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税務調査を受ける際、税理士の立ち会いは必要なのでしょうか。立ち会いなしで税務調査を受けた場合と比較したメリットや、立ち会いを依頼する際に支払う報酬の相場など、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、税務調査に税理士が立ち会うメリットとデメリット、報酬の相場や税理士を選ぶ際のポイントなどについて解説しています。税務調査の概要もわかるようになっていますので、税務調査への対応について知りたい際の参考としてお役立てください。
目次
税務調査において税理士の立ち会いが必要なのかについて解説します。
税務調査では、必ずしも税理士が同席する必要はなく、個人の代表者だけで対応することも可能です。
多くの個人や法人に対して行われる税務調査は「任意調査」と呼ばれるものです。任意調査とはいえ、納税者には税務調査に必ず協力しなければならない「受忍義務」と呼ばれる義務が法律でさだめられているため(国税通則法第74条)、税務調査を拒否することはできません。
任意調査において税理士の同席は必須ではないため、税務調査完了まで税理士を介することなく、代表者1人または経理担当者などで対応することができます。
任意調査では、顧問となっている税理士がいない場合、税務署から税務調査を実施する旨がオフィスや代表者のもとへ電話で通知されます(事前通知)。
事前通知の際に調査日の日程を確認し、調査当日も代表者からヒアリングを行い、税務署の調査官が帳簿や書類、データなどを確認しながら不明点などについて質問を受けます。
1~3日程度の調査期間を経て修正点や指摘するべき箇所について通知を受け、必要に応じて修正申告を行うのが一般的な流れです。
税務調査には、上記で挙げた任意調査のほかに「強制調査」と呼ばれる税務調査もあります。任意調査は管轄する税務署が実施するのに対して、強制調査は「マルサ」とも呼ばれる、国税局査察部が実施するものとなります。
強制調査では任意調査のような事前の通知はなく、ある日突然事務所や倉庫、代表者の自宅などに大勢の査察官が押しかけてきます。
強制調査は令状に基づいて行われる捜査であり、最終的には刑事責任を問われる可能性が高い、厳しい調査です。
強制調査となった場合、税理士の立ち会いなどは法律で認められておらず、本人以外は立ち会うことができないことが法律でさだめられています(国税通則法第142条)。
国税庁が発表しているデータによると、2024年に実施された法人税の税務調査は約54,000件であるのに対し、強制調査が実施された件数は151件となっています。
強制調査は巨額の脱税など、悪質性の高い事業者に絞って実施されるため、法人や個人へ実際に行われる税務調査は圧倒的に任意調査であることが多いのです。
参照:
国税庁「令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要」
国税庁「令和6年度 査察の概要」
ここでは、税理士の同席が認められている税務調査である任意調査への立ち会いについて解説していきます。
税務調査に税理士が立ち会うメリットについて見ていきましょう。
税務調査では、調査官が事前に調査した内容や帳簿、データなどの資料を基にして、会計や税制に関する質問や追及を受けることとなります。直近の年度だけでなく、最低でも過去3年度分まで遡って調査を行うため、提示を求められた書類が揃っていなかったり、記憶が曖昧で返答に困ったりするようなケースも少なくありません。会計や税制に関する知識に自信がないと、質問に対してどのように答えてよいかわからない場合もあるでしょう。
税理士が税務調査時に同席していれば、質問や指摘に対しては税理士が代わりに対応するため、反論や交渉の余地がある点については、税制の専門家として毅然と対応してもらうことができます。
税理士に税務調査での反論や交渉を任せることで、自身で対応するより追徴課税額を抑えられる可能性があります。
税務調査対応の実績が多い税理士や、国税庁などに勤務経験のある税理士の場合、調査でどのような点が指摘されるかといった内情にも詳しい場合が多いでしょう。内情について熟知している税理士であれば、税法上問題のない節税対策はしっかりと主張して、申告の否認リスクを低く抑えられます。
経費の計上や売上の計上時期など、問題がない取引であっても、税務調査の際には「すべてを疑われたらどうしよう」「ちゃんと説明できるだろうか」と不安な思いで過ごすケースも多いものです。
税理士へ立ち会いを依頼して、対応を一任できれば、こうした不安や精神的な負担を軽減し、ビジネスへ注力できるようになります。
事前通知を受ける前から税理士へ顧問を依頼しており、代理人として税務代理権限証書を提出していれば、税務調査の事前通知も本人ではなく税理士へ連絡があります。
調査前の書類準備や申告内容の精査、調査当日の受け答えから複雑な修正申告手続きまで、トータルでサポートが受けられる点は大きなメリットといえるでしょう。
税務調査への立ち会いを税理士へ依頼するデメリットには以下のようなものが挙げられるでしょう。
税理士へ税務調査立ち会いを依頼すれば、税理士へ支払う報酬が発生します。税務調査立ち会いに関する報酬の相場は30~70万円といわれています。
内訳としては
初回相談料:約2万円
打ち合わせや書類確認などの着手料:約30万円
調査日当日の立ち会い料:5~10万円
申告書類作成料:10~15万円/年
成果報酬:税務署の提示額と最終的な確定税額との差額×20~30%
などが挙げられます。
成果報酬までプランに含まれている場合もあれば、オプションとして別途料金設定されている場合、税務調査対応のみの依頼か顧問契約ありかなどによっても料金は異なります。
ただし、税理士へ依頼することで報酬以上の節税効果がある場合や、精神的負担軽減といったメリットが大きい場合もあります。
