告をせず、一定の時期のみ無申告状態であるケースです。
誤解されている方がいるかもしれませんが、控除内の収入であっても、それを申告しなければ非課税と認められることはありません。収入が少なかったことを申告して、はじめて納税しなくてよいことが認められるため、開業後の申告状況から故意の無申告を疑われることもあるでしょう。

ネット上の情報からばれるケース

店舗を運営している場合、ネット上に掲載された情報から無申告がばれるケースもあります。
実際の店舗であれば口コミなどで売上があることが予想できたり、ネットショップであれば運営もとから情報が渡ったりすることとなるため、こうしたルートからも無申告であることがわかってしまうでしょう。

告げ口、密告でばれるケース

「あの人は無申告である」という事実を第三者から税務署に告げ口されたり、部外者から密告されたりして無申告がばれることも少なくありません。
申告していないことをどこかで話していた場合、ちゃんと申告している人にとって快く思われずに告げ口されることはあるでしょう。
こうしたケース以外にも、税務署が持つ独自のルートから無申告者の存在を把握しているケースもあります。

無申告が税務署にばれて税務調査となるタイミングは?

過去にさかのぼって調査されるケースが多い

申告している人の不正をチェックするだけでも、税務署の負担は大きいものです。これが無申告の人である場合、その事実を指摘するのに確たる証拠をある程度揃える必要があります。
このため、無申告状態であることを把握してはいても、実際に税務調査へ入るまでに数年程度を要するケースがあり、すぐには税務調査が入らない場合もあるのです。
また、税務署の方でも頻繁に税務調査へ訪れるのは非効率であるため、過去にさかのぼり、まとめて調査を行う場合が多いでしょう。

申告時期を過ぎた夏以降に調査が入りやすい

税申告の状況を確認するため、税務調査は申告時期が終わって一定の調査期間をとった後におこなわれるケースが多いものです。 確定申告であれば、3月に申告時期が終了し、確認や調査が進んで事業者へ連絡が入るタイミングは、7月などの夏以降に増えてきます。
とはいえ、それよりも前の段階で税務調査が入る可能性もゼロではなく、いつ調査されるかの明確な時期は決まっていません。
税務調査の連絡は来ていなくても、無申告状態を税務署に把握されている可能性はあるため、申告時期を過ぎてしまっていても、調査が入る前に自主的に税務署へ連絡することをおすすめします。
1人での対応が不安な方は税務調査に強い税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



無申告の状態で税務調査が入った場合、どのような流れを取ることになるのでしょうか?

税務署から電話で連絡が入る

無申告がばれて税務調査となった場合、事前に税務署から電話などでその旨の連絡を受けることとなります。
サラリーマンで少額の副業申告を忘れていたケースや、控除内でおさまるため申告の必要がないと勘違いしていたような場合は、税務署へ呼び出されてその期間の申告をするよう指示されることが多いでしょう。 複数の事業で控除を超える収入を得ていたり、多額の売上があったにもかかわらず無申告であると把握されていたりする場合には、税務署の担当者がやって来て税務調査がおこなわれることとなるでしょう。

無申告を指摘され、申告を行うよう指示される

税務調査が入る前の段階で、税務署では無申告である事実をある程度把握しています。そのため、税務調査ではどの程度の額が無申告であるのか、申告するべき税額について確定するための確認作業となります。
経費や仕入れを証明できる書類がない場合、売上として計上された額から差し引ける項目がなく、税負担は大きくなってしまいます。さらにペナルティも課されることとなるため、普通に申告しているよりも支払う税額はかなり大きくなるでしょう。

申告が遅れたことと、無申告だったことに対するペナルティが課される

無申告がばれて税務調査となった場合、通常の所得税にくわえ、申告が遅れたことに対する延滞税と、無申告であったことに対する無申告加算税が追加されます。
それだけでなく、住民税や保険料といった支払額も変わるため、申告しなかったことを後悔することとなってしまうでしょう。

まとめ

無申告の人でも税務調査の対象となり、多くの場合は取引先からの情報や密告、税務署が持つ独自のルートなどから無申告を把握されています。
悪質な場合でなくても、結果的に無申告となればペナルティの対象となるため、節税したいなら早い段階で税理士などへ相談し、もっとも節税効果のある形できちんと申告することをおすすめします。

確定申告が青色申告か白色申告で税務調査にも違いが出る?調査の違いについて解説!

2023.01.06

1年間の売上と必要経費を計算して所得と納税すべき所得税額を確定し、納税を行う一連の手続きを確定申告といいます。 確定申告の方法には大きく分けて青色申告と白色申告の2つの申告方法があります。また、税務調査とは、納税者が正しく申告を行い、正しい額の納税を行っているかを調べる税務署による調査です。 青色申告で確定申告をしているのか白色申告で確定申告をしているかの違いによって、税務調査に違いが出るという噂を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 では、本当に青色申告と白色申告では税務調査に違いが出てくるのでしょうか。 今回は、青色申告と白色申告の税務調査の違いについてわかりやすく解説します。 確定申告のご依頼をご希望の方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



確定申告の基礎知識:青色申告と白色申告の違いとは

青色申告と白色申告の場合の税務調査の違いについて述べる前に、まずは青色申告と白色申告の違いから確認していきましょう。

青色申告とは

青色申告では複式簿記と呼ばれる記帳方法で帳簿付けを行います。確定申告の際には青色申告決算書と賃貸借対照表、損益計算書の提出が必要となります。 そのほか仕訳帳や現金出納帳、売掛帳、買掛帳面、総勘定元帳、固定資産台帳などの帳簿の作成と保存が義務付けられています。

青色申告には ・最大で65万円の青色申告特別控除を受けられる
・赤字を最大3年間繰り越せる
・青色事業専従者給与(家族に支払った給与)を経費として計上できる
・30万円未満の少額減価償却資産を一括で経費に計上できる
などのメリットがあります。

白色申告とは

白色申告とは、単式簿記という簡易的な記帳方法で帳簿付けを行い、確定申告の際には確定申告書と収支内訳書を提出する方法です。 会計の知識がなくても帳簿付けができる簡易的な方法による記帳が認められているため、比較的簡単に申告書の作成ができるというメリットがあります。また、青色申告の場合は申告をする年の3月15日まで、または開業から2か月以内に税務署に青色申告承認申請書を提出し、承認を受ける必要がありますが、白色申告ではそのような手続きは不要です。
しかし、白色申告では青色申告のような特別控除などの措置は用意されていないため、節税などの効果を得ることはできません。

確定申告の申告方式によって税務調査に違いが出る?

