2025.12.5
  • 税務調査

税務署からのお知らせはどんな場合に届く?詐欺メールの見分け方とは

読了目安時間:約 6分

税務署からお知らせは誰にでも届く可能性があります。しかし、最近では税務署を装った詐欺も横行しており、偽の通知かどうか判断が難しく、不安を抱く方も多いでしょう。もし、詐欺の「税務署からのお知らせ」に対応してしまえば、不正に個人情報を取得される恐れがあります。

そこで今回は、税務署からお知らせが送付されるケースやその内容、税務署からのお知らせを騙る詐欺との見分け方についてご説明します。

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税務署からのお知らせが送付されるケースと対処法

税務署からのお知らせが送付されるケースには、ハガキが送付されるケース、封書が送付されるケース、メールが送られるケースの3パターンがあります。税務署からお知らせが送付されるケースとその場合の対処法について解説します。

税務署からハガキでお知らせがあるケース

税務署からハガキでお知らせがあるのは、次のようなケースです。

確定申告のお知らせ

前年分の確定申告書を書面で提出した場合や税理士による代理送信で電子申告をした納税者に対しては税務署から確定申告について知らせるお知らせのハガキが1月下旬に届きます。このハガキには、申告書の受付期間や納期限、青色申告や白色申告の種別などの情報が記載されています。ただし、e-Taxで申告書を提出した場合には、お知らせハガキが送付されることはありません。

かつては、確定申告のお知らせはハガキではなく、対象者には確定申告書用紙が送付されていました。しかし、税務署から送付した確定申告書用紙を利用する割合が年々低下していることから、確定申告書用紙の送付に代えて確定申告のお知らせハガキが送付されるようになっています。確定申告のお知らせを受け取ったら、期日までに確定申告書を提出し、納税を済ませるようにしましょう。

還付金を知らせるお知らせ

確定申告やふるさと納税の申告をした方は、還付金が発生した場合に、還付金返金の処理が終了すると、税務署から振り込みが完了した旨のお知らせがハガキで届きます。ただし、e-Taxを利用した場合は、ハガキは送付されません。

還付金を知らせるお知らせを受け取った場合は、指定した金融機関に還付金が入金されていることが確認できれば、還付金に関する手続きはそのまま終了となります。

税務署から封書でお知らせが届くケース

税務署から封書でのお知らせが届く場合もあります。では、税務署から封書でお知らせが届くのはどのようなケースでしょうか。

お尋ねに関するお知らせ

多くの場合、封書で届けられるのは「お尋ね」と呼ばれる書類です。お尋ねとは、確定申告の内容に確認したい事項がある場合や、不動産売買などによって多額の取引が行われた場合、インターネット取引で多額の資金移動が確認された場合などに送付される税務署からの手紙です。また、相続が発生し、相続税の申告が必要になる可能性がある場合などにも税務署からのお手紙が送付されるケースが多くなっています。

税務署からのお尋ねには回答期限が記載されています。お尋ねへの回答は義務ではありません。しかし、お尋ねが送られてきているにも関わらず、回答をしなかった場合、税務署から疑いの目を向けられる恐れがあります。回答期限までに必ず回答を行うようにしましょう。

相続税についてのお知らせ

家族が亡くなった場合、税務署から「相続についてのお知らせ」と書かれた書類が届くことがあります。このお知らせは、相続税の申告が必要になる可能性がある世帯に届けられる封書です。相続税のお知らせは、相続税が発生する可能性があることを知らせる手紙です。相続についてのお知らせを受け取った場合には、相続財産が相続税の納税が必要になるのかどうか計算をしておきましょう。相続税の納税が必要になる場合は、期日までに申告と納税を行うことが大切です。

また、相続税の申告についてのお知らせが送付されるケースもあります。これは、相続税の申告が必要になる可能性が高い世帯に送付される書類です。この場合も、相続税の額を計算し、申告と納税を正しく行うようにしましょう。

税務調査に関するお知らせ

税務調査を実施する際には、税務署は原則として事前に対象者に連絡をし、調査を実施する旨や調査日時などについて通知を行わなければなりません。一般的には電話で行われますが、電話での連絡が付きにくい場合などは、封書で税務調査の実施についてお知らせする文書が届くこともあります。

文書で税務調査についてのお知らせを受け取った場合は、管轄の税務署に連絡をし、税務調査の日程について調整を行うようにしましょう。また、必要な場合は税理士に対応を依頼すると、税務調査当日に落ち着いて対応することが可能です。

税務調査のお知らせを無視しても調査自体を拒否することはできません。税務署から税務調査のお知らせを受けた場合は、必ず、連絡をして調査日時を調整することが大切です。

その他のお知らせ

お尋ねや事前通知の他、課税事業者に該当していないかといった確認のお知らせや税金の納付書、e-Taxの利用に関するお知らせなどが送付されてくるケースもあるようです。特に対応を求められるものでなければ、内容を確認するだけで問題ありません。

税金の納付を促すお知らせ

納期限までに税金を納付しなかった場合、早急な納付を促す督促状が発送されます。督促状は封書で送られ、納付書も同封されているため、督促状が届いた場合に早急に納税しなければなりません。

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税務署からのお知らせメールの種類

e-Taxを利用して確定申告を行った人の場合、税務署からのお知らせはハガキや封書ではなく、メールで届けられます。e-Taxにメールアドレスを登録している人に対しては「税務署からのお知らせ」または「国税庁からのお知らせ」の件名で、e-Taxのメッセージボックスにお知らせが届いていることが送信されます。

