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法人に税務調査が入る確率はどのくらい?実施時期はいつ頃が多い?

読了目安時間:約 6分

知り合いの会社に税務調査が入ったという話を耳にすると「自分の会社にも税務調査が入るのでは」と不安になることも多いでしょう。納税の義務のある法人であれば、税務調査の対象に選ばれる可能性があります。しかし、これまで税務調査が入ったことがない法人などでは、どのくらいの確率で税務調査の対象に選ばれているのか、いつ頃税務調査が行われるケースが多いのか、疑問に思うケースもあるようです。

法人に対する税務調査の実態を把握しておけば、万が一、自社に税務調査が入った場合に向けた対策も準備しやすくなるでしょう。

今回は、法人に税務調査が入る確率や実施時期、税務調査が入った場合の対策などについて解説します。

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法人に税務調査が入る確率とは?

期限内に正しく申告を行っていても、いつか税務調査が入るかもしれないと思うと、処理方法に誤りはなかったか、調査で追徴課税がなされないか不安に感じるケースも少なくないはずです。では、法人に対する税務調査はどの程度実施されているのでしょうか。

令和6事務年度の法人に対する税務調査の実施状況

国税庁では、毎年、法人に対して行った税務調査の結果を「法人税等調査実績の概要」として公表しています。令和7年12月に公表された「令和6事務年度 法人税等の調査実績の概要」に示されている調査結果は次のとおりです。

<法人税に対する税務調査の実施件数>

・実地調査件数 54,000件

・非違があった件数 42,000件

・不正計算があった件数 13,000件 うち申告漏れ所得金額 8,198億円

・不正所得金額 2,980億円

・追徴税額 2,187億円 うち加算税額 350億円

・不正発見割合 23.5%

・調査1件あたりの申告漏れ所得金額 1,508.2万円

・不正1件あたりの不正所得金額 2,336.7万円

・調査1件あたりの追徴税額 402.3万円

この調査の結果を見ると、法人税についての税務調査は54,000件実施され、そのうち42,000件に非違が見られたといいます。つまり、税務調査の対象となった法人のうち77.8%に何らかのミスや不正による非違が見られたということです。また、そのうち不正を行っていた法人の割合は23.5%であることが分かります。

参照元:国税庁「令和6事務年度 法人税等の調査実績の概要」

令和6事務年度に法人に税務調査が入った確率は?

国税庁では「令和6事務年度法人税等の申告(課税)実績の概要」において、法人税の申告件数について報告をしています。これによると令和6事務年度の法人税の申告件数は322万件です。単純に計算すると322万件の法人のうち、法人税の税務調査を受けた法人の数は54,000件であるため、法人に税務調査が入る確率は約1.68%となります。

ただし、税務署では「簡易な接触」による調査に力を入れています。簡易な接触の実施件数は、令和5事務年度は75,000件であったのに対し、令和6事務年度には約13.3%増の85,000件と実施数が増加中です。また、簡易な接触による法人税と消費税の申告漏れ所得金額は合計565億円、追徴課税額は265億円となっており、簡易な接触でも相当額の申告漏れが見つかっていることが分かります。

参照元:国税庁「令和6事務年度法人税等の申告(課税)実績の概要」

税務署の簡易な接触とは?

実は、税務調査の実地件数は徐々に減少しています。これは、効率よく申告内容の不備を指摘し、正しい納税を進めるために簡易な接触に力を入れているためです。

簡易な接触とは、実地調査のように調査官が現地を訪れるのではなく、電話や手紙などを通じて申告内容の軽微なミスや計算の誤りなどを指摘し、自主的な修正を促すものです。また、中には、税務署への来署を促し、税務署においてヒアリングが行われる場合もあります。

簡易な接触では、調査官が訪問するよりも多くの納税者に対して指導を行い、正しい納税を促すことが可能です。そのため、最近では簡易な接触による調査が増えています。

ただし、簡易な接触が増えていても、法人に対する税務調査がなくなるわけではありません。税務署からの指摘を無視し、修正申告を行わなかった場合には税務調査に発展する可能性があります。もし、法人宛に税務署から電話や手紙で申告内容についての確認や指摘があった場合は、必ず内容を確認し、適切に対応するようにしましょう。

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法人に税務調査が入りやすい時期とは?