確定申告の方式によって、税務調査に入られる確率に差が出ることはありません。しかし、青色申告か白色申告かで税務調査に影響が出る部分もあります。

青色申告と白色申告で税務調査に入られる確率が違うという噂はウソ

青色申告だから税務調査に入られやすい、白色申告の人は税務調査の対象にはならないという噂を聞いたこともあるのではないでしょうか。 青色申告をしている人の方が一般的には所得が多いと考えられるため、そのような話題が出ているのではと推測されますが、申告方法によって税務調査の確率が変わることはありません。 青色申告であっても白色申告であっても、納税者である限り、税務調査によって正しく納税をしているかどうかを調べられる可能性はあるのです。

青色申告の場合の税務調査

青色申告の場合の税務調査では、調査官が帳簿の内容や請求書、領収書などをチェックし、記載内容に漏れがないか、計上時期に誤りがないか、売上を低く計上していないか、架空の人物を採用したことにして人件費を高く見せかけていないか、などの調査が行われます。 帳簿や領収書、請求書、タイムカードなど、売上や経費を証明できる書類をきちんと保管しており、正しく売上や経費を記帳していれば、税務調査が行われても問題が生じることはないでしょう。
ただし、青色申告の場合に、領収書や請求書など、売上や経費を証明する書類を保存していない場合は、青色申告者としての承認を取り消され、白色申告者としての扱いを受ける可能性もあります。

白色申告の場合の税務調査

白色申告の税務調査でも、帳簿や領収書、請求書などを照合し、正しく売上と経費を計上し、正しい額の納税を行っているかの調査が行われます。 簡易的な記帳方法が採られているからといって記帳のミスがあっても大目に見てもらえるケースや領収書がなくても見逃してもらえるケースなどはありません。税務調査では、白色申告であっても青色申告と同様、正しい申告を行っているのかについて厳しく調査されます。 白色申告の場合に帳簿や書類の管理に不備があり、売上や経費を書類で証明できない場合には推計課税といわれる方法が採用されることもあります。この推計課税は白色申告者に対して行われる制度です。 記帳内容が曖昧だったり、支出を証明する領収書がなかったり、売上を証明する請求書が保存されていなかったりした場合は、どれだけの所得を得ていたのかを正しく把握することができません。そこで、同業他社の状況を参考に、同程度の規模の法人が得ている所得を参考に推計によって所得額を決定するという方法が採られ、推計した額に応じた税金を納めるように求められます。これが推計課税です。

推計課税のリスク

推計課税では、実際の所得を確定できないために同業他社の所得を参考に税額を決められます。そのため、実際には他社ほど所得がなかった場合は本来納税すべき額よりも多い額の納税を求められるというリスクがあります。
また、推計課税では消費税の仕入税額控除を受けることができません。仕入税額控除とは、自社が支払うべき消費税から仕入れにかかった消費税額を差し引けるというものです。仕入税額控除を受けられなければ、消費税の納税額も高額になってしまいます。 帳簿や書類などをしっかり保管しなかった場合に行われる可能性がある推計課税は、所得税だけでなく消費税にも大きな影響を与えるのです。

まとめ

青色申告であっても白色申告であっても、しっかりと帳簿を付け、必要書類を保管していれば税務調査が入ったとしても、それほど恐れる必要はありません。
しかし、白色申告の場合、帳簿の記載がずさんであったり、経費や売上を裏付ける書類が保管されていなかったりする場合は、推計課税制度が適用される可能性があります。 推計課税では、本来納めるべき税額以上の所得税や消費税の納付を求められるリスクがあるのです。 今後、インボイス制度の導入により消費税の計算がさらに複雑になる可能性もあります。確定申告や消費税の納税に関してご不安があるようでしたら、税務調査に詳しい税理士法人松本までお気軽にご相談ください



脱税とは?罰則はあるの?追徴課税についてもわかりやすく解説!

2023.01.03

もし脱税を行ったことがわかった場合、追徴課税などの罰則を受けることになると耳にする事は多いでしょう。その場合、具体的にどれくらいの追徴課税や罰則を受けるのでしょうか。
この記事では、脱税をした場合の罰則や追徴課税の種類などについて解説しています。脱税が発覚するタイミングや、取るべき対応などについても紹介していますので、脱税やペナルティについて把握する際の参考としてお役立てください。税務調査で追徴課税を言われれている方は一度現在の状況を税理士法人松本までご相談ください。



そもそも脱税とは?

脱税とは、納税するべき税金をごまかしたり、不正をはたらいて免れたりする行為をさします。脱税とみなされるケースには、以下のようなものが挙げられます。

経費の水増し

プライベートの飲食費用を接待費として計上したり、観光旅行で使った交通費を出張費として計上したりといった経費の水増しは、発覚すれば脱税とみなされてしまいます。
仕入価格を実際よりもかかったように見せかけたり、取引先と共謀して架空の請求書を作成したりするのも不正行為とみなされます。

税金の不正還付

売上における消費税よりも支払った消費税の方が大きいように見せかけて還付を受けたり、意図的に赤字計上にして所得税などの還付を受けたりするのも脱税となります。
特に消費税に関する申告は念入りに調査されやすいため注意が必要です。

所得隠し、売上の一部を意図的に隠す

現金による売上をないものとしたり、営業していた日を休業日のように偽装したりといった、売上を隠す行為も脱税にあたります。
「売上を隠す」「経費を水増しする」「税金の不正還付を受ける」の3つは、税務調査となれば必ず指摘されるでしょう。

不正でなくても脱税とみなされる場合も

意図して不正をはたらいたわけではなく、単純な申告漏れや計算ミスであった場合でも、脱税とみなされるケースは多いものです。結果として納める税金が少なくなっていたり、本来は課税されるべきところを非課税となったりしていれば、指摘を受けてペナルティの対象となる可能性が高いでしょう。また、申告自体をしていない無申告も、脱税と同じく扱われます。
よく脱税のニュースで「見解の相違」という言葉が使われるのはこういったことからです。

脱税に対する罰則や追徴課税の種類

脱税に対して課せられる懲罰や、行政処分としての付帯税などについて解説します。

脱税に対する罰則

脱税行為が発覚すると、刑事罰の対象となることもあります。脱税に対する懲罰は以下の通りです。

・不正による意図的な脱税への懲罰:10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
・意図的に無申告だった場合の懲罰:5年以下の懲役または500万円以下の罰金
・正当な理由のない申告書の提出忘れ:1年以下の懲役または50万円以下の罰金

