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副業解禁の動きに伴い、本業とは別にダブルワークをしている人も増加しています。ダブルワークをする目的は、収入を増やすため、新しい経験を積むため、時間を有効利用するためなど人それぞれでしょう。しかし、ダブルワークをしている場合、副業分の収入についても税金を納めなければならないケースがあります。
会社員の場合、本業の収入については会社から支給されている給与から天引きされ、会社が納税をしているため確定申告をする必要はありません。しかし、ダブルワークをしている場合は副業分の確定申告が必要になるケースがあります。
今回は、ダブルワークをしている場合の確定申告の必要性や年末調整の扱いなどについてご説明します。
目次
ダブルワークとは、その名のとおり、二つの仕事を掛け持ちして働くことです。ダブルワークに明確な定義があるわけではありません。そのため、正社員として働いている人が、本業とは別にアルバイトなどの仕事をするケースをダブルワークと呼ぶケースもあります。また、アルバイトや派遣社員として働く人が二つの仕事を掛け持つ場合をダブルワークと呼ぶケースもあるようです。
そのほか、会社員として働く人がアフィリエイトなどで収入を得る場合、個人事業主として仕事を受けている場合、不動産投資などで収入を得ている場合もダブルワークと呼ぶケースがあります。
ダブルワークをしている場合で、正社員とアルバイト、アルバイトとアルバイトなどの掛け持ちをしているときなど、2ヶ所以上の会社から給与の支払いを受けている場合もあるでしょう。その場合に、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している会社では、年末調整を行わなければなりません。年末調整とは、1年間の給与支給額が確定した年末に、正しい所得税額を計算し、給与から天引きした所得税と調整をする作業のことです。
年末調整ができるのは一つの勤務先だけで、勤務先では自社が支払った給与に課される所得税の調整のみを行います。したがって、ダブルワークをしている場合、収入が最も多い本業の勤務先で年末調整を受けるケースが一般的です。
また、ダブルワークによって2ヶ所以上から給与を得ている場合は、年末調整を受けていない分の所得税について計算ができないため、確定申告が必要になるケースがあります。
ダブルワークをしている人が必ず確定申告をしなければならないわけではありません。ダブルワークで確定申告が必要になるケースは、以下の条件に当てはまる場合です。
ダブルワークの中でも2ヶ所以上の会社から給与を受け取っている場合は、確定申告が必要です。一つの会社で年末調整を受けている場合、年末調整の対象となるのは、その企業が支払った給与の分だけとなるため、他の会社の収入は含まれていません。所得税や住民税は、1年間の総所得額に対して課される税金です。そのため、ダブルワークをしている場合、年末調整を受けていない勤務先から支払われている給与所得が20万円を超えている場合、確定申告が必要です。
年末調整は、1ヶ所の勤務先でしか受けることはできません。それは、年末調整の際に各種控除を適用させるため、複数の勤務先で年末調整をしてしまうと、控除が重複してしまうため正しい税額を算出できないからです。
誤って2ヶ所以上の会社で年末調整を受けてしまった場合は、確定申告を行い、正しい税額を算出しなければなりません。
ダブルワークをして2ヶ所以上から給与を受け取っていても、どの会社においても年末調整を受けないケースがあります。例えば、アルバイトを掛け持ちしている場合などは、どの勤務先でも年末調整を受けない可能性があるでしょう。この場合も確定申告をしなければなりません。
ただし、アルバイトの掛け持ちをしている場合、確定申告が必要となるのは給与の額が年間160万円を超える場合です。
正社員やアルバイトとしての給与以外に、インターネットビジネスで収入を得ている場合や不動産投資や株式投資などで収入を得ている場合、個人事業主として収入を得ている場合もあるでしょう。その場合、給与以外の所得が年間20万円を超える場合、確定申告をしなければなりません。
ただし、給与以外の収入がある場合、確定申告が必要となるのは、収入の額が20万円を超える場合ではなく、所得額が20万円を超える場合です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。したがって、給与所得以外の収入が20万円を超えている場合でも、経費を差し引いた後の金額が20万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。
ダブルワークをしていても確定申告をする必要がないケースもあります。ダブルワークで確定申告が不要なケースは以下のような場合です。
ダブルワークをし、複数の会社から給与を受け取っている場合でも1年間の給与収入の額を合計し、その額が160万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。基礎控除の適用額95万円と給与所得控除の適用金額65万円を合わせると160万円となり、160万円以下は所得税が課されないのです。そのため、給与収入の合計額が160万円以下の場合、確定申告は不要です。
ただし、給与収入の合計額が160万円以下であっても、確定申告をした方が良いケースがあります。それは、給与から所得税や住民税が差し引かれている場合です。この場合、確定申告を行うと納めた税金が還付されるため、確定申告の義務はないものの、確定申告をした方が良いでしょう。
給与収入以外に収入を得ている人で、給与収入に関しては年末調整を受けている場合、給与以外の所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。
年末調整を受けていない給与所得が20万円以下の場合も確定申告は不要です。
