2025.07.16
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脱税や所得隠しは税務署にばれる?ペナルティや事前にできる対処法なども解説

読了目安時間:約 8分

「納める税金を1円でも少なくして、所得を多くしたい」と考える人は少なくないでしょう。

利益や所得を多くすることで、新事業への投資や従業員の給料アップなど会社の基盤を強くしていくことができます。

しかし、最初は節税のつもりでも、行き過ぎた対応をとってしまうと「所得隠し」や「脱税」などと判断され、処罰の対象となることがあるので、注意が必要です。

ここでは脱税や所得隠しの概要、なぜばれるのか、ばれた際のペナルティなどを解説します。

すでに税務調査の事前通知が入り、お困りの方は税理士法人松本までご相談ください。

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脱税とは

脱税とは、納めるべき税金を意図的に免れようとする行為です。

たとえば、売げの一部を意図的に除外したり、実際には発生していない経費を水増しして計上したりする行為が該当します。

このような行為が発覚し、税務当局から悪質と判断されると、「査察調査」の対象となる可能性があります。

査察は、通常の税務調査とは異なり、刑事事件として扱われる可能性がある特別な調査です。

査察調査の対象となり刑事告発されたうえで、最終的に刑事裁判により刑事罰が科されます。

申告漏れ・所得隠し・脱税の違い

申告漏れ・所得隠し・脱税は、いずれも本来納めるべき税金が適切に申告・納付されていない状態を指しますが、法律上、厳密な定義の違いがあるわけではありません。

しかし、実務上や税務調査の現場では、「納税義務を怠った原因や悪質性の程度」によって、これらの用語が使い分けられています。

ここでは、それぞれの意味や違いについて、わかりやすく解説します。

申告漏れ

申告漏れとは、納税者が本来申告すべき所得の一部を、計算ミスや経費計上の誤りなどにより、うっかり申告し忘れてしまうことです。

たとえば、経費に該当しないものを誤って計上してしまったり、収入の一部を見落としていたりするケースがこれに該当します。

また、申告期限を過ぎてしまった場合や、そもそも申告が必要であることを認識していなかった場合も申告漏れに分類されます。

最大の特徴は、「税金をごまかそう」という意図的な隠ぺいの意思がない点です。こうした点が、後述する「所得隠し」や「脱税」と大きく異なります。

ただし、意図がなかったとしても、本来納めるべき税金が不足していれば、追加課税(過少申告加算税や延滞税など)の対象となることが多く、税務署からの是正が入る可能性があります。

ペナルティの程度は、所得隠しや脱税よりも軽くなる傾向がありますが、過失とはいえ注意が必要です。

所得隠し

所得隠しとは、税金を少なく支払うために、意図的に収入や利益の一部を申告しなかったり、経費を過大に計上したりするなどして課税所得を少なく見せかける行為のことです。

たとえば、売り上げの一部を帳簿に記載しなかったり、実際には存在しない経費を架空で計上したりする行為が該当します。

これらは「税負担を逃れよう」という明確な意思に基づく行為であり、申告漏れとは性質が異なります。

脱税

脱税は、申告義務を完全に無視したり、故意に違法な手段を用いて納税を免れる行為のことで、最も悪質性が認められる場合に該当します。

たとえば、売り上げの二重帳簿や領収書の偽造、架空取引の計上など、悪質な手段によって納税を逃れようとする場合です。

脱税は単なるミスや不正確な申告とは異なり、刑法上の犯罪行為と見なされ、税務署による調査だけでなく、検察による刑事告発や裁判の対象となる可能性もあります。

実際に脱税が認定された場合には、重加算税に加えて、懲役刑や罰金刑が科されることもあるので、注意しましょう。

節税・租税回避・脱税の違い

脱税とよくセットで比較されるのが「節税」と「租税回避」です。

それぞれの違いは以下のとおりです。

概要

合法性

主な手法例

処分

節税

法律の範囲内で税負担を軽減する正当な行為

合法

・青色申告

・控除の活用

・減価償却の計画的活用など

なし

租税回避

法の抜け穴を使って、意図的に課税を回避する行為

グレー

・海外子会社を使った利益移転

・名義の操作など

・追徴課税(違法と判断された場合のみ)

脱税

納税義務があることを知りながら、違法に税金を免れる行為

違法

・売上除外

・二重帳簿

・架空経費など

・重加算税

・刑事罰(罰金・懲役)

このように、節税は、税法で認められた範囲内で税負担を軽減する正当な行為です。たとえば、控除や特例の活用、適切な会計処理によって、合法的に納税額を減らすことができます。

一方で、租税回避は、法の抜け穴や制度の隙間を突いて課税所得を減らす行為であり、形式上は合法であっても、税務当局から否認されるリスクがあるグレーゾーンの行為です。

そして、脱税は明確に違法な手段によって税金の支払いを免れる行為であり、最も重い処分が科される対象です。状況によっては、重加算税に加え、刑事罰として罰金刑や懲役刑が科される可能性もあります。