なお、懲役と罰金はいずれかの場合もあれば、両方が科される場合もあります。

脱税に対する行政処分

脱税が発覚した場合に受けることとなる行政処分には、以下のような種類があります。

・過少申告加算税
実際よりも納める税金が少なくなるよう申告したと発覚した場合に加算される税金です。期限内に申告しても、発覚すれば課税されることとなります。

・不納付加算税
期限までに納付されなかった源泉所得税に対して加算される税金です。

・延滞税
納付期限を過ぎた税金に対して加算される延滞金です。

・無申告加算税
期限内に申告しなかった場合に加算される税金です。

・重加算税
不正をはたらいたり、虚偽の申告をして納税を少なくしたり、無申告にした場合に加算される税金です。

・利子税
分割納税となった場合、延納分に加算される税金です。

これらは過少申告や無申告にした額が多ければ多いほど、また申告期限から時間が経つほど利率が高くなるものが多く、放置していると多額の追徴課税を支払わなければならなくなってしまいます。
また、刑事罰の対象となれば前科がついてしまうため、その後の事業継続も困難となるなど、大きな影響が予想されるでしょう。現在の申告の状況に不安がある方は税理士法人松本まで一度ご相談ください。



追徴課税や罰則のリスクを下げる対策は?

上記のような罰則や追徴課税のリスクを下げるには、以下の対策を採るようにしましょう。

一刻も早い修正申告を

過去の申告内容に漏れやミスが見つかった場合には、できるだけ早く修正申告を行うようにしましょう。
修正申告する時期が早ければ早いほど加算税を低減できる可能性が高まります。また、税務調査で指摘を受ける前に修正申告を行うことで、重加算税の課税などを免れることが可能です。

無申告はすぐに申告しよう

現在無申告の状態である場合も、一刻も早い申告が重要です。現在は毎年申告できていたとしても、過去に1年でも無申告の期間がある場合、既にそのことを税務署は把握していて、様子を見ている可能性もあるのです。
無申告も放置していた期間が長くなるほどペナルティは重くなっていきますから、早めに申告するようにしましょう。

税理士のサポートを受けるのがおすすめ

「過去の申告にミスがあるかどうか確認する方法がわからない」「修正点を見つけたいが、忙しくて時間がない」といったケースもよく聞かれます。売上が上がっている企業ほど忙しく、節税対策もおざなりとなれば、税務調査で多数の指摘を受ける可能性もあるでしょう。修正申告や無申告の一刻も早い解消には、申告や会計、税務のプロである税理士のサポートを受けるのがおすすめです。
税務調査対応に強い税理士事務所なら、税務調査で指摘されそうな箇所についてのチェックや、無申告からの申告もサポートしてもらえます。
税務調査の際には税務署への対応も任せられるほか、合法的な節税対策に関するアドバイスをもらうこともできるでしょう。
不正や虚偽で脱税するのではなく、法律的に認められた方法で正しく節税を行い、ミスや漏れは修正して健全な企業会計を守りましょう。

まとめ

本来納めるべき税金を過少に申告したり、ごまかしたりした際には脱税したとみなされてしまいます。脱税した場合、意図的に行ったわけではなくても、行政処分や刑事罰の対象となってしまう場合もあるのです。
無申告や申告忘れも脱税としてペナルティの対象となり、放置するほどペナルティは重くなるのが一般的です。
必要に応じて税理士のサポートも受けながら、1日も早く修正申告や無申告の解消をしましょう。


こちらの記事は幻冬舎GOLD ONLINEにも掲載されております。


個人の税務調査で対象になりやすい人とは?税務署が行う調査方法についても解説

2022.12.21

毎年確定申告していると、ふと「自分の申告書は税務調査の対象になっているのか?」と考えることはないでしょうか。正しく申告しているつもりでも、何か間違っていないか、間違っていなくても、調査の必要があるとみなされていないかなども気になるところです。
ここでは、税務調査の種類やどんな調査があるのか、調査の対象になりやすい申告書の例などについて解説しています。デタラメな申告をして税務調査がくるか不安を抱えている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務調査には種類があるの?

ひとくちに「税務調査」といっても、調査方法などが異なる種類はあるのでしょうか。

税務調査は2種類に大きく分けられる

税務調査は「任意調査」と「強制調査」の2種類に大きく分けることができます。
任意調査とは、税務調査を行うことについて事前に通知を受け、これに同意して調査を受ける流れとなるものです。通常の企業や事業者に対して行われるのは、任意調査であることが多いでしょう。
任意といっても、調査対象となった納税者は税務調査に協力する義務があるため、正当な理由なく拒絶すると罰則の対象となります。これは「受忍義務」と呼ばれており、法律でも定められているものです。
国税通則法第128条

一方で、悪質な脱税行為などが強く疑われる場合には、強制調査が実施されます。強制捜査では、事前の通知を受けることなく突然の調査を受け、書類やパソコンのデータなどを押収されることもあるでしょう。
強制調査では、悪質な不正を働いている可能性が高いとみなされているため、証拠隠滅や逃亡などを防ぐ目的で事前通知なく実施されるものです。

税務署が行う調査の種類は他にもある?

税務調査には「準備調査」や「実地調査」「反面調査」といった調査もありますが、これらは任意調査に含まれるものです。
準備調査は、訪問して税務調査を行うかどうかを判断する目的で行われる調査です。実地調査は、準備調査によって実際に行われる任意調査となり、反面調査は任意調査の対象となった事業者の得意先などへ行う調査です。

税務調査の対象になりやすいのはどんな場合?

申告書の内容以外にも、以下のような場合には、税務調査の対象となりやすいでしょう。

一定の年数が経っていれば調査対象になりやすい

税務調査は、企業や個人事業主が正しく税金を申告できているかを調査する目的で行われます。特に帳簿上目立った動きもなく、毎年期限までに申告を済ませていたとしても、起業や開業していれば、誰でも税務調査の対象となる可能性があるのです。
通常、税務調査は4年から5年に1回程度は行われるものとされています。とはいえ、5年を待たずに税務調査を受ける場合もあれば、10年以上経っても調査の連絡が来ないケースがあるのも事実です。
開業から5年以上が経過していれば、税務調査がやって来る可能性は開業直後よりも高いと考え、税務調査に備えておきましょう。そろそろ税務調査がくるから準備をしておきたいとお考えの方は税理士法人松本までお気軽にご連絡ください。



調査対象になりやすい業種もある

税務署では、長年のデータベースから過去の調査で修正や指摘の多い業種などを把握しています。そのため、適正な申告を行っていたとしても、調査対象となりやすい業種もあるのです。
具体的には、風俗業や建設業、飲食業やIT関連業などが挙げられます。もちろん、これら以外の業種でも、5年を待たずに税務調査が入る可能性は大いにあります。

申告していなくても税務調査は実施される

税務調査は、毎年提出している申告書をもとに、内容を事前に調べて行われます。「申告書を提出しなければ、調査対象になることもないのでは?」と考えたくなりますが、そんな事はありません。
確定申告をしていない無申告の状態は、税務署がもっとも力を入れて調査対象としているものの1つです。
銀行の履歴や取引先の調査からの発覚、第三者からのタレコミなど、無申告であることは、いつか必ず税務署に知られるところとなります。
税務調査で無申告を指摘されれば、遡って税金を支払わなければならないだけでなく、重いペナルティを受けることとなるでしょう。
無申告状態は現在こうしている間にも調査対象となっているかもしれないと考え、早めに税理士などへ相談することをおすすめします。

税務調査の対象になりやすい確定申告書って?