ダブルワークをしている人が確定申告をする場合、いくつか注意しなければならない点があります。ダブルワークの確定申告のポイントを3つご紹介します。
会社員として勤務している場合、年末調整を受けられるため原則として確定申告をする必要はありません。そのため、初めてダブルワークをする人などは、確定申告の経験がないケースもあるでしょう。確定申告はいつでもできるわけではなく、確定申告期間は決まっています。
確定申告期間は、原則として毎年、2月16日から3月15日までです。最終日が土日祝日に該当する場合は、翌平日が期限となります。この間に、前年の1月1日から12月31日までに得た所得について申告をするルールです。
万が一、確定申告期間中に確定申告書を提出せず、納税を行わなかった場合、無申告状態となり、無申告加算税や延滞税などのペナルティが科される恐れがあります。無申告加算税や延滞税が課された場合、本来の税金に加え、ペナルティ分の税金まで支払わなければなりません。また、意図的に確定申告書を提出せず、所得を隠蔽したとみなされた場合は、より税率の重い重加算税が課される場合もあります。重加算税が課されると、本来の税金の1.4倍もの納税が必要になります。
ダブルワークをしており、確定申告が必要なケースに該当する場合は、必ず期限内に申告と納税を済ませるようにしましょう。
ダブルワークをしていても、年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。しかし、これは所得税に関するルールであり、住民税の場合は、納税が必要になるケースがあります。そのため、確定申告は不要であっても、住民税の申告と納税が必要になる可能性がある点に注意が必要です。ただし、確定申告をした場合は、課税所得額の情報が自治体にも伝えられるため、住民税だけの申告をする必要はありません。
副業やダブルワークを認めている企業が増えていても、中には、社員のダブルワークを認めていないケースがあります。会社員の場合、住民税は原則として所得税と同様、給与から天引きされる形で徴収されます。ダブルワークで収入を得ている場合、課税所得額が高くなるため、住民税も高くなります。そのため、確定申告をしたことで住民税の額が前年よりもアップしていると、本業の会社にダブルワークをしていることがバレる可能性があるのです。
会社にダブルワークをしていることを知られたくない場合は、確定申告を行う際に、住民税の納付方法について「自分で納付(普通徴収)」を選択するようにしましょう。この場合、副業の分の所得にかかる住民税については、自宅に納付書が送付され、会社に知られることなく住民税を納付することが可能です。
ただし、自治体によっては普通徴収を認めていないケースもあるため、心配な場合は事前に自治体の窓口に確認するようにしましょう。
ダブルワークで確定申告が必要な場合の手続き方法をご紹介します。
確定申告をする場合は次の書類の準備が必要です。
・源泉徴収票(会社から給与を受け取っている場合)
・支払調書(個人事業主やフリーランスとして報酬を受け取っている場合)
・確定申告書
確定申告書の作成方法には、手書きで作成する方法とパソコンやスマートフォンで作成する方法があります。手書きの確定申告書を作成する場合は、税務署の窓口や国税庁のホームページから確定申告書を入手します。パソコンやスマートフォンを使って作成する場合は、国税庁の確定申告書作成コーナーの利用が可能です。
必要事項を記入し、確定申告書を作成していきます。
確定申告書が完成したら、申告期間内に提出をします。提出先は、住所地を管轄する税務署です。
紙の確定申告書を作成した場合は、税務署に持参して提出するか、郵送で提出をします。また、パソコンやスマートフォンを使って作成した場合は、e-Taxでオンライン申請をするか、作成した申告書をプリントアウトして持参や郵送で提出することも可能です。
税務署に持参する場合は、本人確認書類を窓口で提示しなければなりません。また、郵送で提出する場合には、本人確認書類のコピーを同封する必要があります。e-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提出は不要ですが、マイナンバーカードが必要となります。
確定申告書の提出とともに、所得税についても期間内に忘れず納付するようにしましょう。
ダブルワークの収入があり、確定申告が必要であるにもかかわらず、確定申告をしない状態は、無申告の状態に該当します。税務署では、無申告者に対し、厳しく調査を行っています。特に、昨今ではアフィリエイトやフリマアプリなどによって、インターネットで収入を得ているにも関わらず、確定申告をせず、無申告状態を続けている人が多く見られます。税務署では、納税の不公平を解消し、正しい納税を促すため、無申告者に対しては積極的に税務調査を行っています。
税務調査で確定申告をしておらず、正しく税金を納めていないことが発覚した場合、無申告加算税や延滞税の納税が求められます。さらに、悪質な場合は、より税率の重い重加算税が課される可能性があるほか、脱税の罪で裁判に訴えられる可能性も出てきます。
ダブルワークをしており、確定申告が必要な要件を満たしている場合は、必ず期限内に確定申告をすることが大切です。
ダブルワークをしている人の多くは、確定申告が必要です。ただし、年間の給与収入の合計額が160万円以下の場合や年末調整を受けていない分の給与所得や給与所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告をする必要はありません。
ダブルワークをしている場合は、確定申告の必要があるかどうかをしっかりと確認したうえで、必要な場合には期間内に確定申告と納税を正しく済ませるようにしましょう。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
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