繁忙期に税務調査が入れば、業務に支障が出る可能性があります。では、税務調査が実施されやすい時期は決まっているのでしょうか。

税務調査が入る時期は決算期によって変わる

法人の税務調査がいつ入るのか、明確なルールが定まっているわけではありません。しかし、法人の決算期によって税務調査が入る時期はある程度決まるケースが多いようです。例えば、決算期が2月~5月の法人の場合、決算から数ヶ月が経った9月~12月頃に税務調査が実施されるケースが多く見られます。また、6月~1月に決算期がある法人の場合は、4月~6月の間に実施されることが多いようです。

これは、国税庁の事務年度は7月~翌年の6月までの1年間に設定されており、年度末には人事異動があること、1~3月は個人の確定申告業務で忙しいことなどが関係していると考えられます。

日本の法人の場合、3月を決算期としているケースが最も多くなりますが、この場合は9月~12月の時期に調査が実施される可能性が高くなるといえるでしょう。

時期に関わらず税務調査の対象となる場合も

法人を対象とした税務調査の時期が明確に決まっているわけではないため、必ず、上に紹介した時期に税務調査が入るとは限りません。税務署ではさまざまなルートから不正に関する情報を収集しています。ときには、内部告発など、タレコミによって脱税情報が寄せられる場合もあります。そのため、何かしら不正を行っている疑いが強まった場合などは、時期を問わず税務調査が実施される可能性がある点には注意が必要です。

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税務調査が入りやすい法人と税務調査が入りにくい法人の違い

法人に税務調査が入る確率は約1.68%であるとご紹介しました。この数字を見ると、税務調査にあたる頻度は、約60年に1回ということになります。しかし、実際には、頻繁に税務調査の対象になっている法人もあれば、長年、税務調査が入っていない法人もあります。税務調査が入りやすい法人と税務調査が入りにくい法人には何か違いがあるのでしょうか?

税務調査が入りやすい法人の特徴

税務調査が入りやすい法人は、税務調査を実施することで何らかの不正やミスが発覚しやすい法人です。また、不正やミスが発覚したことで、納税額に大きな影響が出やすい法人も対象に選ばれやすくなります。

具体的には次のような法人は、税務調査に選ばれる確率が高くなるでしょう。

・事業規模が大きい

・売上が急激に下がっている、または上がっている

・同業他社に比べて利益率が極端に低い

・毎年わずかに赤字の状態が続いている

・過去に税務調査で追徴課税を受けている

・急激に売上を伸ばしている

・不正が多い業種を営んでいる

税務調査が入りにくい法人の特徴

税務調査が入りにくい法人は、正しく申告と納税をしている可能性が高く、税務調査を実施しても不正を発見しにくい法人です。

具体的には以下のような法人は、税務調査が入りにくいと考えられます。

・過去に税務調査を受けたけれど、何の問題もなかった法人

・事業規模が小さく、売上高もあまり大きくない法人

・事業規模や業種から適正な額を納税していると考えられる法人

・申告内容に不備が見当たらず、税理士が関与している法人

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法人に税務調査が入った場合の流れ

税務調査には税務署の調査官によって実施される任意調査と国税査察部によって実施される強制調査の2種類があります。強制調査は、多額の脱税などが疑われる際に実施される調査であり、いわゆる税務調査と呼ばれるものは税務署による任意調査です。

強制調査と任意調査では、調査開始から終了までの流れに違いがあります。ここでは、任意調査の流れについてご紹介します。

事前通知が入る

まず、税務調査が行われる前には、原則として税務署から事前通知がなされることになっています。事前通知は電話で入るケースが一般的であり、税務調査に入る旨や調査の日程、調査対象の税目、調査対象期間などが伝えられます。

ドラマなどで、突然、調査官がオフィスを訪れ、いきなり調査が開始され、従業員が呆然とその様子を眺めているといったシーンを目にしたことがある方も多いでしょう。しかし、任意調査が事前の通知なく行われることはほとんどありません。突然、有無を言わさずに調査が実施されるのは、裁判所の令状をもって実施される査察調査です。