上記を踏まえたうえで、税務調査の対象となりやすい申告書の内容についても解説します。前年度までに比べて、直近の申告内容に以下のような点が含まれる場合には、税務調査の対対象となりやすい可能性があるでしょう。

売上よりも経費の計上が大きくなっている

売上の伸びよりも経費の伸びが増加している場合「経費の計上が適正か」「経費を水増しして利益が抑えられていないか」はチェックされやすくなります。
税務署では、同業者や同程度の規模で営業している他企業のデータなどとも比較できるため、大きく逸脱した数値が出れば、調査対象となりやすいでしょう。
経費の水増しがないかを確認する際には「実際よりも多く人件費を計上していないか」「プライベートの交際費を経費にしていないか」など、交際費や人件費などがチェックされやすいでしょう。

連続して赤字が続いていても調査対象となる

売上が伸びている場合だけでなく、赤字が続いている場合にも、調査の対象となることがあります。
赤字の申告書から修正点を指摘したとしても、大幅な黒字へ転じるケースは少ないため、通常は調査対象となりにくいものですが、何か不正を働いて赤字となっている可能性がある場合には、調査される可能性は充分にあるのです。
申告書の内容だけでなく、銀行の取引履歴や取引先への反面調査などから発覚するケースもあるでしょう。

税務調査は怖がらずに税理士へ相談して対策を

税務調査では、虚偽や不正な申告をしていない限り、必要以上に怖がるものではありません。適正な申告と適正な納税に努めていれば、調査もスムーズに完了するものです。
不安な場合は税務調査対策に強い税理士へ事前に相談するなどして、不安を払しょくするとよいでしょう。

まとめ

税務調査には任意調査と強制調査の2種類があり、納税者が受ける税務調査の多くは任意調査となります。任意調査は誰にでもやって来る可能性があるものの、特定の業種や申告内容によっては、調査対象となりやすい企業が存在するのも事実です。
不安な場合は早めに税理士のサポートを受けて、いつ税務調査が来てもよいように対策を取っておくとよいでしょう。

税務調査の対象になりやすい会社の特徴とは?国税局指定の重点業種とは?

2022.12.03

会社を経営していると、税務調査がいつくるのか経営者としては気になるところです。周囲の会社に税務調査が入った話などを聞いても、自身の会社で同じように調査されるのかよくわからない、というケースもあるでしょう。
ここでは、税務調査で現在強化されている点や税務調査になりやすい会社の特徴などについて解説します。 税務署から税務調査の通知がすでに来ている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



近年の税務調査で強化されていることは?

近年の税務調査では、以下のような点の調査が強化されています。

無申告に関する税務調査

税務署では、無申告となっている事業者への調査を特に強化しています。昔は申告された書類を元に調査が行われていたため、申告しない方が調査を免れると考えている人もいましたが、現在では変わってきています。
税務署内で共有しているシステムの統合や近代化によって、無申告状態がピックアップされやすくなっているのです。また、第三者からの通報やタレコミによって発覚するケースも、実は少なくありません。
無申告の状態でも、数年間は様子を見て調査に来ないケースもありますが、その場合でも既に状況を把握されてしまっている可能性はあるものです。
税務調査となれば最低3年、またはそれ以上に渡ってペナルティを受けることにもなりかねないため、早めに申告することが大切です。

消費税に関する税務調査

消費税に関する調査も、税務調査で強化されているものの1つです。本来給与の扱いとするべきところを外注費で計上していないか、不正な消費税還付を受けていないかといった点を重点的にチェックされるでしょう。

海外取引に関する税務調査

海外取引の多い会社も、節税を目的とした不正な海外取引である可能性を疑われやすいため、税務調査が増加してきています。
海外取引では、相手国の税務署と情報を交換できる制度や、国外へ送金した際の明細(国外送金等調書)などが利用できるため、より細かくチェックされることとなるでしょう。

税務調査だけでなく、税制改正によって以前はできていた節税対策ができなくなっている場合などもあります。また、多額の相続や海外投資、デイトレーディングなど、富裕層に対する税務調査も増加傾向です。
税法や税務調査に関する最新動向は常にチェックするか、税理士へ確認するとよいでしょう。

税務調査になりやすい会社の特徴は?

以下のような特徴がある会社は、税務調査の対象となりやすい可能性があります。


国税局指定の重点業種に該当している

重点業種とは、過去の申告内容で不正の発覚件数が多く、税務調査のマーク対象として国税局が指定している一部の業種です。
具体的には、シェアリングエコノミー、FXやオークションなど、インターネット取引を主とする業種や飲食業、風俗業、建築関連業などが挙げられます。
こうした業種に携わっている会社は、他の業種よりも税務調査になりやすい傾向があるでしょう。

長年税務調査を受けていない

税務調査は、通常4~5年に1度程度の割合でやって来るとされています。起業して10年以上実地調査(実際に会社を訪問して行う調査)を受けていない場合、いつ税務調査がやって来てもおかしくないと考えた方がよいでしょう。

前回の税務調査で不正の指摘を受けたことがある

一度税務調査を受けたことがある企業の場合は、前回の調査で不正を指摘されたかどうかで次回の調査までにかかる期間が変わることがあります。
多額の申告漏れや計上ミスなどがあった場合は、改善できているかをチェックするために、短いスパンで再調査を受ける場合もあるからです。

売上や経費などの数字が大きく変動した

例年に比べて売上や経費などの数字が大きく変動した会社も、税務調査になりやすい傾向があるでしょう。
税務署が管理しているKSKシステムでは、同じ業種や規模の企業と比較したり、前年度や平均値と比較したりすることが可能です。
申告した数字に大きな変動があった場合、このシステムでピックアップされてしまう可能性があります。
システムの中で異常値として検出されれば、管轄の税務署内で当然目立つ事業者となり、調査対象にも選ばれやすくなるでしょう。

税務調査が入った場合の対策は?