脱税はなぜばれるのか

脱税はどのように発覚してしまうのでしょうか。

脱税をする、最初は小さな金額から始まることが多いことでしょう。

しかし、脱税は麻薬のようなもので、継続していくことで感覚が麻痺していき、金額が大きくなっていても、本人は麻痺している状態なので気づきません。

気づいたときには悪質性が高い状態になっていることがほとんどです

悪質性が高まれば高まるほど、税務署や国税庁に目をつけられ発覚しやすくなります。

ここでは、脱税がばれる主な3つのケースを紹介します。

税務調査

脱税は主に、税務署や国税局査察部(いわゆる「マルサ」)による調査によって発覚します。

税務署による税務調査は、中小企業や個人事業主など幅広い納税者を対象に行われる日常的な調査です。

一方、国税局査察部による「査察調査」は、脱税額が大きい、あるいは悪質性が高いと判断された場合に限って実施される特別な調査です。

税務署や国税局の職員は、長年の実務経験と専門知識を持つ「脱税を見抜くプロフェッショナル」であり、意図的な不正は極めて高い確率で見破られるでしょう。

また、脱税をしていない場合であっても、帳簿の不備や処理ミスを指摘されることは珍しくありません。

とくに個人事業主の場合、会計・税務に不慣れなことも多いため、税務調査の際には税理士に立ち会ってもらうことで、不安を軽減し、適切に対応することが可能になります。

資産状況

税務署は経営者の資産状況を確認しており、税務署が把握している納税者の資産状況と申告内容との間に不自然な点があることをきっかけに、調査が始まり、脱税が発覚するケースが少なくありません。

たとえば、申告された所得に対して明らかに見合わない高級車、高級マンション、ブランド品の購入などが当てはまります。これらがきっかけで、税務署は「申告されていない所得があるのではないか」と疑念を持ち、調査を開始します。

税務署は、銀行口座の入出金履歴やクレジットカードの利用履歴、さらには不動産登記情報など、さまざまな情報を照合する権限を持っており、資産と所得の整合性を確認することが可能です。

また、近年ではSNSの投稿内容も確認しているため、海外旅行や高級品の購入など、申告所得と乖離した「生活ぶり」が確認された場合には、そこから調査が開始されるケースも増えています。

身近な人からの告発

国税庁ではWebサイトから脱税の告発や情報提供を受け付けており、知人・友人・親族など身近な人物からのタレコミが発端となって税務調査が行われるケースが一定数あります。

これらの通報は、金銭トラブルや人間関係のもつれ、妬みや恨みなど、感情的な動機で行われることが少なくないため、すべての情報提供が調査対象となるわけではありません

しかし、そのタレコミ内容に信憑性や具体性があったり、税務上の整合性がとれていたりすると、実際に調査が開始されることもあります。

情報提供は匿名で行えるため、「思いがけないところから発覚する」こともある点に注意が必要です。

税務調査がなくても所得隠しや脱税がばれるケースがある

主に、所得隠しや脱税がばれるのは税務調査です。しかし、税務調査以外でもばれるケースがあります。

反面調査

反面調査とは、納税者本人ではなく、その取引先・仕入先・顧客などの関係先に対して行われる税務調査のことです。

これは、申告内容に不自然な点がある場合などに、取引実態の裏付けをとるために実施されます。

たとえば、納税者が売り上げの一部を申告していなかったとしても、仕入先や取引先が発行した請求書や支払い記録、経理帳簿などにより、事実上の取引が判明する場合です。

このような客観的資料が確認されると、所得隠しや脱税が確実なものとして判断される要因となります。

資料せん

資料せん(資料情報せん)とは、税務署がさまざまな機関や企業から収集する第三者提供の情報で、納税者が自ら提出していない資料のことを指します。

たとえば以下のような情報が対象です。

  • 銀行や信販会社からの利息・配当・取引履歴
  • 不動産の売買・賃貸契約情報
  • 報酬・料金の支払い調書
  • オンライン取引(ECサイトや配車アプリ等)の支払い記録

これらの情報は、税務署が申告内容と照合するために活用され、申告漏れや所得隠しの有無を判断する手がかりとなります。

脱税がばれたときのペナルティ

脱税がばれると追加で税金を納めることになります。

よく脱税で告発された際のニュースの最後に「国税の指摘に従って修正申告と納税を済ませています。十分反省し、度とこのような事件を起こさないよう経理体制などの整備に努めております。」のようなコメントを聞くことがあるでしょう。

本来納めるべき税金と実際に納めた税金の差額を納める必要があり、それとは別に加算税と延滞税、利子税などの追徴課税を追加で納める必要があるのです。

加算税

加算税とは、所得税・法人税・相続税など申告納税方式源泉徴収によって納税される国税において納税者や源泉徴収義務者が申告や納付などの義務を適切に履行しなかった場合に、本来の税額に加算して課せられるペナルティの税金です。

対象となる行為

税目

税率(原則)