税務署からのお知らせメールには主に、次のような種類があり、それぞれ件名には以下のように記載されます。

申告に関するお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【申告に関するお知らせ】」

e-Taxを利用して納税証明書の請求を行った人へのお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【納税証明書に関するお知らせ】」

e-Taxを利用して開示請求を行った人へのお知らせ

件名「開示請求手続きに関するお知らせ(****様)【開示請求に係る納付番号通知】」

納付完了に関するお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【納付完了に関するお知らせ(納付手続重複)】」

ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の利用者に対するお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【ダイレクト納付口座の登録完了に関するお知らせ】」

件名「税務署からのお知らせ(****様)【ダイレクト納付口座の変更に関するお知らせ】」

「税務署からのお知らせ(****様)【ダイレクト納付完了に関するお知らせ】」

など

予納ダイレクト利用者に対するお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【予納ダイレクト納付完了に関するお知らせ】」

件名「税務署からのお知らせ(****様)【予納ダイレクト納付エラーに関するお知らせ】」

件名「税務署からのお知らせ(****様)【予納日到来のお知らせ】」

など

納付手続完了に関するお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【クレジットカード納付手続完了に関するお知らせ】」

件名「税務署からのお知らせ(****様)【スマホアプリ納付手続完了に関するお知らせ】」

還付申告をした人へのお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【還付金の処理状況に関するお知らせ】」

振替納税に関するお知らせ

件名「税務署からのお知らせ(****様)【振替納税のお知らせ】」

件名「税務署からのお知らせ(****様)【振替納税結果に関するお知らせ】」

この他にも、e-Taxサイトを利用する際の宛名や秘密の質問などの登録に関するお知らせなどが届く場合があります。

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税務署からのお知らせを騙る詐欺が多数発生中

現在、税務署を騙るメールやショートメッセージ、電話などでの詐欺が多数確認されています。国税庁でも不審なメールや電話には十分に注意するよう、警告を発しています。

そのような偽のお知らせメールの多くは、国税庁のホームページに成りすました偽のホームページに誘導し、個人情報を取得しようとしたり、支払いを求めたりするケースが見られます。

詐欺メールの具体例

e-Taxサイトや独立行政法人情報処理推進機構では、国税庁や税務署を騙る詐欺メールの具体例をいくつかご紹介します。

件名:税務署からのお知らせ【宛名の登録確認及び秘密の質問等の登録に関するお知らせ】

内容:国税還付金の電子発行を開始しましたとしたうえで、税金の状況を分かりやすくするため、個人納税アカウントの保有が義務付けられたと語ります。そのため、個人アカウントの登録を有効期限内に行うよう勧め、e-TaxのURLを記載し、クリックするとフィッシングサイトに誘導するような形となっています。

件名:税務署からのお知らせ【e-Tax個人アカウントの登録確認に関する重要なお知らせ】

内容:e-Taxの個人アカウントの登録情報で確認すべきことがあり、期限までに、個人情報の登録を行うように促し、専用リンクに誘導されます。そのリンクがフィッシングサイトであり、個人情報やクレジットカードの情報を搾取されるような内容詐欺メールです。

ショートメール

【国税庁】重要なお知らせ、必ずお読みくださいとのメッセージと共にURLが表示され、クリックすると「差押最終通知」として、納税確認番号と共に納税が済んでいないと訴え、記載の期日までに納税をしないと、不動産や自動車などの債権の差し押さえ処分に着手しますと書かれています。お支払いへと書かれたリンクをクリックすると、フィッシングサイトに誘導される仕組みです。

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税務署からのお知らせの詐欺メールの見分け方

税務署からのお知らせがあった場合、本当に税務署から送付されたお知らせであれば、内容を確認し、必要な対応を行わなければなりません。しかし、詐欺メールの場合、書かれたURLをクリックしてしまうと、フィッシングサイトに誘導されてしまいます。そのため、税務署からお知らせのメールが来た場合には、本当の税務署からのお知らせなのか、偽のお知らせメールなのかを見極めることが重要です。

正しい税務署からのお知らせと詐欺メールの見分け方のポイントをいくつかご紹介します。

送信元アドレスや表記が違う

税務署からのメールは、e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp>という送信元表記で発信されます。この表記と異なる送信元である場合、税務署や国税庁を騙る詐欺メールです。

たとえ、送信元の表記がe-Taxとなっている場合でも、送信元表記を開いてアドレスを確認すると、info@e-tax.nta.go.jpではなく、異なるメールアドレスになっているケースもあります。不審なメールが届いたときには、まずは、送信元のメールアドレスをチェックすることが大切です。

メール本文にURLが記載されているか

e-Taxから送付される税務署からのお知らせメールは、原則として本文内にURLが記載されません。手続きが必要な場合や手続き結果などを確認したい場合は、e-Taxにログインしてマイページ内から確認するように促す文章となります。メール本文内に記載されたURLをクリックし、個人情報の登録や税金の支払いを促すことはありません。

メール本文内に手続きや納付を催促する文面があるか

税務署や国税庁では、メールにおいて手続きや納付を催促することはなく、万が一、税金の支払いが怠っていた場合であっても、メールで督促をされることはありません。督促の必要がある場合は、税務署から封書でお知らせが送付されます。税金未納を伝えるような文面のメールで、早急に支払いを促すようなケースは詐欺です。

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まとめ

税務署からのお知らせが届く場合があります。税務署からハガキや封書で届くお知らせの多くは、確定申告についてのお知らせや還付金についてのお知らせです。また、e-Taxを利用して確定申告を行った人の場合は、税務署からのお知らせというタイトルでメールが送られてくる場合があります。

最近では、税務署や国税庁を騙る詐欺が横行しています。国税庁から送られるメールは全て同一のメールアドレスから送信されており、メール本文に個人情報や支払いを促すURLが記載されていることはありません。

税務署からのお知らせを受け取ったときは、まず、詐欺のお知らせではないかを確認したうえで、税務署からのお知らせであれば適切な対応をとるようにしましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者16万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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