会社へ税務調査が入った場合、以下を参考に対策を行いましょう。

税務調査に毅然と対応する

実際に事業が成功して業績が伸びれば、数字は大きく変動します。証明できる書類やデータが残っていれば、税務調査になったとしても、しっかりと説明できるはずです。何ら不正を働いていない場合には、自信を持って毅然と対応することが大切となります。
もちろん、調査の妨害や暴言を吐くといった行為は懲罰の対象となるためNGです。しかし、早く帰って欲しくて調査官の言いなりになったり、あいまいな態度を取ったりするのはおすすめしません。
なかには不正とは言い切れないグレーなケースや、調査官によって見解が分かれる取引などもあるため、調査に協力はしても言うべきことはしっかりと説明できるようにしたいものです。

税理士へ相談する

税務調査でしっかりと対応する自信がない、何か余計なことを言ってしまいそうで不安という場合には、税務調査の対策について税務調査に強い税理士へ相談してみるとよいでしょう。

相談するべき税理士を選ぶ際のポイント

税理士の中には、決算や申告、記帳管理などの対応はできても、税務調査などへの対応実績がない税理士もいます。
現在顧問を依頼している税理士が対応できるか、税務調査のサポートは初めてではないか、サポート実績が少ないような場合は、税務調査に強く多数の実績がある税理士事務所へ相談してみましょう。
ほとんどの場合、初回の電話は無料で相談に乗ってもらえることが多いため、話しやすさや対応なども、選ぶ際のポイントとしてチェックしましょう。



まとめ

税務調査では、消費税や海外取引など、一定の取引や科目に対する調査が強化されています。また、特定の業種や税務調査を受けたかどうか、前回不正があったかどうかといった点でも、税務調査になりやすいかが決まってきます。
税務調査になったとしても、不正がなければ毅然と対応することが大切です。必要に応じて税理士へ相談しながら、いつ税務調査になっても安心できるように対策を行っておきましょう。


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税務調査が改正!?無申告者の後出し経費が認められないことになる?ペナルティもある?

2022.12.02

2022年の税制改正大綱では、無申告者の後出し経費を規制する措置と税務調査後の帳簿の提出に十分に応じなかった場合のペナルティが盛り込まれました。これは、無申告や所得隠しをした納税者に対する税務調査が厳格化されたことを意味します。 今回は、税制改正によって税務調査がどのように変わったのか、またどのようなペナルティが課せられる可能性があるのかについてご説明します。 無申告の状態で税務調査が入ってしまった方は税理士法人松本までいますぐお電話ください。




2022年税制改正大綱での税務調査に対する改正点とは

2022年の税制改正大綱では「証拠書類のない簿外経費の必要経費不算入・損金不算入措置」が新たに設けられます。これは、税務調査で無申告を指摘された納税者、売上や経費の隠蔽や仮装を税務調査によって指摘された納税者に対し、税務調査後に提出する経費、いわゆる「後出し経費」を認めないというものです。
また、「帳簿の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置」も設けられます。これは、無申告や過少申告などが税務調査によって発覚し、調査官から帳簿の提出が求められた場合に帳簿の提出に応じなかったり、十分な記載を行わなかったりした場合にペナルティを課すというものです。


後出し経費と後出し経費の規制が改正された背景

後出し経費とは、それまで帳簿に記載されていなかった経費を税務調査で無申告や仮装・隠蔽を指摘されたのちに、初めて主張することを指します。中には、本当に経費であった場合もあるかもしれません。しかし、税務調査での指摘を受けて課せられる追徴課税をできるだけ少なくしようと、所得を減らすためのウソの経費を申告するケースが少なくなかったのです。
経費の額を増やそうと税務調査後に大量の領収書を経費として提出する納税者もおり、提出された領収書が適正なものであるかを調査官が判別するための作業には膨大な時間と労力がかかっていました。
税制改正大綱では「適正な記帳や帳簿保存が行われていない納税者については、真実の所得把握に係る税務当局の執行コストが多大であり、行政制裁を適用する際の立証に困難を伴う場合も存在する。記帳義務の不履行や税務調査時の簿外経費の主張等に対する不利益がない中では、悪質な納税者を利するような事例も生じているところである。」としています。
つまり、後出し経費の調査には膨大なコストがかかり、さらに後出し経費を認めることによって悪質な納税者が得をするような事態を招いた事例も生じていたということです。 このような背景から今回の税制改正では、無申告者や所得を適正に申告しなかった納税者に対する厳しい措置が取られることになったのです。


後出し経費に関する具体的な改正内容とは

今回の改正の1つ目のポイントは、税務調査によって無申告や所得隠しなどが発覚した納税者の後出し経費を認めないという点です。ただし、意図しない記帳の誤りや知識不足による帳簿の作成ミスによるものに対しては、配慮を行うとしています。
そのうえで、後出し経費を認めないケースは、納税者が帳簿や支払先が明記されている領収書を保存してない場合や、保存をしていても費用の支払先を確認できない場合と示されました。
帳簿に経費として記載されていても、領収書が残されていても、領収書の発行元の確認が取れなければ、経費としては認められないことになります。
反対に、保存する帳簿や領収書から取引とその費用の額が明らかに示される場合や、調査によりその取引が行われたことが明らかであると認められた場合は、必要経費として認められます。
この改正の適用開始は、2023年1月1日以降に開始する事業年度からです。


帳簿の提出がないまたは不十分な場合のペナルティとは

確定申告の必要があるにも関わらず、無申告の状態であった場合はペナルティとして無申告加算税が課せられます。税務調査によって無申告が発覚した場合の無申告加算税の課税割合は、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分には20%となっています。
また、確定申告は行っていたもののその内容に不正があり、税務調査により所得を過少に申告していたことが発覚した場合には過少申告加算税が課せられます。過少申告加算税では、本来納付すべき税額の差分に対して10%を乗じた額が加算されます。
今回の改正により、税務調査時に調査官から求められた帳簿を提出できなかった場合や提出をできた場合でも売上金額または収入金額の記帳が不十分であった場合には、通常の過少申告加算税や無申告加算税の額にさらなるペナルティが加算されることとなりました。
追加で課せられるペナルティの内容は次のように納税者の状況によって異なってきます。

