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確定申告書を提出した後に、申告内容に誤りがあったことに気が付くケースもあるでしょう。確定申告の内容を間違えてしまった場合は、正しく申告をし直さなければなりません。確定申告書提出後に正しい内容で申告をし直す方法には3つの方法があり、そのうちの一つが修正申告です。では、修正申告とは、どのようなケースで必要となる手続きなのでしょうか。
今回は、修正申告が必要なケースや修正申告のやり方など、確定申告の内容を間違えた場合の手続き方法について解説します。
目次
修正申告とは、以下の2つの条件を満たすケースにおいて申告内容を修正する手続きのことです。
・確定申告の期限後に申告内容を修正する場合
・納税額が実際よりも少なく申告していた場合
後述しますが、確定申告期限内に申告内容を修正するケースや期限内の申告で実際よりも多く申告をしていた場合などは、修正申告の対象とはなりません。
確定申告を間違えたときには、誤っていた箇所を訂正し、正しく申告をしたうえで税額の調整が必要です。しかし、すべてのケースにおいて修正申告が必要になるのではありません。確定申告の訂正方法には以下の3つの手続きがあります。
訂正申告とは確定申告の期限内に誤りに気が付き、修正をするケースです。個人事業主の場合、2026年の確定申告期間は2月16日から3月16日までとなります。
例えば、2月18日に確定申告書を提出したものの、3月3日に誤りに気が付いたと仮定します。この場合は、申告期限内であるため3月16日までに新たな申告書を作成し、申告をし直せば問題ありません。これは、税務署では複数の申告書が提出された場合、最終的に提出された申告書を採用する運用方法を取っているためです。
訂正申告は、確定申告期限内に誤りに気が付き、申告書を提出し直すケースであったのに対し、修正申告は確定申告期限後に修正をする手続きです。ただし、修正申告を行うのは、当初申告していた税額が不足していた場合であり、本来よりも税金を納め過ぎていた場合に行う手続きは、修正申告ではありません。
確定申告書の内容に誤りが生じるケースには、税金を少なく申告してしまうケースのほか、税金を支払い過ぎてしまうケースもあります。支払い過ぎた税金の還付を求める手続きを更正の請求といいます。
売上を二重に計上してしまった場合、医療費控除の適用を忘れてしまった場合などは、更正の請求を行うと税金の還付を受けられます。
しかし、更正の請求をする際には、請求をするだけで税金が還付されるわけではありません。税務署でのチェックを受け、問題が無かった場合のみ還付が行われるため、更正の請求を行う際には更正の請求の発生事由を明確に示したうえで、証拠となる書類の提出などが必要です。
修正申告を行うケースは、納税者が自ら申告内容の誤りに気が付いて自主的に修正申告をする場合と税務調査で指摘を受けて修正申告を行うケースの2パターンがあります。しかし、修正申告のやり方に違いはありません。修正申告のやり方を順にご説明します。
修正申告に必要な書類は以下のとおりです。
・確定申告書第一表
・確定申告書第二表
・修正内容を証明する書類
当初提出した添付書類であれば再提出する必要はありませんが、追加や訂正に関わる証明書類は提出が必要です。
修正申告を行う際には、まず修正申告書を作成します。修正申告書の作成方法は、紙の用紙に手書きで記入する方法と確定申告書作成コーナーを使って作成する方法の2パターンがあります。
手書きの場合は税務署や国税庁のホームページから、修正申告を行う対象年分の申告書を入手します。確定申告書を作成する際とほぼ同じ手順で進めますが、修正申告書作成時の注意点は以下のとおりです。
第一表
・一番上にある「令和□□年分の所得税及び復興特別所得税の__申告書」の__の箇所に「修正」と記入する。
・種類を選択する欄で「修正」に○を付ける。
・修正申告の欄にある「修正前の税額」の欄に、修正する前の申告書に記入した税額を書き入れる。
・その下の「第3期分の税額の増加額」の欄には追加で納める税額を記入する
第二表
・一番上にある令和□□年分の所得税及び復興特別所得税の__「申告書」の__の箇所に「修正」と記入する。
・「特例適用条文等」の箇所に修正申告を行う理由を記入する。
国税庁:確定申告書等の様式・手引き等(令和7年分の所得税及び復興所得税の確定申告分)
国税庁の確定申告書作成コーナーを利用するとパソコンやスマートフォンから修正申告書を作成できます。確定申告書作成コーナーのトップページにある「提出した申告書に誤りがあった場合」の欄にある「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」のリンクをクリックすると、修正申告書の作成ページに遷移します。修正申告書の作成が必要な年分を選択して、修正申告書を作成していきます。
国税庁:確定申告書作成コーナー令和7年分
修正申告書が完成したら、管轄する税務署に申告書を提出します。紙で修正申告書を作成した場合には、郵送で提出するか、税務署の窓口に持参して提出します。
また、確定申告書作成コーナーで作成した場合は、e-Taxを使って電子送信することが可能です。
修正申告書の提出が完了したら、修正によって追加が必要となった分の税金を納付します。納税方法は、確定申告と同様、税務署の窓口や金融機関で支払う方法、インターネットバンキングを利用する方法などから都合の良い納税方法を選択できます。
修正申告が必要となるのは、確定申告期限を過ぎて、申告内容の誤りが発覚した場合です。したがって、期限内には正しく申告をしていない状態に置かれていることとなります。そのため、修正申告の際にはペナルティが科される恐れがある点に注意しなければなりません。
修正申告をする際、課される可能性があるペナルティは以下の4つです。
・過少申告加算税