事前通知は会社に入りますが、顧問税理士がおり、税理士が税務代理権限証書を添付して申告書を提出している場合は税理士宛に連絡が入ります。

任意調査であっても調査自体を拒否することはできませんが、日程については相談することが可能です。業務で都合がつかない場合や税理士への立ち会いを依頼したい場合などは、納税者側の都合を伝え、日程を調整してもらうこともできます。もし、顧問税理士がいない場合でも、税務調査だけにスポット対応できる税理士に立ち会いを依頼したいケースもあるでしょう。その場合は、税理士の都合を確認したい旨を調査官に説明し、税理士を探したうえで日程を相談し、税務署と調整を行うようにしましょう。

必要書類を準備する

事前通知を受ける際には、調査官から準備すべき帳簿や書類についての指示があります。そのため、事前に必要な書類を準備し、内容を確認しておくと、調査時にも慌てずに対応できる可能性が高くなります。

また、税務調査の際に何らかの不備が発覚した場合、事前に指示されていた帳簿や書類以外にも追加で提出を求められる場合も少なくありません。そのため、帳簿や書類については最低でも過去5年分は準備をしておくとよいでしょう。

また、税理士に対応や立ち会いを依頼する場合は税理士と相談しながら、打ち合わせをしておくと安心です。

税務調査の実施

税務調査当日になると、約束の時間に調査官が訪れます。法人の場合は、規模にもよるものの、一般的には2日程度にわたって調査が実施されるケースが多くなっています。

まずは、事業の内容や昨今の業績、取引先の状況などについてヒアリングがなされることが多いようです。何気ない質問であっても、調査に関連する内容を確認しているケースが多いため、質問に対しては正直に答えるようにしましょう。

また、帳簿や書類などを確認しながら、売上や経費、在庫の管理状況などについて質問がなされる場合もあります。質問に対して分かる場合で回答すれば問題はありませんが、答えにくい質問なども出てくるかもしれません。そのような場合、税理士に立ち会いを依頼していれば、税理士が納税者に代わり、調査官に分かりやすく処理内容について説明してくれるでしょう。

実地調査終了後、すぐに税務調査が終わるわけではありません。税務署内で調査が続けられる場合もあり、実地調査の後も何らかの質問を受けるケースもあります。

調査結果の通知

全ての調査が終了すると、税務署から調査結果が通知されます。申告内容に不備が見当たらない場合はそのまま調査は終了します。また、税務署から不備を指摘された場合、指摘内容に納得したら不備がある箇所を修正し、不足分の税金を納税することになります。ただし、この際、納税額が不足していることに対するペナルティ、納税が遅れたことに対するペナルティとして過少申告加算税や延滞税などの納付も求められる点に注意が必要です。

また、悪質な仮装隠蔽行為が見られた場合は、過少申告加算税ではなく、より税率の重い重加算税が課される可能性もあります。

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まとめ

法人に対して税務調査が実施される確率は決して高くはありません。しかし、税務調査によって不備や不正が発覚する確率はかなり高く、税務署では何らかの情報をもとに税務調査の対象となる法人を選んでいる可能性が高いといえるでしょう。

税務調査の対象となれば、準備や当日の対応、その後の修正申告に多大な時間と手間を取られます。また、調査で不備や不正が発覚すればペナルティとして追徴課税がなされるリスクもあります。

正しく申告を行っていれば、税務調査の対象となるリスクは抑えられます。処理に不安がある場合は税理士への相談をおすすめします。正しい申告こそが最大の税務調査対策になるといえるでしょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

登録者20万人以上のYouTubeチャンネル「税理士法人松本〜税金の裏のウラ〜」を運営。 代表を務める税理士法人松本では、これまでに累計5,000件を超える税務調査のご相談・対応実績があり、国税局査察部、税務署長歴任者・税務調査一筋の現場に強い国税出身のOB税理士が現在14名常駐。
国税当局側の視点を踏まえて、お客様の立場を尊重し、税務調査でお悩みのお客様に適切かつ迅速に対応。また、調査前・調査中に関わらず、あらゆる状況から最善のサポートが可能。
なお、調査結果が追徴税額なしとなる実績も多数取得。税務調査における専門性・経験則・折衝力から最善の結果を導き、お客様の笑顔とありがとうを励みに成長し続けている。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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