◎本則の加算税に10%が上乗せされるケース
・帳簿を提出できない場合
・帳簿を提出した場合であっても売上金額または収入金額の1/2以上が記載されていなかった場合

◎本則の加算税に5%が上乗せされるケース
・売上金額または収入金額の1/3以上が記載されていなかった場合


無申告の場合は早めに税理士に相談を

今回の税制改正大綱によって、無申告の人や過少申告を行っている人に対する税務調査はより厳しくなり、さらに重たいペナルティが課せられるようになります。 確定申告の必要性があるのを知りつつも確定申告の知識がないために無申告の状態を続けてきてしまった方やバレないだろうと所得を過少に申告してきた方は、このまま無申告・過少申告の状態を続け、税務調査に入られてしまうと、多額の追徴課税を命ぜられる可能性があります。 ご不安な場合は早めに税理士へ連絡し、今後の対応について相談することをおすすめします。



まとめ

税制改正により2023年1月から、無申告者や不正申告者に対する税務調査が厳格化されます。
帳簿や領収書などから支払先の相手先が明らかであると認められない場合は、後出し経費を損金として計上できないようになります。また、税務調査時に調査官から提出を求められた帳簿を提出できない場合や不十分な対応であった場合は、新たにペナルティが加えられることとなります。
税理士法人松本は、税務調査を専門に取り扱っている税理士法人です。
初回電話相談は無料で受け付けており、土日祝日も対応をしています。これまで無申告を続けてきてしまったけれど、確定申告のやり方がわからないという方や正しく確定申告を行ってきたか自信がないという方はどうぞお気軽にご相談ください。



税務調査とは?税務署から調査の連絡が入ったときの対応方法とは?

2022.11.22

税務署から突然税務調査の連絡が入ったらどのように対応すればよいのでしょうか。忙しい時期に調査が入ったり、強引な調査で怖い思いをしたりしないのか、なども気になるところです。
ここでは、税務調査が突然やってくる可能性や、調査となった場合の税務署への対応方法などについて紹介しています。税務調査が入る時期や調査の流れなどについても解説していますので、税務調査の基礎知識や参考としてお役立てください。 すでに税務調査が入っている方はいますぐ税理士法人松本までお電話ください。



税務調査が突然やって来る事はある?

そもそも、税務調査の目的で税務署の調査員が突然訪問してくる事はあるのでしょうか。


多くの場合は事前連絡がある

テレビや映画などでは、ある日突然調査員がオフィスに押しかけてパソコンや書類を押収し、営業どころではなくなってしまうシーンなどをよく見かけます。
結論から言うと、よほど悪質な脱税の疑いがあり、証拠隠滅や夜逃げなどを防ぐ目的でない限り、突然税務調査が行われることはありません。
多くの場合は事前に税務署より連絡があり、税務調査に訪問する旨や訪問予定日などについて案内されます。
ただ、税務調査の事前連絡はいつ入るかわからないため「突然税務調査の連絡が来た!」と慌てる場合はあるでしょう。

日程調整や準備をする事も可能

税務調査の連絡が突然入った場合でも、連絡を受けたその日に訪問されるケースは少ないものです。指定された日の都合が悪い場合には、数日程度であれば日程調整に応じてもらうこともできます。
帳簿の見直しや書類、データの整理など、ある程度準備をしておいた方が当日の調査もスムーズに進むでしょう。
税務調査の連絡がいつ入るのかはわからないものの、税務調査の件数が増えてくる時期については、ある程度推測することが可能です。
次章では、税務調査が入る時期や流れなどについてくわしく見ていきましょう。

税務署の調査が増えてくる時期や税務調査の流れ

税務署の調査が増えてくる時期と、実際に税務調査となった場合の流れについて解説します。


税務調査は秋から冬にかけて増えてくる

繁忙期や人事異動などの影響で、税務署でも税務調査を本格的に増やす時期は、毎年ある程度決まっています。
税務署の繁忙期は、確定申告時期から期限後となる春から初夏にかけてです。また、税務署の人事異動は7月です。
そのため、夏から秋、冬にかけての時期に税務調査の実施件数は増えてくるでしょう。とはいえ、繁忙期や人事異動前に税務調査が行われないかというと、そうではないので注意が必要です。
開業後長期に渡って税務調査を受けたことがない場合や、前年度急激に売り上げが伸びた、または経費が大きく増えたといった変化があった場合には、税務調査の対象となりやすいでしょう。件数が少ないとはいえ、繁忙期であっても税務調査が実施される場合もあります。

税務調査の流れ

税務調査が実施される際の一般的な流れは以下の通りです。
1. 税務署から税務調査訪問に関する事前連絡がある
もっとも実施される割合の多い「任意調査」と呼ばれる税務調査では、調査に訪問する前に税務署から必ず事前連絡があります。調査日当日の何日前までに連絡があるのかは明らかになっていませんが、税務署の方でも資料がきちんと揃った状態で調査したいと考えているため、準備に必要と思われる時間の猶予はある程度取ってくれるのが一般的です。

2. 指定の日時に調査員が事務所を訪問
事前連絡の際に決定した調査日当日に、調査員が事務所を訪問します。訪問期間は2~3日程度で、2~3名の調査員が訪問するのが一般的です。時間も午前10時から午後16時程度までで、代表者は調査期間中同席し、質問に答える必要があります。調査中に依頼している税理士のサポートを受けることも可能です。

3. 帳簿や書類を閲覧し調査する
帳簿データや領収書、請求書などの書類と申告書に記載のデータとを照合しながら、調査員から必要に応じて質問や指摘を受けます。
強い口調で脅されたり、強引に調査を進められたりすることはなく、静かに穏やかに進められることが多いでしょう。疑いを向けられるような質問があったとしても、不正がなければ毅然とした態度で接することも大切です。

4. 必要に応じて修正申告などの対応をする
税務調査が終わったら、およそ1ヵ月前後で調査結果の報告を受けます。記帳や申告内容に間違った点が見つかった場合には、必要に応じて修正申告をするよう指示があるでしょう。正しく申告できていれば、税務調査は怖れるものではありません。税務署が直接やって来て、間違った会計処理などがないかチェックしてもらえる良い機会、と考えることもできます。

税務調査で押さえておきたい対応方法は?