報酬の相場はケースバイケースであるため「報酬がかかるから」と依頼を躊躇する前に、無料相談などを利用して自身のケースで見積りを依頼してみるのも1つの方法です。
「税理士へ税務調査の立ち会いを依頼したからもう大丈夫」「安心して任せられる」と思っていても、依頼する税理士の力量によっては結果が思わしくない場合もあります。
税務調査の実績に乏しい税理士の場合、調査官の言いなりの追徴額で受けてしまい、自身で対応したのと変わらない結果となってしまうケースもあるのです。
「金額が安いから」「知り合いが頼んでいるから」という理由で安易に決めず、税務調査への実績が豊富かどうかを見極めて依頼することが重要となるでしょう。
以下のようなケースでは、税務調査への立ち会いを税理士へ依頼することでメリットが大きくなる可能性が高いでしょう。
会計の知識が乏しい場合や、税法に関して詳しくない場合、税務調査で質問された内容に対して返答や反論、交渉などができる自信がない場合には、税理士へ立ち会いを依頼した方がよいでしょう。
税務調査では、ちょっとした雑談や一見調査と関連がないような話題からも、事業に関する情報を指摘される場合もあります。
例えば、家族旅行を経費として計上していないか、外注先を水増ししていないかといった可能性についてダイレクトに聞かず、経営の苦労話や趣味の話などから不適切な会計処理を疑われるケースもゼロではありません。
自力で頑張っても多くの指摘を受ける可能性があるだけでなく、調査が長引く原因となる場合もあります。
任意調査では、事前通知の際に調査の目的について大まかに説明を受けますが、この時点で申告内容の不備に心当たりがある場合は、早い段階で税理士へ相談することをおすすめします。
不備については正直に認めて、早期に修正申告を行えば、脱税などの悪意があるとみなされる可能性は低くなります。
どの点に問題があり、どこまで適正な処理なのか、どのような書類が必要で、修正した場合の追徴額の概算などについても、専門家からアドバイスをもらうことでスムーズに準備を進められるでしょう。
国税庁では、税務調査で不正が発覚する件数が多い業種について特定しており、毎年上位の業種を公表しています。
2024年における法人税の税務調査では、不正が発覚した割合の多かった業種として、以下が挙げられています。
1. バー、クラブ
2. その他の飲食
3. 外国料理
4. 美容
5. 大衆酒場、小料理
6. 自動車修理
7. 船舶
8. 土木工事
9. 職別土木建築工事
10. 中古品小売
また、事業所得税における所得の申告漏れが多かった個人の上位業種としては、以下が挙げられています。
1. キャバクラ
2. 眼科医
3. ホステス、ホスト
4. 経営コンサルタント
5. 太陽光発電
6. バー
7. コンテンツ配信
8. ブリーダー
9. スナック
10. システムエンジニア
参照:国税庁「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」
こうした業種で事業を営んでいる場合には、積極的に税務調査の対象とされ、他の業種よりも税務調査に遭う頻度が高くなったり、調査の手が厳しくなったりする可能性があります。
上記業種に該当する方は、個人・法人を問わず税理士へ相談して、税務調査に備えた対策を取っておくことをおすすめします。
過去に税務調査を受けた際に申告内容について指摘を受け、修正申告となった履歴がある場合、前回指摘した内容について適正な処理がなされているかを確認、指導する目的で、次の税務調査までの期間が短くなる場合があります。
税理士へ税務調査への立ち会いを依頼することで調査がスムーズに進みやすく、反論できる点はしっかりと交渉してもらうことで申告是認となり、次回の調査までの頻度が低くなる可能性もあるでしょう。
「これまでに確定申告をしたことがない」「法人としては申告しているが、法人成りする以前の事業については申告していない」など、過去に無申告の期間がある場合は、税務調査で指摘される可能性がかなり高いでしょう。
数年以上前の無申告について税務調査で指摘された場合、延滞税や無申告加算税など、税額の重い追徴課税となりやすく、悪意があるとみなされた場合は7年前まで遡って指摘を受ける可能性もあります。
無申告に心当たりがある場合や、申告はしているが内容が適当である、といった場合には、早急に適正な申告・納税の手続きを行う必要があります。
税務調査の対応に加えて、無申告の解消などのサポートにも実績のある税理士事務所へ相談して、早めに問題を解消するようにしましょう。
税理士法人松本では、税務調査の事前通知を受けてからの立ち会い依頼や、スポットでの税務調査対応などにも柔軟に対応しています。
10名以上の元国税OB税理士が在籍しており、税務調査対応で多くのお客様より喜びの声をいただいています。
個人・法人を問わず、修正申告や無申告の解消、査察調査に関する相談などにも対応しています。全国どこからでも相談予約が可能ですので、お問い合わせフォームやフリーダイヤル、LINEなどからお気軽にお問い合わせください。
税務調査において税理士の立ち会いは必須ではありませんが、税制や会計に関する詳しい知識や、税務調査の意図、税務署の内情などを知っていないと、対応や返答、反論などがうまくできずに追徴課税が膨らんでしまう可能性があります。報酬が発生しても、大きな節税効果が得られる可能性があるほか、精神的な負担が軽減されるなどのメリットが大きい場合があるため、税務調査が不安な場合は、税務調査への立ち会いに豊富な実績を持つ税理士事務所へ相談してみるのも1つの方法です。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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