主な軽減・免除の条件

税額を少なく申告していた場合

過少申告加算税

515

税務調査前に自主的に修正申告した場合は非課税

申告をしていなかった場合

無申告加算税

530

1. 期限後1か月以内の申告

2. 意思の表明がある場合

源泉徴収税を納付していなかった場合

不納付加算税

510

1. 期限後1か月以内の納付

2. 正当な理由がある場合

3. 税額5,000円未満

悪質な隠ぺい・仮装がある場合

重加算税

3540

軽減・免除制度はなし

参照:国税庁|No.2026 確定申告を間違えたとき

参照:国税庁|No.2024 確定申告を忘れたとき

延滞税

延滞税は、納付すべき税金を法定納期限までに納付しなかった場合に、本税に上乗せして課される税金(ペナルティ利息)です。

原則として次の上限利率が定められています。

  • 納期限の翌日から2か月以内まで:年7.3%または延滞税特例基準割合+1%のいずれか低いほう
  • 納期限の翌日から2か月を超えた日以降:年14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低いほう

参照:国税庁|延滞税の計算方法

利子税

利子税は、国税について延納または納税申告書の提出期限の延長が認められた場合に、その期間に応じて課せられる税金です。

脱税・所得隠しにも時効がある

脱税や所得隠しといった行為に対しても、税金には時効が存在します。

これは、税務署が過去の申告に対して課税・更正できる期間を定めたもので、「法定申告期限の翌日」から起算されます。

ただし、悪質性の程度や申告の状況によって時効期間は異なり、以下のように区分されます。

時効期間

適用されるケースの例

3

期限内に申告はしたが、軽微な記載ミスや経費の誤計上などによって過少申告となっていた場合

5

・申告をしていなかった(無申告)

・申告金額に大きな誤りがある

・過去にも同様のミスや申告漏れが繰り返されている場合

7

故意の隠ぺいや仮装行為など、脱税と認定されるような悪質な行為があった場合(重加算税の対象)

ただし、時効が成立するケースは少なく、基本的には税務署に脱税や所得隠しはばれるものと認識しておいたほうが良いでしょう。

関連記事:脱税に時効はあるの?ペナルティや脱税を防ぐポイントなど解説

時効が成立しないケース

時効期間内に税務署から督促状や調査通知が届いた場合には、時効のカウントがいったん中断され、そこから新たに起算されることになります。

また、税の支払いを免れたまま長期間が経過すればするほど、発覚した際には延滞税や加算税が膨らみ、結果的に大きな金銭的負担となる可能性が高まります。

つまり、「時効で逃げ切れるかもしれない」と期待して何もせずに放置することは、非常にリスクの高い選択肢であるといえるでしょう。

脱税した場合の罪とは

脱税の罪は重く、厳罰化も進んでいるため、非常に重い罰則が設けられています。

刑事罰については、所得税や法人税及び消費税の場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方が科せられます。

罰金については、脱税額が1,000万円を超えるときは、情状により脱税額まで科されることもあるとされています

また、逮捕に至った場合は、身柄を拘束されます。

そのため、行動は制限され外部との連絡や面会は許されなくなりどのような処分を受けるのか、仕事・会社への影響はどうなるのかなど不安を抱えながら、厳しい取り調べに応じることになるでしょう。

その精神的な負担は、非常に大きなものとなります。

脱税・申告漏れを修正申告する場合

脱税や申告漏れの可能性に気づいた場合、税務署から指摘される前に自主的に「修正申告」を行うことが重要です。

こうした自主的な対応によって、加算税が軽減または課されないケースもあり、リスクを最小限に抑えることができます。

ただし、修正申告を行うには、正しい税額の再計算や漏れていた所得・経費などの整理が必要となります。

税務の知識がない状態でこれらすべてをひとりで対応するのは難しく、計算ミスや判断ミスによって、かえって状況を悪化させてしまうおそれもあるでしょう。

また、修正申告書の作成には正確性が求められるため、税務の専門家である税理士に依頼することで、安心かつスムーズな手続きを進められます。

脱税や申告漏れについて不安を感じている方は、国税OBが多数在籍する「税理士法人松本」にぜひご相談ください。

豊富な調査対応経験と税務の知識を活かし、可能な限り追徴課税を軽減できるよう最大限サポートいたします。

どうぞ気軽にお問い合わせください。

まとめ

脱税や所得隠しは、犯罪です。脱税刑事罰に問われてしまえば、社会的な信用失墜も避けられないため、早期に適切な対応をすることが重要です。

税金をなるべく少なくしたいと思うのは悪いことではありません。少なく抑えるために、経費として計上できるものを適切に活用しましょう。

しかし、限度を超えて所得を少なく見せ、納税額を減らすことは許されることではありません。

少しだけと思って、初めは軽い気持ちで少額だったつもりが、気けば嘘が膨らんでいることもあります。

意図的でない場合でも、申告内容に不明瞭な点や判断が難しい項目がある場合は、専門家に確認しましょう。

誤ったまま申告を行ってしまうと、結果として申告漏れや過少申告と見なされ、加算税や延滞税などの対象になる可能性があります。

税理士法人松本は、査察や資料調査課の対応経験もあり、税務調査に強い税理士事務所です。

税務調査の相談は気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計5,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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