税務調査の際には、以下のような対応方法を取るとよいでしょう。

書類の準備、データのチェックをしておく

領収書や請求書は抜け、漏れがないか確認し、月別にファイリングして見やすいように並べておきましょう。
税務調査で指摘が入って修正申告をする場合、調査前に自主的に気づいて修正するよりも、追徴課税は重くなります。帳簿のデータも再度確認して、もしミスや間違いが発覚した場合には、調査が入る前に修正申告をすることも可能です。

想定される質問には毅然と答えられる準備を

調査日には、会社の概要や事業内容、役員の状況などについて説明を求められることが多いため、しっかりと説明できるようにしておきましょう。
経費や売上に大きな変化があった場合も同様に、証明資料を提示して説明します。

わからないことは税理士へ相談しよう

顧問などを依頼している税理士がいれば、税務調査の連絡を受けた日から当日までに、アドバイスやサポートを受けられます。日ごろから適正納税、適正申告を行うことが大切ですが、少しでも不安な点やわからないことがあるなら、気軽に税理士へ相談してみましょう。



まとめ

税務調査は、多くの場合突然やって来ることはなく、事前連絡後に訪問を受けることとなります。税務署の繁忙期や人事異動が落ち着く夏から秋以降にかけて税務調査は本格化しますが、いつ頃事前連絡があるかは明確になっていません。
調査当日は書類や帳簿をもとに申告内容が正しいかを確認します。質問や指摘を受けることもありますが、正しく申告できていれば、毅然と対応することも大切です。不安な場合は税理士のサポートも受けつつ、税務調査へ対応しましょう。


税務調査に狙われやすいフリーランスや個人事業主の特徴とは?

2022.11.09

税務調査と聞くと、大きな企業や手広く事業を経営している法人にしかやって来ないと思われがちです。しかし、税務調査は個人事業主や、フリーランスのもとにもやってきます。
ここでは、税務調査に狙われやすいフリーランスや、個人事業主の特徴についてまとめています。税務調査が来た時の対応方法や注意点などについても解説していますので、税務調査の不安を解消する参考にしてみてください。税務調査がすでに入っている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務調査がフリーランスにやってくる可能性は?

はじめに、フリーランスや個人事業主として働いている人が税務調査を受ける可能性について見ていきましょう。

毎年税務調査を受けている事業者は全体の6%

国税庁では、毎年実施した税務調査に関するデータを公表しており、HP上などで確認することができます。
この統計によると、全国の企業やフリーランス、個人事業主のうち、税務調査を受けた件数は全体のおよそ6%であることがわかっています。
1年ごとに6%ずつ税務調査の対象になるとすれば、15年間の間に誰でも1度は税務調査を経験する計算となるでしょう。
もちろん、この計算通りに税務調査が実施される訳ではありません。開業後10年も経過していないのに税務調査を受けた人や、反対に一度も税務調査の対象となったことがない事業者もいるでしょう。

狙われやすい特徴があると税務調査の可能性が高まる

国税庁や税務署では、過去のデータや各金融機関など、独自の調査ルートを駆使して申告者の情報を把握し、調査対象としてピックアップした事業者に対して税務調査を実施します。
巨額の脱税行為や、所得を不正に隠蔽している疑いのある企業やフリーランスに対しては、事前の通告なく強制的に税務捜査が行われるケースもあるでしょう。
こうした強制調査ばかりが行われる訳ではありません。税務調査へ訪問する前に事前連絡を受け、2名程度の調査員が1~2日ほどかけて調査を行う「任意調査」であることがほとんどです。
とはいえ、任意調査といえども、調査中に不正が発覚すれば罰則の対象となり、重い追徴課税が課されることとなってしまいます。
税務調査で狙われやすいポイントや、税務調査の対象としてピックアップされやすいフリーランスや個人事業主には、どのような特徴があるのでしょうか。

税務調査で狙われやすいフリーランス・個人事業主の特徴

税務調査で狙われやすいフリーランスや個人事業主には、以下のような特徴があります。

確定申告をしていない

「税務調査しようにも、申告をしていなければ調べようがないだろう」と考えたくなるかもしれません。しかし、無申告は税務調査の対象となりやすく、もっとも狙われやすい状態の1つであるといえます。
上記の通り、税務署や国税庁では、申告するべき所得があるにも関わらず、無申告を続けている事業者について、独自の調査で簡単に状況を把握することが可能です。
取引先が税務調査を受けて発覚するケースや第三者からの密告、顧客を装って来店や問い合わせなどを行う覆面調査といった手法も取られることがあります。
長年無申告を続けている状態で税務調査が入れば、かなりの確立で追徴課税を受けることとなるでしょう。
適正に申告していれば、税務上赤字であることが判明し、税金の還付を受けられる場合もあります。
確定申告をしないで放置していても、何もメリットはありません。これまで確定申告について何もしていないのであれば、早期に対策することを強くおすすめします。

いい加減に申告している・ミスが多い

「とにかく期日までに申告書を出しさえすればいいだろう」と考え、記帳や計算を適当に申告していても、税務調査で狙われやすいでしょう。
国税庁では、同業を営むほかのフリーランスや事業者と比較できるデータベースを持っており、収支や計上のバランスがおかしい申告内容だけを絞り込むことも可能です。
データベースで異常値の出るフリーランスや個人事業主は、現時点で調査対象としてピックアップされているかもしれません。
税務調査では、最低でも3年分までの帳簿をチェックされます。調査を担当する人員の都合などもあり、調査対象としてピックアップしていても、すぐには調査を受けないケースもあるのです。
既に申告を済ませている年度についても、念のため間違いがないかチェックするとよいでしょう。

控除内ギリギリの申告が続いている

確定申告について多少知識がある人の場合、消費税課税事業者や特別控除など、一定の金額を超えなければ節税できることを知っていて、毎年その金額を超えないような申告をしているケースもあるでしょう。
適正な節税対策を行ったうえで枠内に収まっているのであれば、税務調査を受けても重い罰則を受けることはないでしょう。
ただし、税務的に違法な処理や計上をしている可能性がある場合には、調査対象としてマークされ、詳しくチェックされることとなります。

このほかにも、例年より売上が急増した時や、逆に大幅な赤字となった時なども、税務調査の対象として狙われやすくなるでしょう。

税務調査が来た時の対応や対策は?

税務調査に選ばれてしまった時には、落ち着いて以下のような対応や対策を行うようにします。

指摘を受けそうなポイントを把握する

生活費を経費にしていないか、売上を少なく計上していないか、書類に抜けがないかなど、調査を受けた際に指摘されそうなポイントについて把握し、調査時には毅然と説明できるようにしておきましょう。
どの数字が疑われているのか、修正申告が必要かなど、自分で判断がつかない場合は、税理士事務所などへ相談しましょう。

無申告の場合は早急に確定申告を

申告自体をしない無申告を続けることは、上記で解説した通り何もメリットのない行為です。フリーランスや個人事業主であっても、長年の無申告を税務調査で指摘されれば、ペナルティとして支払いできないほどの追徴課税を受けることもあります。
何をおいても、無申告はできる限り早めに解消するようにしましょう。税理士法人松本では確定申告のご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。



まとめ

フリーランスや個人事業主でも、税務調査が来る可能性はいつでもあり、無申告や申告内容に不審点がある場合は、調査対象として狙われやすくなってしまいます。
フリーランスで、これまで税理士へ依頼したことがない場合は、無申告や個人事業主へのサポートに強く、親身に相談に応じてくれる税理士事務所を見つけることが大切です。
無料相談などを利用して、早めの対策を採れば、税務調査を怖れて不安な日々を過ごすこともなくなるでしょう。

税理士変更後に税務調査がやって来た!変更すると調査の対象になりやすいの?

