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2025年12月、女性インフルエンサーが脱税行為で起訴されたニュースが年末の話題となりました。
インフルエンサーはどのような行為が脱税とみなされるのでしょうか。脱税したとなぜバレるのか、注意したいリスクにはどんなものがあるのかも気になるところです。
この記事では、インフルエンサーが脱税行為とみなされやすいリスクや注意点に加え、知っておきたいポイントや対策について解説しています。
目次
そもそもインフルエンサーとはどのような人なのか、インフルエンサーと呼ばれる定義や収入を得る方法などについて解説します。
インフルエンサー(influencer)とは、社会や多くの人々に対する影響力を持っている人物のことをさし、英語で「影響」の意味を持つ”influence”が語源となっています。
一般的には、SNSなどを通じて情報発信を行い、発言や行動の魅力や信頼性、特定分野に対する知見などから多くのフォロワーを獲得しているアカウント保有者であることが多いでしょう。
インフルエンサーが収入を得る方法には、以下のようなものが挙げられます。
・広告収入
SNSやメディアへの投稿が視聴された際に広告が表示され、インプレッション数に応じて報酬が得られる仕組みによる収入です。
収入は視聴回数1回あたり0.1~0.5円程度といわれていますが、フォロワー数や高評価の数などによっても金額は異なるようです。
・PR案件
企業からのオファーを受け、インフルエンサーが自身のアカウントから商品を紹介することで、フォロワーや投稿を見た人の興味や関心、購買欲を促すことや、商品購入やイベント、サービスへの加入、参加などへ繋げることなどで得られる報酬です。
1回の投稿あたりで報酬が出るケースと、視聴回数や拡散数に応じて報酬が出るケース、購買や参加などの行動に繋がった場合に得られる成果型などに大きく分けられます。
・投げ銭(チップ)
投稿やライブ配信を視聴した人から、応援として直接投げ銭(チップ)などを送られて得る収入です。
・有料配信、サブスク、オンラインサロンなど
自身の配信を有料やサブスクにするほか、自身が主催するオンラインサロンやイベントへの参加料などで得られる収入です。
・商品プロデュース
自身が監修、プロデュースした商品やグッズを販売することで得る収入です。
この他にも、フォロワー数が多く影響力が大きいインフルエンサーの場合、他メディアへの出演料や書籍出版による印税収入などへ繋がる場合もあります。
どこまで影響力を持っているとインフルエンサーといえるのかについては厳密でない部分もありますが、フォロワー数に応じて以下のように分けられています。
・ナノインフルエンサー:フォロワー数1,000~1万
・マイクロインフルエンサー:フォロワー数1~10万
・ミドルインフルエンサー:フォロワー数10~25万
・マクロインフルエンサー:フォロワー数25~100万
・メガインフルエンサー:フォロワー数100万以上
ナノインフルエンサーやマイクロインフルエンサーなど、比較的小規模のアカウントを運営しているインフルエンサーは、影響力や拡散力は限定的であるものの、親しみやすさや距離の近さなどが魅力となり、フォロワーからの応援や投げ銭などを早期から得られることもあります。
ミドルに近づくあたりからPR案件などのオファーが増え、更にマクロインフルエンサーやメガインフルエンサーとなれば案件あたりの報酬も高額となり、商品プロデュースや企業とのコラボ、書籍出版といった道も開けやすくなるようです。
インフルエンサーとして知名度が高くなるとさまざまな収入や報酬を得る機会があるため、事業所得として適正な申告をしていない場合、脱税とみなされるリスクが高まります。どのような行為が脱税とみなされるリスクとなるかについて見ていきましょう。
企業からPRなどの案件連絡を受ける際に、商品などが無償で提供されることがあります。税務上は、こうした無償提供の商品も市場価格で利益計上する必要があります。
特に高額な商品の提供を多数受けた場合は、忘れずに申告しないと所得隠しとみなされる可能性があるでしょう。
インフルエンサーとして収入を得た場合、撮影用のカメラや編集ソフトなど、動画投稿に必要な機材や小物、撮影スタッフへの人件費やスタジオレンタル代、撮影場所までの交通費や事務所として使用している物件の家賃などを経費として計上することができます。経費は所得を計算する際に収入から差し引くことが可能です。
しかし、インフルエンサーとしての収入に関係のない飲食代や交通費、衣装なども経費に入れると、税務調査で指摘され脱税とみなされてしまいます。
実際には外注していないスタッフへ架空の報酬を払ったことにしたり、実際よりも多くの報酬を払ったように偽装したりすることは脱税にあたるだけでなく、悪質とみなされた場合は刑事罰の対象となる可能性もあります。
税務調査では、銀行口座の履歴確認や、取引先・外注先への照会(反面調査)などから、架空計上は高い確率で発覚すると考えた方がよいでしょう。
事務所などに雇用されて完全な給料制としている場合を除き、インフルエンサーとして収入を得た場合は、事業所得として申告する必要があります。
インフルエンサーとしての所得を含め、事業所得が年間20万円を超えている場合には、確定申告が必要です。
税務調査で無申告を指摘される場合は、何年も遡って脱税しているとみなされる可能性が高くなります。
「〇万円稼いだ」「高級ブランドバッグを買った」など、収入の報告や高額な買い物などを動画や投稿などで発信していると、税務署などからマークされ、収入源などについて税務調査で追及されることもあります。
上記のような脱税とみなされるリスクのある行為がバレる理由には、以下のようなものが挙げられるでしょう。