・無申告加算税
・重加算税
・延滞税
当初の申告によって納税した額が、本来の税額よりも少なかった場合に課されるペナルティが過少申告加算税です。過少申告加算税の税率は、修正申告書の提出タイミングによって大きく変わってきます。
・税務調査後の修正申告:10~15%
税務調査を受けて、修正申告を行った場合に課される過少申告加算税の税率は原則として10%です。ただし、追加で納税する額が当初の申告税額または50万円のいずれかを上回る部分については15%の税率が適用されます。
・事前通知後の修正申告:5%~10%
税務署による税務調査が実施される際には、原則として事前通知が行われます。事前通知とは、税務調査を実施するにあたっての予告連絡であり、事前通知を受けてから修正申告をした場合の税率は、原則として5%です。ただし、追加で納税する額が当初の申告税額または50万円のいずれかを上回る部分については10%の税率が適用されます。
・税務調査の事前通知を受ける前に自主的に修正申告をした場合
税務調査の事前通知を受けたわけではなく、納税者が自ら申告内容の誤りに気が付き、自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税は課されません。
重加算税は、悪質な仮装・隠蔽行為が認められた場合に、過少申告加算税の代わりに課される最も税率の重いペナルティです。過少申告加算税に代えて重加算税が課されるケースとしては次のようなシーンが考えられます。
・税務調査で、意図的に計上していない売上があることが発覚した
・領収書や請求書が偽造され、経費の水増しがなされていた
・一部の売上が事業主個人の口座に入金されており、税務調査で二重帳簿が発覚した
・架空の人件費が経費として計上されていた
過少申告加算税に代えて重加算税が課される場合の税率は、35%にも上ります。
延滞税は、税金の納付が遅れた場合に課されるペナルティです。修正申告が必要な事態は、本来の税金を納税し終えていない状況にあるため、延滞税が課される恐れもあります。
延滞税は、法定納付期限の翌日から納付が完了した日までの日数に応じて課される税金であり、延滞税の税率は、納期限の翌日から2ヶ月以内とそれ以降で税率が大きく変わります。また、毎年、税率の見直しがなされており、令和8年1月1日~12月31日の税率は、納期限の翌日から2ヶ月以内は2.8%、それ以降は9.1%です。
延滞税は、日割りで計算されるため、納税が遅れれば遅れるほど課される税額も高くなります。しかし、期限日から1年以上経過した後に修正申告をした場合は、期限日から1年を経過する日の翌日から修正申告書の提出までの期間は、延滞税の計算対象期間に含めないという特例があります。
そのため、期限内に確定申告を済ませていた人が修正申告を行った場合は、延滞税は最大1年分に抑えることが可能です。しかし、仮装や隠蔽などの行為が認められ、重加算税が課される場合は特例が適用されることはありません。
修正申告が発生すれば、ペナルティとして本来よりも多い額の税金を納めなければならなくなるリスクがあります。また、不備の多い申告書を提出していると、税務署から目を付けられ、税務調査の対象となる可能性が高くなります。
修正申告が発生しやすいケースを理解しておけば、申告後の修正リスクを抑えることができるでしょう。
修正申告につながるミスとしては、次のようなケースが考えられます。
・計算ミスで納税額が本来よりも少ない状態で申告をしてしまった
・売上の計上を忘れ、所得額を本来よりも少なく申告してしまった
・経費としては扱えない支出を経費に計上してしまった
・控除の適用を誤ってしまった
手書きで確定申告書を作成している場合などは、確定申告書を作成する過程において、納税額を自分で計算し、算出しなければなりません。売上を書くべき欄に利益を書いてしまったり、単純に第二表から第一表へ数字を転記する際にずれてしまうといったミスによって、税額が少なくなるケースがあります。
このような場合は、正しく計算をし直して修正申告をしなければなりません。
売上として計上すべき金額が漏れてしまったり、今期の売上として計上すべき金額を翌期に回してしまうと、所得額が減るため、納税額も少なくなってしまいます。売上の計上漏れや計上時期のズレも修正申告が発生しやすい要因です。
プライベートな支出に関しては、当然、経費として計上することはできません。また、事業とプライベートの両方で使用するものなどは、事業で使用する割合のみを経費に計上するルールです。万が一、プライベートな支出も経費として計上していた場合やプライベートと兼用の費用をすべて経費として計上していた場合は、修正申告をして正しい所得額を算出する必要があります。
社会保険料は所得控除の対象となりますが、社会保険料の計上金額を誤ってしまうケースも少なくありません。すでに前払いによって支払っていた社会保険料も含めてしまった場合などは、税額が変わってくるために修正申告が必要です。
修正申告のやり方は、確定申告のやり方と大きく変わるわけではありません。もし、確定申告書を提出した後に申告内容の間違いに気が付いた場合は、できるだけ早めに修正申告を行いましょう。なぜなら、税務調査の事前通知前に自主的に修正申告を行った場合、過少申告加算税は免除されるからです。
税務調査の対象となり、税務調査で詳しく申告内容をチェックされることとなれば、税務調査の準備に多大な手間と時間を割かれることとなります。また、税務調査が入るという精神的な負担も大きなものとなるでしょう。
修正申告が発生した場合には税理士に相談をし、税務調査の連絡が入る前に自主的に修正申告を行うことをおすすめします。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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