2022.11.04

「税理士を変更すると税務調査になりやすい」「税理士を変えた腹いせに税務署へ密告された」といった噂を耳にすることがありますが、こうしたことは本当に起こることなのでしょうか。
ここでは、税務調査が入りやすい時期や税理士の変更、密告などによって税務調査が始まる可能性などについて解説しています。税理士を変えていなくても注意するべき税務調査のポイントについても説明していますので、これから税務調査を受ける方は参考にしてください。



税理士の変更や密告で税務調査になるって本当?

顧問の税理士を変更したり、以前顧問をしていた税理士から税務署へ申告内容を密告されたりすることはあるのか、それによって税務調査へ繋がる可能性などについて解説します。


税理士の変更だけで税務調査にはならない

結論から言うと、顧問の税理士を変更したという事実だけで税務調査の対象となることはありません。
「でも、実際に税理士を変更した直後に税務調査が入ったという話を聞いた」という場合、以下の理由が考えられるでしょう。
・税理士の変更と税務調査がたまたま同時期になった
税務調査は、少なくとも過去3年、最大で7年まで遡って申告内容を調査するため、通常会社を設立して間もない頃に税務調査がやって来ることは滅多にありません。
起業して数年以上が経過しており、これまでに税務調査を受けたことがない場合、たまたま税理士を変更したタイミングで税務調査がやって来ることがあります。その際に「税理士を変更したから税務調査が入ったのだ」と勘違いしてしまう可能性があるのです。

・税理士の変更により、会計処理に大きな変更が発生した
税理士を変更した事実だけで税務調査の対象とはなりませんが、税理士の変更によって、例年の会計処理に大幅な変更が加わった場合には、そのことが原因で税務調査が入る可能性はあります。
経費を大幅に増やしたり、計上する科目をガラッと変える、といった変更を加えたりすると、例年の申告内容に比べて帳簿上の金額が大きく変動することとなります。そのため、例年よりも金額に変動が見られる原因について確認する意味で調査対象とされる可能性が高まるのです。
逆に言えば、税理士を変更しなくても、会計処理の方法を大きく変更すれば税務調査が入りやすくなるとも言えます。
会計処理方法を変えたり、または税務調査と税理士変更のタイミングが重なったりすることがなければ、税理士を変更しただけで税務調査がやって来ることはないのです。


税理士が税務署へ密告する可能性はある?

「税理士を変更して、以前の税理士が腹いせに税務署へ何か密告したらどうしよう」と思ったとしても、心配する必要はありません。その理由として税理士には守秘義務があり、顧客の情報を外部へ漏らすことは法律(税理士法)で禁じられているからです。

(秘密を守る義務)
第三十八条 税理士は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなった後においても、また同様とする。

(税理士の使用人等の秘密を守る義務)
第五十四条 税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者でなくなった後においても、また同様とする。

また、仮に税理士が帳簿上で違法な操作に加担していたとしても、その事実が明るみとなれば、その責任は税理士が負うこととなります。税理士を変えたという理由だけで、わざわざ税理士自身が処罰の対象となるような密告をするとは考えにくいと言えるでしょう。


税理士を変えていなくても税務調査で注意するべきポイントは?

税理士の変更や密告などによって税務調査の対象となることはなくても、税務調査は一定の時期が来れば入りやすくなります。
税務調査の対象となりやすい条件やタイミングについて、以下のようなケースで税務調査が入った場合は注意が必要です。


短期間に何度も税務調査が入る

通常、一度税務調査が入った場合、そこから数年間は調査対象とはならず、2度目の税務調査までは間隔があくのが一般的です。
しかし、1年おきや毎年など、短期間の間に何度も税務調査が入るような場合には、税務署からマークされている可能性があります。
税務署がマークする理由の一部に
・申告内容に疑わしい点がある
・会計ルールが毎年変わっているように見える
・単純な計算ミスや申告漏れが多い
などが挙げられます。依頼している税理士がいるにも関わらずこのような状況になっているなら、早急に税理士を変更した方がよいでしょう。


そもそも税理士を入れていない

税理士へ1度も依頼したことがなく、自力で確定申告を行っている場合、過去の申告内容にミスや漏れがあったとしても、税務調査で発覚するまで気づかないケースがほとんどです。
税務調査で指摘されてから修正申告となった場合、延滞税や無申告加算税といった追徴課税の対象となり、多額の納税義務が生じる可能性があるのです。
不安な場合は、1度目の税務調査が入る前の時点で、一度税理士事務所の無料相談などを利用してみることをおすすめします。


税理士は変えていないが、会計の処理方法を大きく変更した

そもそも税理士へ依頼をしたことがないケースも含めて、会計の処理方法を例年から大きく変更した場合には、税務調査で確認される可能性が高いため注意が必要です。
「節税対策を取りたいから会計のルールを変えたい」「取引が複雑になって来たので、弁護士を入れてしっかりと申告をしたい」といった希望がある場合は、税務調査対応の実績が豊富な税理士事務所へ相談してみるとよいでしょう。
科目の変更や会計処理の方法を変えた場合、違法であれば脱税となりますが、合法であれば節税とみなされ、処罰されることはありません。
その辺りの対応や交渉も含めて、税務調査対応に強い税理士へ依頼することで、節税対策も取りつつ税務調査へ備えることができるでしょう。



まとめ

税理士を変更しただけで税務調査が入りやすくなるということはなく、また守秘義務のある税理士の密告によって税務調査が入るという可能性も考えにくいものです。
しかし、税務調査を長年受けたことがない場合や、税理士の変更で会計処理を大きく変えたような場合には、税理士を変更したタイミングで税務調査が入ったように勘違いするケースも考えられます。
税理士を変えなくても、税務調査が入る条件に該当していれば、調査となる可能性が高まります。適正な申告ができているかをチェックして、1度目の調査が入る前に税務調査対応に強い税理士事務所へ相談するなどして、来るべき税務調査に備えましょう。


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税務調査専門税理士法人松本

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