税務調査の対象となった場合、税務調査官は対象者のSNSアカウントなどもチェックします。動画からは何件の案件を受けているか、視聴回数あたりどの程度の広告収入を得ているかなどもわかるため、収入や所得に相当する申告が行われていない場合、申告漏れや脱税を疑われる可能性が高まります。
税務調査官がSNSをチェックする以外にも、収入や高額な買い物に関する投稿を見た人や、SNS以外に口頭で話した内容を聞いた人などから税務署にタレコミが入り、脱税が疑われるケースもあるでしょう。
特にインフルエンサーは人気商売の1つであるため、ファンも増える一方でアンチと呼ばれる批判的な人や嫌悪感のある人、攻撃的な人なども一定数存在します。
「あのインフルエンサーは詐欺行為を働いている」「経費を水増ししている」など、匿名で大げさに密告される可能性もあるため注意が必要です。
インフルエンサーとして収入を得ているにも関わらず確定申告を行っていない場合、税務署では高い確率でその事実を掴んでいると考えた方がよいでしょう。
「特に申告していないけど、何年も税務調査にあっていない」という場合も、ひとたび税務調査の対象となれば、3年から5年、最大で7年まで遡って無申告を指摘される可能性があります。
期限を過ぎても申告・納税を行っていない場合、その期間が長引くほど延滞税や重加算税など重いペナルティの対象となりやすいでしょう。
取引先の企業やインフルエンサーへ税務調査が入った場合、報酬の支払先への送金情報などから脱税がバレる場合も少なくありません。
自身の税務調査で申告している報酬の金額や経費と、相手側の申告内容に相違などを指摘された場合、相手側の税務調査から発覚しているケースもあるでしょう。
インフルエンサーとして脱税のリスクを回避する方法と知っておきたい対策方法について解説します。
過去の収入を申告していない時期については、できるだけ早い段階で申告・納税を行い、無申告の期間がないようにすることが大切です。
税務調査で無申告を指摘される前に自主的に申告することで、ペナルティを軽くできる可能性があります。
税務調査対応や無申告の解消などの実績が豊富な税理士へ相談するなどして、早めに申告するようにしましょう。
無申告の時期がなかったとしても、過去に申告した内容に申告漏れがある場合には、これも解消しておいた方がよいでしょう。
無申告と同様に、申告内容に不審点がある場合も、税務調査の対象となる可能性があります。うっかりミスや計算間違いであったとしても、所得隠しや水増し計上を疑われる原因となりかねません。
過去に申告した内容に不安がある場合は、専門家のサポートを受けることも検討してみましょう。
「〇万円も収入があった」「高級車を買った」といった収支は細かく公表せず、自慢話に聞こえるような話も控えるようにします。
実際に高額な買い物自慢の投稿をSNSで行い、税務調査のきっかけとなったインフルエンサーの事例もあります。SNSに投稿せず、オフラインによる話だったとしても、第三者からのタレコミのリスクがあるため注意しましょう。
「国税の税務調査でインフルエンサーが起訴」「多額の追徴課税が発生」といったニュースを見ると、税務調査は怖いもののように感じるかもしれません。しかし、実際に国税局査察部が乗り込んでニュースになるような事例は稀で、数千万円や億単位の脱税行為が発覚した場合となります。
多くの税務調査は税務署による任意調査が一般的で、適正な申告と納税が行われているかを指導する目的で実施されるものです。
仮に税務調査の連絡を受けたとしても、所得隠しや脱税などを行っていなければ必要以上に怖がる必要はなく、調査も数日程度で穏やかに進められることが多いでしょう。
税務調査への対策としては
・毎年期限内に申告と納税を行う
・帳簿や領収書、請求書などの書類は月別、科目別にファイリングして管理する
・計算間違いがないか、科目の思い違いや計上漏れがないかを確認する
・税制の正しい知識を身につける
・不安な場合は税理士へ相談する
といった点が重要となります。
脱税の疑いをかけられないためには、適正な申告・納税に加え、疑われた際に毅然と説明できるか、提出できる証拠があるかも重要なポイントとなります。
また、毎年改正される税制について最新情報を正しく理解し、改正された内容に沿った申告を行うことも大切です。
「少額なので申告しなくていいと思っていた」「バレないと思って申告を怠っていた」「自分のケースが脱税にあたるのかわからない」といった不安や悩みがある場合は、税理士法人松本へご相談ください。
税理士法人松本では、インフルエンサーを含む個人事業主の無申告や修正申告、税務調査へのスポット対応などへの豊富な実績があり、10名以上の国税OB税理士が在籍しています。
現在顧問にしている税理士に相談できない内容や「レシートがない」「書類を管理していない」といったケースでも丁寧に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
インフルエンサーは広告収入やPR案件、投げ銭といった収入を得やすくなっている一方で、SNSへ私生活を公表しているケースも多く、派手な生活や収支の公表などから税務署に目をつけられたり、第三者から脱税の疑いについて密告を受けたりするリスクも多くなっています。急に収入が増え、税務署から連絡を受けるケースもあるでしょう。
まずは自身のケースが無申告や脱税に該当しているかを確認し、必要に応じて専門家のサポートも受けながら適正な申告と納税を行うことが、脱税によるリスクを回避するために大切となります。
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この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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